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ダイバーシティの取組み事例10選。ダイバーシティとはなにかを簡単解説

近年、様々なメディアでもよく聞かれるようになった「ダイバーシティ」という言葉。最近では企業の経営でもダイバーシティが重視されるようになってきており、業種や業界を問わずダイバーシティに関する様々な取り組みが行われています。

そこでこの記事では、そもそもダイバーシティとは何か、また企業が実際に実施しているダイバーシティへの取り組み事例についてご紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.ダイバーシティとは?
  2. 2.D&IからDE&Iに変遷した背景
  3. 3.ダイバーシティの種類
  4. 4.ダイバーシティ推進の背景と必要性
  5. 5.ダイバーシティへの取り組みの事例10選
  6. 6.企業におけるダイバーシティの取り組み
  7. 7.ダイバーシティを推進することによる企業への効果
  8. 8.ダイバーシティ推進でぶつかる3つの壁
  9. 9.ダイバーシティの取り組みの注意点
  10. 10.まとめ


ダイバーシティとは?

ダイバーシティとは日本語にすると「多様性」のことで、性別や国籍、年齢や文化などの違いに関わらず、多種多様で幅広い人材が組織内で共存したり、活躍したりできるような、企業や組織における環境の多様性のことを指します。

多様性を認め、それを活かした組織づくりを進めれば、意思決定により幅広い視野を取り入れられるようになるとともに、誰もが尊重し、自分らしく活躍できる環境が実現できます。近年では、ダイバーシティとエクイティ、インクルージョンの3つを合わせたDE&Iという言葉が用いられることも多いです。


インクルージョンとの違い

ダイバーシティとよく同じ文脈で語られる言葉に、「インクルージョン」があります。DE&Iの”I”の部分に当たるインクルージョンとは、直訳すると「包括」といった意味です。多様性を認めるだけでなく、すべての人が組織へ平等に参加し、貢献できるような環境づくりのことをインクルージョンと呼びます。

インクルージョンの最大の特徴は、ただ多様性のある組織を作るだけでなく、お互いの違いを活かした組織づくりを重視する点にあります。ダイバーシティとあわせて、インクルージョンの考え方を取り入れるのが効果的です。


エクイティとは

エクイティとは「公平性」といった意味の単語で、人々が同じ権利を持っていることだけでなく、個々のニーズに応じた支援を提供することによって、公平性を確保しようという考え方のことです。

よく「平等」と混同されがちですが、公平とはすべての人々に同じ権利があることを目的とするだけではありません。すべての人々に必要なサポートが提供されることによって、組織内の格差を是正するのが「公平」の考え方です。


ダイバーシティ経営との違い

ダイバーシティ経営とは、人材が持っている多様な個性を活かし、これまでにない価値を創造したり、組織としてのパフォーマンスを向上させたりする経営スタイルのことです。経済産業省もこのダイバーシティ経営を推進しており、「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」の中で以下の項目を「7つのアクション」として掲げています。


  • 経営戦略への組み込み
  • 推進体制の構築
  • ガバナンスの改革
  • 全社的な環境・ルールの整備
  • 管理職の行動・意識改革
  • 従業員の行動・意識改革
  • 労働市場・資本市場への情報開示と対話


ダイバーシティの考え方を経営に活かすことで、より強靭な組織づくりを目指すのがダイバーシティ経営です。




D&IからDE&Iに変遷した背景

数年前までは、ダイバーシティとインクルージョンを合わせた”D&I”という言葉が流行していました。しかし、最近ではこの2つに「エクイティ」を加えた”DE&I”という言葉が脚光を浴びるようになっています。

D&IからDE&Iに変遷した背景として、「均等な機会を提供するだけでは格差は解消できない」という考え方が浸透したことが挙げられます。特に米国を中心に社会構造的な不平等が社会問題化し、格差を積極的に是正する取り組みである「アファーマティブ・アクション」も取り上げられるようになりました。世代を超えて継承されてしまう格差を解消するための取り組みとして、D&Iよりもさらに一歩進んだDE&Iが注目されているのです。



ダイバーシティの種類

「ダイバーシティ」というと女性活躍や、障がい者雇用といった単語を連想しがちですが、ダイバーシティの取り組みは性別や障がいに限ったものではありません。個人が持つ幅広い属性を取り込んでいこうというのが、ダイバーシティの考え方です。

ダイバーシティは、目に見える違いである「表層的ダイバーシティ」と、目に見えない違いである「深層的ダイバーシティ」の2つに分けられます。


表層的ダイバーシティ

表層的ダイバーシティとは、性別や年齢といった、外見で識別しやすい個人の属性を指します。具体的には、例えば以下の項目が表層的ダイバーシティの着眼点です。


  • 性別
  • 年齢
  • 人種や民族、国籍
  • 障がいの有無


こういった表層的な属性に対するダイバーシティの取り組みは、男女雇用機会均等法などで以前からも行われてきました。一方で日本ではまだまだ取り組みが不十分な領域も多く、ダイバーシティを意識的に確保するための継続的な取り組みが求められています。


深層的ダイバーシティ

深層的ダイバーシティとは、表層的ダイバーシティとは異なり、外見では識別しづらいような属性の多様性を指します。例えば、以下のようなものが深層的ダイバーシティの代表例です。


  • 性格や考え方
  • 習慣や仕事のスタイル
  • 趣味や特技、スキル、知識
  • コミュニケーションスタイル
  • 性的指向


一般的に「ダイバーシティ」というと、先ほど紹介した表層的ダイバーシティに関する取り組みが連想されがちです。一方でこういった目には見えない属性に着目しなければ本質的な多様性が確保されないことも多く、深層的ダイバーシティまで取り組みを広げることが求められています。



ダイバーシティ推進の背景と必要性

掌の上の人型の紙

ここでは、ダイバーシティ推進が最近になってより一層進められるようになった背景と、その必要性について解説します。


企業のグローバル化

ダイバーシティが脚光を浴びるようになった背景として、企業のグローバル化が進んだことが挙げられます。日本では1990年代から国内市場が飽和傾向にあり、少子高齢化の進展も著しいです。また、新型コロナウイルスで国内市場が縮小したことをきっかけに、海外進出を始める企業も増えてきました。

企業が世界中の多種多様なニーズを理解し、各国のビジネス環境で渡り合っていくためには多様性の確保が欠かせません。多様な顧客ニーズに合わせたサービスや商品の開発を行うために、ダイバーシティに取り組む企業が増えています。



生産年齢人口の減少

ダイバーシティが脚光を浴びるようになった背景のもう1つには、日本の生産年齢人口(15~64歳)の減少があります。日本の生産年齢人口は1995年の約8,700万人をピークに減少に転じており、2015年には約7,700万人まで減少しています。この傾向は将来にわたって継続すると見込まれ、2060年には約4,800万人と、2015年の約6割の水準まで減少すると推計されています。

生産年齢人口の変化

引用:第2節 日本の人口動態と労働者構成の変化

日本の労働力人口と生産年齢人口のうち、労働力人口について見ると、1995年から2015年までの減少幅が約42万人となっており、生産年齢人口ほどには減少していなく、生産年齢人口が減少する中、労働力人口に占める女性及び65歳以上の人材の労働参加率上昇が、生産年齢人口減少の影響を緩和しています。

労働力人口と生産年齢人口の推移

引用:第2節 日本の人口動態と労働者構成の変化

このように、生産年齢人口が減少する中、労働力人口に占める女性及び65歳以上の割合が増えていることも、ダイバーシティが注目されるようになった背景の一つです。これまでの「働き盛りの男性が会社を支える」といったイメージから脱却し、幅広い年代の人材や女性の人材が活躍できる環境を用意して、労働力を確保しようとする企業が増えています。


働き方を含む価値観の多様化

日本は以前まで、新卒から定年までの雇用を保障する終身雇用が一般的でした。一方で最近では人材の流動性が増すとともに、働き方に対する価値観も大きく変化してきています。

働き方を含む価値観の多様化も、企業がダイバーシティに着目するようになった背景です。最近では若い世代を中心に「キャリアよりもワークライフバランスを重視したい」「仕事と家庭を両立したい」といった意識も見られ、企業側にはこのようなニーズを把握した経営が求められています。


女性活躍推進が求められている

労働力人口の女性割合が増えているものの、女性管理職の数はまだまだ少ないのが現状です。日本では、2020年の現状を踏まえて発表された男女共同参画基本計画で、2025年までに達成すべき女性比率の目標が職種・役職ごとに細かく発表されています。

この目標によると、民間企業における部長相当職の2025年までの達成目標は12%となっています。2019年時点では6.9%という結果になっており、5ポイントの引き上げが必要です。また、課長相当職や係長相当職における女性社員の割合もそれぞれ18%、30%に設定されており、2025年までに達成できるかが注目されています。

また、株式会社帝国データバンクの調査によると、女性管理職比率が30%以上の割合は2021年時点で8.6%です。2019年からやや向上しているものの、政府目標の30%には遠く及ばない数値のため、多くの企業では女性活躍推進を行い、女性管理職比率の向上に努めています。

管理職の女性の割合の推移


参考:女性管理職の平均割合、過去最高も8.9%にとどまる|TDBのプレスリリース


一方で、女性役員の比率はどうでしょうか?2023年6月5日の男女共同参画会議で、政府は女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)の原案を示し、東証プライム市場上場企業を対象に2025年を目途に女性役員1名以上、2030年までに女性役員の比率を30%以上にする目標を設定しました。また、優良なスタートアップ企業に占める女性起業家を2033年までの10年で20%にする新目標も掲げています。
株式会社帝国データバンクの調査によると、女性役員比率が30%以上の企業の割合は2021年時点で16.2%です。

役員の女性の割合の推移

参考:女性管理職の平均割合、過去最高も8.9%にとどまる|TDBのプレスリリース

このように、管理職、役員ともに現状よりも女性比率の引き上げが求められています。女性活躍推進のためにも、ダイバーシティの取組みが重要なのです。


消費の多様化

最近では、テレビや新聞といった伝統的なメディアだけでなく、SNSやウェブメディアなど多様な媒体で情報に触れる機会が増えてきています。こうした事情を背景に進んできているのが、消費の多様化です。飽和傾向にある日本市場では、「オリジナル」「限定品」といった個性重視の商品が注目を浴びてきています。

消費の多様化も、ダイバーシティへの取り組みへ大きく影響を与えています。多様化する個々のニーズを的確に捉え、消費者行動に対応した商品・サービス開発を行うためには、企業側の多様性を確保することが欠かせないのです。




ダイバーシティへの取り組みの事例10選

ダイバーシティへの取り組みや、取り組みを行う際の注意点について解説しました。この記事の最後に、実際に企業がダイバーシティへ取り組んだ事例を紹介します。それぞれの事例を見ながらダイバーシティへの取り組みの具体例を把握し、ダイバーシティへ取り組む際の参考にしてみてください。

ポーラ化成工業株式会社

重点戦略である女性活躍に関する研修を9か月にわたり実施しました。生産系の女性社員の内を選抜し、主体性やチームワークの醸成を目的とした研修を行ないました。結果として各持ち場でリーダーシップを発揮する女性が増えました。

詳しい事例は以下のページから確認いただけます。

女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する(ポーラ化成工業株式会社)



東芝

東芝では、ダイバーシティを確保するための取り組みをいち早く実施しています。2004年に設置された男女共同参画組織「きらめきライフ&キャリア推進室」を皮切りに、さまざまな施策を継続的に実施してきました。 近年では、2020年にD&Iの推進を目的とした社内の有志コミュニティ「カメレオンズクラブ」を立ち上げています。LGBT+アライといったチャンネルで従業員が情報交換やセミナー開催を行うなど、国籍や宗教、人種や性自認といった属性にとらわれない組織風土を実現しました。

参考:ダイバーシティ&インクルージョンの推進 | サステナビリティ | 東芝

資生堂

「LOVETHEDIFFERENCES(違いを愛そう)」というスローガンを掲げ、性別や年齢、国籍といった属性や考え方の違いにとらわれない環境の推進を目指している資生堂。個々人の違いを互いに認め合う環境を目指し、ダイバーシティ推進のための取り組みを進めてきました。 中でも女性活躍には15年以上前から力を入れており、女性活躍の壁となりがちな長時間労働の解消や休暇制度の整備を進めました。また、事業所内保育所や保育料の補助といった制度も積極的に取り入れており、家庭と仕事を両立しやすい環境を実現しています。

参考:ダイバーシティ&インクルージョン | 人材 | サステナビリティ | 資生堂 企業情報

小金井精機製作所

カーボンニュートラルの実現に向けて低燃費電動車の開発やハイブリッド部品加工などに取り組んでいる小金井精機製作所。「ものづくり企業のダイバーシティ」として先駆け的な存在で、ダイバーシティを確保するさまざまな取り組みに成功してきました。 中でも同社が力を入れているのは、外国人人材の採用です。ベトナム人を中心とした外国人材を積極的に採用し、2018年にはベトナム国家主席が国賓として来日し、同社を視察しました。

参考:小金井精機製作所

パナソニックグループ

挑戦する一人ひとりが互いの個性を受け入れ、組織として活かしあうことで、より高い価値を生み出し、社会へのお役立ちを果たしていくことを掲げ、DEI(Diversity,Equity&Inclusion)を推進しています。 中でも、インクルーシブな職場環境づくりや、様々な個性をもつ社員が活き活きと挑戦し、活躍していくための働き方の多様化に力を入れています。社員一人ひとりが心身ともに健康で、挑戦の機会を通じて幸せと働きがいを感じている「ウェルビーイングな状態」を常に維持できる環境と仕組みづくりに注力しています。

参考:パナソニックホールディングス



エーザイ

ビジネスの視点を従来の「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」へと拡大することとなりました。そこで、より多様化する患者や生活者のニーズに応えうる多様性を備えるため、全社を挙げてDE&I(Diversity, Equity&Inclusion)を推進しています。 中でも、国籍・性別・年齢などを問わず多種多様な価値観を持つ人財が活躍できる風土づくりを進めています。国籍・ジェンダー・年代等の違いや国境を超え、多様性がもたらす知のスパイラルを実現し、イノベーション創出につなげることをめざしています。

参考:エーザイ

日産自動車

お客さまの多様なニーズに対して最大限に応え、あらゆるステークホルダーと共に持続的な成長を維持するために、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。 中でも、ダイバーシティ&インクルージョンの推進体制を整え、女性活躍推進、多様な文化間での協働、仕事と生活の両立(ワークライフバランス)、働きやすい職場作りに取り組んでいます。

参考:日産自動車

セブンイレブン

多様な働き方を支援することが企業としての責務であると考え、従業員が働きがいを持って仕事ができるよう、働きやすく魅力的な職場をつくることに取り組んでいます。職場環境を整備することが、生産性の向上や人材の確保につながるだけではなく、お客様の満足度向上やイノベーション創出につながり、競争力の源泉になると考え、取り組みを強化しています。 中でも、女性従業員のチャレンジの応援、女性OFC(オペレーションフィールドカウンセラー:経営相談員)の積極登用、男性の育児参画の促進、育児休職中の社員向け「復職ガイダンス」の実施、ノーマライゼーションの推進(障がい者の活躍支援)、従業員表彰制度に取り組んでいます。

参考:セブン‐イレブン・ジャパン

ソフトバンク

ダイバーシティを重要な経営課題と位置づけ、まずは女性の活躍推進に焦点をあて、有識者をアドバイザーに迎えた女性活躍推進委員会を設置して取り組んでいます。多様な人材が活躍できる企業風土実現のために、積極的にダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進しています。 中でも、女性活躍推進として、2018年4月には241人だった女性管理職を2023年4月には444人に増やし、女性管理職比率を向上させています。他にも、ジェンダー・ペイ・ギャップ解消の取り組み、障がい者採用、LGBTQに関する取り組み、シニア人材の活躍推進に取り組んでいます。

参考:ソフトバンク

メルカリ

バックグラウンドによって個人の可能性が決めつけられることなく、誰もが簡単に取引に参加でき、自由に価値を生みだす機会を手にできる社会の実現を目指しています。そのために、メルカリグループ全体で、「インクルーシブなプロダクトやサービスの開発」に向けた取り組みを進めています。 中でも、人・組織のパフォーマンスを最大化するための仕組みづくり・制度や社外に向けた取り組みを行っています。

参考:メルカリ



企業におけるダイバーシティの取り組み

企業におけるダイバーシティの重要性について解説してきました。それでは、実際にダイバーシティへ取り組む際には具体的にどういった取り組みが考えられるのでしょうか。

企業においてよく実施される、ダイバーシティへの取り組みについて見ていきましょう。


柔軟な働き方の採用

ダイバーシティへの取り組みとして真っ先に取り上げられるのが、柔軟な働き方の採用です。「定時出社し、決められた時間まで働く」という制度を柔軟に見直せば、育児中や介護中の人、持病や障がいのある人でも働きやすい環境を作ることができます。

具体的には、あらかじめ働く時間の総量だけを決めて時間帯は本人に任せる「フレックスタイム制」や、実際の勤務時間に関係なく労使で定めた時間だけ働いたものとみなす「裁量労働制」といった制度が有効です。


自律的キャリア育成

近年の新入社員の傾向として、「協調性に優れる一方で、『我こそは』というチャレンジ精神やキャリアに対する意識が希薄である」といったものが挙げられます。指示待ち状態になってしまいいつまでも行動できない、自分自身のキャリア開発に興味がないといった状態が続いてしまうと、長期的なモチベーションにも影響を与えるでしょう。

このような「非自律型」の人材から脱却し、自ら周囲を巻き込んでチャレンジできる人材を育成することも、ダイバーシティの確保につながります。企業側が積極的に多様性を受け入れる姿勢を示し、安心してチャレンジできる環境を整えることが重要です。


成長環境の提供

企業側が社員に対して成長環境を提供することも、ダイバーシティの確保へつながります。例えば1on1ミーティングを実施して上司が部下の状況を把握するようにすれば、偏見や先入観を排除し、個々の違いを受け入れられるようなマネジメントができるでしょう。

1on1ミーティングについては、以下の記事でもご紹介しています。

1on1ミーティングの導入効果・目的とは?導入企業の事例や導入方法

また、評価制度を整えることも重要です。「マイノリティだから評価が不利になる」といったことを避けるのはもちろん、「マイノリティだけを極端に優遇する」といった制度運用も、かえってマイノリティ側のいづらさを招いてしまいます。評価軸をダイバーシティの観点から見直し、成長環境を整えるのが重要です。

評価制度を整えた後は、評価者に対する研修をセットで実施するのがおすすめです。評価制度に対する理解を深めるとともに、具体的にどのような行動がダイバーシティの観点から推奨されるのかを学んでもらえるでしょう。

▼アルーの評価者研修についてはこちらのページをご覧ください。

評価者研修

▼こちらの資料でも詳しく説明しています。PDFで見たい方はこちらからダウンロードください。

  『評価者研修』資料ダウンロード 「評価者研修」の資料をダウンロードいただけます。アルーの評価者研修では、そのために必要な目標管理・人事評価の原則や目標提示の方法、評価面談の実施方法などを学ぶことができます。新任マネージャーへの一斉研修や人事評価制度の変更に伴う研修など、様々なご要望にお応えします。 アルー株式会社


経営層を含めた研修プログラムの整備

人間は、無意識のうちに先入観を抱くことがあります。しかし、こうしたバイアスはダイバーシティ推進の上で足かせとなるばかりか、意思決定の質を低下させてしまうこともあるため、一刻も早く脱却することが必要です。

バイアスを脱して多様な価値観を受け入れられるようになるため、経営層を含めた研修プログラムの整備を行うのも重要です。従業員への啓発や管理職へのマネジメント手法の教育などを行い、ダイバーシティを受け入れるマインドセットを醸成していきましょう。

アルーが行っているダイバーシティマネジメント研修は、管理職やリーダー層向けのプログラムです。詳しくは以下のページからご確認ください。

ダイバーシティマネジメント研修



ダイバーシティを推進することによる企業への効果

ダイバーシティを推進することには、個性を発揮して働きやすくなるといった従業員側のメリットはもちろん、企業側にとっても大きなメリットがあります。ダイバーシティを推進することによって企業側が期待できる効果を見ていきましょう。


優秀な人材の確保

ダイバーシティを確保することで得られる効果として、第一に優秀な人材を確保できるという点が挙げられます。先ほども触れたように、日本の労働人口は減少傾向が続いています。このような中で既存の社会人像に縛られていると、優秀な人材を確保するのは至難の業です。

組織構成に多様性を持たせることによって、これまで採用条件が合わないという理由で採用を見送ってきた優秀な人材を広く受け入れられるようになります。女性や外国人、障がい者や中高年といった幅広い層に門戸を広げるのが重要です。


離職率の低下

ダイバーシティを確保すれば、社員は「自分の個性が組織の一員として認められている」と実感できるようになります。こうした意識は社員の職場に対する居心地にも大きく影響を与え、従業員の満足度にも好影響を与えます。

その結果、離職率の低下を見込めるのも大きなメリットの一つです。企業の満足度が上がった結果、企業内に優秀な人材が留まるようになり、中長期的な業績向上にもつながります。


新たなアイデアの創出

多様な人材がいる環境では、幅広い視点からアイディアを生み出せるようになり、イノベーションが起きやすくなります。また、さまざまなスキルや知見を持った人材が存在するため、組織にさまざまなノウハウが蓄積されるというメリットもあります。

ダイバーシティを確保することによって組織内の視野が広くなり、新たなアイディアを創出しやすくなるというメリットも見逃せません。同じような属性の集団では生まれてこなかった着眼点からの発想や、これまでにない斬新なサービスや商品を開発できるようになり、企業の競争力向上が見込めます。


企業の社会的信用の向上

ダイバーシティの推進状況は、今や企業の社会的信用を考える上で外せない観点です。ダイバーシティに取り組んでいる企業は先進的で働きやすい企業であるといったイメージを持たれることも多く、ダイバーシティへの取り組みは企業の対外的評価を大きく左右します。

ダイバーシティへの取り組みによって、企業の社会的信用が向上できるという効果も期待できます。企業の社会的信用が向上した結果、企業の業績が向上して優秀な人材が集まり、さらに業績が向上する、社会的信用が向上するといった好循環を生み出せるようになるでしょう。



ダイバーシティ推進でぶつかる3つの壁

ここでは、ダイバーシティを推進するとよくぶつかる3つの壁についてご紹介します。

コミュニケーションが円滑に進まなくなる

多様な人材を採用すると、言語や価値観の違いなどでコミュニケーションがうまくいかなくなる可能性があります。特に、国籍や人種が多様になればなるほど、第一言語などの違いによってミスコミュニケーションが起きたり、文化や宗教の違いから意図せず相手に不快な言動をしてしまう可能性が高まります。それが原因で関係性が悪化し、コミュニケーションが円滑に進まなくなることもあります。

生産性が下がる

人材が多様化すれば生産性が上がるかというと、必ずしもそうとは限りません。特に、人材の多様化のみを推進して、その人材が活躍するための取り組みをしていない場合、企業の生産性は低下する傾向にあります。人材の多様化を進めるのと同時に、多様な人材が活躍できる環境づくりや仕組みづくりも併せて行うことが重要です。


多様な人材と生産性の関係性

引用:第2-3-2図 多様な人材と生産性

ハラスメントにつながる

社員が多様性への理解を深めていないと、意識的・無意識的に関わらず差別をしてしまう可能性があります。特に、国籍、宗教、人種が多様になればなるほど、無意識に相手にとって不快な言動を取ってしまうことがあります。また、組織の中にマジョリティとマイノリティが生まれることをきっかけに、ハラスメントにつながる言動が出てくることもあるでしょう。

ハラスメントを防ぐための研修については、以下の記事もご覧ください。
【事例あり】効果のでるハラスメント研修とは?目的や内容を解説



ダイバーシティの取り組みの注意点

円陣を組む

ダイバーシティへの取り組みを実施する際には、ただやみくもに表面的な多様性を確保すればよいというわけではありません。企業の競争力向上につながる本来のダイバーシティを実現するためには、どういったことに注意すればよいのでしょうか。

ダイバーシティへの取り組みを行う際の注意点について解説します。


管理職がダイバーシティへの理解を深める

例えばせっかく育児休暇の制度を整えても、管理職側が育休制度に理解を示さなければ従業員は申請しづらく、現状と変わらなくなってしまいます。ダイバーシティへの取り組みの際によくある失敗事例として、管理職側のダイバーシティに対する理解が促進されないというものが挙げられます。

ダイバーシティへ取り組む際には、管理職のダイバーシティに対する理解促進を意識しましょう。「課長職は激務だから女性には難しい」といったような先入観にとらわれることなく、柔軟な発想ができるように認識をアップデートしてもらう必要があります。

アルーでは、管理職・リーダー層向けのダイバーシティ研修を行っています。詳しくは以下のページからご確認ください。

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給与や待遇に不平等感が出ないようにする

せっかくダイバーシティの取り組みを推進しても、社内の不平等感を招いてしまっては効果がありません。例えば柔軟な働き方を推進するために育休制度を導入したものの、育休を取得していない社員に大きな負担がかかり、それが育休制度に対する不満を招いてしまうといった失敗はなんとしても避けたいものです。

ダイバーシティへの取り組みがかえって社内の不平等感を引き起こしてしまっては元も子もありません。雇用形態ごとに仕事内容や役割を明確化するなど、給与や待遇に不平等感が出ないような取り組みを進めるのが重要です。


公平な評価制度を導入する

先ほどの内容とも関連しますが、ダイバーシティを推進する際には公平な評価制度を導入することが欠かせません。特に近年よく見られるのが、マイノリティだけを極端に優遇した結果、マジョリティ側の不満や反発を招いてしまい、かえってマイノリティがいづらい職場になってしまったという失敗例です。

ダイバーシティを推進する際には、公平な評価制度を導入するように心がけましょう。「公平」とはすべての人に同じ評価軸を適用する「平等」とは異なります。個々の持つ属性の違いに配慮しながら、それぞれの社員が最も納得できる点を探ることが大切です。


ダイバーシティ推進への取り組みの目標・目的を明確にする

「ダイバーシティ」という言葉にばかりとらわれていると、ダイバーシティの本来の意義や目的を見失ってしまいがちです。ダイバーシティ推進に取り組む際には、「何を目的としてダイバーシティに取り組むのか」「ダイバーシティ推進のゴールはどこか」といった目的、目標を明確化しましょう。

目標の具体例としては、例えば「5年以内に、女性管理職の比率を4割まで引き上げる」「3年後には外国籍の社員を1割にする」といったように、具体的な数値を定めるのも効果的です。



まとめ

ダイバーシティに対する取り組み事例や、ダイバーシティへの取り組みを進める際の注意点などを紹介してきました。企業のグローバル化が進展しているとともに、労働人口が減少傾向にある日本では、業種や業界を問わず待ったなしでダイバーシティを推進する必要があります。

国籍や性別、宗教や人種、考え方といった違いにとらわれない環境を整備することで、既存の人材がさらに働きやすくなる環境を整えることにもつながるでしょう。ぜひこの記事の内容を参考にダイバーシティを推進し、働きやすい職場づくりを実現してください。

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