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階層別研修の目的や内容、体系図の作り方やおすすめカリキュラム例をご紹介

社員のスキルを底上げする際に役立つ階層別研修。
近年ではさまざまな企業研修が行われており、階層別研修に注目する企業も増えてきています。
階層別研修を成功させるためには、階層別研修の目的やメリット・デメリットを正しく理解するのが大切です。
本記事では、階層別研修の目的や具体的な内容、研修体系図の作り方などを具体的に解説します。
おすすめのカリキュラム例などもご紹介するので、階層別研修の実施や改善を検討している人事担当者の方はぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.階層別研修とは
  2. 2.階層別研修の目的
  3. 3.階層別研修のメリット・デメリット
  4. 4.階層別研修を廃止した方がいい場合
  5. 5.階層別研修のおすすめカリキュラム例
  6. 6.階層別研修体系図とは
  7. 7.階層別研修でよくある課題
  8. 8.階層別研修を効果的に実施する5つのポイント
  9. 9.階層別研修の事例
  10. 10.階層別研修ならアルーにお任せください


階層別研修とは

階層別研修とは、社員を「新入社員」や「中堅社員」、「管理職」といった複数の階層に分け、各階層の仕事を行う上で求められるスキルや知識を身につける研修のことです。

たとえば、新入社員向けの階層別研修ではビジネスマナーや基本的なビジネススキルを扱い、管理職向けの階層別研修ではマネジメントスキルについて扱うことが多いです。
ほとんどの企業で実施されている「新入社員研修」や「管理職研修」も、階層別研修の一種と捉えることができます。

階層は、一般的に以下のように分けられます。

階層別研修とは

階層別研修では各層に必要なスキルやマインドをプログラムに盛り込むことが一般的です。
例えば、新入社員には基本的なビジネススキル、若手社員には専門スキルの向上、中堅社員にはリーダーシップスキルの養成、管理職にはマネジメントスキルの強化、役員には戦略思考力の研鑽など、それぞれの階層に応じた研修が行われます。


階層別研修の必要性

階層別研修を実施する必要性として、各階層の社員のスキルを底上げできる点が挙げられます。
階層別研修を実施して同じ階層の社員へ同時に教育を実施すれば、新入社員や管理職などの各階層ごとに必要な知識を効率的に伝達できます。
また、階層ごとに一体感を醸成できるのも、階層別研修が必要な理由の一つです。
階層別研修で新入社員同士に交流を深めてもらったり、別部署の課長や部長との関わりを持つ機会を設けたりすれば、横のつながりを深めることができます。
さらには、各階層でスキルが均一化されるため、階層ごとに足並みが揃いやすくなるでしょう。


階層別研修と選抜研修の違い

階層別研修と選抜研修では、受講者の選定基準や研修の目的が異なります。
階層別研修では、新入社員、新任管理職など、ある階層に現在就いている社員全員を研修の対象とします。一方、選抜研修は現在の役割や職位ではなく、将来期待される特定の役割や上位職位を担うことが期待される人材を研修の対象としています。

研修の目的については、階層別研修では現在の階層に必要なスキル・マインドを一律で付与することに重きが置かれるのに対し、選抜研修では将来期待される特定の役割や上位職位に必要なスキル・マインドを早期に身につけることが重視されます。

それぞれメリットとデメリットがあるため、人材戦略や研修目的によって使い分けることが必要です。

選抜研修について詳しくは以下の記事をご覧ください。
【事例あり】選抜研修とは?目的や効果的に導入するポイントを解説



階層別研修の目的

ここでは、階層別研修を実施する主な目的を解説します。


階層ごとの役割の認識

階層別研修を実施する目的として、階層ごとに役割の認識を持ってもらうことが挙げられます。
たとえば、現場社員から課長へと昇進する際はこれまでのプレイヤー意識から脱却し、マネージャーとしての役割を理解する必要があります。
新入社員を対象とした研修では、学生意識からの脱却がテーマとなることが多いです。
階層別研修には、それぞれの階層で求められる役割の認識を持ってもらう目的があるといえるでしょう。


スキル・マインドを一律で付与する

スキルやマインドを一律で付与することも、階層別研修を実施する目的の一つです。
「◯年目の社員を対象とした階層別研修」のように、それぞれの階層の社員を一律で集めて研修を実施すれば、すべての社員に同じレベルの知識を身につけてもらうことができます。
特に、新入社員全員に一定のスキルを身につけてほしい場合には階層別研修が有効です。
ビジネスマナーなど社会人としての必須スキルはもちろん、ロジカルシンキングや定量思考など、自社の社員全員に一定レベルまで到達してほしいスキルは階層別研修で獲得してもらいましょう。


ステップアップに向けた学習促進

ステップアップに向けた学習の促進も、階層別研修を実施する目的の一つです。
若手社員から中堅社員、中堅社員から管理職へとステップアップしていくためには、次のステップに向けて必要なスキルやマインドを身につけることが求められます。
たとえば、プレイヤーから課長へステップアップする際は、マネージャー視点が必要不可欠です。
階層別研修を実施すれば、社員は自分が今どのステップにいて次のステップに進むにはどんな能力が必要なのかを理解できるでしょう。
そのほかにも、自分の成長に向けた道筋を描きやすくなるため、キャリア自律も期待できます。


社員の主体的な学習の促進

階層別研修を実施する目的に、社員の主体的な学習を促進する点も挙げられます。
ある調査によると、社外で自己啓発に取り組んでいるかという質問に対し、日本人は46.3%が「特に何も行っていない」と回答しました。
諸外国と比べても例外的な数字であり、他国よりも突出して学習習慣がない日本の現状が伺えます。

階層別研修は、社員が自分のキャリアステージに応じたスキルを習得し、自己理解を深め、パフォーマンスを客観的に評価する機会を提供します。これにより、社員は自分の現在地や必要なスキルを明確にすることができるため、主体的な学習の推進につながります。



階層別研修のメリット・デメリット

	メリット、デメリットを課が得る男性

階層別研修を成功させるためには、階層別研修の持つメリットやデメリットを正しく理解することが欠かせません。
以下では、階層別研修のメリットとデメリットを具体的に解説します。


階層別研修のメリット

階層別研修を実施する最大のメリットは、各階層に必要な知識やスキルを効率的に伝達できる点です。
選抜研修などと異なり、階層別研修は各階層の社員を一律で教育できるため、同じ階層の社員の能力差を広げることなく、足並みを揃えることが可能です。
また、階層別研修でそれぞれの階層の社員へ集まってもらうことで、横のつながりを深めることも期待できます。
たとえば、新入社員を対象として継続的に研修を行うことで、新入社員同士のコミュニケーションを促進する効果が得られます。
研修を通じて関係構築を行えば、日常業務がよりスムーズに進むようになるでしょう。


階層別研修のデメリット

階層別研修にはメリットだけではなく、デメリットも存在します。
たとえば、階層別研修だけでは社員の特性に活かした柔軟な教育は提供しづらく、社員それぞれの学習意欲に合わせた研修も行いづらくなってしまいます。
また、従来型の階層別研修だけを行っていると、「学びは与えられるものだ」と社員が勘違いしてしまい、自ら学ぶ力を育めなくなる可能性があります。
近年ではそのようなデメリットを解消するため、階層別研修に加え、社員が自ら学ぶテーマを選ぶ公募型研修など、自律的な学びを促進する仕掛けをつくっている企業が多いです。
階層別研修だけでなく、公募型研修やeラーニングを取り入れるなど、工夫を行いましょう。



階層別研修を廃止した方がいい場合

階層別研修には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在することが分かりました。
そのため、状況によっては階層別研修を廃止した方がいい場合も存在します。
ここでは、階層別研修を廃止したほうがいい場合の例や、実際に階層別研修を廃止した事例を確認していきましょう。


社員の自律性を重んじた人材育成戦略を取りたい企業

社員の自律性を重んじた人材育成戦略を取りたい企業では、階層別研修を廃止する場合があります。
たとえば、本田技研工業株式会社では自主自立型の研修体系づくりを行うため、階層別研修を廃止しました。
2020年以降はオンライン研修を積極的に導入し、動画研修の範囲を拡大しています。

参考:Hondaがグロービス学び放題を採用した理由 4万人超の従業員を対象とした自律型研修制度

また、東京海上日動火災保険株式会社でも社員一人ひとりが当事者意識を持って成長に向き合ってもらうため、新入社員研修と新任管理職研修以外の階層別研修を廃止しています。
2021年4月には「学びのカフェテリア」という研修プログラムを用意し、任意参加の研修体系を提供しています。
ただし、初期教育が必要な新入社員と新任管理職向けの必須研修は残しています。

参考:社員の発意をベースにした学びのプラットフォームで自分自身に問いを立てられる人材開発を東京海上日動火災保険が取り組む「学びのカフェテリア」とは

このように一律で階層別研修を廃止するのではなく、階層ごとに任意参加と必須参加を切り分けるのもおすすめです。



階層別研修のおすすめカリキュラム例

ここからは、階層別研修におすすめのカリキュラムを階層ごとに解説しますので、階層別研修で実施すべき具体的な研修内容を知りたい方はぜひ参考にしてください。
なお、人材育成を手掛けているアルーでは新入社員向けや管理職向けなど、さまざまな階層別研修プログラムをご用意しております。

アルーの提供する階層別研修の一覧は、以下のページでも確認できます。
階層別研修一覧


新入社員研修のおすすめカリキュラム

新入社員研修のおすすめカリキュラムとしては、以下のような内容が挙げられます。


  • 学生から社会人への意識転換
  • 社会人として必要なマインドや心構えの習得
  • 基本的なビジネスマナーや電話応対、名刺交換の作法
  • ロジカルシンキングや報連相などのビジネススキル


社会人経験のない新入社員を対象とした研修では、学生からの意識転換が大きな課題として挙げられます。
研修を通じて社会人として必要なスタンスを身につけてもらい、意識の変革を促しましょう。
ビジネスマナーなどのビジネススキルも早い段階から身につけておくことが大切です。
これらのスキルやマインドは全ての新入社員に必要とされるものなので、階層別研修で身につけてもらうのがおすすめです。

アルーの提供している新入社員研修は、以下のページからも確認できます。
新入社員研修のプログラム詳細

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  新入社員研修サービス資料ダウンロード 103社が導入し、約2.3万人が受講する新入社員研修のご紹介資料です。(※2022年実績。当社調べ)アルーの新入社員研修の特徴を知りたい方、アルーのプログラム一覧を知りたい方はぜひダウンロードください。 アルー株式会社


若手社員研修のおすすめカリキュラム

若手社員向けの研修におすすめのカリキュラムは以下の通りです。


  • 志の獲得や自己理解を通じたキャリア自律
  • 自分から積極的に動くリーダーシップ
  • 問題解決思考などのビジネススキル
  • OJTにおける後輩指導の方法や指導の際の心構え


入社してからある程度の時間が経過した若手社員は、仕事に対する慣れが出てくる時期です。
そのため、仕事のマンネリ化を感じ、モチベーションの低下を経験する社員も少なくありません。
今一度研修を通じて仕事に対する「志」を立て、将来のキャリア像を描いてもらいましょう。
また、初めての後輩指導に不安を感じる若手社員もいるため、OJTトレーナーとして必要なスキルやマインドを獲得してもらうことも大切です。

アルーの提供している若手社員向け研修は、以下のページからも確認できます。
若手社員研修のプログラム詳細

▼サービス資料ダウンロードはこちら

  若手社員研修サービス資料 『若手社員研修サービス資料』の資料をダウンロードいただけます。若手社員育成の全体像や、育成に関連するサービス一覧を紹介します。 アルー株式会社


中堅社員研修のおすすめカリキュラム

中堅社員向け研修では、以下のような内容を扱うのが良いでしょう。


  • プロフェッショナル意識の獲得
  • 自分の得意な領域を広げるマインドの獲得
  • 周囲に手本を示して導く率先型のリーダーシップ
  • チーム全体の一体感を醸成する共創型のリーダーシップ


現場で中心的な役割を担う中堅社員には、プロフェッショナルとして仕事に取り組む意識を持ってもらうことが大切です。
また、これまでの成功体験に固執してしまわないよう、常に新しい知識やスキルを獲得する姿勢を身につけてもらいましょう。
そのほかにも、管理職として活躍していく土台をつくるために、リーダーシップを扱うのもおすすめです。

アルーの提供する中堅社員向け研修は、以下のページからも確認できます。
中堅・リーダー層研修のプログラム詳細

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  『中堅・リーダー層研修』サービス資料ダウンロード 「中堅・リーダー層研修」の資料をダウンロードいただけます。チームの主戦力となり、他部署と連携をしながらより大きな成果を出すためのスキルとマインドを修得し、管理職に向けた準備を進めます。 アルー株式会社


管理職研修のおすすめカリキュラム

管理職研修におすすめのカリキュラムは以下の通りです。


  • ニューノーマル時代に求められる変化への適応力
  • 自分らしさを表出するインサイドアウトのリーダーシップ
  • チームレベルでの問題解決力


管理職には、変化への適応力が必要不可欠です。
プレイヤーとして優秀だったことも多い管理職は過去の成功体験にとらわれてしまい、新しいやり方へ挑戦しなくなってしまうことがあります。
そのため、こうした状態から脱却し、変化への適応を促すことが求められます。
また、自分のエネルギーを周囲へ共鳴させて組織を導くインサイドアウトのリーダーシップや、チームレベルでの問題解決力も必要です。

アルーの提供している管理職向け研修は、以下のページからも確認できます。
管理職研修のプログラム詳細

▼サービス資料ダウンロードはこちら

  管理職研修サービス資料ダウンロード 管理職研修のサービス資料をダウンロードいただけます。管理職におすすめの研修プログラムのご紹介のほか、管理職研修の設計のポイントもお伝えします。 アルー株式会社


役員研修のおすすめカリキュラム

役員研修では、以下のような内容を盛り込むと良いでしょう。


  • 経営の基礎知識
  • コンプライアンスやリスクマネジメントに関する知識とスキル
  • 分析能力
  • コミュニケーション力


会社全体を牽引する存在である役員には、管理職時代からさらに一段視野を高める必要があります。
経営者として求められる経営の知識やコンプライアンス、リスクマネジメントに関する内容を学んでもらうと良いでしょう。
また、複雑さを増す現代のビジネス環境を分析する力や、年代の離れた社員ともコミュニケーションを取る力を伸ばすことも大切です。

役員研修で取り扱うべき内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
【事例あり】役員研修で取り扱うべき内容や研修目的を解説



階層別研修体系図とは

階層別研修体系図とは、階層ごとに求められる能力をいくつかの領域へ分けて整理した図のことです。

レイヤー×テーマにおけるキーワード

階層別研修体系図では横軸に領域、縦軸に階層を取ることが一般的です。
たとえば、階層別研修体系図の一番下の段は新入社員に求められる能力をそれぞれの領域で把握でき、一番左の列を見れば特定の領域で求められる能力がレイヤーによってどう変遷するのかが分かります。
階層別研修体系図は研修内容に一貫性を持たせ、体系的な教育を実現するために欠かせない存在です。
下記では、階層別研修体系図の作成方法についてご紹介します。


階層別研修体系図の作り方

階層別の研修体系図は、以下の4ステップで作成していきましょう。


  1. 横軸と縦軸を定義する
  2. 社員の役割や求められる能力を明確にする
  3. 現場へのヒアリングを行い、研修ニーズを調査する
  4. 研修内容を絞り込む


まずは横軸と縦軸に何を置くかを決めます。
社内に用意されている役職に合わせて縦軸のレイヤーの数や内容を調整し、横軸は教育の分類に合わせて定義します。
その後、各役職ごとに求められる能力や役割を明確化し、現場へのヒアリングを実施してどのような研修ニーズがあるのかを把握してください。
最後に研修内容を絞り込み、最終的な階層別研修体系図を決定しましょう。
一度策定した階層別研修体系図でも、環境やニーズの変化に合わせて随時ブラッシュアップしていくことが大切です。

研修体系図の作成方法やポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【図例あり】コンピテンシーを用いた階層別研修の体系図作成のススメ



階層別研修でよくある課題

階層別研修を実施している企業でよく起こる課題をご紹介します。
受講者が受動的になってしまう
階層別研修は、人事部主導で特定の階層の社員全員に研修を受講してもらう取り組みです。受講者自らが受講しようと思って研修に参加しているわけではないので、積極的になりづらいという課題があります。研修中に意見や質問を発信しなかったり、内職をしながら受講したりする受講者もでてくるでしょう。
また、階層別研修しか受けたことがない受講者は、「研修は人事部から与えられるもの」と認識してしまう可能性があります。自ら学ぶ意欲が育まれないため、自律型人材が育ちづらくなってしまいます。

自律型人材の育成について詳しくは以下のページをご覧ください。
【育成事例あり】自律型人材とは?育成方法や気を付けるポイントを紹介


研修内容が現場で活かされない

研修の内容が現場で活かされないことも、階層別研修によくある課題です。研修内で学んで終わりになってしまい、現場での行動変容が見られないケースです。
元々、人間は「現状維持バイアス」と「同調バイアス」という2つのバイアスを持っています。「今までの考え方や行動を変えたくない」「周囲と異なる行動をとりたくない」と感じてしまうため、研修で学んだ新しいマインドやスキルを現場で活かせないのです。

バイアスを除いて現場で行動変容を起こすコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
行動変容を促す社員研修のポイント|ステージ理論に沿った働きかけとは


マインドセットの変容にアプローチできていない

受講者のマインドセットの変容に向けたアプローチができていないという課題もよく挙げられます。スキルや知識を伝えることに終始してしまい、マインド面の成長を促せていないのです。
特に、階層別研修としてよく実施される「新入社員研修」や「新任管理職研修」では、必ずマインドセットの変容にアプローチしましょう。新入社員や新任管理職は、学生から社会人、プレイヤーからマネージャー、という役割の変化に直面しています。この役割転換をスムーズに進めるためには、心構えを大きく変える必要があります。受講者のマインドセットの変容を促すプログラムを取り入れることがおすすめです。

マインドセットの変容を促すコツについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
マインドセットとは?意味や重要性、変える方法をご紹介



階層別研修を効果的に実施する5つのポイント

	指さす男性

ここでは、階層別研修を成功させるために必ず知っておきたい5つのポイントを解説します。


体系的に実施する

階層別研修を成功させるためには、体系的に実施するのが大切です。
体系化されておらず場当たり的な研修になると、必要なスキルやマインドが抜け落ちたり、特定の階層への研修が薄くなったりしてしまいがちです。
研修を通じてどのような能力を獲得し、どういったキャリアへつなげてほしいのかを事前に明確にすることが大切です。
そのため、研修体系図などを活用し、体系的な教育を実現しましょう。

体系的な研修計画を立てるためには、社内で高いパフォーマンスを発揮している社員をロールモデルにすることも有効です。
優秀な社員の特性を分析した上で、それぞれの要素をどの段階で身につけてほしいのかによって分類しましょう。
上記の情報などを研修体系図を作成する際の参考にすることで、質の高い研修体系図をつくれるようになります。

研修体系図の作成方法やポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【図例あり】コンピテンシーを用いた階層別研修の体系図作成のススメ


技術的課題と適応課題の両方にアプローチする

階層別研修を成功させるためには、技術的課題と適応課題の両方へアプローチするのが有効です。
技術的課題と適応課題とは、それぞれ以下のような課題を指します。


  • 技術的課題:現在持っているスキルや知識に起因する問題
  • 適応課題:「〇〇であるべき」といった本人の価値観や考え方に起因する問題


ビジネスの場面における課題には、技術的課題と適応課題の2つの側面がある

研修では技術的課題のみにフォーカスされることが多いですが、社員の人間的な成長を促すためには適応課題へのアプローチが大切です。
特に役割認識や意識転換が求められる階層別研修では、適応課題を重点的に扱う必要があります。

適応課題と技術的課題の例や研修で適応課題にアプローチする具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
適応課題と技術的課題の例を紹介。研修で適応課題にアプローチする方法


定期的に研修内容をブラッシュアップする

階層別研修を成功させるためには、定期的に研修内容をブラッシュアップする必要があります。
どんなに入念なヒアリングを行っても、最初から完璧な研修育成図を作成することは難しいです。
研修を実施してから初めて改善点に気づくこともあるため、研修を受けた社員やその上司からのフィードバックを来年度以降の改善につなげることが大切です。
また、事業内容や環境の変化、新入社員の傾向の変化などによっても一度作成した研修内容の変更をしなければならない場合もあります。
研修内容をブラッシュアップする機会を設け、定期的に改善を重ねましょう。


適切なフィードバックを行う

階層別研修を成功させるポイントとして、社員に対するフィードバックを充実させることも挙げられます。
階層別研修ではさまざまなテーマを扱いますが、研修時間中に扱える内容は限られています。
また、一度研修で学んだ内容も時間が経つと徐々に記憶が薄れていってしまうものです。
そのため、研修終了後に実践期間を設けて上司からのフィードバックを提供するといった工夫が必要です。

また、研修内でコンバット式トレーニングなどを取り入れて、フィードバックの機会を確保することもおすすめです。
コンバット式トレーニングを取り入れている研修については、以下のページで確認いただけます。
「Business Combat Training 考え抜く力、書き抜く力」のプログラム詳細

▼サービス資料ダウンロードはこちら

  Business Combat Trainingサービス資料ダウンロード 「Business Combat Training~考え抜く力、書き抜く力~」のサービス資料をダウンロードいただけます。ビジネスで通用するレベルに到達するまで、強靭なタフネスさを発揮させ、自分の力で徹底的に物事を考え抜く力、文章を書き抜く力を身に付けることを目指します。 アルー株式会社

特に自己理解や役割認識を扱う際には、フィードバックを充実させてみてください。
他者からの指摘で自分の傾向や現場での実践を新たな角度から分析できるようになるでしょう。
自己理解については、以下の記事で詳しく解説しています。
自己理解とは?社員の自己理解を促すプログラムを事例付きで紹介


実践的な内容を盛り込む

実践的な内容を盛り込むのも、階層別研修を成功させるためのポイントです。
研修内容がどのように現場での実践に活きるのかを分からなければ、研修に対する前向きな姿勢を引き出せません。
たとえば、研修中に実際に自社が経験した事例を学ぶケーススタディを取り入れてみましょう。
また、研修終了後にどのようにして現場で実践していくのかをアクションプランシートなどにまとめてもらうことも効果的です。


公募研修や選抜研修と組み合わせる

階層別研修を実施する際には、公募研修や選抜研修と組み合わせるのもおすすめです。
階層別研修だけで育成を完了させようとしてしまうと、どうしても社員の主体的な学習を引き出せません。
特に、個々の経験や志向に応じた教育が必要な若手研修以降では、それぞれの職種や経験値に合わせた研修ラインナップを揃え、プロを育てる体系をデザインしてください。
また、新任管理職以外を対象として実施する既任管理職研修の場合も、選抜研修を組み合わせることが効果的です。
選抜研修を通じてリーダーとして必要なスキルやマインドを獲得してもらい、次世代のリーダー育成につなげましょう。



階層別研修の事例

人材育成のプロフェッショナルであるアルーは、これまでにさまざまな業界で階層別研修を支援してきました。
ここでは、特に参考になる事例を3つピックアップしてご紹介しますので、階層別研修の具体的な進め方やプログラムを知りたい場合はぜひ参考にしてください。


第一生命保険株式会社様(新入社員研修)

第一生命保険株式会社様では、「つながり」「たくましさ」「しなやかさ」の3つのテーマを掲げた新入社員研修を実施しました。
研修プログラムは全2.5週間にわたり、アルーではそのうちの2.5日間をオンライン研修を支援しています。
研修では、社会人として求められるスキルやマインドのインプット部分をアルーが担当しました。
リモートワークで希薄化しがちな社会人として必要な挑戦心を引き出すことを重視した研修事例です。

本事例の詳細は、以下のインタビュー記事から詳しくご覧ください。
「つながり」「たくましさ」「しなやかさ」を備えた新入社員への育成(第一生命保険株式会社導入事例)

▼事例資料ダウンロードはこちら

  第一生命保険株式会社様 新入社員研修導入事例 アルーでは、第一生命保険株式会社様に2023年度新入社員研修を提供いたしました。第一生命保険株式会社様の感想やを資料にてご覧いただけます。 アルー株式会社


コスモ石油株式会社様(新任ライン長研修)

コスモ石油株式会社様では、新任ライン長を対象とした階層別研修を実施しています。
3日間の研修のうち、2日目と3日目にあたる実務概念のプログラムをアルーが支援しました。
研修中では「他責から自責」をスローガンに掲げ、ライン長同士の交流を促すグループワークを実施しています。
グループ編成はあえて異部署のライン長が混ざり合うように工夫し、横のつながりを形成してもらう仕掛けをつくりました。

本事例の詳細は、以下のインタビュー記事から詳しくご覧ください。
信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社導入事例)


株式会社ネットドリーマーズ様(管理職研修)

株式会社ネットドリーマーズ様では、管理職を対象とした階層別研修をアルーが支援しました。
本事例では「コンピテンシー評価が浸透していなかった」という課題を受け、評価方法やメンバーとの向き合い方などを平準化するプログラム構成としています。
また、研修前に「第0日」の内製パートを設け、どうして研修を実施するのかを重点的に伝えました。
同時に「現在マネージャーが思っていること」を吸い上げる時間を設け、研修の意義をスムーズに理解できるよう工夫しています。

本事例の詳細は、以下のインタビュー記事から詳しくご覧ください。
知識の平準化とマネージャー陣の目線合わせを実現した評価者研修事例(株式会社ネットドリーマーズ様)

▼事例資料ダウンロードはこちら

  『株式会社ネットドリーマーズ様評価者研修導入事例lv』資料ダウンロード 株式会社ネットドリーマーズでは、マネージャーの評価に関する知識を平準化し、共通認識を持つために評価者研修を実施しました。研修初日に評価制度を変える理由を説明し、マネージャーの意見を吸い上げたことで、目線合わせを行えたとのことです。株式会社ネットドリーマーズとアルーが取り組んだ評価者研修についてご紹介します。 アルー株式会社



階層別研修ならアルーにお任せください

アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。階層別研修の実施ならぜひアルーへお任せください。
アルーではアウトプットを重視した研修設計を行っており、知識のスムーズな定着を促しています。
ディスカッションやグループワークも豊富に取り入れているため、研修内容を現場で実践するイメージが湧きやすいのも特長です。
新入社員研修はもちろん、管理職研修や役員研修、若手社員研修など、さまざまな階層を対象とした研修をご用意しています。
また、人材体系図の設計段階から研修の実施まで、一気通貫型の支援も可能です。
階層別研修に関することなら、お気軽にアルーまでご相談ください。

アルーの階層別研修については、以下のページから詳しくご確認いただけます。
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