リーダーシップとは?5つの種類やある人の特徴、身につける方法を解説
変化の激しいビジネス環境で勝ち残っていくためには、多様性を持ったチームをまとめ、一つの方向へ牽引するリーダーシップが必要不可欠です。
一口でリーダーシップといっても、リーダーシップの理論は歴史とともに変化を続けてきました。この記事では、リーダーシップの歴史や種類、リーダーシップがある人の特徴や身につけ方などを徹底的に解説します。
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リーダーシップとは
リーダーシップとは、他人を導き、目的達成のためにチームをまとめる能力です。
チームで目標達成を目指すには、リーダーが明確なビジョンを持ち、信頼関係の構築や柔軟な対応力などを発揮することが求められます。それらの能力をひとくくりにしたのがリーダーシップです。
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとよく混同される言葉に、「マネジメント」があります。似たような文脈で用いられる二つの言葉ですが、次の図のような違いがあります。
まず、一般的にリーダーシップといった場合には、組織を目標へ向かって牽引していく、いわば「攻め」の姿勢が求められます。未知の環境を切り開いていくため、組織を一つの方向へ引っ張っていくイメージです。
一方でマネジメントは、チームが円滑に仕事を回せるように保守する、いわば「守り」のような役割です。マネジメントでは、部下が円滑に仕事を進められるように環境を整えたり、サポートを提供したりすることに主眼が置かれるといった違いがあります。
管理職でなくても、リーダーシップは全ての社員に必要なスキル
リーダーシップというと「管理職に必要な能力」とされがちですが、激しくビジネス環境が変化する現代では全ての社員にリーダーシップが必要です。リーダーは決して肩書きや役割として与えられるものではありません。組織や仕事の状況によっては、若手社員も含め誰でもリーダーとなり得ます。
例えば、目標達成に向けて周囲を巻き込んだり、サポートを求めたりするのは、身近に実現できるリーダーとしての行動です。若手社員に求められるリーダーシップについては、以下のブログ記事で詳しく解説しています。
『若手社員に求められるリーダーシップ例と発揮してもらうためのコツ』
リーダーシップ理論の種類
現代では様々なリーダーシップ論が展開されていますが、こうした理論を理解するためにはリーダーシップ論が発展してきた歴史を紐解く必要があります。ここからは、リーダーシップ理論の歴史的変遷と、種類について解説します。
特性理論
特性理論は、リーダーシップが生まれ持った特性の組み合わせであると考える理論です。リーダーは、知能、創造力、協調性、社交性といった特性を持っているとされます。これらの特性がリーダーシップを発揮する要因であるとする見解です。
行動理論
行動理論は、リーダーシップを特性ではなく、具体的な行動に基づいて理解しようとする理論です。リーダーの行動が組織やチームの成果にどのように影響を与えるかを分析し、リーダーシップの有効性を行動の観点から評価します。
PM理論におけるリーダーシップとは
PM理論は、リーダーシップを行動の観点から理解しようとする理論であり、リーダーの行動を「パフォーマンス(P)」と「メンテナンス(M)」の2つの軸で分類します。この理論は、リーダーが集団やチームの目標を達成するためにどのような行動を取るか(P)と、集団やチームの維持やメンバーの満足度をどのように保つか(M)を評価します。
PM型リーダーシップ
特長: P(パフォーマンス)とM(メンテナンス)の両方が高いリーダーシップ
行動例:
- チームの成長につながる実効性の高い目標を提示する
- 理念浸透のために働きかけを行う
- メンバーの意見を積極的に聞き、サポートを提供する
利点: 集団の目標達成とメンバーの満足度を両立できる理想的なリーダーシップ
Pm型リーダーシップ
特長: Pが高く、Mが低いリーダーシップ
行動例:
- 目標達成に向けた明確な指示や働きかけを行う
- 短期的な目標達成に強いが、長期的な人間関係や組織の維持には課題がある
利点: 短期間での成果を求める場合に有効
pM型リーダーシップ
特長: Pが低く、Mが高いリーダーシップ
行動例:
- 組織やチームの維持に力を注ぎ、メンバーのサポートや関係性の構築を重視する
- 長期的な組織開発やメンバーの満足度向上に貢献
利点: 長期的な視点で組織の安定やメンバーのモチベーション維持に効果的
pm型リーダーシップ
特長: PとMの両方が低いリーダーシップ
行動例:
- 目標達成に向けた動機付けや集団維持の行動が不足
- 組織やチームに対する影響力が低い
改善策: 行動の改善を通じてリーダーシップの向上を目指すことが可能
条件適合型理論
条件適合型理論は、リーダーシップが状況や環境によって変わるべきであるとする理論です。リーダーは固定的な特性や行動だけでなく、環境に応じてリーダーシップスタイルを柔軟に適応させることが求められます。
SL(シチュエーショナル・リーダーシップ)理論
SL理論は、リーダーシップをメンバーの発達度に応じて「援助的行動」と「指示的行動」の2軸で分類する理論です。これにより、リーダーシップスタイルを次の4つに分類します。
- 指示型……指示的行動が多く、援助的行動が少ない
- コーチ型……指示的行動と援助的行動がともに多い
- 援助型……援助的行動が多く、指示的行動が少ない
- 委任型……指示的行動と援助的行動がともに少ない
SL理論は、リーダーシップが現れる状況を「部下の育成」という新たな観点から捉え直した研究として注目を浴びました。
コンセプト理論
コンセプト理論は、リーダーの役割や姿をビジネス環境や組織ごとに細分化し、相対的に定義する理論です。リーダーの理想像は絶対的ではなく、状況に応じて変わるべきであると考えます。
カリスマ的リーダーシップ論
カリスマ的リーダーシップ論は、人々を強く引き付けるカリスマ性を持つリーダーシップを重視します。ビジョンの表明や環境への感受性、型にとらわれない行動がカリスマ性の要件とされます。
近年注目のリーダーシップ
コンセプト理論より後にも、現代にかけて様々なリーダーシップ論が研究されてきました。最近では無数の新たなリーダーシップが提唱されていますが、ここでは近年注目されているリーダーシップとして代表的なものを4つ解説します。
オーセンティックリーダーシップ
オーセンティックリーダーシップは、高い道徳観や倫理観を持ち、リーダー自身の価値観を基に組織を牽引するリーダーシップです。メンバーの強みや弱みを活かすことを重視します。
サーバントリーダーシップ
サーバントリーダーシップは、リーダーがメンバーの業務をサポートするスタイルです。リーダーが裏方に徹することで、メンバーは顧客満足度の改善に集中できます。
例えば、資生堂の元社長である池田守氏は現場第一主義を徹底し、上層部を店頭スタッフのサポートを行う存在と位置づけており、サーバントリーダーシップの代表例として知られています。
サーバントリーダーシップについては、以下の記事で詳しく解説しています。
サーバントリーダーシップとは?メリット・デメリットや10の特性
シェアドリーダーシップ
シェアドリーダーシップは、メンバー全員がリーダーシップを共有し、状況に応じてリーダーシップを発揮するスタイルです。全体のリーダーは存在しますが、役割がシェアされます。
シェアドリーダーシップについては、以下の記事で詳しく解説しています。
シェアドリーダーシップとは|事例やメリット・デメリット、効果的な導入方法を解説
パラドキシカルリーダーシップ
パラドキシカルリーダーシップは、競合する要求に応えるため、一見矛盾する行動を取るリーダーシップです。組織内の矛盾をエネルギーに変換することを目指します。
リーダーシップの種類
一口でリーダーシップといっても、その種類は一つではありません。「率先型のリーダーシップ」や「共創型のリーダーシップ」など、階層や状況に応じて求められるリーダーシップのタイプは様々です。
ここからは、リーダーシップの種類を解説します。
クルト・レヴィンが提唱したリーダーシップ3種類
クルト・レヴィンが提唱したリーダーシップの3種類は、専制型、民主型、放任型です。
独裁型リーダーシップ
リーダーが全ての決定を下し、部下には指示に従わせるスタイル。迅速な意思決定が求められる場合に効果的です。
民主型リーダーシップ
グループ全体で意思決定を行い、メンバーの意見やアイデアを尊重するスタイル。創造性や協力を重視する環境に適しています。
放任型リーダーシップ
リーダーが干渉せず、メンバーが自主的に行動するスタイル。個々の能力を最大限に引き出すことができますが、指導や統制が不足する可能性もあります。
ダニエル・ゴールマンが提唱したリーダーシップ6種類
ダニエル・ゴールマンは、リーダーシップを感情的知能の観点から以下の6つに分類しました。
ビジョン型
ビジョン型リーダーシップは、長期的なビジョンや目標を提示し、それに向かってチームを導くスタイルです。リーダーは目標達成に向けた方向性を示し、メンバーのモチベーションを高めます。
コーチ型
コーチ型リーダーシップは、メンバー個々の成長や発展に焦点を当てるスタイルです。リーダーはメンバーに対話を通じて指導を行い、彼らの強みや弱みを引き出し、目標達成をサポートします。
関係重視型
関係重視型リーダーシップは、メンバー間の関係性や信頼関係を築くことを重視するスタイルです。リーダーはメンバーの感情やニーズに配慮し、チーム全体の調和と一体感を促進します。
民主型
民主型リーダーシップは、意思決定においてメンバー全員の意見を取り入れるスタイルです。リーダーは対等な関係を築き、メンバーの意見やアイデアを積極的に歓迎し、共有されたビジョンの達成に向けて協力します。
先導型
先導型リーダーシップは、リーダー自身が高い基準を示し、それに従ってメンバーを鼓舞するスタイルです。リーダーは自らが模範となり、チームのパフォーマンスを引き上げます。
強制型
強制型リーダーシップは、リーダーが指示を一方的に下し、迅速な結果を求めるスタイルです。緊急時や危機的状況において有効であり、リーダーは明確な指示を与え、迅速な行動を促します。
リーダーシップスタイルの比較表
リーダーシップの種類 |
概要 |
主な特徴 |
ビジョン型 |
未来のビジョンを示し、チームを導く |
長期的な目標設定、モチベーション向上 |
コーチ型 |
個々の成長を支援する |
対話を通じた指導、個々の強みと弱みを引き出す |
関係重視型 |
信頼関係と調和を重視 |
感情とニーズに配慮、チームの一体感を促進 |
民主型 |
意見を取り入れた意思決定 |
対等な関係、意見やアイデアを歓迎 |
先導型 |
高い基準を示し、模範となる |
高パフォーマンスの示範、チームの鼓舞 |
強制型 |
明確な指示と迅速な結果を求める |
緊急時の迅速な行動、明確な指示 |
各リーダーシップスタイルは、組織や状況に応じて使い分けることで、効果的に機能します。
ドラッカーが提唱したリーダーシップ4種類
経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱したリーダーシップ論は、「仕事の能力ではなく、人格を高める」という点に着目しています。具体的には、以下の3つをリーダーシップとして定義しました。
- リーダーシップは仕事である……目標を定めたり、優先順位を決めたりといったリーダーとしての仕事をこなす
- リーダーシップは責任である……肩書きや特権ではなく、プロジェクトやチームの結果に対する責任を取る
- リーダーシップは信頼である……部下に命令して従わせるのではなく、信頼関係をもとに部下へ主体的に行動させる
以上の3つの観点からリーダーシップを定義したドラッカーの理論は、リーダーシップ論の代表例として現代でも広く知られています。
率先型のリーダーシップ
率先型のリーダーシップとは、チームが目的を達成するために、率先垂範して高い基準で行動することで示すリーダーシップです。係長クラスなど、少人数のチームを牽引していくことが求められる社員に必要とされるリーダーシップといえます。
率先型のリーダーシップを獲得するためには、自らの役割認識が欠かせません。率先型のリーダーシップを身につけるアルーの研修プログラムは、以下のページをご覧ください。
率先型のリーダーシップ
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共創型のリーダーシップ
共創型のリーダーシップとは、メンバーが高いパフォーマンスを発揮できるように環境を整え、メンバーとの信頼関係を構築していくタイプのリーダーシップです。メンバーの持つ可能性に目を向けつつ、ゴールを的確にメンバーへ共有し、ゴールへの到達に向けた支援を行います。リーダーシップの基礎でもある共創型のリーダーシップは、主査や係長など、管理職一歩手前の社員にぜひ獲得してほしい能力です。
なお、共創型のリーダーシップでは、メンバーがパフォーマンスを発揮できるような効果的な支援を提供するのが大切です。アルーの提供する共創型リーダーシップ獲得のためのプログラムは、以下のページをご覧ください。
共創型のリーダーシップ
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理感一致のリーダーシップ
理感一致のリーダーシップとは、自分らしさと組織らしさを起点としながら、それらを調和させてチームを牽引するタイプのリーダーシップです。自分らしさの理解はもちろん、チームの風土や歴史といった組織らしさをよく理解する必要があるため、課長クラスの管理職に必要なリーダーシップといえます。
理感一致のリーダーシップを獲得するためには、「リーダーは特定の行動を取るべき」といった考えから脱却することが重要です。理感一致のリーダーシップを獲得するアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
理感一致のリーダーシップ
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変革型のリーダーシップ
変革型のリーダーシップは、他者からの期待に応えるという段階から脱却し、自分で自分を主導していくという成人発達理論における「自己主導段階」を実現したリーダーシップです。50〜300名程度のまとまった人数を牽引する必要のある部長クラスの管理職に必要なリーダーシップといえます。
変革型のリーダーシップを獲得するためには、「自分を導く」という概念を理解した上で、自分の持つエネルギーをメンバーの心に響かせる必要があります。変革型のリーダーシップを獲得するためのアルーの研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
変革型のリーダーシップ
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リーダーシップがある人の特徴
ここまで、様々なリーダーシップのタイプなどについて解説してきました。それでは、実際にリーダーシップがある人材は、ビジネスの現場でどういった特徴があるのでしょうか。
ここからは、リーダーシップがある人の具体的な特徴を解説します。
論理的思考力があり、決断できる
リーダーシップを発揮するためには、組織としての意思決定を的確にこなす必要があります。質の高い意思決定を実現するためには、論理的思考力や決断力が欠かせません。
リーダーシップがある人材の特徴として、論理的思考力が高く、決断できるという点が挙げられます。チームが直面する複雑なビジネス課題であっても、データなどを活用しながら論理的に要因を分析し、必要なときは重要な決断も下せることが重要です。
リーダーとして重要なロジカルシンキングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
『ロジカルシンキングとは?メリットや基本的な考え方・鍛え方について紹介』
目標設定ができる
リーダーは、組織の方向性を統一するために目標設定を行う必要があります。チームのメンバーにとって魅力的な目標やビジョンを設定し、それを周知していくことで初めてチームは一つの方向へ進んでいくことができるのです。
リーダーシップがある人材は、的確な目標設定ができるという特徴があります。チームのリソースや現状などを踏まえながら、実現可能性のある挑戦的な目標を提示するのが大切です。また、単に目標設定するだけでなく、目標を継続的にチームへ浸透させる努力も求められます。
リーダーの目標設定スキルのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
『リーダーの目標設定のポイントとは|必要なスキルや具体例を紹介』
学び続ける姿勢がある
IT化やグローバル化が進んだ現在のビジネス環境は、VUCAとも呼ばれる先の見えない状態です。こうした変化の激しい環境でチームが勝ち抜くためには、これまでの成功体験にとらわれてはいけません。時代の状況を見ながら、リーダーは常に新たなスキルや知識を貪欲に獲得し続ける姿勢が必要です。
リーダーシップのある人材は、学び続ける姿勢があるという特徴もあります。「過去に〇〇という方法で上手くいったから次もこれで上手くいく」といった考え方ではなく、常に新たなことが学べないか、さらなる改善はできないか模索する心構えが重要なのです。
柔軟に知識やスキルをアップデートし続けられる「自律型人材」については、以下の記事で詳しく解説しています。
『【育成事例あり】自律型人材とは?育成方法や気を付けるポイントを紹介』
新しいことへの適応力が高い
リーダーシップの高い人材の特徴として新しいことへの適応力が高いというのも挙げられます。
例えば最近では、IT技術の進歩により人工知能などを始めとした様々なテクノロジーが登場しています。優れたリーダーはこうした新しいことに対して距離を置かず、まずはそのテクノロジーがどういったもので、自分のチームではどう活用できるのかを考えようとします。最終的には活用を見送るという判断を下すこともありえますが、新しい技術や理論を積極的に学び、理解した上で判断するのがリーダーシップの高い人材の特徴です。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力は、リーダーとして欠かせない能力です。面白い話をしたり、相手を笑わせたりすることだけがコミュニケーション能力ではありません。ビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力は、相手へ的確に情報を伝達し、ビジネスにおける信頼関係を構築することが重要です。
コミュニケーション能力が高いのも、リーダーシップが高い人材の特徴です。例えば部下へうまく期待感を伝えたり、相手の気持ちを読み取って必要な声掛けを行ったりといったことができます。
コミュニケーション能力についてさらに詳しく知りたい方は、以下のブログ記事をご覧ください。
『仕事で求められるコミュニケーション能力とは?鍛え方も紹介 』
部下育成力が高い
パフォーマンスを高めようとすると、どうしても目の前の仕事をこなすことだけに注力してしまいがちです。しかし、チームが長期的に高い成果を発揮するためには、部下の育成に力を入れる必要があります。
リーダーシップが高い人材は部下育成の重要性をよく理解しており、部下育成力が高いという特徴もあります。例えば部下の能力や特性を踏まえながら、本人の成長につながる仕事をアサインしたり、必要なサポートを提供したりといった行動が取れるのです。
誠実性があり、信頼されている
リーダーとして重要なのが、周囲からの信頼です。メンバーから「あのリーダーならついていきたい」と感じてもらえる信頼も大切ですし、チーム外から「あの部署は〇〇さんが率いているなら安心できるな」と思われる信頼も大切です。
優れたリーダーは誠実性があり、こうした周囲からの信頼を自然と獲得しています。常に仕事に対して誠実に向き合っているということをメンバーやチーム外の関係者が理解しているため、周囲のメンバーが安心して働けるのです。
業務実行力が高い
リーダーシップが高い人材の特徴として挙げられるのが、業務実行力の高さです。リーダーは高いリーダーシップを持つと同時に、プレイヤーとしても高い実力を持つことが求められます。
業務実行力が高ければ、「業務で自分が困ってもリーダーから必要なサポートを受けられる」「あのリーダーのバックアップがあれば、安心して働けるな」と感じてもらうことができます。優秀なリーダーを育成するためには、業務実行力の高さも大切だということを頭に入れておきましょう。
監修者からひとこと 上記以外にも、明確なビジョンを持っている人やブレることのない一貫した信念を持ち合わせていることも特徴として上げられます。リーダーでない立場の社員にも備わっている方はいます。 |
リーダーシップは生まれつきではなく、後から身につけることが可能
この記事の前半で、1940年代まではリーダーシップは天性のものだと考える特性理論が主流だったと解説しました。しかし、その後の様々なリーダーシップ論の登場により、現代ではリーダーシップは生まれつきのものではなく、後から身につけることができるという考えが主流になっています。
そこで重要になるのが、企業が実施するリーダーシップを身につけさせる研修です。最近では既任管理職を対象とした研修だけでなく、管理職になったばかりの新任管理職や選抜社員を対象とした研修に力を入れる企業も増えてきています。
社員にリーダーシップを身につけさせる方法
リーダーシップは、後天的に身につけられる能力であると解説しました。それでは、社員にリーダーシップを身につけさせるために、会社は具体的に何ができるのでしょうか。
ここからは、社員にリーダーシップを身につけさせる方法を解説します。
リーダーシップ研修を行う
一口でリーダーシップといっても、リーダーシップを構成する能力はたくさんあります。例えばリーダーとしての役割認識を深めることも重要ですし、自己理解や問題解決力の向上もリーダーシップの獲得に役立ちます。
リーダーシップを身につけてもらうためには、こうした個別の能力を伸ばすためのリーダーシップ研修を実施するのが効果的です。ニューノーマル時代にどういったリーダーシップが求められており、具体的にはどのような行動がリーダーに求められるのかを、研修を通じて学んでもらいましょう。
アルーの提供するリーダーシップ研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
実際に小さなチームのリーダーを任せる
社員のリーダーシップを高めるためには、実際に小さなチームのリーダーを任せてみるのもよいでしょう。このときには、安心してリーダーの仕事に取り組めるよう、上司などのバックアップ体制を整えるのが大切です。周囲からのフィードバックも提供しながら、リーダーとして必要な役割を体得させましょう。
リーダーシップを構成する能力は幅広いため、こうした知識をただ闇雲にインプットするだけではなかなかリーダーシップが向上しません。実際にリーダーとしての役割を体験させて、リーダーとして必要な素質を身につけていくのが効率的な場合も多いです。
本・eラーニングでの自主学習をしてもらう
リーダーシップを向上させるためには、本やeラーニングでの自主学習を促すのも効果的です。
リーダーシップに関しては、実業家や人材育成の専門家などから様々な書籍が出されています。また、いつでもどこでもインターネットを通じて学習できるeラーニングでも、リーダーシップについて知識を深めてもらうことが可能です。
本やeラーニングの場合、社員へ研修を押し付けるのではなく、社員の自発性を重視した教育ができるメリットがあります。一方、社員の学習意欲やモチベーションの維持には工夫が必要です。
監修者からひとこと
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リーダーシップを効果的に身につけさせるポイント
リーダーシップを身につけさせるためには、いくつか気をつけておきたいポイントが存在します。例えば、リーダーシップを発揮する際には自己分析が重要です。また、早期からの育成もリーダーシップの形成に大きな役割を果たします。
リーダーシップを効果的に身につけさせるポイントを解説します。
自己分析を行い、課題を明確にする
リーダーシップを発揮するためには、自己分析が欠かせません。特に、自分らしさと組織らしさを調和させる共創型のリーダーシップを実現するためには、自分自身がどういった強みや弱み、価値観を持っているのかを客観視するのが大切です。
リーダーシップを育成する際には、自己分析を行い、課題を明確に認識してもらう点を意識しましょう。リーダーシップ論の歴史からわかるように、現代では理想的なリーダーの形は組織や環境、人によって異なるため、リーダーとしての課題も人それぞれです。自分自身にどういった特徴があって、リーダーとして何が課題なのかを理解してもらいましょう。
自己分析を行う際にはMBTI®(※注)などの自己理解メソッドを活用するのもおすすめです。
※注:MBTI is a registered trademark of the Myers&Briggs Foundation in the United States and other countries.
若手のうちから研修を行う
リーダーシップを伸ばす際には、若手の時期から早めの研修を心がけましょう。早期の育成を心がけることで、業務に対する自主性やリーダーの視点が養われ、優秀なリーダーを育成しやすくなります。
リーダーシップは積み重ねてきた習慣の結果に現れるものです。必要になってから習得してもらうのでは時間がかかりますし、急にリーダーシップを発揮するのは難しいでしょう。
若手社員にリーダーシップを発揮してもらうコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
『若手社員に求められるリーダーシップ例と発揮してもらうためのコツ』
社員のリーダーシップの発揮に対してフィードバックする
リーダーシップを効果的に育成するためには、社員のリーダーシップの発揮に対してこまめにフィードバックを提供するのが大切です。
自分がどれほどリーダーシップを発揮できているのかというのは、なかなか自分だけでは理解しづらいものです。周囲から「〇〇さんにはこういう特徴があって、統率力がある」「メンバーのサポートが得意だが、巻き込む力は弱い」といったフィードバックを受ければ、自分のリーダーシップを見つめ直すきっかけになるでしょう。
上級管理職によるメンタリングや、周囲からボトムアップで意見を吸い上げる仕組みを作り、フィードバックしやすい環境を整えましょう。
組織やチームの心理的安全性を高める
心理的安全性とは、「このチームであれば何を言っても心配ないな」「ありのままでいられるな」といった組織に対する安心感のことです。心理的安全性の高いチームでは、意見交換が活発化し、生産性が向上することが知られています。
組織やチームの心理的安全性は、リーダーシップを育成する際にも重要です。心理的安全性が高ければ、先述したリーダーに対するフィードバックも得やすくなりますし、リーダー自身がチャレンジすることをためらわなくなります。社員のリーダーシップを伸ばす際には、組織やチームの心理的安全性も意識してみてください。
心理的安全性の作り方に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『心理的安全性とは?高める方法や人事が行うべき施策について』
監修者からひとこと リーダーシップを効果的に身につけさせるポイントの1つに前述のコメントどおり、継続的に自身に向き合い、現場で新たな行動を生み出すトライアンドエラーをどれだけ行えるかです。そのため、研修を設計する際も単発な研修ではなく、中長期的な設計で、現場でのアクションをベースとした研修やコーチングを組み合わせた設計になっているかどうか見返してみましょう。 |
リーダーシップ研修ならアルーにお任せください
アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。階層別研修やテーマ別研修はもちろん、リーダーを育成するための研修も数多く実施した実績があります。
リーダーシップ研修をご検討の場合は、ぜひアルーへお任せください。豊富なノウハウに裏打ちされた、質の高い研修のご提供が可能です。アルーのリーダーシップ研修の内容を紹介させていただきます。
アルーのリーダーシップ研修の内容
アルーでは、管理職を対象としたリーダーシップ研修はもちろん、若手や中堅層など将来的にリーダーシップを発揮することが期待される社員を対象としたリーダーシップ研修もあわせて行っております。
アルーのリーダーシップ研修は、アウトプット中心の実践的なプログラムになっているのが特徴です。まずは講義を通じてリーダーとしての視座や役割認識を理解してもらい、その後に「現場の意見を吸い上げる」「他部署と折衝する」「問題の定義と原因追求」といった実践演習に取り組んでもらいます。
アルーのリーダーシップに関する研修については、以下のページで詳しくご確認いただけます。
リーダーシップ研修
リーダーシップ研修の事例
アルーでは、これまでに業界を問わず数多くの企業でリーダーシップ研修のお手伝いをしてきました。いずれの事例でも、それぞれの企業様の抱えているビジネス課題に合わせて、柔軟にカスタマイズした研修を提供したのが特徴です。
ここでは、アルーがサポートしたリーダーシップ研修の事例を3つご紹介します。
東急株式会社 リーダーシップ研修
社会やビジネス環境の重要な変化に対応するため、東急株式会社様は育成施策の見直しを行っていました。この取り組みの中でアルーがサポートさせていただいたのが、「インサイドアウトのリーダーシップ」を実現するための研修プログラムです。
この事例では、2022年の8月から12月にかけて、計10日間にわたるプログラムが展開されました。8月〜9月の研修の初期段階では、課題設定や戦略策定に必要な知識を中心に提供し、その後は実際の業務現場での実践を重視しました。2回のワークショップでは、実務経験をもとにした振り返りを行い、更なるリーダーシップの向上を図っています。
詳しい事例は、以下のページをご確認ください。
経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ(東急株式会社)
ポーラ化成工業株式会社 リーダーシップ研修
ポーラ化成工業株式会社様は、「女性の積極的な参加を促進する組織文化の構築」を目指し、育成委員会によって選抜された18名の女性社員を対象に研修を実施しました。
この事例では、合計で4ヶ月にわたり計5回の研修プログラムを実施しています。プログラム中では自身の強みを活かしたリーダーシップの展開方法に焦点を当てながら、参加者の主体的な学びを促しました。研修中にはグループワークが積極的に組み込まれており、社員の主体性を引き出すための工夫がされています。研修の結果、社員は「傾聴」の姿勢が身についたとともにリーダーシップスキルが向上し、その成果は実際の業務での変化としても表れています。
詳しい事例は、以下のページをご確認ください。
女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する(ポーラ化成工業株式会社)
コスモ石油株式会社 新任ライン長向けマネジメント能力向上研修
コスモ石油株式会社様は、新任ライン長のマネジメント能力向上を目的とした研修を実施しました。3日間にわたる研修プログラムが展開される中で、アルーでは2日目と3日目のサポートを実施しております。
この研修では「他責から自責」を中心に据えながら、マネジメントスキルとマインドセットを習得しました。「相手へ伝わったことがすべて」という考えを身につけてもらうことによって、現場での円滑なマネジメントを実現した事例です。
詳しい事例は、以下のページをご確認ください。
信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社)
まとめ
リーダーシップについて、リーダーシップ論の歴史やリーダーシップの内容、リーダーシップを育成するための方法などを徹底的に解説しました。
かつては天性のものだと考えられていたリーダーシップですが、近年では研修を始めとした教育施策によって社員のリーダーシップを伸ばすことを重要視する企業が非常に多いです。アルーでは、社員のリーダーシップを伸ばすための研修を豊富にご用意しております。アルーの提供するリーダーシップ研修は、以下のページで詳しくご確認ください。
リーダーシップ研修
ぜひこの記事の内容を参考にリーダーシップへの理解を深め、社員のリーダーシップを効果的に伸ばしていきましょう。