東急株式会社様 導入事例

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経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ

会社名 東急株式会社
従業員数 1,414名(2022年3月31日現在)
事業内容 不動産賃貸業、不動産販売業、その他事業

東急株式会社様(以下、東急)では、選抜の部長・部長候補群の育成支援の機会をいただいています。

リーダー育成はすべての企業において優先度の高い経営課題です。その中でも自身の内面を変え、周囲にも影響を波及させていく「インサイドアウトのリーダーシップ」を発揮する変革リーダーの育成は、変化の激しさを増す昨今の事業環境において、多くの企業がとりわけ関心を寄せるテーマと言えます。

 取り組みの背景や受講者の反応、今後に向けた意気込みなどをお聞きしました。

研修実施の背景

2006年度より東急グループの経営者育成を目的とし東急アカデミーを開講したが、社会・事業環境の大きな変化を鑑み、内容の見直しを図るかたちで「インサイドアウトのリーダーシップ」を持ったリーダーを育てるというテーマの本プログラムを導入した。

研修を通じて目指す状態

  • 自社・自組織が目指すべき姿を、自身が大切にしている志や価値観と東急グループが進むべき方向性の双方を両立するかたちで思い描くことができること
  • 変革課題を解決するためにリーダーシップを発揮し、その過程で自身の課題に向き合うことができること
  • 自社・自組織の理想の姿を実現するために、様々な矛盾や葛藤が生じる組織の変革課題に向き合うことができること

研修の概要

全体の流れ

実施日:2022年8月~12月(合計10日間)
対象:次世代経営者となる東急グループ各社の部長・部長候補者
人数:約20名
実施場所:東急株式会社 本社
※最終報告会は二子玉川エクセルホテル東急にて実施

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⼈材戦略室
⼈事開発グループ 主査
⻑⽥ 翼 様
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⼈材戦略室
⼈事開発グループ 主事
髙梨 紳⼀郎 様
中村俊介

聴き手

アルー株式会社 
コンセプトデザイン部部長、
京都大学経営管理大学院
客員准教授
中村 俊介
※記載部署や掲載写真は2023年取材当時のものです

変革を目指した「始まり」の研修

コンセプトデザイン部 部長 中村俊介(以下、中村):
東急アカデミーは貴社の中でも歴史のある選抜研修ですね。どういった経緯で生まれたプログラムなのでしょうか。

⼈材戦略室 ⼈事開発グループ 主査 ⻑⽥ 翼 様(以下、敬称等略 長田)
本研修は、東急グループの経営人材育成を目的として、2006年度から開講した研修です。90年代後半から2005年頃までは、バブル崩壊等の急激な社会環境変化の影響を受け、グループ会社の再編成を行い財務健全性回復に努めていた時期でした。グループ会社の「選択と集中」に一定の目途がつき、成長戦略に舵を切り替えたのが2006年であり、「今後の東急グループの中長期的な成長の実現に向けては次世代リーダーの育成が必要不可欠だ」という当時の社長の想いを受けて創設されました。
中村:財務健全性の回復に努めていらした大変な時期に人材育成プログラムを立ち上げるのは、「人を大切にする」という貴社の文化を表しているように感じました。しかし、2006年度から研修をされてきた中で、なぜこのタイミングで研修を見直すことになったのでしょうか?

東急アカデミーが目指す経営人材
長田:コロナ禍をはじめとした社会環境や事業環境の大きな変化により、今まで以上に先が見えない不確実な世の中になっていることが理由の一つです。
東急アカデミーが目指す経営人材は「ビジョンを示す」「意思決定する」「自ら成長し、学習し続ける」「周囲に働きかける」「変革を推進する」の5つで、これまでのプログラムでは経営人材としての能力・スキルを総合的に育成してきました。しかし、昨今の先行き不透明な世の中で生き残っていくためには「変革を推進する」ことにフォーカスすべきではないかと考えました。

⻑⽥翼様_2_未圧縮

今後もこれらのスキルをバランスよく伸ばす本研修の良さを活かしながら、個人個人の社会に対する想いや、社会課題に挑み続ける東急グループに対する想いをさらに醸成したい。そうした想いから研修見直しを検討したという経緯がございます。

中村:研修における最終発表がゴールなのではなく、むしろ始まりになるような研修にしたいという皆様の想いは強く感じておりました。

中村俊介_2_未圧縮
長田:本研修はもともと、研修を通じて人材育成をするのみならず、受講者・卒業生同士の交流機会創出という位置づけでもあります。そうした点においても、今回の研修はまさに始まりであるとも言えるかもしれません。

研修づくりのパートナーとして、信頼感があった

中村:研修の見直しにあたって、当社をパートナーとしてお選びいただいた理由についてもお聞かせいただけますか?

長田:まず印象的だったのは、担当してくださったコンサルタントの方の専門性の高さですね。我々はずっと人事領域にいたわけではないので、正直なところ、専門的な知識に関してはかなり頼りにさせてもらっていました。

また、アルー様が掲げるテーマに共感した部分も大きいと思っております。「インサイドアウトのリーダーシップ」という言葉や「経営者・リーダーは矛盾を両立させながら意思決定していく」といった考え方は弊社だけではなく、日本企業の多くが抱いている感覚なのではないかなと感じました。

マネジメントは矛盾の両立

中村:アルーが掲げるこのあたりのコンセプトは、京都大学経営管理大学院と「パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座」という講座を立ち上げて研究を深めているテーマですので、共感していただけたのは大変嬉しいです。

▼パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座について詳しくはこちらのページをご覧ください。

https://note.alue-insight.jp/m/m15638d7d0c9d

 

長田:最終的な決め手としては、研修づくりに一緒に取り組むプロセスの中で共創できるイメージがついたことです。我々が企画設計をしても、最終的に研修をしていただくのは講師の方なので、イメージの共有がきちんとできていないと、どうしてもズレが出てきてしまいます。

その点、中村様はこれまでご一緒した講師の方の中でも、かなり丁寧に進めていただいたことも非常に大きいかなと思っています。


「東急グループのDNA」がシナジーを生んだ

中村:プログラムの中で印象に残っている内容や受講者の様子を教えていただけますか?
⼈材戦略室 ⼈事開発グループ 主事 髙梨 紳⼀郎 様(以下、敬称等略 髙梨)
とくに印象に残っているのは、研修の最初に行った、東急のDNAと自分自身とのつながりを深く掘り下げるプログラムです。これまで多くの社員が知らなかったであろう創業者のストーリーに触れたうえで、会社として守り続けるべきことと変えていくべきことについて議論が白熱したのは印象深かったですね。
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普段改めて考えることの少ない「東急グループのDNA」をテーマに意見交換をしたためか、受講者同士の打ち解けが想像以上に早かったような気がします。グループでアウトプットを創り上げていた従前の研修とは違い、今回のアウトプットは個人だったため、参加者間の交流が広がらないのではと心配していたのですが、杞憂でしたね。
中村:「東急グループのDNA」をテーマにしたプログラム以外でも、印象に残っていることはありますか?

髙梨:複数回にわたって行われた1on1も、受講者にとってインパクトが大きかったようです。

中村:自身の考えた組織の変革ビジョンやプランについて講師と壁打ちをするパートですね。内容について議論をするだけでなく、その過程で繰り返し「そのビジョンはあなたのインサイドアウトとどうつながっているのか」を問われるのがポイントでした。

髙梨:それを問われ続けることで、ビジョンや取り組み内容がだんだんと研ぎ澄まされていっただけでなく、自分ごと化して熱がこもっていく様子が外から見ても感じられました。また1on1のあとに受講者同士で対話や意見交換をする機会も多くあり、そこでグループシナジーが生まれていく様子もとても素晴らしいなと感じていました。

インサイドアウトを実務に落とし込めた

中村:研修を実施してみての率直なご感想をお聞かせいただけますか?

髙梨:まずはポジティブな感想からお答えさせていただきます。一つ目は、研修を見直す理由の一つでもあった組織の変革につながったことです。
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本研修で東急DNAの紐解きをし、東急DNAと自分自身の内発的な動機とのつながりを確認したことで、社員一人ひとりが自分たちの内発的な動機を自分たちの組織で実現していこうという意識につながった。これはまさにインサイドアウトの考え方を理想論ではなく、実務に落とし込めた成功例と言えると思います。

中村:本当にそうですね。プログラムの過程で、自身がインサイドアウトで提案した内容が上司から突き返されたこともとてもよい経験だったなと感じます。それによって自身のインサイドアウトが本当に実現したい「譲れないもの」なのか、きれいごとに過ぎないのかといったことを試され、真のインサイドアウトのリーダーへの脱皮が起こっていたと思います。
中村:ちなみに、改善点があれば、ぜひ教えてください。

髙梨:MBA講義のコンテンツ効果を更に高いものにできたのではないかというのが反省点ですね。投資家からの視点やDXといった、講義の内容自体は素晴らしいものでしたが、受講者に対する文脈づくりをもっと工夫できた気がします。

中村:確かに、マーケットからの期待や時代の変化というアウトサイドインのプレッシャーを深く理解することで、それと自分たちのインサイドアウトをどう両立させるべきかという問いがクリアに浮かび上がり、リーダーシップのさらなる開発につながるという文脈をもっと明確に伝えられれば、より大きな気づきにつなげられたなと思います。次回以降の改善ポイントですね。

髙梨:また、過密日程で事前課題への取り組みが重くなってしまったため、事前課題の量とスケジュールの見直しも次回以降に活かしたいポイントでした。

各層に必要なリーダーのマインドを醸成していきたい

中村:来年以降のリーダー育成に関するお考えをお聞かせいただけますか?

髙梨:各階層に求められるリーダーシップは異なるため、マインド・ナレッジ・スキルのバランスをプログラムごとに変化させ、各層にとって最適なプログラムを実施したいと考えています。

たとえば、部長・部長候補者層対象であれば、経営者への入口としてマインドを重点的に扱い、ナレッジやスキルは⾃⾝で学んでいただくというプログラムに。取締役・執行役員候補者層対象であれば、マインド・ナレッジ・スキルの全てを バランスよく扱い、次期経営者を意識したプログラムとしたいと考えています。

こうすることによって、受講者に視野拡⼤および視座向上を意識していただき、単なる個人の成⻑に留まらず、 各組織を牽引するリーダーになってもらえれば嬉しいですね。

長田:やはり「変革心」を持ったリーダーを育てていきたいですね。先日、中途入社の社員と話をする機会があって「東急の社員は皆優しくて真摯に仕事に取り組んでいる印象」と言われました。良く言えば実直ですが、悪く言えば「他社と比べて会社を変革していくような勢いのある人材が少ない」ということかなと感じました。
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ただ、スキルを習得して成長したいという意欲を持った社員はたくさんいるので、「何のためにそれをするのか」という目的を最初に提示すれば、リーダーシップを発揮してくれる社員も増えるのではないかと考えています。

そうした意味でも、今回の研修のアプローチは正しかったと思います。

中村:社会公益性が高いインフラを提供されている会社であることもあって、「安心・安全」「縁の下の力持ち」といった志向を強く持った方が多い印象です。そういった風土もあって、「自分が前に出ていこう」というモチベーションを持った方が育ちにくかった側面はあるかもしれません。

ただ、企業側は変革を求めているのだということを伝え、組織を変革する力を安心して発揮できるのだと理解できれば、そうした意欲を持ったリーダーも育ってくると思います。今回の研修がまさに、そうした場になり得たのだとしたら嬉しいですね。
中村:最後に、今後のアルーへの期待をお聞かせいただけますでしょうか?

髙梨:アルー様は新入社員から経営層に至るまで、本当に多様なプログラムをお持ちですが、リーダーのマインド醸成がとくに卓越していますよね。

企業が成長する際に必要なのは、取り組むべき課題を見つけて組織を動かしていくリーダーのマインドだと考えています。このリーダーのマインドとは、コンフォートゾーン*1の課題を解決するだけでは企業成長は難しい環境の中で、自分でコンフォートゾーン外に課題や目標をみつけ、そこに向けて組織を動かそうとするマインドのことです。これは対ジブン・対コト・対ヒトの3方向からアプローチする必要があり、なかなか自身だけでこれらを考えアプローチすることは難しく、アル―様の御支援に期待しています。
*1:慣れ親しんだ、居心地の良い場所のこと

中村:ご期待に沿えるよう力を尽くしたいと思います。本日はありがとうございました。

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