初級管理職研修とは?目的やおすすめのプログラム、事例をご紹介
こういった課題を抱える人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
プレイヤー意識を引きずりがちな初級管理職の課題を解決するためには、初級管理職研修を実施するのが効果的です。
今回は初級管理職研修の目的やおすすめのプログラム、研修事例をご紹介します。
目次[非表示]
初級管理職研修とは
初級管理職研修は、係長や課長などの経験の浅い管理職に、これから管理職として活躍するためのスキルやマインドを学んでもらうために実施される研修のことです。
初級管理職研修によって管理職として活躍するために必要な土台を早い段階で築いておけば、今後課長や部長へとステップアップした際も活躍が期待できます。内容は企業によってさまざまですが、プレイヤー意識からの脱却やリーダーシップ、問題解決力などを扱う場合が多いです。
初級管理職研修の目的・意味
初級管理職研修を実施する目的や意味をいくつか説明します。
初級管理職研修を通じて自分の立場と役割を理解してもらい、リーダーシップや業務遂行能力を身につければ、現場でマネジメントを行う際にも役立つでしょう。
以下で初級管理職研修を実施する目的を詳しく確認していきましょう。
初級管理職としての立場と役割の確認
初級管理職として周囲からの期待に応える活躍をするためには、初級管理職としての立場や役割認識が欠かせません。
初級管理職研修を実施する目的として、立場や役割の確認が挙げられます。
例えば、自分の配属された課や係が社内でどのような役割を担っているのか、上部組織と下部組織はそれぞれどういった位置づけなのかを理解してもらう必要があります。そして、自組織の中で自分にはどのような役割が求められているのか、その役割を遂行するために必要なスキルやマインドは何かを把握することが重要です。
初級管理職としてどのような活躍が期待されているか理解することは、管理職として活躍する第一歩です。
リーダーシップを身につける
初級管理職の場合、少なくとも3〜5名、多ければ数十名単位の部下をまとめる必要があります。組織全体を牽引していくためには、初級管理職のリーダーシップが欠かせません。
初級管理職研修の目的として、リーダーシップを身につけるという点も挙げられます。
部下に魅力的なビジョンを提示する方法や、組織に全体の方針を浸透させる方法、チーム全体の士気を高めて一つの目標へ努力を重ねる方法などについて学んでもらうことが大切です。
管理職が身につけるべきリーダーシップについては以下の記事もご覧ください。
『管理職が持つべきリーダーシップとは?マネジメントとの違いや研修事例』
業務遂行能力の向上
現場での業務から完全に離れる上級管理職とは異なり、初級管理職の場合は直接業務に携わる場面が少なくありません。
特に係長の場合は現場のリーダーとしての色合いが強く、自分自身が現場の仕事に取り組んでチームの成果を向上させる場面もあるでしょう。
業務遂行能力の向上も、初級管理職研修を実施する目的の一つです。高い業務遂行能力があれば自分自身でチームの業績向上へ直接貢献できますし、チーム全体へ背中で手本を示せるようになることで、メンバーからの信頼獲得にもつながります。
部下・組織育成スキルの習得
部下を育成したり、組織開発を行ったりすることは、管理職の大切な役割です。
組織が持続的に成果を発揮していくためには管理職自身による部下や組織の育成が欠かせません。
部下や組織育成スキルの習得も、初級管理職研修を実施する目的の一つです。OJTスキルの向上や育成施策を運用する方法、部下を指導する際の心構えなどについて学んでもらうとよいでしょう。
中堅社員の後輩指導力を育成する方法などは以下の記事で詳しく紹介しています。
『中堅社員の後輩指導力を育成する方法とポイント』
初級管理職研修のおすすめプログラム
さまざまな壁にぶつかりやすい初級管理職を対象とした研修では、プレイヤー意識からの脱却やリーダーシップ、問題解決力など幅広い内容を扱うのがおすすめです。
ここからは、初級管理職研修におすすめのプログラムを解説します。
アルーの提供する中堅・リーダー層研修で学べる内容は、以下のページで詳しく解説しています。内容についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひご参照ください。
中堅・リーダー層研修
▼資料ダウンロードはこちら
プレイヤー意識からの脱却
初級管理職の抱えがちな課題として、プレイヤー視点から脱却できないという点が挙げられます。これまでは自分自身が仕事に取り組んで成果を出すことで評価されましたが、管理職として活躍するためにはチーム視点で仕事に取り組み、チームとしての成果を出すことが重要です。
プレイヤー意識からの脱却は、初級管理職研修に特におすすめの内容です。
プレイヤーとしての成果だけでなく、組織視点でチーム全体の目標を達成できるよう、チームレベルでの課題解決や部下の育成に取り組む姿勢を持ってもらいましょう。
プレイヤーからの脱却に関する研修は、以下のページで詳しくご確認いただけます。
プレイヤーからマネジャーへの脱却
▼資料ダウンロードはこちら
リーダーシップ
管理職には、人と組織を一つの方向へ向かって導くリーダーシップが求められます。
リーダーシップ研修も、初級管理職研修におすすめの内容です。
初級管理職が身につけるべきリーダーシップには、「率先型のリーダーシップ」と「共創型のリーダーシップ」の2種類があります。率先型のリーダーシップはチームの目的達成のために自信を持って決断するリーダーシップで、共創型のリーダーシップはメンバーの可能性を最大限に引き出す支援重視のリーダーシップです。
初級管理職研修を通じて、この2種類のリーダーシップを身につけてもらうことが理想です。
2種類のリーダーシップについてはそれぞれ以下のページで詳しく解説しています。
率先型のリーダーシップ
▼資料ダウンロードはこちら
▼資料ダウンロードはこちら
問題解決力
管理職には、チームレベルで問題解決に取り組む姿勢が求められます。これまでプレイヤーとして働く際には、個人の業務における問題解決に取り組んできた人が多いでしょう。
しかし、管理職の場合はチーム全体をよくするために、チームレベルでの問題解決に取り組むことが求められます。
初級管理職研修では、チームレベルでの問題解決力を扱うのがおすすめです。
自分だけでなく、チームを巻き込んで問題解決に取り組む姿勢を身につけてもらいましょう。
チームレベルでの問題解決力を磨くアルーの研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
チームレベルの問題解決・標準化
▼資料ダウンロードはこちら
目標管理
管理職としてチームをマネジメントするためには、目標管理のスキルが必要不可欠です。
目標を立てる際には、まずチームの期待役割を理解する必要があります。
その上で、チームの役割に沿った目標を立て、目標達成に向けたマイルストーンへと落とし込んでいく能力が求められるでしょう。
目標管理スキルも、初級管理職研修でぜひ取り上げたい内容の一つです。
チームとしての目標を継続的に管理するスキルに加え、メンバーにとって適材適所な仕事の割り振りを実現する力も身につけてもらいましょう。
目標管理に関する研修については、以下のページで詳しくご確認いただけます。
部の目標の達成
▼資料ダウンロードはこちら
コミュニケーション能力
初級管理職研修の対象となる社員には、他部署や社外、上司、部下など様々な立場のメンバーと円滑に協業することが求められます。そのためには、初級管理職がコミュニケーションのハブとなることが大切です。
初級管理職が起点となって上下のコミュニケーションを回せば、経営層と現場の方針をうまく噛み合わせることができます。
また、係長同士でコミュニケーションを取れば他部署との連携もスムーズになるでしょう。
コミュニケーションのハブを実現するためのアルーの研修は、以下のページで詳しく解説しています。
コミュニケーションのハブ
▼資料ダウンロードはこちら
また、初級管理職は部下と直接対話をして、育成に取り組む場面も多いでしょう。
部下育成においては、部下の本音を引き出すコミュニケーションが大切です。
本音を引き出すコミュニケーションスキルを習得するアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
本音を引き出すアルーの研修
▼資料ダウンロードはこちら
OJTスキル
OJTでありがちな教育の質のムラをなくし、効果的に後輩社員の教育を進めるためには、管理職のOJTスキルを高めておくことが大切です。OJTスキルも、初級管理職研修で扱いましょう。
具体的には、OJTトレーナーとして求められる心構えや、指導の際にOJTトレーナーとして求められる姿勢を理解してもらうのが重要です。
また、初級管理職自身が直接OJTトレーナーを担当しない場合には、OJT施策全体をマネジメントする方法についても扱いましょう。
アルーの提供するOJTトレーナー研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
OJTトレーナー研修
初級管理職研修を成功させるポイント
初級管理職研修を成功させるためには、いくつかの気をつけておきたいポイントが存在します。例えば、技術的課題だけでなく適応課題へアプローチするようにしたり、実践期間を設けて行動変容を促したりすることが大切です。
ここからは、初級管理職研修を成功させるために知っておきたいポイントを4つ解説します。
適応課題にもアプローチする
ビジネスで遭遇する課題には、「適応課題」と「技術的課題」の2つがあります。適応課題とは、自分自身の価値観や信念に根ざしている問題で、技術的課題とは自分自身のスキルや経験による問題です。
研修では技術的課題のみが注目されがちですが、初級管理職研修を成功させるためには適応課題にもアプローチするのが大切です。
例えば、「部下とのコミュニケーションがうまくいかない」という場合、「コミュニケーション力不足が原因だ」という視点だけでなく、「管理職と部下のコミュニケーションのあるべき姿を知ってもらう」という視点を忘れないようにしましょう。
「管理職は部下へ厳しく接するべきだ」「管理職は部下へできるだけ口出しをしないようにするべきだ」といった偏った価値観を意図的に棄却して、適応課題を解決するのが大切です。
技術的課題と適応課題については、以下の記事で詳しく解説しています。
『適応課題と技術的課題の例を紹介。研修で適応課題にアプローチする方法』
実践期間を通じて行動変容を促す
せっかく研修を実施しても、現場での行動変容が起こらなければ意味がありません。研修で得た知識やノウハウを元に現場での行動が変わることで、初めて研修の効果が発揮されます。
扱う内容が幅広い初級管理職研修では、実践期間を設けて行動変容を促すのが特に重要です。例えば、研修後に実際に自分のチームの課題解決に取り組んでもらうのがおすすめです。その後、課題解決の結果を報告する発表会を実施して上司や講師からのフィードバックをもらい、さらなる行動変容や成長へつなげましょう。
行動変容を阻害する原因や、行動変容を促すために知っておきたい研修のポイントは、以下のページで詳しく解説しています。
『行動変容を促す社員研修のポイント|ステージ理論に沿った働きかけとは』
演習などを用いてアウトプットをする
知識をインプットするだけではなかなか内容が身につきません。いくら頭でわかったつもりになっていても、実際に手を動かすまでは知識を自分のものにはできないでしょう。
初級管理職研修では、演習などを用いたアウトプットの機会を用意するのが大切です。例えば参加者同士のディスカッションを行ったり、研修中にロールプレイングを取り入れたりするのがよいでしょう。
定期的なフォローをする
研修で扱った内容は、時間が経つと忘れてしまうものです。研修実施後のフォローを行えば、研修内容を今一度思い出し、現場での実践に再び取り組むきっかけを作ることができます。現場で実践する中で新たに生まれた悩みにも応えることができ、初級管理職のさらなる成長を促せます。研修を実施した後は、定期的なフォローを実施しましょう。
例えば、研修終了後6ヶ月程度が経過したタイミングで、フォローアップ研修を実施するのがおすすめです。受講者が研修内容を再度見直す機会を作れるとともに、人事側にとっても次回以降の研修カリキュラムのブラッシュアップにつながります。
アルーの初級管理職研修の特徴
アルーは、階層別研修やグローバル人材育成研修など、数多くの人材育成施策を手掛けている企業です。アルーの初級管理職研修では、自社の課題に合わせたプログラムを作成できるほか、研修の体系図作成から支援できるといった多くの特徴があります。
アルーの実施している初級管理職研修の特徴をご紹介します。
自社の課題に合わせてプログラムを作成します
研修を実施している企業の中には、あらかじめ用意された研修カリキュラムを提供している場合も少なくありません。しかし、企業の課題が多様化・複雑化した現代では個別に最適化した研修カリキュラムが必要不可欠です。
アルーでは、自社の課題に合わせて研修プログラムを作成いたします。研修の内容はもちろん、研修を実施する形態や研修の雰囲気まで、要望に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。
研修の体系図作成から支援いたします
研修を実施する際には、研修内容をわかりやすく可視化した体系図の作成が重要です。アルーでは、研修の体系図作成から支援いたします。
例えば、ヤクルト本社の事例では、経営戦略に沿った育成計画を立てる段階から支援を実施いたしました。育成計画を立てる際には関連部署の部長クラスへのインタビューも実施し、事業計画に沿った人材育成カリキュラムの作成に役立てています。
本事例については、以下のページから詳しくご覧いただけます。
「点」から「線」の育成へ。経営戦略に基づいたグローバル人材育成体系構築のポイント(株式会社ヤクルト本社導入事例)
▼事例資料ダウンロードはこちら
eラーニングを併用したブレンディッドラーニングも可能です
eラーニングを活用すれば、社員は自分のペースで時間や場所を選ばず教育を受けることができます。また、eラーニングと対面形式での研修を併用するブレンディッドラーニングの取り組みも有効です。
アルーでは、eラーニングを併用したブレンディッドラーニングの実施も行っています。例えば初級管理職に必要な知識のインプットをeラーニングで効率的に実施して、ディスカッションなどの演習部分を対面形式でインタラクティブに実施する、といった研修が可能です。
アルーが行っている次期管理職向けeラーニングは、以下のページで詳しく確認いただけます。
アルーの初級管理職研修の事例
アルーでは、課題解決を実践した主任研修やアクションラーニングを取り入れた係長研修など、ユニークな初級管理職研修が数多くございます。アルーがこれまでに実施した初級管理職研修の事例を紹介します。
課題解決を実践した主任研修
課題解決を実施した事例では、課題設定フェーズと課題実践フェーズの2つに分け、7か月に渡って、主任を対象に研修を行いました。
1回あたりの研修時間を短くし、その分研修回数を多く設計した点が特徴です。これにより、受講者に集中して研修に取り組んでもらうことができました。また、受講者によって理解に必要な時間が異なるため、個別対応できる機会を多く設計しました。
主任としての役割理解から、問題解決・課題解決を行い、リーダーシップ・育成スキルも身につけられる研修となっています。
アクションラーニングを取り入れた係長研修事例
アクションラーニングを取り入れた係長研修事例では、4月から翌年度の3月までの計12ヶ月に渡って、係長を対象に研修を実施しました。
本事例では、「課の目標達成のために課題を設定して解決する」という係長の期待役割への理解を深めてもらうことを目的としています。
研修施策は毎月約1日のペースで行い、7月からは自部署の戦略や戦術が機能するために必要な課題を設定し、それを実際に解決してもらうアクションラーニングを取り入れました。アクションラーニング中は月に1回、行動計画をまとめてアクションプランとして提出してもらい、上司からのフィードバックを通じて係長としての実力向上を促しています。
係長向けコミュニケーション研修
係長向けコミュニケーション研修は、社内の関係性の質を高めることを目的に、不動産・建築建設会社のA社へ実施した研修です。特に上下・左右という双方向のコミュニケーションの中心となってもらうことを目的に研修を実施しました。
プログラムは計2日間で、係長の期待役割を理解し、心理的安全性、コミュニケーションスキル、メンタルモデルなどについて学んでもらいました。研修実施後のアンケートでは60%の受講者から「研修を業務で実践するイメージが持てている」との回答が寄せられ、係長としてのコミュニケーション力向上を実現した事例です。
本育成事例については、以下のページから詳しくご覧いただけます。
コミュニケーションを活性化し、組織力を向上させるための期待役割を認識する係長育成施策例
▼資料はこちらからダウンロードできます。
初級管理職研修ならアルーにお任せください
初級管理職研修の実施をご検討の場合は、ぜひアルーへお任せください。アルーでは、個々の企業の抱える課題に最適化された、実効性の高い育成施策をご提案します。また、eラーニングに欠かせない学習管理システムである「etudes」も開発しており、効果的なeラーニングやブレンディッドラーニングの実践が可能です。
etudesについて詳しくは下記ページをご覧ください。
初級管理職研修をご検討の場合は、ぜひアルーへお気軽にご相談ください。この記事の内容を参考に質の高い初級管理職研修を実現し、初級管理職の行動変容を促しましょう。