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リーダーシップとは?種類やリーダーシップがある人の特徴、身につける方法

変化の激しいビジネス環境で勝ち残っていくためには、多様性を持ったチームをまとめ、一つの方向へ牽引するリーダーシップが必要不可欠です。

一口でリーダーシップといっても、リーダーシップの理論は歴史とともに変化を続けてきました。この記事では、リーダーシップの歴史や種類、リーダーシップがある人の特徴や身につけ方などを徹底的に解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.リーダーシップとは
    1. 1.1.リーダーシップとマネジメントの違い
    2. 1.2.管理職でなくても、リーダーシップは全ての社員に必要なスキル
  2. 2.リーダーシップ理論の歴史的変遷と種類
    1. 2.1.特性理論(~1940年代)
    2. 2.2.行動理論(1940年代~1960年代)
      1. 2.2.1.PM理論におけるリーダーシップとは
      2. 2.2.2.PM型リーダーシップ
      3. 2.2.3.Pm型リーダーシップ
      4. 2.2.4.pM型リーダーシップ
      5. 2.2.5.pm型リーダーシップ
    3. 2.3.条件適合型理論(1960年代~)
      1. 2.3.1.SL(シチュエーショナル・リーダーシップ)理論
    4. 2.4.コンセプト理論(1980年代~)
      1. 2.4.1.カリスマ的リーダーシップ論
    5. 2.5.近年注目のリーダーシップ
      1. 2.5.1.オーセンティックリーダーシップ
      2. 2.5.2.サーバントリーダーシップ
      3. 2.5.3.シェアドリーダーシップ
      4. 2.5.4.パラドキシカルリーダーシップ
  3. 3.リーダーシップの種類
    1. 3.1.ドラッカーのリーダーシップ論とは
    2. 3.2.率先型のリーダーシップ
    3. 3.3.共創型のリーダーシップ
    4. 3.4.理感一致のリーダーシップ
    5. 3.5.変革型のリーダーシップ
  4. 4.リーダーシップがある人の特徴
    1. 4.1.論理的思考力があり、決断できる
    2. 4.2.目標設定ができる
    3. 4.3.学び続ける姿勢がある
    4. 4.4.新しいことへの適応力が高い
    5. 4.5.コミュニケーション能力が高い
    6. 4.6.部下育成力が高い
    7. 4.7.誠実性があり、信頼されている
    8. 4.8.業務実行力が高い
  5. 5.リーダーシップは生まれつきではなく、後から身につけることが可能
  6. 6.社員にリーダーシップを身につけさせる方法
    1. 6.1.リーダーシップ研修を行う
    2. 6.2.実際に小さなチームのリーダーを任せる
    3. 6.3.本・eラーニングでの自主学習をしてもらう
  7. 7.リーダーシップを効果的に身につけさせるポイント
    1. 7.1.自己分析を行い、課題を明確にする
    2. 7.2.若手のうちから研修を行う
    3. 7.3.社員のリーダーシップの発揮に対してフィードバックする
    4. 7.4.組織やチームの心理的安全性を高める
  8. 8.リーダーシップ研修ならアルーにお任せください
    1. 8.1.アルーのリーダーシップ研修の内容
  9. 9.リーダーシップ研修の事例
    1. 9.1.東急株式会社の研修事例
    2. 9.2.ポーラ化成工業株式会社様
    3. 9.3.コスモ石油株式会社様
  10. 10.まとめ


リーダーシップとは

リーダーシップは日本語で「統率力」とも言われ、様々なメンバーが在籍するチームを一つの方向へ導くために、メンバーとの信頼関係を構築しながら組織全体をまとめあげ、目標達成へ向けて牽引していく能力のことです。

チームとして目標達成を目指す際には、チーム全体の指針を示すリーダーの存在が欠かせません。リーダーシップは、そうしたチームに欠かせないリーダーとしての役割を果たすための能力全般を指す、と理解しておくとよいでしょう。


リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとよく混同される言葉に、「マネジメント」があります。似たような文脈で用いられる二つの言葉ですが、次の図のような違いがあります。

リーダーシップとマネジメントの違い

まず、一般的にリーダーシップといった場合には、組織を目標へ向かって牽引していく、いわば「攻め」の姿勢が求められます。未知の環境を切り開いていくため、組織を一つの方向へ引っ張っていくイメージです。

一方でマネジメントは、チームが円滑に仕事を回せるように保守する、いわば「守り」のような役割です。マネジメントでは、部下が円滑に仕事を進められるように環境を整えたり、サポートを提供したりすることに主眼が置かれるといった違いがあります。


管理職でなくても、リーダーシップは全ての社員に必要なスキル

リーダーシップというと「管理職に必要な能力」とされがちですが、激しくビジネス環境が変化する現代では全ての社員にリーダーシップが必要です。リーダーは決して肩書きや役割として与えられるものではありません。組織や仕事の状況によっては、若手社員も含め誰でもリーダーとなり得ます。

例えば、目標達成に向けて周囲を巻き込んだり、サポートを求めたりするのは、身近に実現できるリーダーとしての行動です。若手社員に求められるリーダーシップについては、以下のブログ記事で詳しく解説しています。
若手社員に求められるリーダーシップ例と発揮してもらうためのコツ


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リーダーシップ理論の歴史的変遷と種類

	ファシリをする女

現代では様々なリーダーシップ論が展開されていますが、こうした理論を理解するためにはリーダーシップ論が発展してきた歴史を紐解く必要があります。ここからは、リーダーシップ理論の歴史的変遷と、種類について解説します。


特性理論(~1940年代)

現代のリーダーシップ理論の研究の草分け的存在は、1940年代まで主流だった特性理論です。当時のリーダーシップ特性理論では、リーダーシップは生まれ持った特性のうちの一つであるという考えが主流でした。

より具体的には、リーダーシップは「知能」「創造力」「協調性」「社交性」といったいくつかの能力に分解できるとされていました。こうした能力は生来のものであり、これらを兼ね備えた人物がリーダーシップを持つというのが、当時の特性理論の考え方です。


行動理論(1940年代~1960年代)

1940年代までの特性理論はリーダーシップをいくつかの要素に分解するという点で画期的でしたが、現実にはそうした能力を持っていたとしても、リーダーシップを発揮できない人材は少なくありませんでした。そこで特性理論に代わり提唱されたのが、行動理論です。行動理論では、リーダーシップを生来の能力としてでなく、リーダーとしての行動から読み解こうという研究が進みました。


PM理論におけるリーダーシップとは

リーダーとしての行動にフォーカスする研究の代表例が、日本発で広く知られている「PM理論」です。PM理論では、リーダーシップをP=PerformanceとM=Maintenanceの2つの軸で分類しました。

PM理論では、PとMそれぞれの高低に応じてリーダーシップを4つに分類します。PM理論における4つのリーダーシップの種類を解説します。


PM型リーダーシップ

PM型のリーダーシップは、集団を目標達成に導くパフォーマンスと、集団をまとめるメンテナンスがどちらも高いリーダーシップです。パフォーマンスという観点からは、例えばチームの成長につながる実効性の高い目標を提示したり、理念浸透のために働きかけを行ったりといった行動が見られます。

集団維持というメンテナンスにおいては、メンバーの意見へ耳を傾けたり、メンバーにサポートを提供したりといった行動ができます。牽引力と維持力を両方兼ね備えた、PM理論における理想的なリーダーシップです。


Pm型リーダーシップ

Pm型のリーダーシップは、集団を目標達成へ導くパフォーマンスが高い一方で、集団維持を行うメンテナンス機能が低いリーダーシップです。

このリーダーシップの場合、メンバーへ目標達成に向けて働きかけることは得意としています。そのため、短期的な目標達成は得意とする場合が多いです。「ここぞ」というときに力を発揮するタイプのリーダーシップとも言えます。一方で集団維持機能は低いため、人間関係への配慮が小さかったり、長期的に見た組織のパフォーマンスを損ねてしまったりする可能性があります。


pM型リーダーシップ

pM型のリーダーシップは、パフォーマンスが低く、メンテナンスに優れているタイプのリーダーシップです。先述したPm型のリーダーシップと比べてどちらが優れているというわけではなく、それぞれに異なる特性があるという捉え方がされてきました。

pM型のリーダーシップの場合、メンバーへ目標達成に向けた動機付けを行ったり、瞬発力を発揮したりするのはあまり得意としません。一方で組織の維持に長けているため、長期的な組織開発を成功させやすいのはこのタイプです。


pm型リーダーシップ

pm型のリーダーシップは、パフォーマンスとメンテナンスがどちらも劣っているタイプのリーダーシップです。このリーダーシップの場合、目標達成に向けた動機付けと、集団維持をどちらも苦手としています。

ただし、1940年代まで主流だった特性理論とは異なり、リーダーとしての行動に着目したのがPM理論です。pm型のリーダーシップはいつまでもリーダーとして活躍できないというわけではなく、行動の改善を通じてリーダーシップの向上を目指せます。


条件適合型理論(1960年代~)

PM理論を始めとする行動理論はリーダーの特徴をよく捉えていた一方で、ビジネスで発生する複雑な状況をシンプルに捉えすぎているという批判がありました。そこで1960年代から主流になったのは、条件適合型理論と呼ばれるリーダーシップ論です。状況適応型理論では、特性理論や行動理論といった普遍的なリーダーシップ論は存在せず、周囲の環境や状況に応じてリーダーシップを変化させるのが大切だと考えられていました。


SL(シチュエーショナル・リーダーシップ)理論

SL理論は、代表的な条件適合型理論の一つです。SL理論では、リーダーシップをメンバーの発達度に着目して解析しています。

具体的には、リーダーシップを「援助的行動」と「指示的行動」という2つに軸で分類し、それぞれの高低に応じた以下の4つのリーダーシップのタイプが提唱されました。


  • 指示型……指示的行動が多く、援助的行動が少ない
  • コーチ型……指示的行動と援助的行動がともに多い
  • 援助型……援助的行動が多く、指示的行動が少ない
  • 委任型……指示的行動と援助的行動がともに少ない


SL理論は、リーダーシップが現れる状況を「部下の育成」という新たな観点から捉え直した研究として注目を浴びました。


コンセプト理論(1980年代~)

1980年代に入ると、それまで主流だった条件適合型理論をベースとした新たな理論である「コンセプト理論」が提唱されました。コンセプト理論では、ビジネス環境や組織ごとにリーダーのあるべき姿を細分化するのが特徴です。これまでは絶対的なものとして捉えられてきた理想のリーダー像を、相対的なものとして定義し直したのがコンセプト理論の最大の特徴といえます。


カリスマ的リーダーシップ論

カリスマ的リーダーシップ論は、コンセプト理論の中で最も脚光を浴びたリーダーシップ論の一つです。カリスマとは元々、預言者や軍事的英雄などに見られる、超自然的で先天的な力のことを指していました。カリスマ的リーダーシップ論においては、人々の心を強く引き付けるような魅力がカリスマ的リーダーシップとして提唱されています。

特にカリスマ的リーダーシップ論においては、「ビジョンの表明」「環境への感受性」「型にとらわれない行動」といったカリスマ性の条件を提唱したコンガー(J.Conger)、カヌンゴ(R.Kanungo)らの研究結果が有名です。一方でカリスマ性の高いリーダーの場合、後継者の育成が困難になるといった課題もあります。


近年注目のリーダーシップ

コンセプト理論より後にも、現代にかけて様々なリーダーシップ論が研究されてきました。最近では無数の新たなリーダーシップが提唱されていますが、ここでは近年注目されているリーダーシップとして代表的なものを4つ解説します。


オーセンティックリーダーシップ

オーセンティックリーダーシップは、高い道徳観や倫理観を持ちつつ、リーダー自身の価値観や考え方をもとに組織を牽引するリーダーシップのことです。このタイプのリーダーシップでは、リーダーがメンバー一人ひとりの強みや弱みを把握して、組織にどう活かせるかを考えながら行動することが重視されます。組織の多様性が重要視される現代と相性のよいリーダーシップのタイプです。


サーバントリーダーシップ

サーバントリーダーシップは、リーダーがメンバーの業務をサポートするタイプのリーダーシップです。サーバント(奉仕者)という名前に現れている通り、リーダーが裏方の仕事に徹することで、メンバーは顧客満足度の改善につながる業務に集中できるとされています。

例えば、資生堂の元社長である池田守氏は現場第一主義を徹底し、上層部を店頭スタッフのサポートを行う存在と位置づけており、サーバントリーダーシップの代表例として知られています。


シェアドリーダーシップ

シェアドリーダーシップは、メンバー全員がリーダーシップを発揮していこうという考え方のことです。リーダーの役割をメンバーがシェアしている状態であり、仕事内容や状況に応じてリーダーシップを発揮するメンバーが入れ替わります。

ただし、シェアドリーダーシップの場合でも完全に全体のリーダーが不在というわけではなく、対外的な役職としてのリーダーは必要です。


パラドキシカルリーダーシップ

パラドキシカルリーダーシップは、組織内や職場で競合する要求に応えるため、一見矛盾していると思われるような行動を取るリーダーシップのことです。組織で仕事を進める際には、必ずしもメンバー全員の利害が一致するとは限りません。

そこで、組織内に存在する矛盾をいかに組織のエネルギーに変換するかに着目したのが、このリーダーシップです。VUCAとも呼ばれる変化の激しい時代に求められる新たなリーダーシップとして注目を浴びています。


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リーダーシップの種類

一口でリーダーシップといっても、その種類は一つではありません。「率先型のリーダーシップ」や「共創型のリーダーシップ」など、階層や状況に応じて求められるリーダーシップのタイプは様々です。

ここからは、リーダーシップの種類を解説します。


ドラッカーのリーダーシップ論とは

経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱したリーダーシップ論は、「仕事の能力ではなく、人格を高める」という点に着目しています。具体的には、以下の3つをリーダーシップとして定義しました。

リーダーシップは仕事である……目標を定めたり、優先順位を決めたりといったリーダーとしての仕事をこなす
リーダーシップは責任である……肩書きや特権ではなく、プロジェクトやチームの結果に対する責任を取る
リーダーシップは信頼である……部下に命令して従わせるのではなく、信頼関係をもとに部下へ主体的に行動させる

以上の3つの観点からリーダーシップを定義したドラッカーの理論は、リーダーシップ論の代表例として現代でも広く知られています。


率先型のリーダーシップ

率先型のリーダーシップとは、チームが目的を達成するために、率先垂範して高い基準で行動することで示すリーダーシップです。係長クラスなど、少人数のチームを牽引していくことが求められる社員に必要とされるリーダーシップといえます。

率先型のリーダーシップを獲得するためには、自らの役割認識が欠かせません。率先型のリーダーシップを身につけるアルーの研修プログラムは、以下のページをご覧ください。
率先型のリーダーシップ

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  『率先型のリーダーシップ』資料ダウンロード 『率先型のリーダーシップ』の資料をダウンロードいただけます。こちらの研修ではチームの目的のためにプロフェッショナルとして自信を持って、決断・行動していくための第一歩を踏み出す方法を学びます。本資料では、実際の研修で扱うアジェンダやワーク資料などをご紹介しています。 アルー株式会社


共創型のリーダーシップ

共創型のリーダーシップとは、メンバーが高いパフォーマンスを発揮できるように環境を整え、メンバーとの信頼関係を構築していくタイプのリーダーシップです。メンバーの持つ可能性に目を向けつつ、ゴールを的確にメンバーへ共有し、ゴールへの到達に向けた支援を行います。リーダーシップの基礎でもある共創型のリーダーシップは、主査や係長など、管理職一歩手前の社員にぜひ獲得してほしい能力です。

なお、共創型のリーダーシップでは、メンバーがパフォーマンスを発揮できるような効果的な支援を提供するのが大切です。アルーの提供する共創型リーダーシップ獲得のためのプログラムは、以下のページをご覧ください。
共創型のリーダーシップ

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  『共創型のリーダーシップ』資料ダウンロード 『共創型のリーダーシップ』の資料をダウンロードいただけます。こちらの研修ではリーダーシップを発揮するために必要な基本スタンスを学び、実践のイメージを持つことを目指します。本資料では、実際の研修で扱うアジェンダやワーク資料などをご紹介しています。 アルー株式会社


理感一致のリーダーシップ

理感一致のリーダーシップとは、自分らしさと組織らしさを起点としながら、それらを調和させてチームを牽引するタイプのリーダーシップです。自分らしさの理解はもちろん、チームの風土や歴史といった組織らしさをよく理解する必要があるため、課長クラスの管理職に必要なリーダーシップといえます。

理感一致のリーダーシップを獲得するためには、「リーダーは特定の行動を取るべき」といった考えから脱却することが重要です。理感一致のリーダーシップを獲得するアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
理感一致のリーダーシップ

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  『理感一致のリーダーシップ』資料ダウンロード 『理感一致のリーダーシップ』の資料をダウンロードいただけます。こちらの研修では「自分らしさ・組織らしさ」を起点として、組織からの期待に応えるためのあり方を磨くための方法を学びます。本資料では、実際の研修で扱うアジェンダやワーク資料などをご紹介しています。 アルー株式会社


変革型のリーダーシップ

変革型のリーダーシップは、他者からの期待に応えるという段階から脱却し、自分で自分を主導していくという成人発達理論における「自己主導段階」を実現したリーダーシップです。50〜300名程度のまとまった人数を牽引する必要のある部長クラスの管理職に必要なリーダーシップといえます。

変革型のリーダーシップを獲得するためには、「自分を導く」という概念を理解した上で、自分の持つエネルギーをメンバーの心に響かせる必要があります。変革型のリーダーシップを獲得するためのアルーの研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
変革型のリーダーシップ

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  『変革型のリーダーシップ』資料ダウンロード 『変革型のリーダーシップ』の資料をダウンロードいただけます。こちらの研修では部長が目指すべきリーダーシップとして、「自分を導く」ことで周囲や環境を導くリーダーシップを理解・体得するための方法を学びます。本資料では、実際の研修で扱うアジェンダやワーク資料などをご紹介しています。 アルー株式会社


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リーダーシップがある人の特徴

	腕を組む男性上司

ここまで、様々なリーダーシップのタイプなどについて解説してきました。それでは、実際にリーダーシップがある人材は、ビジネスの現場でどういった特徴があるのでしょうか。

ここからは、リーダーシップがある人の具体的な特徴を解説します。


論理的思考力があり、決断できる

リーダーシップを発揮するためには、組織としての意思決定を的確にこなす必要があります。質の高い意思決定を実現するためには、論理的思考力や決断力が欠かせません。

リーダーシップがある人材の特徴として、論理的思考力が高く、決断できるという点が挙げられます。チームが直面する複雑なビジネス課題であっても、データなどを活用しながら論理的に要因を分析し、必要なときは重要な決断も下せることが重要です。

リーダーとして重要なロジカルシンキングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ロジカルシンキングとは?メリットや基本的な考え方・鍛え方について紹介


目標設定ができる

リーダーは、組織の方向性を統一するために目標設定を行う必要があります。チームのメンバーにとって魅力的な目標やビジョンを設定し、それを周知していくことで初めてチームは一つの方向へ進んでいくことができるのです。

リーダーシップがある人材は、的確な目標設定ができるという特徴があります。チームのリソースや現状などを踏まえながら、実現可能性のある挑戦的な目標を提示するのが大切です。また、単に目標設定するだけでなく、目標を継続的にチームへ浸透させる努力も求められます。

リーダーの目標設定スキルのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
リーダーの目標設定のポイントとは|必要なスキルや具体例を紹介


学び続ける姿勢がある

IT化やグローバル化が進んだ現在のビジネス環境は、VUCAとも呼ばれる先の見えない状態です。こうした変化の激しい環境でチームが勝ち抜くためには、これまでの成功体験にとらわれてはいけません。時代の状況を見ながら、リーダーは常に新たなスキルや知識を貪欲に獲得し続ける姿勢が必要です。

リーダーシップのある人材は、学び続ける姿勢があるという特徴もあります。「過去に〇〇という方法で上手くいったから次もこれで上手くいく」といった考え方ではなく、常に新たなことが学べないか、さらなる改善はできないか模索する心構えが重要なのです。

柔軟に知識やスキルをアップデートし続けられる「自律型人材」については、以下の記事で詳しく解説しています。
【育成事例あり】自律型人材とは?育成方法や気を付けるポイントを紹介


新しいことへの適応力が高い

リーダーシップの高い人材の特徴として新しいことへの適応力が高いというのも挙げられます。

例えば最近では、IT技術の進歩により人工知能などを始めとした様々なテクノロジーが登場しています。優れたリーダーはこうした新しいことに対して距離を置かず、まずはそのテクノロジーがどういったもので、自分のチームではどう活用できるのかを考えようとします。最終的には活用を見送るという判断を下すこともありえますが、新しい技術や理論を積極的に学び、理解した上で判断するのがリーダーシップの高い人材の特徴です。


コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力は、リーダーとして欠かせない能力です。面白い話をしたり、相手を笑わせたりすることだけがコミュニケーション能力ではありません。ビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力は、相手へ的確に情報を伝達し、ビジネスにおける信頼関係を構築することが重要です。

コミュニケーション能力が高いのも、リーダーシップが高い人材の特徴です。例えば部下へうまく期待感を伝えたり、相手の気持ちを読み取って必要な声掛けを行ったりといったことができます。

コミュニケーション能力についてさらに詳しく知りたい方は、以下のブログ記事をご覧ください。
仕事で求められるコミュニケーション能力とは?鍛え方も紹介


部下育成力が高い

パフォーマンスを高めようとすると、どうしても目の前の仕事をこなすことだけに注力してしまいがちです。しかし、チームが長期的に高い成果を発揮するためには、部下の育成に力を入れる必要があります。

リーダーシップが高い人材は部下育成の重要性をよく理解しており、部下育成力が高いという特徴もあります。例えば部下の能力や特性を踏まえながら、本人の成長につながる仕事をアサインしたり、必要なサポートを提供したりといった行動が取れるのです。


誠実性があり、信頼されている

リーダーとして重要なのが、周囲からの信頼です。メンバーから「あのリーダーならついていきたい」と感じてもらえる信頼も大切ですし、チーム外から「あの部署は〇〇さんが率いているなら安心できるな」と思われる信頼も大切です。

優れたリーダーは誠実性があり、こうした周囲からの信頼を自然と獲得しています。常に仕事に対して誠実に向き合っているということをメンバーやチーム外の関係者が理解しているため、周囲のメンバーが安心して働けるのです。


業務実行力が高い

リーダーシップが高い人材の特徴として挙げられるのが、業務実行力の高さです。リーダーは高いリーダーシップを持つと同時に、プレイヤーとしても高い実力を持つことが求められます。

業務実行力が高ければ、「業務で自分が困ってもリーダーから必要なサポートを受けられる」「あのリーダーのバックアップがあれば、安心して働けるな」と感じてもらうことができます。優秀なリーダーを育成するためには、業務実行力の高さも大切だということを頭に入れておきましょう。


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リーダーシップは生まれつきではなく、後から身につけることが可能

この記事の前半で、1940年代まではリーダーシップは天性のものだと考える特性理論が主流だったと解説しました。しかし、その後の様々なリーダーシップ論の登場により、現代ではリーダーシップは生まれつきのものではなく、後から身につけることができるという考えが主流になっています。

そこで重要になるのが、企業が実施するリーダーシップを身につけさせる研修です。最近では既任管理職を対象とした研修だけでなく、管理職になったばかりの新任管理職や選抜社員を対象とした研修に力を入れる企業も増えてきています。


社員にリーダーシップを身につけさせる方法

リーダーシップは、後天的に身につけられる能力であると解説しました。それでは、社員にリーダーシップを身につけさせるために、会社は具体的に何ができるのでしょうか。

ここからは、社員にリーダーシップを身につけさせる方法を解説します。


リーダーシップ研修を行う

一口でリーダーシップといっても、リーダーシップを構成する能力はたくさんあります。例えばリーダーとしての役割認識を深めることも重要ですし、自己理解や問題解決力の向上もリーダーシップの獲得に役立ちます。

リーダーシップを身につけてもらうためには、こうした個別の能力を伸ばすためのリーダーシップ研修を実施するのが効果的です。ニューノーマル時代にどういったリーダーシップが求められており、具体的にはどのような行動がリーダーに求められるのかを、研修を通じて学んでもらいましょう。

アルーの提供するリーダーシップ研修は、以下のページから詳しくご覧ください。

リーダーシップ研修


実際に小さなチームのリーダーを任せる

社員のリーダーシップを高めるためには、実際に小さなチームのリーダーを任せてみるのもよいでしょう。このときには、安心してリーダーの仕事に取り組めるよう、上司などのバックアップ体制を整えるのが大切です。周囲からのフィードバックも提供しながら、リーダーとして必要な役割を体得させましょう。
リーダーシップを構成する能力は幅広いため、こうした知識をただ闇雲にインプットするだけではなかなかリーダーシップが向上しません。実際にリーダーとしての役割を体験させて、リーダーとして必要な素質を身につけていくのが効率的な場合も多いです。


本・eラーニングでの自主学習をしてもらう

リーダーシップを向上させるためには、本やeラーニングでの自主学習を促すのも効果的です。
リーダーシップに関しては、実業家や人材育成の専門家などから様々な書籍が出されています。また、いつでもどこでもインターネットを通じて学習できるeラーニングでも、リーダーシップについて知識を深めてもらうことが可能です。

本やeラーニングの場合、社員へ研修を押し付けるのではなく、社員の自発性を重視した教育ができるメリットがあります。一方、社員の学習意欲やモチベーションの維持には工夫が必要です。


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リーダーシップを効果的に身につけさせるポイント

	女性上司を中心にした集合写真

リーダーシップを身につけさせるためには、いくつか気をつけておきたいポイントが存在します。例えば、リーダーシップを発揮する際には自己分析が重要です。また、早期からの育成もリーダーシップの形成に大きな役割を果たします。

リーダーシップを効果的に身につけさせるポイントを解説します。


自己分析を行い、課題を明確にする

リーダーシップを発揮するためには、自己分析が欠かせません。特に、自分らしさと組織らしさを調和させる共創型のリーダーシップを実現するためには、自分自身がどういった強みや弱み、価値観を持っているのかを客観視するのが大切です。

リーダーシップを育成する際には、自己分析を行い、課題を明確に認識してもらう点を意識しましょう。リーダーシップ論の歴史からわかるように、現代では理想的なリーダーの形は組織や環境、人によって異なるため、リーダーとしての課題も人それぞれです。自分自身にどういった特徴があって、リーダーとして何が課題なのかを理解してもらいましょう。

自己分析を行う際にはMBTIなどの自己理解メソッドを活用するのもおすすめです。アルーが行なっているMBTIワークショップについては以下のページをご覧ください。
自分らしさを活かすことで仕事と他人との関わり方を考えるワークショップ~MBTI~

▼資料ダウンロードはこちら

  自分らしさを活かすことで仕事と他人との関わり方を考えるワークショップ~MBTI~サービス資料ダウンロード 「自分らしさを活かすことで仕事と他人との関わり方を考えるワークショップ~MBTI~」のサービス資料をダウンロードいただけます。 アルー株式会社


若手のうちから研修を行う

リーダーシップを伸ばす際には、若手の時期から早めの研修を心がけましょう。早期の育成を心がけることで、業務に対する自主性やリーダーの視点が養われ、優秀なリーダーを育成しやすくなります。
リーダーシップは積み重ねてきた習慣の結果に現れるものです。必要になってから習得してもらうのでは時間がかかりますし、急にリーダーシップを発揮するのは難しいでしょう。

若手社員にリーダーシップを発揮してもらうコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
若手社員に求められるリーダーシップ例と発揮してもらうためのコツ


社員のリーダーシップの発揮に対してフィードバックする

リーダーシップを効果的に育成するためには、社員のリーダーシップの発揮に対してこまめにフィードバックを提供するのが大切です。
自分がどれほどリーダーシップを発揮できているのかというのは、なかなか自分だけでは理解しづらいものです。周囲から「〇〇さんにはこういう特徴があって、統率力がある」「メンバーのサポートが得意だが、巻き込む力は弱い」といったフィードバックを受ければ、自分のリーダーシップを見つめ直すきっかけになるでしょう。
上級管理職によるメンタリングや、周囲からボトムアップで意見を吸い上げる仕組みを作り、フィードバックしやすい環境を整えましょう。


組織やチームの心理的安全性を高める

心理的安全性とは、「このチームであれば何を言っても心配ないな」「ありのままでいられるな」といった組織に対する安心感のことです。心理的安全性の高いチームでは、意見交換が活発化し、生産性が向上することが知られています。

組織やチームの心理的安全性は、リーダーシップを育成する際にも重要です。心理的安全性が高ければ、先述したリーダーに対するフィードバックも得やすくなりますし、リーダー自身がチャレンジすることをためらわなくなります。社員のリーダーシップを伸ばす際には、組織やチームの心理的安全性も意識してみてください。

心理的安全性の作り方に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
心理的安全性とは?高める方法や人事が行うべき施策について


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リーダーシップ研修ならアルーにお任せください

アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。階層別研修やテーマ別研修はもちろん、リーダーを育成するための研修も数多く実施した実績があります。

リーダーシップ研修をご検討の場合は、ぜひアルーへお任せください。豊富なノウハウに裏打ちされた、質の高い研修のご提供が可能です。アルーのリーダーシップ研修の内容を紹介させていただきます。


アルーのリーダーシップ研修の内容

アルーでは、管理職を対象としたリーダーシップ研修はもちろん、若手や中堅層など将来的にリーダーシップを発揮することが期待される社員を対象としたリーダーシップ研修もあわせて行っております。

アルーのリーダーシップ研修は、アウトプット中心の実践的なプログラムになっているのが特徴です。まずは講義を通じてリーダーとしての視座や役割認識を理解してもらい、その後に「現場の意見を吸い上げる」「他部署と折衝する」「問題の定義と原因追求」といった実践演習に取り組んでもらいます。

アルーのリーダーシップに関する研修については、以下のページで詳しくご確認いただけます。
リーダーシップ研修


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リーダーシップ研修の事例

アルーでは、これまでに業界を問わず数多くの企業でリーダーシップ研修のお手伝いをしてきました。いずれの事例でも、それぞれの企業様の抱えているビジネス課題に合わせて、柔軟にカスタマイズした研修を提供したのが特徴です。

ここでは、アルーがサポートしたリーダーシップ研修の事例を3つご紹介します。


東急株式会社の研修事例

社会やビジネス環境の重要な変化に対応するため、東急株式会社様は育成施策の見直しを行っていました。この取り組みの中でアルーがサポートさせていただいたのが、「インサイドアウトのリーダーシップ」を実現するための研修プログラムです。

この事例では、2022年の8月から12月にかけて、計10日間にわたるプログラムが展開されました。8月〜9月の研修の初期段階では、課題設定や戦略策定に必要な知識を中心に提供し、その後は実際の業務現場での実践を重視しました。2回のワークショップでは、実務経験をもとにした振り返りを行い、更なるリーダーシップの向上を図っています。

詳しい事例は、以下のページをご確認ください。
経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ(東急株式会社)


ポーラ化成工業株式会社様

ポーラ化成工業株式会社様は、「女性の積極的な参加を促進する組織文化の構築」を目指し、育成委員会によって選抜された18名の女性社員を対象に研修を実施しました。

この事例では、合計で4ヶ月にわたり計5回の研修プログラムを実施しています。プログラム中では自身の強みを活かしたリーダーシップの展開方法に焦点を当てながら、参加者の主体的な学びを促しました。研修中にはグループワークが積極的に組み込まれており、社員の主体性を引き出すための工夫がされています。研修の結果、社員は「傾聴」の姿勢が身についたとともにリーダーシップスキルが向上し、その成果は実際の業務での変化としても表れています。

詳しい事例は、以下のページをご確認ください。
女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する(ポーラ化成工業株式会社)


コスモ石油株式会社様

コスモ石油株式会社様は、新任ライン長のマネジメント能力向上を目的とした研修を実施しました。3日間にわたる研修プログラムが展開される中で、アルーでは2日目と3日目のサポートを実施しております。

この研修では「他責から自責」を中心に据えながら、マネジメントスキルとマインドセットを習得しました。「相手へ伝わったことがすべて」という考えを身につけてもらうことによって、現場での円滑なマネジメントを実現した事例です。

詳しい事例は、以下のページをご確認ください。
信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社)


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まとめ

リーダーシップについて、リーダーシップ論の歴史やリーダーシップの内容、リーダーシップを育成するための方法などを徹底的に解説しました。

かつては天性のものだと考えられていたリーダーシップですが、近年では研修を始めとした教育施策によって社員のリーダーシップを伸ばすことを重要視する企業が非常に多いです。アルーでは、社員のリーダーシップを伸ばすための研修を豊富にご用意しております。アルーの提供するリーダーシップ研修は、以下のページで詳しくご確認ください。
リーダーシップ研修

ぜひこの記事の内容を参考にリーダーシップへの理解を深め、社員のリーダーシップを効果的に伸ばしていきましょう。


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