ポーラ化成工業株式会社様 導入事例

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女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する

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会社名 ポーラ化成工業株式会社
従業員数 746名(2017年3月現在)
事業内容 化学・医療

研修実施の背景

研修実施の背景 ポーラ・オルビスグループの2016年人事計画の中の重点戦略の一つとして、
「女性の活躍を推進する組織風土の醸成」が設定された。

「女性の活躍を推進するグループ共通の体制構築」が目標設定され、
「女性活躍推進担当者の設置、行動計画作成と進捗管理」が必要となる。

研修の着地

  • 自分の強みを知り、その強みをどのように活かせば周囲に良い影響を与えられるかについて把握できている
  • 部署間の相互理解が促進されており、受講生間では一体感が醸成されている
  • 現場に戻った後に、どのようにリーダーシップを発揮していくかが明確化されている

研修の概要

実施日:2016年4月~12月
対象:育成委員会の選抜人材となっている生産系の女性
人数:約18名
実施場所:袋井工場

 

 

自分とつながる×仲間とつながる=チームになる


主体性・チームワークの醸成を軸に、複数回の研修、そして研修単体ではない中間報告会の中で学びを得ていただき、成長の成果につながる「意識変革」が見えてきました。
今回、「2016年度Women Will Workshop」を終え、現場で活躍する受講生の方と、本研修の企画設計に関わった人事ご担当者にお話をうかがいました。
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人事部
袋井分室
石川 京子 様
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袋井工場
包装課
髙林 佐祐里 様
※記載部署や掲載写真は2018年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。

明日に向け、活力ある研修の名前

Q. 早速ですが「女性活躍推進がテーマとされた研修」というところで。
研修に「Women Will Workshop」とネーミングされた経緯を教えていただけますか?

人事部 袋井分室 石川 京子 様(以下、敬称等略 石川):
やはり女性社員を対象にした初めて試みる研修でしたし、希望に満ちたものが相応しいと考えました。
アイディア、候補はいくつかあったのですが、この「will」という言葉に惹かれて、「これだな!」と直感しました。女性の意思が前向きに発信されていくイメージがよかったですし、次のアイディアにもつながりました。
Q. 次のアイディアといいますと?
石川:多少、長くて言いにくいかもしれませんが「Women Will Workshop」というネーミングは「WWW」とも呼んでいて、とても親しまれています。サブタイトルについては、1回目の研修を「first will」、2回目の研修を「second will」というつけ方をしました。まず初めの一歩を踏み出す「first wil」があって、受講生に対しては次から成長をつないでいただきたいという思いも込めました。最終回は「Door to tomorrow」と、より未来に向かう力強さを込めてつけました。
Q. 清々しくて前向きで、とても素敵なネーミングですね。
それではその「Women Will Workshop」(以下、WWW)について、実際に受講された方と、WWW研修ご担当の方に、詳しいお話を伺ってまいりたいと思います。
まず受講生の方から。お名前とご所属、社歴を教えていただけますか?

袋井工場 包装課 髙林 佐祐里 様(以下、敬称等略 髙林):
はい。WWW研修を受講いたしました、髙林佐祐里と申します。私は袋井工場包装課のひとつのグループに所属しており、そのグループのリーダーを務めております。入社してからの社歴は12年目になります。今年(2017年)の1月1日からリーダーを担っております。
Q. では、人事ご担当の方。お願い出来ますか?
石川:私は人事部袋井分室に所属しております石川京子と申します。人事部自体は本社にありますので、月に1~2回程度、報告会や打ち合わせで本社がある横浜に足を運びます。今回、WWWが、目指した姿に限りなく近い形で幕を閉じたので、研修設計に関わった立場としてすごく満足しています。入社は昭和52年で、この袋井工場ができた年に入社いたしました。

リーダーシップの本質を知る

Q. 髙林さんは今まで「女性として働いている中で困ったこと」はありますか?
髙林:この会社は女性が多いので、比較的女性が主体的に動く風土が自然にあったような気がします。入社以来、私自身あまり困ったと感じたことがないですね。女性だということに限らず、皆すごく協力的ですし。
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Q. では、このWWWで学んだことはどのようなことでしたか?
髙林:女性がリーダーシップを活かすことで、組織が思った以上に快活に動き出すという実体験をしました。
今までは、リーダーシップとは「リーダーという肩書で、立場・役割を公式に担う人が発揮すればいいもの」という思いがすごくありました。ところが、このWWWを受講して「リーダーシップというのは誰にでも発揮できて活用できるもの」だという本質が学べて、現場で活かすことができています。今、私がリーダーを務めるグループに2人メンバーがいますが、日常的に仕事を進めている中で、それぞれがリーダーシップを発揮している場面を見ると「あっ、リーダーシップを発揮している!」とわかるようになりました。自分が実践することも勿論ですが、メンバーの取り組み姿勢を見た時にすぐにわかってその価値を感じるのは、チームとしての接し方にもよい影響がありますよね。そこは本当にこのWWWを受けてすごくよかったと思うところです。
Q. 髙林さんご自身のリーダーシップは上手く発揮されていますか?
髙林:そうですね。リーダーになったのがこの1月からですので(2017年1月)、まだ1ヶ月と少しといったところで。まだ慣れないというのもありますが、リーダーシップというより、そもそも自分自身の業務効率がものすごく悪く感じて、時間もかかってしまっている状況です。しかし、環境的には大変恵まれていて、何かあれば先輩が本当にすぐに相談に乗ってくれるので課題が積み重なってパンクしてしまうということもありません。そのおかげで、メンバー2人に対するコミュニケーションに関しても素直に接することができるし、私が知らないことを漏らさず聞くこともできるし、助かっています。大変やりやすい環境に感謝しつつ、次第に先輩のこともメンバーのこともサポートできるようなリーダーに私自身がなりたいと思っています。

組織風土の良さが、研修をより強固な学びの場に

Q. 組織風土がものすごくイイですね。
髙林:そうですね。先輩方って皆さん本当に「教えてください」と言うと、何でも教えてくれるという風土があります。それを習う、習って同じようになりたいと思いますね。それぞれ忙しい中でも、先輩や上司は愛情を持って接してくれているので、私もメンバーや後輩、新人に対して同じように接したいと思います。
Q. 石川さんに質問です。先輩が後輩をサポートするのは当然あるべき姿なのかもしれませんが、お話を聞いているとすごく自然でやらされ感が無い大変素晴らしい職場環境のように思います。
石川:はい。そう感じていただくのはすごく嬉しいことですね。
この袋井工場ができたのが昭和52年で、私はその年の入社なのですが、当時はやはり社員が皆若く、ひとつ上の先輩がほとんどでした。つまり、入社1年目の私にとって、先輩のほとんどが入社2年目の社員ということです。ですから、年齢が近いのでものすごくフレンドリーなコミュニケーションの中で働くことができていました。仲が良いから楽しいというばかりではなく、仲が良いからサポートし合って仕事の効率化を図っていたように思います。考えると、袋井工場の立ち上げ時期にそういった職場環境が自然と出来上がって、今なお続いているのかなという気がしますね。
Q. チームワークの良さはWWW受講前からの風土なのですね。
髙林:社風については、そうですね、大変誇らしい、素晴らしいです。WWWを受講する前から、聞くことも多くあり、相談することもありましたが、今回一緒に受講した18人は、さらに「つながり」が強固になった気がしております。新しい意識や、未来に向けた意欲が、WWWによって共に向上した仲間ですので「一緒に受講したメンバーに相談してみようかな?」といった気持になります。
もともと、所属の部署もバラバラな18人ですので、普段できない情報交換などもできるようになり、職場全体のチームワーク醸成にも役立った気がしています。
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Q. お話を伺っていて、今回のWWWは「女性活躍推進」の流れで活用される場というより、チームワーク醸成に大変有効だったと感じられているようですが、「研修」という大きなくくりで、髙林さんにとって一番印象深く役に立った研修とはどのようなものがありましたか?
髙林:もちろん、女性の発信力が高まったという点では、WWWは女性社員のwillによい影響を与えてくれた研修ですし、「女性活躍推進」からの流れで大変役に立った場になりました。
今まで一番印象深い研修についてのご質問ですが、今回のWWWと今まで受けた研修の違いっていったい何だろうという疑問が湧いてきて、少し考えてみました。それは何故かと言うと、今回のWWWを受講して、成長実感がものすごくあったからです。今までで一番自分自身の成長につながったと思えています。そう考えた時にそれは何故なんだろうと。

「傾聴」の姿勢が、より良いチームワーク醸成に

Q. 何故なのか、答えは出ましたか?
髙林:今までは「聞く」という研修がメインでしたが、今回のWWWはメンバー主体の、グループワーク中心の研修でした。そこが大きく違っていて、自ら取り組んで、取り組まなければ何も進まないから取り組んで、感じて、こうしたいと欲が出てきて。主体性がいつの間にか身に付いているように思いました。講師のアドバイスがある中で、主体は受講生。グループワーク中心という形が、初めてで、大変よかったです。
Q. 受講自体がすごく価値のある体験になったのでしょうか。素晴らしいですね。では、このWWWで体得したことで現在すでに活かされているものはありますか?
髙林:「傾聴」です。
大変恥ずかしいお話なのですが、私はWWWを受講するまで、「聞く」ことが大事だと思っていたところがあります。つまり、相手の目を見るとか、心から声に耳を傾けるとか、そのような姿勢ではなくても、誰かが話していることを「聞いていることが大事」だと。何かやりながらでも「早く聞いてあげた方がいい」という理解をしていました。私自身は忙しいから作業をしながら「聞く」という…。
しかし、やはり話しやすさ、聞きやすさ、コミュニケーションの上手な環境づくりは「聞き手」聞く方が創っているのだというところを学びました。忙しい場合にはその場でただ「聞く」のではなく、「きちんと話が聞きたいから後でもいいですか?」と「聴く」姿勢をとる。そして話す時には相手の目や表情を見て、目から入ってくる情報や対面している空気感などを感じながら話をすること。それが大切なのだ、逆に、よい職場環境を創るには自分が「傾聴」の姿勢で臨めば叶うのだと。
大きな学びでした。
Q. 傾聴を実践されていて何かいいことが起きた例はありますか?
髙林:「傾聴」を意識する前には、話す相手の気持ちをつかんでいなかったと思います。やはり目を見て話すことで「ああ、本当につらそうだな」とか「悩みや問題を訴えかけてくれているな」というように、話の背景や本質が共感できるようになりました。それまでは「ああ、そうか…」と、聞くだけでしたが、今は「自分だったらどうするか。自分にできるのは何か。どうしてあげることがよいか」と、様子を見ながらアクションをとれるようになりましたね。そうすると、お互いにより密な情報交換ができるようになり、業務不全の恐れがなくなりました。
Q. 先にお話が出ていたリーダーシップについてはいかがでしょうか?
髙林:まだ新しいリーダーですので、正直に言って仕事の進め方でわからない場合もあるわけです。それは、ただ「自分がこうして進めたい」と希望を通すばかりではなく、メンバー2人に「まずどうしたいか」を尋ねています。基本的にはやはり「どうしたいのか」という相手の意思を尊重していけるように心掛けています。

女性活躍推進 研修企画の背景

Q. WWWは管理職研修です。そういう側面からは、いかがでしょうか。新しく目標にしていること、目指すことなどありますか?
髙林:もともとは、私は「家庭を第一に考えたいな」という気持ちでおりました。もちろんそれは大切なことで、考えが変わったということではなく、「家庭を第一に考えながらも、仕事や会社に貢献していきたい。仕事に一生懸命に取り組みながら家庭を大切にするにはどうすればよいか」と考えるようになりました。今はまだ子どもはおりませんが、子どもができたら、暮らしのメインを家庭に置きたいと強く思っていましたが、今回のWWWを受講して、やはり「自分は働くのが好き」「会社が好き」という気持ちが芽生えましたね。
前を向いて目標を持って挑戦していく感覚が、自分次第でやりたいことを効率的にやっていけるのだと思えたからなのだと思います。それこそ、知らない間に「女性だから」「子どもができたら」という潜在意識があって、自分がリーダーになるとか、高い意識を持って長く働くとか、自然に思いつかなかったのだと思います。
しかし、今回は「押し付けられる」ことで考えが変わったというのではなく、グループワークなど、主体的に学ぶ場を経て、自然に「管理職として働く」「チームに貢献する」という意識が湧いてきて。価値のある経験だったと思います。
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Q. あらためて石川さんに伺います。「女性活躍推進」に掛かる形でWWWを企画し、実施した背景を詳しく聞かせていただけますか?
石川:70年代に多く採用された従業員が定年などの理由でここ数年で退職し、経験豊富なベテラン社員が減ってきました。特に女性の退職者が多かったために、職場環境の年齢構成に変化が起きてきました。女性社員の年齢層が全体的に若返ったというわけです。そうなると、自然と彼女たちの成長や活躍に会社の期待が生まれます。国が取り組む「女性活躍推進」に賛同するということもありますが、現実的に、若い女性社員の成長思考醸成ができるような育成が必要だったというわけです。
今まで様々な研修を行ってまいりましたが、女性だけにターゲットを絞った、というものは今回初めてで、ある意味では挑戦だったかもしれませんね。しかし、まずはやってみよう。試行的にまずやってみようと。
結果、WWWを受講した18人は想定した以上に、意識を高く持つようになり、研修が終了した今でも「自分達は何をやるべきで、何ができるのか」を常に考えているようです。現状では成功したと言っていいと思っています。

受講生の前向きな姿勢から感じる成功実感

Q. 終わってみれば成功という結果ですが、途中経過には問題や課題がありましたか?
石川:研修というのは何しろ終わってしまえば1週間も経つと、日常の忙殺で記憶もモチベーションも自然に下がってしまって仕方がない…、それが常なのかなという意識は、正直ありました。ですから、「そうならないように設計するにはどうすればいいか?」ということをキーワードに、人材育成コンサルティングのアルー株式会社の力をお借りし、工夫して複数回で、しかもその途中に学びを忘れないようなミーティングを取り入れたりして進めてみました。
そもそも、中には「研修は出たくない」とか、例えグループワークであってもその中で発表するのは嫌、という参加者もゼロではありませんでした。それまでの研修が、自分にとってあまり意義のあるものではなかったのかもしれませんね。しかし、そういった参加者も、研修が進むにつれて自然と発言が多くなり、積極的に関わるようになりました。話したことがないという、それぞれ年齢の幅もあるし、違う部署で働くメンバーが集まったので、最初は意識や意欲がバラバラでしたし、それは仕方のないことでした。研修の場に集う、あるいは中間でミーティングを行うという場の共有を繰り返しているうちに、最後には18人の受講生がひとつになっていましたね。大変嬉しかったですし、研修を通じて育成を設計する立場として大きな意義を感じることができました。
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Q. 現在はWWWが18人の受講生にとって現場で活用されているのでしょうか?
石川:それ以上の価値が生まれている気がしています。
WWWが一通り終わって、今年になってからも、18人でミーティングを実施しているようですね。「研修が終わったからといって、もう終わりじゃない」「これから何をしていくかが大切だよね」という「何を生み出していくか」という前向きな議論で盛り上がっているようです。人事の研修を担当したこちらがその勢いに圧倒されております。(笑)
Q. 引き続きこの研修は実施される予定ですか?
石川:そうですね、今一応その方向で考えています。
この18人の1期生たちが、「2期生とどう関わっていこうか」というのも考えてくれており、もう事務局はあまりやることがないかな?みたいな感じもあるのですが。(笑)既にそういうことまで考え、自分達だけが活性化すればいいのではなく、他の、そして次の人たちも一緒に巻き込んで頑張っていこうと考え、行動につなげるというのは、研修だけで終わらなかった証拠だと思っています。

明るく楽しく「挑戦」する未来

Q. 最後に受講生代表の髙林さん、人事代表の石川さんにまとめのお話しを頂戴できればと思います。
言い足りなかったことですとか(笑)、なんでもお話しいただいて大丈夫です。何かありますか?

髙林:やはり研修を受ける初めには、受講生18人の中にリーダーとメンバーの関係があったり、それぞれの立場を持った上で参加していたので、何か「変なことを言っちゃいけないな」などの余計な意識がありました。しかし、このWWWは、本当にそういったことを払拭してくれて、上下関係ではなく、一つのチームとして職場を、会社全体を盛り上げていくのだという意識の幅を広げてくれました。
WWWで学んだ中で「思い切りチャレンジ、大いに失敗」という言葉があり、「失敗しても、次につながる価値をみつければいいのだ」ということを講師が教えてくれました。そこはもうとにかく発言してみましょうと。間違っていたら間違っていたで、間違っているということに気付けるので、そこは価値だと。今は本当に前向きに、しっかりチャレンジしていこうと思っています。
石川:私の立場からは、後輩社員のみなさんに、そして会社に対して、「こうなってほしい」という未来像、希望をお話しできればと思います。実は私は、あともう2年弱ぐらいで退職するくらいの年齢ですので、職場を離れていく身になるのですが、その後もずっと、ポーラ化成工業株式会社に関わる皆が、本当に楽しく元気に明るく活躍をしてほしいと思っています。
大変よいことではあるのですが、とてもマジメな人が多い気がしているのです。未来に向けて多少の遊び心や自由な発想を持って、ガンガンチャレンジしちゃってよいのでは?と思います。
今回のWWWという初めて試みた研修もそうですが、色々な意見がある中で実際にふたを開けてみなければわからなかった成果が生まれることもあります。自由な発想に溢れた雰囲気を高めながら、楽しく明るく活躍できる会社になっていってほしいな、と思っています。
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