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リーダーの目標設定のポイントとは|必要なスキルや具体例を紹介

「部下にとってちょうどよい目標を設定するコツを知りたい」「部下を育成するために必要な目標設定のスキルを知りたい」

こういった考えを持つリーダーは多いものです。リーダーがメンバーの目標をうまく設定してあげることで、個々の成長を引き出せるとともに、モチベーションアップやチームの将来性向上といった効果が期待できます。この記事では、リーダーが目標設定する際に必要なスキルや目標設定の具体例について解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.目標設定が重要な理由
    1. 1.1.メンバーの目標達成に取り組む姿勢を作ることができる
    2. 1.2.メンバーに目標を自分ごととして捉えさせ、前向きにすることができる
    3. 1.3.現状の把握や結果のふり返りができる
  2. 2.リーダーが目標設定をする流れ
    1. 2.1.組織のミッション・ビジョンの確認
    2. 2.2.会社が期待する目標の提示
    3. 2.3.メンバーの価値観を引き出す
    4. 2.4.会社からの期待と本人の意思との関連付け
    5. 2.5.目標を達成するための計画を立てる
    6. 2.6.計画の実行支援を行う
  3. 3.リーダーが目標設定をする際のポイント
    1. 3.1.会社からの期待について、メンバーの考えを聞く
    2. 3.2.優しすぎず、難しくしすぎない
    3. 3.3.SMART目標を設定する
  4. 4.リーダーが目標設定をする際に必要なスキル
    1. 4.1.上位目標を咀嚼する力
    2. 4.2.質問力・傾聴力
    3. 4.3.課題の洗い出しと解決策の提示ができる力
  5. 5.【職種別】目標設定事例
    1. 5.1.営業職
    2. 5.2.事務職
    3. 5.3.管理・バックオフィス職
    4. 5.4.企画・マーケティング職
    5. 5.5.ITエンジニア職
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目標設定が重要な理由

チームのリーダーが部下の目標設定を行い、進捗状況を管理する機会は少なくありません。それでは、なぜメンバーが個々で目標を設定するのではなく、リーダーが目標設定にコミットすることが重要なのでしょうか。

リーダーが目標設定に関わることが重要な理由について確認していきましょう。


メンバーの目標達成に取り組む姿勢を作ることができる

リーダーが目標設定をする際には、ただ単にメンバーそれぞれのゴールを提示するだけでは十分ではありません。リーダーは必要に応じて、その目標が定められた意味や目標達成の意義などを伝えていきます。

リーダーが目標の意味や意義について詳しく説明すれば、「目標を達成しよう」というメンバーの意識を高めることができます。リーダーはチームや組織全体の視点も交えながら目標の意義を説明し、目標達成に向かう姿勢を作り出してあげましょう。


メンバーに目標を自分ごととして捉えさせ、前向きにすることができる

目標を自分ごととして捉えさせることは、メンバーが目標達成に向けて取り組むモチベーションを引き出す上で極めて重要です。メンバーが主体性を持って目標に取り組むことで、目標を達成できる可能性が飛躍的に高まります。

リーダーがメンバーの価値観と目標の共通点をうまく説明してあげることによって、目標達成に対する主体意識が高まります。リーダーが日頃からメンバーの特性や価値観に目を配っておくことで、目標達成に前向きな姿勢をより一層引き出せます。


現状の把握や結果のふり返りができる

リーダーは目標設定に携わる際に、メンバーと一緒に仕事の進捗状況などを細かく確認するようにしましょう。リーダーが目標設定の際にメンバーの状況を把握すれば、現状の把握や結果の振り返りにもつながります。

特に、入社したばかりの新入社員はそもそも何が課題点なのか、次に何へ取り組めばよいのかが曖昧になってしまうケースが多いです。「何か困っていることはないか?」「自分の課題点は見えているか?」といった質問を通じて、リーダーはメンバーへ必要なサポートを提供することができます。


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リーダーが目標設定をする流れ

リーダーが目標設定する際には、まず組織のミッションやビジョンを確認し、会社が期待している目標を提示するところから始まります。その後、メンバーの価値観と会社の方向性をすり合わせながら、具体的な目標設定へと踏み込んでいくのが効果的です。

リーダーが目標設定する際のステップについて見ていきましょう。


組織のミッション・ビジョンの確認

メンバーの目標設定を適切に実施するためには、リーダーが会社の方針を正しく理解する必要があります。

リーダーが目標設定をする際の最初のステップは、組織のミッションやビジョンをリーダー自身が確認することです。会社が掲げている中長期経営目標やKPIといった指標を参考にすることはもちろん、必要に応じて上級管理職や経営陣にもヒアリングを行いながら、組織が今どういった方向に向かっているのかを明確化させましょう。


会社が期待する目標の提示

リーダーが組織の全体的な方向を把握した後は、メンバーに対して会社が期待する目標を提示していきます。会社がどういった役割や人物像を期待しているのか、会社の期待する目標をメンバーへ提示しましょう。

この際、上司はメンバーに対して一方的に説明するのではなく、「メンバーが会社の目標に対して納得する支援をする」という視点を持つことが大切です。メンバーが上位目標に対して納得していない場合、目標に向かって取り組む意欲が減少し、目標達成への道筋も曖昧になります。目標の背景や意義も説明しながら、メンバーが会社の目標に納得できるよう支援することが大切です。


メンバーの価値観を引き出す

メンバーには、それぞれが大切にする価値観があります。会社の方針からメンバー個々の具体的な目標を定める前に、ミーティングでの質問などを通じてリーダーはメンバーの持つ価値観を引き出していきましょう。

メンバーの持つ価値観は、以下の4つに分けられます。


  • 目指す人物像など、自分に対する価値観
  • 入社した動機や会社に対する印象など、会社に対する価値観
  • 取り組みたい仕事や、仕事を通じて成し遂げたいことなど、仕事に対する価値観
  • 気の合う人物像や理想の人間関係など、人に対する価値観


リーダーはこの4つの価値観を意識した上で、それぞれをバランスよく把握することが効果的です。


会社からの期待と本人の意思との関連付け

本人の価値観を明らかにした後は、その価値観を会社からの期待と関連づけていきます。会社の目指す方向と本人の持つ価値観にどのような共通項があるのか、共通点を実現するためには何ができるのかを、メンバーとともに考えていきましょう。

例えば本人が「お客様に感謝してもらえる仕事に取り組みたい」と考えており、会社は「売上実績1,000万円」を期待している場合、「お客さまからの感謝」と「売上高」の関連性に気付いてもらうようなコミュニケーションを行いましょう。たとえば、「お客様に感謝してもらうため、商品の魅力に加え、その後の活用方法まで丁寧に説明することで、リピート売り上げ○○万円を期待できる」といったすり合わせが考えられます。


目標を達成するための計画を立てる

メンバーの価値観と会社の方向性をすり合わせたあとは、目標を達成するために必要な具体的な計画を考えていきます。目標達成を行うためにどのような手段を採用するのか、どのようなスケジュールで取り組むのかなど、目標達成に向けた計画策定を行いましょう。

もしリーダーがゴールを定めるだけで目標達成までの道筋を把握しない場合、目標到達に向けてどのタイミングで介入すればよいのかわからなくなってしまいます。今後の軌道修正やサポート提供のためにも、リーダーとメンバーが一緒に目標達成の計画を策定するのが大切です。


計画の実行支援を行う

メンバーが目標達成するためには、メンバーが自主的にPDCAサイクルを回せているかリーダーが適宜チェックするのが効果的です。目標達成に向けた道筋を定めたら、リーダーはメンバーに対して計画の実行支援を行いましょう。

実行支援を実施する際には、上司が中心となって目標達成に向かうのではなく、あくまでもメンバーが自主的に成長サイクルを回す支援を行う姿勢が大切です。メンバーが最短距離で目標達成に向かえるよう、メンバーの様子をモニタリングする必要があります。


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リーダーが目標設定をする際のポイント

積み木の階段

リーダーが目標設定をする際には、いくつかの気をつけておきたいポイントが存在します。これらのポイントに注意しながらリーダーが目標設定を行うことで、メンバーが目標を達成できる確率をさらに高めることが可能です。

リーダーが目標設定をする際に気をつけたいポイントについて解説します。


会社からの期待について、メンバーの考えを聞く

企業の一員として働く以上、企業全体の目指す方針と自身の目標をすり合わせることは必要不可欠です。しかし、メンバーの価値観と企業の目指す方向性が必ずしも一致するとは限りません。

そこで大切になるのが、「会社からの期待について、メンバーの考えを聞く」という姿勢です。会社の掲げている方針を説明したあとで、「自分にあっていると思うか?」「期待感が少なすぎたり、多すぎて負担になったりしていないか」と質問し、メンバーの価値観と会社の方向性の関連付けを行いましょう。メンバーが会社からの期待感に納得すれば、「目標を達成したい」という前向きな姿勢を引き出すことができます。


優しすぎず、難しくしすぎない

目標が本人の能力に対してあまりにも難しすぎる場合、「どうせ頑張っても叶わない」と目標達成を諦めてしまいがちです。一方で目標が本人の力量に対して簡単すぎると、「頑張らなくても目標達成できるから努力しなくてもよい」と考えてしまい、目標設定の本来の意義を失ってしまいます。

目標設定する際には、目標の難易度を本人にとって最適なレベルに調整することです。目標の難易度を適切に保つためにも、リーダーは日頃からメンバーの仕事の状況や力量に目を配るようにするとよいでしょう。


SMART目標を設定する

SMART目標とは、以下の5つを満たすような目標のことを指します。


  • Specific:具体的であるか
  • Measurable:測定可能か
  • Attractive:魅力的なものか
  • Realistic:現実的であるか
  • Time-bound:期限が明示されているか


これらはいずれも、質の高い目標を設定する際に重要なポイントです。目標設定をする際にはこの5つの観点を意識しながら、「SMARTな目標になっているか?」を確認するようにしましょう。


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リーダーが目標設定をする際に必要なスキル

会議風景写真

リーダーがメンバーの目標を適切に設定するためには、上位目標を咀嚼する力や、傾聴力、質問力といったいくつかのスキルが求められます。メンバーの目標設定をしっかりと行いたいリーダーの方や管理職に対しては、このような能力を伸ばす育成を行うとよいでしょう。

リーダーが目標設定する際に必要なスキルについて主なものを3つ、解説します。


上位目標を咀嚼する力

リーダーは、ただ単に自分自身でメンバーの目標を決めればよいわけではありません。部署全体、さらには企業全体が掲げている方針や目標に沿ってメンバーの目標を決め、それをメンバーが納得できる形でうまく説明する必要があります。

この際に必要なのが、上位目標を咀嚼する力です。組織がどのような方向に向かっていて、自部署はどのような役割を期待されているのか、といったように、上層部の掲げる目標の意義や背景を理解し、それを自分の言葉で伝えられるようになりましょう。


質問力・傾聴力

目標を設定する際には、メンバーそれぞれが持つ価値観や考えていることをリーダーがうまく聞き出す必要があります。メンバーの感じていることを的確に把握することで初めて、メンバーが心の底から納得できるような目標が提示できるようになるのです。

そこで必要なのが、チームメンバーの意思を聞く際に求められる質問力や、傾聴力です。しっかりと最後まで部下の話に耳を傾け、気になるところを効果的に掘り下げられるようになると、メンバーがより一層納得しやすい目標を設定できるようになります。

管理職の傾聴力について詳しくは『管理職が傾聴力を高める育成方法とは?傾聴力を高めるメリットと目的』の記事もご覧ください。

▼資料にもまとめました。PDFでほしい方はこちらからダウンロードください。

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課題の洗い出しと解決策の提示ができる力

先ほども解説したように、リーダーはメンバーに対してゴールを提示するだけでは不十分です。目標達成に向けてメンバーは何に取り組む必要があるのか、トラブルに直面したときにどう切り抜ければよいのかを伝えることで、メンバーは安心して目標に挑めるようになります。

リーダーは、課題の洗い出しと解決策の提示ができる力を身につける必要があります。メンバーの理想と現実のギャップを埋めるためには何が必要なのかをうまく整理して、論理的に考えることが有効です。


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【職種別】目標設定事例

目標設定の際のコツや、目標設定に必要なスキルについて解説しました。実際にリーダーが目標を設定する際には、メンバーの職種に応じて適切な目標にする必要があります。

ここでは営業職や事務職といった代表的な5つの職種を題材に、リーダーが目標設定する際の具体的な事例について見ていきましょう。


営業職

営業職の目標設定の例としては、例えば以下のようなものが考えられます。


  • 新商品の販路を拡大し、売上1,000万円を達成する
  • 顧客からのお問い合せ件数を、先月比で1.5倍にする


売り上げに直結する職務内容の多い営業職では、「1,000万円」や「1.5倍」といった具体的な数値がよく目標に盛り込まれます。こういった目標数値を設定する際には、これまでの売上データなども参照しながら、適切な難易度の数値を設定することが重要です。


事務職

事務職の目標としてよく設定されるものは、以下の通りです。


  • 部門の業務プロセスを改善し、業務効率を10%向上させる
  • 部門のミス発生率をゼロにする


事務職の目標としては、業務効率化に向けた業務プロセスの改善が代表的です。また、ミスの許されない業務の多い事務職では、ミス発生率の低下を目標とする場合も少なくありません。事務作業の効率化に向けた具体的な案出しを行ったり、業務の確認プロセスの再検証を行ったりするなど、目標達成のために必要な施策とあわせて考えるとよいでしょう。


管理・バックオフィス職

人事や経理といった管理・バックオフィス職の具体的な目標設定としては、例えば以下のようなものが考えられます。


  • 全社平均の残業時間を月5時間、削減する
  • 研修制度を充実させ、人材の育成プロセスを改善する
  • 人事管理システムを見直し、作業工数を40%削減する


バックオフィス職はルーティン業務も多く、黙々と作業をこなすだけになってしまうとチャレンジングな目標を見失ってしまいがちです。「前年度より5%削減する」「月3時間短縮する」といったような具体的な目標数値も交えながら、会社にとってプラスになる目標を考えてみましょう。


企画・マーケティング職

顧客の声や市場ニーズを参考にしながらサービスや商品の方向性を決めていく企画・マーケティング職では、以下のような目標が多いです。


  • 市場調査に力を入れ、自社の強みと課題点を経営陣に提言する
  • 販売状況分析の結果を活かし、営業部門の売り上げ目標を達成させる
  • 市場ニーズを踏まえた新商品を5つ開発し、売れ行きをトラッキングする


企画やマーケティング職は、広報部門や営業部門、さらには経営陣など、自社の幅広い部署と関わることが多いのが特徴です。他部署の目標や方向性も把握しながら、部署横断的な施策を展開するのがよいでしょう。


ITエンジニア職

自社サービスの品質や顧客満足度に直接影響を与える機会の多いITエンジニア職では、以下のような目標を定める事例が多いです。


  • 来期までに3つの新機能を実装し、4月リリースを目指す
  • 現在報告されている10個の不具合を今月中に解決する
  • ITトレンドをキャッチアップしながら、新サービスに使えそうなアイディアを洗い出す


ITエンジニア職の目標を定める際には、会社がITサービスにどのような役割を求めているのかを把握するのが重要です。


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リーダーの教育ならアルーにお任せください

リーダーが目標設定を行う際には、自社に対する理解や上位目標を咀嚼する力、傾聴力や質問力といった幅広い能力が必要です。このほかにもリーダーシップやマネジメント力など様々なスキルが求められるリーダーを育成するのは決して簡単ではないでしょう。

リーダーの教育をご検討の際は、ぜひアルーへお任せください。人材育成を専門に手掛けてきたアルーでは、リーダー育成のために活用できる様々なプログラムをご用意しております。豊富な実績に基づくノウハウを活用しながら、優秀なリーダーを育てるため最大限のサポートをさせていただきます。

リーダーの目標設定力を向上させるには、特に「評価者研修」を取り入れることがおすすめです。

目標設定のコツはもちろん、その後の計画策定や実行支援、評価面談の仕方まで必要なスキル・心構えをセットで学ぶことができます。


▼詳しくは評価者研修の資料をご覧ください。

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