階層別研修のカリキュラム・企業事例20選|効果的な実施のコツもご紹介
階層別研修は、階層ごとに求められるスキルやマインドを習得するために実施されます。
階層ごとに必要なスキルやマインドは多岐にわたり、どの階層にどのテーマで研修するかは企業によって異なります。
本記事では、階層別研修のカリキュラム・企業事例20選や階層別研修を効果的に行うコツなどを紹介します。自社の階層別研修のカリキュラムを作成、改善する際にぜひお役立てください。
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目次[非表示]
- 1.新入社員研修の事例
- 2.新入社員研修のカリキュラム例
- 3.若手社員研修の事例
- 4.若手社員研修のカリキュラム例
- 5.中堅社員研修の事例
- 6.中堅社員研修のカリキュラム例
- 7.管理職研修の事例
- 8.管理職研修のカリキュラム例
- 9.役員研修の事例
- 10.階層別研修を効果的に行うコツ
- 11.階層別研修を廃止した方がいい場合
- 12.階層別研修ならアルーにお任せください
新入社員研修の事例
新入社員研修では、学生時代からの意識転換を進めるとともに、社会人として求められる積極性や挑戦心を養う必要があります。
アルーがこれまでに支援した新入社員研修のなかから、特に参考となる事例を2つピックアップしてご紹介します。
なお、新入社員研修の設計方法は以下のページで詳しく解説しています。
『“面白い”と”為になる”を両立する新入社員研修のカリキュラムの作り方』
伊藤忠商事株式会社様新入社員研修
伊藤忠商事株式会社様では、学生から社会人への意識転換や志の明確化、相手の期待水準を超える意識を持って働く意識の獲得を目的に、3週間に及ぶ新入社員研修を実施しました。
研修前に社会人としての意識転換ができていないという課題があったため、スキルのインプット前にマインドチェンジを狙った演習を実施しました。
マインドを醸成した段階で、報連相やロジカルシンキングなどのビジネススキルへとステップアップしていきました。
本事例のプログラム詳細は、以下のページからご確認できます。
【伊藤忠商事株式会社導入事例】相手の期待を徹底的に考え行動できる新入社員へ
第一生命保険株式会社様新入社員研修
第一生命保険株式会社様では、「つながり」「たくましさ」「しなやかさ」の3点を備えた新入社員の育成を目標として、階層別研修を実施しました。
本事例では、全2週間の研修日程のうち冒頭の2.5日間をインプットに充てています。
社会人として求められるマインドの獲得を促すとともに、振り返りの習慣をつけてもらうことを心がけました。
「今日何ができて、何ができなかったのか」を毎日考える習慣をつけることで、自律的に成長できる新入社員の育成を狙っています。
本事例のプログラム詳細は、以下のページからご確認できます。
「つながり」「たくましさ」「しなやかさ」を備えた新入社員への育成(第一生命保険株式会社導入事例)
新入社員研修のカリキュラム例
ここでは、新入社員研修のカリキュラム例をご紹介します。
なお、アルーの提供している新入社員研修のカリキュラムは、以下の表から確認できます。
内定者研修(10月) |
導入研修(4月前後) |
1年目フォロー研修(10月) |
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チームビルディング |
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マインド |
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思考力・業務遂行力 |
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eラーニング |
詳しくは下記のページで確認できるので、併せてご覧ください。
新入社員研修のプログラム詳細
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新入社員研修で特におすすめのテーマは、「ビジネスマナー研修」と「学生から社会人への意識転換」です。それぞれ詳しく説明します。
ビジネスマナー研修
ビジネスマナーは、新入社員研修で必須の内容です。
身だしなみや挨拶、表情から立ち居振る舞いまで、幅広い内容を学んでもらう必要があります。
ビジネスマナー研修を設計する際には、知識のインプットだけでなく、ロールプレイングを豊富に取りいれましょう。配属後すぐに、電話応対や名刺交換ができるようになっているレベルが求められます。そのためには、実践を積み重ね、慣れてもらうことが重要です。
アルーの提供しているビジネスマナー研修は、以下のページから確認できます。
ビジネスマナー研修のプログラム詳細
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学生から社会人への意識転換
学生から社会人への意識転換も、新入社員を対象とした階層別研修では取り扱いたい内容の一つです。
学生時代の気分が抜けないまま仕事に臨んでしまうと、「主体性がない」や「指示待ちになってしまう」といった課題が発生します。
自ら仕事に向き合っていく姿勢を構築し、社会人としての自覚や責任感を持って仕事に取り組んでもらえるようにしましょう。
アルーの提供している社会人への意識転換プログラムは、以下のページからご覧ください。
学生から社会人への意識転換のプログラム詳細
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若手社員研修の事例
若手社員研修では、主体性やコミュニケーション力といったビジネススキルの育成を本格的に始める必要があります。
では、若手研修の事例を見ていきましょう。
なお、アルーの提供している若手社員研修の詳細は、以下のページをご覧ください。
若手社員研修のプログラム詳細
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自身の個性や強みを活かして主体的に行動するための研修
サービス業のA社では、自身の個性や強みを活かして主体的に行動するための研修を実施しました。
徐々に経験値が積み上がっていく若手社員の時期には、一通り業務を経験したことによるマンネリ化や飽きを経験しがちです。
このような課題へ対処するため、本事例では自己マスタリーで自己理解を深めてもらうなど、若手社員の主体性を引き出すための仕掛けを豊富に用意している事例です。
本事例の詳細は、以下のページをご覧ください。
自身の個性や強みを活かし、課題解決に向けて主体的に行動するための研修事例
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コミュニケーション研修事例
インフラ業のB社では、若手社員が現場の中堅者として水平方向や垂直方向のコミュニケーションを取る必要があると考えていました。
そこで、上司やメンバーに働きかけて支援を得られるコミュニケーションスキルについて学ぶ研修を実施しました。
8.5時間の研修のなかで、まずはソーシャルスタイル診断を実施して自分のコミュニケーションスタイルの特徴を理解してもらいました。
その後、結果を見ながら自分にあったコミュニケーションの確立を目指し、コミュニケーションスキルの獲得に取り組んでいます。
本事例の詳細は、以下のページをご覧ください。
上司、メンバーに働きかけ支援を得られるコミュニケーションの考え方とスキルを学ぶ研修事例
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若手社員研修のカリキュラム例
ここでは、若手社員研修のカリキュラム例をご紹介します。
アルーの提供している若手社員向け研修の一覧は、以下の表をご覧ください。
分類 |
内容 |
人・組織を動かす力 |
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思考力・業務遂行力 |
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マインドセット |
若手社員研修で特におすすめのテーマは「ロジカルシンキング研修」と「キャリアデザイン研修」です。以下で詳しく解説します。
ロジカルシンキング研修
若手社員向け研修では、ロジカルシンキングを扱いましょう。
ロジカルシンキングとは、あらゆるビジネスの基礎となる重要な能力です。
相手へ分かりやすく報告する際にロジカルシンキングが役立つほか、相手を納得させられるようなプレゼンを実施するときもロジカルシンキングの能力が必要です。
アルーの提供しているロジカルシンキング研修の詳細は、以下のページからご覧ください。
ロジカルシンキング研修のプログラム詳細
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キャリアデザイン研修
若手社員研修では、キャリアデザイン研修を実施するのも良いでしょう。
業務のマンネリ化や飽きを経験しがちな若手社員は、将来のキャリアへの不安を抱くことも少なくありません。
キャリアの不安を解消し、離職するきっかけを減らすのに役立つのがキャリアデザイン研修です。
キャリアデザイン研修を実施して自分のこれまでの経験を振り返り、これからの成長を描いてもらいましょう。
キャリアデザイン研修の詳細は、以下のページからご覧ください。
『キャリアの可能性を拡げる 20代社員向け』のプログラム詳細
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中堅社員研修の事例
中堅社員は、現場で中核的な役割を担うとともに、管理職として活躍するための土台をつくる重要な時期です。
中堅社員研修では、エキスパートとしての役割認識やチーム視点の獲得を扱うと良いでしょう。
下記では、中堅社員研修の事例をご紹介します。
エキスパートとしての役割を理解し、スキルを身につける研修事例
サービス業のC社では、サービスの品質向上や人材定着に貢献できる組織体制を整えるため、中堅社員などを対象としてエキスパートとしての役割認識を深める研修を実施しました。
研修は第1回から第3回までに分けて実施され、それぞれの間に現場での実践期間が設けられています。
それぞれの研修では、メンバーを指導する際の自分の態度と言動や、エキスパートとして信頼されるための行動について考えてもらいました。
研修の合間に現場での実践期間を設けているため、実務とのスムーズな接続に成功した事例です。
本事例の詳細は、以下のページからご覧ください。
会社の一員としての自覚を持ち、会社の方針を自分の言葉で伝えられる中堅社員育成例
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チーム視点を身につける研修事例
インフラ業のD社では、中堅社員にチーム視点を獲得してほしいという目的から、チームに貢献するための行動を引き出す研修を実施しました。
本研修では中堅社員のみならず、中堅社員の上司にもプログラムを提供しているのが最大の特徴です。
上司に研修内容を共有してどのような観点からフィードバックしてほしいのかを伝えておくことで、現場で効果的に実践できるしくみをつくりました。
中堅社員本人を対象とした研修では担当業務の再定義や行動計画の立案に取り組んでいます。
本事例の詳細は、以下のページからご覧ください。
自身の業務を捉え直し、チームの目的に貢献する為の行動が出来る中堅社員育成例
▼事例資料ダウンロードはこちら
中堅社員研修のカリキュラム例
ここでは、中堅社員研修のカリキュラム例を紹介します。
アルーの提供している中堅社員向け研修の一覧は、以下の表をご確認ください。
分類 |
内容 |
人・組織を動かす力 |
|
思考力・業務遂行力 |
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マインドセット |
詳しくは下記のページでご確認ください。
中堅・リーダー層研修のプログラム詳細
▼サービス資料ダウンロードはこちら
中堅社員には「キャリアデザイン研修」と「リーダーシップ研修」をぜひ実施しましょう。それぞれ以下に解説します。
中堅社員向けキャリアデザイン研修
中堅社員向けの階層別研修では、キャリアデザインを扱うと良いでしょう。
中堅社員のなかには、「なんとなくキャリアの方向性をイメージできているが、実現のためにどう踏み出せば良いのか分からない」「生き方から働き方を考えることができない」といった課題を抱えている社員が少なくありません。
キャリアデザイン研修を通じてどのようにキャリアに対して主体性を発揮していくのかを学んでもらい、キャリアプランの実現に向けた一歩を踏み出すきっかけを提供しましょう。
アルーの提供している中堅社員向けのキャリアデザイン研修は、以下のページから確認できます。
「キャリアを切り拓く 30代社員向け」のプログラム詳細
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率先型のリーダーシップ
率先型のリーダーシップも、中堅社員研修でぜひ取り上げたい内容です。
率先型のリーダーシップとは、チームが目的を達成するためにプロフェッショナルとして自信を持って決断し、率先して行動するリーダーシップを指します。
徐々に現場でリーダー的な役回りを任されることも増える中堅社員では、リーダーとしての期待役割を十分に理解できていないケースが多いです。
研修を通じてリーダーに求められるミッションを理解し、自分なりのリーダーシップの発揮方法を習得してもらいましょう。
アルーの提供している率先型のリーダーシップを開拓するための研修は、以下のページから確認できます。
「率先型のリーダーシップ」のプログラム詳細
▼サービス資料ダウンロードはこちら
管理職研修の事例
管理職を対象とした研修では、マネジメントやリーダーシップについて受講者の経験や価値観を棚卸しながら、新たな考え方やスキルを身につけていくことが重要です。
下記では、管理職研修の事例をご紹介します。
なお、有意義で実効性の高い管理職研修を企画するためのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
『もう「意味のない管理職研修」とは言わせない!研修企画のポイント』
株式会社ネットドリーマーズ様 評価者研修事例
株式会社ネットドリーマーズ様では、管理職の評価能力を平準化し、共通認識を持ってもらうことを目的として管理職を対象とした評価者研修を実施しました。
研修では、評価の方法やメンバーとの向き合い方について参加者自身で考えてもらうしくみを取り入れました。
評価者の間に共通認識を形成することで評価の質にムラが生じたり、評価基準を独自に解釈したりといった事態を防いでいます。
本事例の詳細は、以下のインタビュー記事で詳しく解説しています。
【ネットドリーマーズ様導入事例】知識の平準化とマネージャー陣の目線合わせを実現した評価者研修
コスモ石油株式会社様 新任ライン長研修事例
コスモ石油株式会社様では、新任ライン長を対象とした研修を実施しました。
本事例では「他責から自責」をスローガンとして掲げ、ライン長としての役割認識を深めてもらうことを目的としています。
研修中のグループワークではあえて他部署のライン長同士が混ざり合うようにグループを構成するなど、工夫を施しました。
部署間のつながりを促進したことをはじめ、ライン長全員に役割や会社の方針を一律で理解してもらう機会を設けて管理職層の足並みを揃えることに成功しています。
本事例の詳細は、以下のインタビュー記事で詳しく解説しています。
【事例】信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社)
管理職研修のカリキュラム例
ここでは、管理職研修のカリキュラム例を「課長研修」「部長研修」「女性管理職向け研修」の3つに分けてご紹介します。
課長研修
課長を対象とした研修では、リーダーシップやチームを導く能力について学んでもらうのがおすすめです。
また、部下の成長を促すための育成力も必要でしょう。
人・組織を動かす力、思考力・業務追行力、マインドセットの3つの軸を中心に据え、課長として必要なスキルを多角的に伸ばしていきましょう。
アルーの提供している課長研修のカリキュラムは、以下の表をご確認ください。
分類 |
内容 |
人・組織を動かす力 |
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思考力・業務遂行力 |
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マインドセット |
部長研修
部長研修では、変革型のリーダーシップや全社連携の方法について学んでもらいましょう。また、マーケティングについて学んでもらうのもおすすめです。
マネジメントする範囲が大幅に拡大する部長を対象とした研修では、部門のミッションやビジョン、戦略を描き、それを自部門の役割へ落とし込んでマネジメントする必要があります。全社の中で、自部署の担う役割を明確に認識するとともに、それを実現していく方法論を学ぶのが大切です。
部長研修のカリキュラムは、以下の表で詳しくご確認ください。
分類 |
内容 |
人・組織を動かす力 |
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思考力・業務遂行力 |
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マインドセット |
女性管理職
女性管理職研修では、強みや強みの活用イメージの確立、さらには自分らしいリーダーシップ像の確立について学んでもらうのが大切です。また、女性管理職候補者同士の交流を促し、コミュニケーションを促進するのもよいでしょう。
ダイバーシティの促進が企業の社会的信用にも直結する昨今では、女性管理職の増加に取り組んでいる企業も少なくありません。しかし、女性管理職を増やしたいという目的ばかりが先行してしまうと、結果的に女性管理職が増えなかったり、管理職登用後の社員が活躍できなかったりといった事態になりかねません。本人への教育だけでなく、上司、制度面なども踏まえた多角的なアプローチが有効です。
アルーの女性管理職向け研修は、以下のページからご確認ください。
管理職研修
役員研修の事例
役員研修では、コミュニケーションの変革などを促すのがおすすめです。また、女性役員や海外拠点長など、特定の役員を対象とした研修を実施するのもよいでしょう。役員研修の事例を紹介します。
なお、役員研修を効果的に実施するためのポイントや具体的なプログラムは、以下のブログ記事をご覧ください。
『【事例あり】役員研修で取り扱うべき内容や研修目的を解説』
コミュニケーション変革研修
役員のコミュニケーションスタイルに課題を感じていたE社では、役員のコミュニケーションを変革するための研修を実施しました。
新入社員や若手社員と年齢が離れた役員は、現場とのコミュニケーションに障壁が発生しがちです。一方で現場からの意見を吸い上げることができなければ、経営方針が現場へ浸透しないなどの課題が発生してしまいます。本事例では役員自身のコミュニケーションスタイルについて見つめ直してもらい、自身のコミュニケーションスタイルの変革を促しました。
女性役員候補者育成研修
F社では、女性役員候補者を育成した事例があります。
役員選抜を管理職昇進直後の早期から行っていたF社では、早い段階で会社の経営方針に対する理解を深めてもらい、未来を切り開く意識を持ってほしいと考えていました。そこで、研修では現役の役員と直接対話するセッションや自社のアイデンティティを見つめ直す機会を用意しました。女性役員候補者同士のつながりも深めてもらい、コミュニケーションの促進にも成功した事例です。
海外拠点長育成研修
海外拠点のリーダーを育成したいと考えていたG社では、海外拠点長を対象とした研修を実施しました。
海外拠点にありがちな課題として、「日本本社とのコミュニケーションが不足してしまう」というものが挙げられます。その結果、海外拠点が自拠点の役割を見いだせなかったり、自社グループの一員だという意識が希薄化してしまったりするのです。
本事例では海外拠点長を対象として自社のMVV浸透を行い、その後に自拠点としてのMVV策定へ取り組んでもらいました。研修をきっかけに日本本社とのコミュニケーションを促進するとともに、MVVの浸透も狙った研修事例です。
▼役員研修事例集ダウンロードはこちら
階層別研修を効果的に行うコツ
階層別研修を効果的に行うためには、体系図を活用したり、適応課題にも積極的にアプローチしたりするのが大切です。階層別研修を効果的に実施するために必ずおさえておきたいポイントを解説します。
体系図を基に研修を企画する
階層別研修を成功させるためには、体系図を基に研修を企画するのが大切です。
体系図とは、それぞれの階層ごとに求められる能力をいくつかの領域へ分けて整理した図のことです。例えばアルーでは、「ジブン」「コト」「ヒト」の3つの領域で整理した「アルーコンピテンシーマップ」を作成しています。
体系図では、横軸に領域、縦軸に階層を取ることが一般的です。例えば体系図の1番下の段を横に見ていくと、新入社員に求められる能力をそれぞれの領域で把握できます。体系図の1番左の列を見れば、特定の領域で求められる能力がレイヤーによってどう変遷するのかが分かるでしょう。体系図を活用すれば、中長期的に体系だった研修を実施できます。
適応課題にもアプローチする
階層別研修を成功させるコツとして、適応課題にもアプローチすることが挙げられます。適応課題とは、「リーダーは〇〇であるべき」といったような、本人の価値観や考え方に起因する課題のことです。反対語は技術的課題で、こちらは現在持っているスキルや知識に起因する問題を指します。
階層別研修は階層が変わったタイミングで実施されることが多いため、役割認識を新たにするのが大切です。適応課題を重点的に扱い、社員の人間的な成長を促しましょう。
適応課題と技術的課題の例や、研修で適応課題にアプローチする具体的な方法は以下のブログ記事で詳しく解説しています。
『適応課題と技術的課題の例を紹介。研修で適応課題にアプローチする方法』
定期的に研修内容の見直しを行う
階層別研修を成功させるためには、定期的に研修内容を見直しましょう。
研修を実施してみて初めて明らかになる改善点もあるでしょう。また、研修を受けた社員からのフィードバックを来年度以降の研修へ反映させるのも大切です。
さらに、事業内容や環境の変化によって、一度作成した研修内容の変更が求められる場合もあります。1年に1度など、定期的に階層別研修の内容を見直す機会を設けましょう。
適切なフィードバックを行う
社員に対するフィードバックを充実させるのも、階層別研修を成功させるコツの一つです。
研修中にグループワークやディスカッションなどを実施する場合は、適宜講師がフィードバックを提供しましょう。改善点を客観視できれば、自分の傾向や改善点を新たな角度から把握できます。
また、階層別研修ではさまざまなテーマを扱いますが、すべての内容を研修時間中に完璧にすることは不可能です。研修終了後に実践期間を設け、上司からのフィードバックを提供する機会を設けるのもよいでしょう。
実践的な内容も盛り込む
階層別研修を成功させるコツとして、実践的な内容を盛り込むことも挙げられます。
実践的な内容にすることで、研修内容と現場での行動変容をスムーズに接続することができます。研修中で実際に自社が経験した事例を学ぶケーススタディを盛り込むなど、現場での実践をイメージしやすい内容となるよう工夫をおこないましょう。
また、実践シートを用いて現場での実践を振り返ってもらうのもおすすめです。実践シートの内容を見ながら、上司は必要に応じてサポートを提供できます。
公募研修や選抜研修と組み合わせる
階層別研修を実施する際には、公募研修や選抜研修と組み合わせることも検討しましょう。
階層別研修だけで育成を完了させた場合、どうしても社員の主体的な学習を引き出しづらいです。特に、個々の経験や志向に応じた教育が必要な若手研修以降では、それぞれの職種や経験値にあわせた研修ラインナップを揃え、プロを育てる体系をデザインしてください。
管理職研修の場合、新任管理職には階層別研修で評価者スキルやリーダーシップを身につけてもらい、既任管理職には選抜研修も提供するといった使い分けが効果的です。選抜研修を通じてリーダーとして必要なスキルやマインドを獲得してもらい、次世代のリーダー育成につなげましょう。
公募型研修の実施方法やポイントは、以下のブログ記事で詳しく解説しています。
『公募型研修とは|社内で浸透させる方法や効果的に行うポイント』
階層別研修を廃止した方がいい場合
階層別研修にはデメリットも存在するため、廃止した方がいい場合があるのも事実です。階層別研修のデメリットや、階層別研修を廃止した方がいい場合について解説します。
階層別研修のデメリット
階層別研修のデメリットとして、社員の特性を活かした柔軟な教育が提供しづらい点が挙げられます。個々の社員の職種や特性、さらには学ぶ意欲に合わせてカスタマイズした教育を提供するのは、階層別研修だけでは難しいです。
また、従来型の階層別研修だけを行っている場合、「学びは与えられるものだ」と社員が勘違いしてしまう可能性があります。このような誤解は、社員の主体的な学習を阻害することにもつながりかねません。最近ではこのデメリットを解消するため、社員が自ら学ぶテーマを選ぶなど、自律的な学びを促進する仕掛けを作っている企業が多いです。階層別研修だけでなく公募型研修やeラーニングを取り入れるなど、工夫を行いましょう。
公募型研修については、以下の記事で詳しく解説しています。
『公募型研修とは|社内で浸透させる方法や効果的に行うポイント』
社員の自律性を重んじた人材育成戦略を取りたい企業
社員の自律性を重んじた人材育成戦略を取りたい企業では、実際に階層別研修を廃止している場合があります。
例えば本田技研工業株式会社では階層別研修を廃止して、自主自立型の研修体系づくりにスイッチしました。2020年以降はオンライン研修にも力を入れ、動画研修の範囲を拡大しています。
東京海上日動火災保険株式会社でも、新入社員研修と新任管理職研修以外の階層別研修をすべて廃止しています。「学びのカフェテリア」という研修プログラムを用意して、任意参加の研修体系を提供しているのが特徴です。ただし、初期教育が必要な新入社員と新任管理職向けの必須研修は残しています。このように、一律で階層研修を廃止するのではなく、階層ごとに任意参加と必須参加を切り分けるのもおすすめです。
階層別研修ならアルーにお任せください
階層別研修の実施なら、ぜひ人材育成のプロフェッショナルであるアルーへお任せください。
アルーでは、新入社員からリーダー層まで人材を一貫して育てる研修プログラムを数多くご用意しています。この記事で紹介したように、それぞれの層を対象とした研修事例や研修プログラムも豊富です。また、女性管理職研修や海外拠点長研修など、特定の社員を対象とした階層別研修にも柔軟に対応いたします。アルーの展開している階層別研修の一覧は、以下のページからご確認ください。
階層別研修一覧
ぜひこの記事で紹介した事例を見ながら、効果的な階層別研修を実施してください。