人材育成に必要な12のスキル。階層別の育成ポイントや事例を含めて解説
企業が持続的に発展していくためには、社員の育成が欠かせません。しかし、「社員の育成が思うように進まない」「日常業務に追われ、育成が後回しになってしまう」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
効果的な人材育成を実現するためには、12のスキルが必要です。この記事では、人材育成に求められる12のスキルや階層別の育成ポイント、育成を成功させた事例などを解説します。
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人材育成に必要な12のスキル
人材育成を効果的に進めていくためには、以下の12のスキルが必要です。
- 自部署に求められる人材像・能力要件を定義するスキル
- 現状把握スキル
- 目標設定スキル
- 仕組化できるスキル
- OFF-JTの社内研修設計スキル
- 計画通りに進められるスキル
- ロジカルシンキング
- コミュニケーションスキル
- リーダーシップ
- マネジメントスキル
- コーチングスキル
- 適材適所の人材配置ができるスキル
それぞれのスキルの内容について、詳しく解説します。
自部署に求められる人材像・能力要件を定義するスキル
人材育成を行う際には、どういった人材を育成したいのかという育成方針を定義する必要があります。自部署に求められる人材像や能力要件を定義するのは、人材育成に求められる基本的なスキルです。
そのためには、まず自分の部署の役割認識を深める必要があります。また、経営方針や会社全体のビジョンの理解なども欠かせません。
また、自社がジョブ型の企業であればジョブディスクリプションを作成することがアウトプットの1つになります。ジョブ型を採用している企業の中には、ジョブディスクリプションを作成することにまだ慣れていない人事や現場管理職もいるかもしれません。その場合はジョブディスクリプションのフォーマットを用意するだけでなく、ジョブディスクリプションの書き方も標準化することをおすすめします。
ジョブディスクリプションのテンプレートや書き方を知りたい方は、下記にて詳しくご紹介していますのでご覧ください。
『【テンプレート付き】ジョブディスクリプションの意味と書き方』
現状把握スキル
人材育成に取り組む際には、現場へのヒアリングやアンケートなどを実施して、現場の現状を把握することが大切です。現状を正しく分析し、人材育成による効果的なアプローチにつなげるスキルも求められます。
現状把握の際には、現場とのコミュニケーションが大切です。自分が知りたいことをうまくインタビューできる力を伸ばしておく必要があります。
目標設定スキル
育成の際には、人材育成のゴールとなる目標を設定します。このときに役立つのが、目標設定のスキルです。
人材育成における目標があまりにも現実離れしている場合、「達成できなくてもいいか」と社員のモチベーションを低下させてしまう可能性があります。反対に目標が低すぎるのも、目標設定の意義を失わせてしまうでしょう。理想と現実のギャップを正しく認識し、適切な難易度の目標を立てるスキルが必要です。
仕組み化できるスキル
人材育成においては、社員を育成することだけが解決策ではありません。たとえば、特定の社員のみが行っているルーティンワークを仕組み化し、どの社員でもできる状態を作ることも人材育成を効率化する手段になります。そのため、人材育成を担う方には、業務の標準化や仕組み化するスキルが必要です。仕組み化を通じて、誰でもタスクに取り組める状況を作り上げていきましょう。
仕組み化の例としては、フローやマニュアルの作成が挙げられます。こうした仕組みがあれば後輩社員は安心して仕事に取り組めますし、先輩社員が毎年同じことを何度も教える、といったムダも削減できるでしょう。
OFF-JTの社内研修設計スキル
研修設計や勉強会設計のスキルも、人材育成では重要です。
Off-JTとは、仕事から離れて取り組む集合研修やオンライン研修などの総称です。人材育成において体系的な知識を身につけさせたい場合は、業務を離れて集中的に学習するOff-JTが役立ちます。
研修参加者が内容を現場へ持ち帰ることができるようなカリキュラムづくりや、研修中に飽きさせないための仕掛けづくりなどを行う必要があります。
OFF-JTの手段の1つである集合研修は人事が行うものである、と考えている現場社員も多くいるのではないでしょうか。全社の人事を担う全社人事が企画する研修は事業部最適、部署最適な研修ではなく全社最適な研修になります。一方で、事業部に所属する事業部人事の場合は事業ニーズに合った研修施策を企画推進します。もし自社に全社人事しかいない場合は、事業部最適のOFF-JTは優先順位が低いため企画されないことも多いでしょう。この場合、現場の管理職クラスが企画しないと施策が動かないケースが多いです。そのような場合には、OJTだけでなくOFF-JTによる企画力も必要なスキルの1つになります。
計画通りに進められるスキル
人材育成の際には、人材育成のロードマップを示した計画を策定し、それに沿って進めていくことが一般的です。計画どおりに進められるスキルも、人材育成においては役立ちます。
現場では、部下の育成のためにかける時間よりも業務を推進するための時間に多くの時間を割いてしまうことがよくあります。そのため、人材育成を目的とした計画をあらかじめ策定することで、日頃から部下や後輩社員の成長進捗を管理する時間を意図的にとったり、適切なタイミングでアドバイスなどの介入を行う時間を取ったり、予定通り研修やチームビルディングを行えることに繋がります。また、計画から大きくずれてきたときには、必要に応じて軌道修正を行ったり、計画の練り直しを行ったりすることもできるようになります。
ロジカルシンキング
情報を構造的に整理し、論点を明確にし、相手に分かりやすく伝えるロジカルシンキングは、ビジネスにおいて基礎となる重要な力です。人材育成においても、まずは現場の情報を収集し整理し、課題を特定するところから出発します。そのためこの基礎スキルであるロジカルシンキングは人材育成の企画だけでなく、課題解決や現場へのコミュニケーションなど様々な場面において大いに役立ちます。
高いロジカルシンキングを身につけることで、構造的な研修を設計できたり、効果的なカリキュラムを提案できたりと、研修設計の段階でも活躍できるでしょう。
ロジカルシンキングを学ぶアルーの研修は、以下のページからご覧ください。
ロジカルシンキング研修
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コミュニケーションスキル
人材育成において、コミュニケーションは大切です。例えば部下と1on1ミーティングを実施して成長の進捗を把握する際も、コミュニケーションスキルを活かしながら部下の本音を引き出す必要があります。
人材育成を効果的に行うためには、相手に分かりやすく伝える論理的なコミュニケーション力が必要です。また、相手と良好な関係を構築するためのコミュニケーションや、相手にとって分かりやすく伝えるストーリーテリングなども求められます。自社の人材育成に携わる社員にはどのようなコミュニケーションスキルが必要かを確認し、コミュニケーションスキルを磨いておきましょう。コミュニケーションを高めるアルーの研修は、以下のページからご覧ください。
コミュニケーション研修
リーダーシップ
社員に一つの方向を目指して成長を重ねてもらうためには、リーダーシップが役立ちます。リーダーシップも、人材育成を行う際にはぜひ身につけてほしいスキルです。
高いリーダーシップがあれば、メンバーに対して常に育成の方向性やビジョンを共有しながら、育成を牽引できるでしょう。またメンバー一人ひとりに合わせて自身のスタイルを変えながらリーダーシップを発揮することで、一人ひとりの課題にあった関わり方ができます。。リーダーシップを磨くアルーの研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
リーダーシップ研修
マネジメントスキル
育成を行う際には、部下にとって成長につながるような仕事をアサインする業務マネジメントのスキルや、部下の成長に対するモチベーションを維持し続けるモチベーションのマネジメントスキルなどが役立ちます。
部下育成を効果的に進めるためには、ぜひマネジメントスキルも磨いておきましょう。マネジメントスキルを高めるアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
マネジメントベーシック
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コーチングスキル
コーチングとは、部下に直接スキルや知識を提示することなく、部下の自発的な学びをサポートして成長を促すことです。人材育成の際には、本人の自主性を尊重するコーチングスキルが役立ちます。
高いコーチングスキルがあれば、部下とうまく信頼関係を構築しながら、部下の自発的に学ぶ姿勢を醸成できます。コーチング力を高めるアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
コーチング研修
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適材適所の人材配置ができるスキル
人材育成の際には、部下の成長につながるような仕事や役割を与えることが大切です。例えば将来的に幹部としての活躍が期待される社員に新規事業開発のリーダーを任せたり、海外志向の高い社員へグローバルに活躍できる機会を与えたり、といったことが考えられます。
人が成長するための重要な要素の1つは経験です。米国人事コンサルタント会社のロミンガー社は、経営幹部などがリーダーシップ発揮のために何が有効かを調査した結果、7割が業務経験、2割が薫陶、1割は研修であることが判明しました。また、この「業務経験」は業務であれば何でもいいわけではなく、現状に甘んじないストレッチな目標や、メンバーにとってチャレンジな業務、現状の仕事をより効率的にしていく業務などにアサインすることが重要なポイントです。また、メンバーが将来なりたいキャリアイメージを描いてその業務にあたることも必要不可欠です。
このようにメンバーの成長を目的とした適材適所の人材配置ができるスキルは、人材育成でも役立つでしょう。部下の価値観や得意なことなどを日頃から把握しておくことも大切です。
人材育成を成功させるポイント
人材育成に必要な12のスキルの次は、人材育成を成功させるポイントについて紹介します。人材育成においては次の5つのポイントについて留意が必要です。
- 目的の明確化
- アウトプットの機会を設ける
- フォロー体制を構築する
- 体系的な育成機会を用意する
- 育成担当者への研修を行う
目的の明確化
人材育成の目的は、会社が直面している問題や掲げる戦略によって異なります。会社の状況や経営戦略に合わせて、なぜ人材育成が必要なのか、その目的をはっきりさせることが重要です。目的が不明瞭だと、研修を受けても「必要ない」と感じられてしまい、会社の理想や目標に沿った適切な人材育成が行えません。
人材育成の目標を会社全体の目標と連動させ、人材育成の目標を明確に設定しましょう。
アウトプットの機会を設ける
人材育成では、座学による知識の吸収だけでなく、研修内容とOJTを接続するなど、実践の機会を設けることも大切です。例として、座学のみに留まらず、ロールプレイングを取り入れたり、学んだスキルを実務に活かせるような機会を設けると良いでしょう。
フォロー体制を構築する
人材育成は一度研修を行うだけでは十分な効果は出ません。研修終了後も、人事部門が社員をサポートする体制を整えることで、育成の効果がさらに高まります。研修後数ヶ月のタイミングでフォローアップ研修を行い、研修で学んだ内容を実践できているか、新たな課題が生じていないかをチェックすることがおすすめです。フォローアップは、研修内容の復習や振り返りだけでなく、次のステップで必要なスキルや知識の発見にも繋がります。
体系的な育成機会を用意する
人材育成は、短期的なものではなく、中長期的に実施すべきものです。そのため、目指す人材像、育成方針、研修プログラムなどを基に、育成方針や施策を設計する必要があります。人材育成を体系的に整理することで、場当たり的な研修が減り、より効果的かつ効率的な施策が実施できます。体系的な育成プログラムを設けることで、部門や役職ごとのニーズを把握し、成長を促しましょう。
研修体系の作り方については以下の記事もご覧ください。
『【図例あり】コンピテンシーを用いた階層別研修の体系図作成のススメ』
育成担当への教育
人材育成を行う担当者の教育も重要です。前述のように、人材育成は会社の将来を支える重要な取り組みです。担当者がティーチングスキルやコーチングスキルを習得することで、部下への教育の質が向上し、人材育成を効率的に進めることができます。
研修などを通じて、人材育成と会社のビジョンに精通した担当者を育成しましょう。
アルーが行っている育成担当者向けの研修は、以下のページでご確認いただけます。
OJTトレーナー研修のプログラム詳細
階層別人材育成のポイント
人材育成に必要な12のスキルと人材育成を成功させるポイント について解説してきました。実際の育成の現場では、新入社員から中堅社員、管理職まで育成の対象は多岐にわたり、それぞれに効果的なアプローチも大きく異なります。
ここからは、4つの階層別に人材育成を成功させるポイントを解説します。
新入社員
新入社員を育成する際には、まず社会人への意識転換を意識しましょう。学生時代の意識が抜けきれていない新入社員は、「教えてもらうことが当たり前」という受身の姿勢から脱却できていない場合があります。自分から学び、積極的に仕事を探すという能動的な姿勢を築きましょう。
また、基本的なビジネスマナーの習得や、自社理解の強化も課題となります。新入社員は人間関係に不安を覚えがちな時期でもあるので、ディスカッションやロールプレイングなどのコミュニケーションを交えながら、こうした内容を教育していくことが大切です。
新入社員を育成するポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『失敗しない新人育成のポイント。育成計画のテンプレや目標設定方法を紹介』
中堅社員
中堅社員は、一通りの業務を経験し、だんだんと慣れが出てくる時期です。中堅社員に対しては、まず「組織の中心的な役割を担っている」という役割認識を持ってもらいましょう。新入社員の頃と比べると成長実感も少なくなりがちなので、モチベーション維持を意識することも大切です。
また、中堅社員には部下や後輩も増え、部下育成が職務の一貫として求められます。育成担当者としてのスキルを向上させるため、コーチング力やOJTトレーナースキルなどを磨いてもらいましょう。
中堅社員を育成する目的やポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『中堅社員研修の目的とは?目標の決め方や育成のポイント』
管理職
管理職は、企業が経営方針を実現できるよう、マネジメントによってチームを目標達成へ導いていく役割があります。管理職を育成する際には、チーム視点の獲得を意識した育成を行いましょう。目の前の仕事を「自分の仕事」と捉えるのではなく、「チームの仕事」と捉えて全員で解決に向かっていくという心構えが大切です。
また、社員を評価する能力や、部下とのコミュニケーションスキルも学んでもらう必要があります。どういった観点から評価すれば公平な評価となるのか、またどのようなコミュニケーションが部下との信頼関係構築につながるのかを理解してもらいましょう。
管理職を育成するために行うべき研修については、以下の記事で詳しく解説しています。
『【事例あり】管理職研修の目的とおすすめの内容は?3つの成功ポイント』
幹部候補
幹部候補の育成では、視座を高めてもらうことを意識するのがポイントです。そのためには、幹部候補をできるだけ早い段階で的確に選抜し、幹部候補のポストと要件を明確化させておきましょう。選抜された幹部には、新規事業の開拓へ積極的に携わってもらうのも効果的です。
また、早期の選抜を実現するためには、幹部の育成計画を早い段階で立てておくことも大切です。実際の育成では、現役の経営幹部と直接対話する機会を設けたり、新規事業へのチャレンジへ積極的に携わってもらったりするのもよいでしょう。
幹部候補の育成方法や育成のポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『幹部候補の育成方法とは?選抜方法や人事が知っておくべきポイント』
人材育成における課題と解決策
人材育成においては、「人材育成にかける時間がない」「人材育成に適した人材が不足している」といった、いくつかのありがちな課題があります。こうした課題の発生を防ぐためには、先回りした対処が必要です。人材育成においてありがちな課題と、それらの解決策を見ていきましょう。
人材育成にかける時間や余裕がない
人材育成にありがちな課題の1つめは、「人材育成にかける時間や余裕がない」というものです。日常業務が忙しい場合、どうしても人材育成が後回しになってしまいがちです。
特に日常業務から離れて行うOff-JTの場合、そもそも日常業務を離れる時間が確保できない、という場合も少なくありません。また、研修を受講する側の時間が確保できないというケース以外にも、研修を実施する側のリソースが確保できないという場合もあります。
対策:業務効率化を図る
人材育成にかける時間や余裕がない場合の解決策として、業務の効率化を図るというものが挙げられます。
研修の実施には、どうしても多大なコストがかかるものです。そこで、研修の一部を外注したり、ブレンディッドラーニングなどのオンライン研修を活用したりして、研修の負担を軽減しましょう。
研修を効率化させる方法について、詳しくは以下のページで解説しています。
『社内研修を効率化させるためには?方法や外注のメリットをご紹介』
人材育成に適した人材の不足
人材育成にありがちな課題の2つめが、「人材育成に適した人材が不足している」というものです。社内研修などを設計する場合に、講師役を務められる社員がなかなか見つからないといったケースが見受けられます。
また、関連する失敗として「プレイヤーとして優秀な社員をそのまま講師へ抜擢してしまう」というものも挙げられます。
対策:人材育成のプロに外部委託する
人材育成に適した人材が不足している場合には、人材育成のプロに研修を外部委託することを検討しましょう。社内に負担をかけることなく研修を実施できるため、人材不足を解消できます。
また、自社にはないノウハウを取り込めるのもメリットです。人材育成のプロである外部講師は、自身のユニークな体験などを交えながら、最新の内容をわかりやすく説明してくれるでしょう。
研修を外部委託するメリットデメリット、外部委託先の選定ポイントなどは、以下の記事で詳しく解説しています。
『研修は外部委託すべき?委託している割合や委託先選定のポイント』
自律学習が促進されない
これまでは、会社側が社員を一つの会場へ集めてスキルアップを図る一律研修が主流でした。しかし、こうした研修ではどうしても「やらされている感」が出てしまいます。
VUCAとも呼ばれる変化の激しい現代では、社員の自律的な成長を後押しすることが必要です。こうした一律教育から自律学習へのシフトが上手くいかず、「なかなか社員が自律的に学んでくれない」といった課題を抱えるケースがあります。
対策:公募研修やeラーニングを豊富に用意する
自律学習を促進するためには、学びたいと思った社員だけが研修に参加する公募型の研修や、いつでもどこでも自分のペースで学習できるeラーニングを豊富に用意するのがおすすめです。
特にeラーニングを積極的に活用すれば、社員の学びたいペースに合わせた自発的な学びをサポートできます。アルーの提供しているeラーニングについては、以下のページから詳しくご覧いただけます。
eラーニング教材
教育内容が多様化している
IT技術の進歩やグローバル化に伴い、現代のビジネス環境では多種多様なスキルが求められます。
語学力やデータ分析スキルなど学ぶ内容も多様化してきており、こうした幅広い内容を研修でうまくカバーできないというのも、よくある課題です。特に、従来型の一律研修からの脱却が上手くできていない場合に、こうした課題が発生してしまいます。
対策:優先順位をつけてテーマ別研修を実施
学ぶ内容の多様化に対応するためには、研修内容に優先順位をつけた上で、テーマ別に研修を実施するのがおすすめです。研修前に企業の方向性と個人の方向性をすり合わせた上で、何を学ぶべきなのか優先順位を決めていきましょう。
その後、学ぶスキルにあわせた社員のグループ分けなどを実施して、テーマ別に能力を伸ばしていくのが効果的です。アルーの提供しているテーマ別の研修一覧は、以下のページからご覧いただけます。
テーマ別研修一覧
効果的な人材育成方法
効果的に人材育成を進めるためには、人材育成計画を立てたり、OJTやeラーニングといった取り組みを積極的に活用したりすることが大切です。また、研修を単発で終わらせず定期的に実施したり、業務アサインを工夫したりするのもよいでしょう。
効果的な人材育成を実現する方法を解説します。
人材育成計画を立てる
人材育成を計画的に進めるためには、人材育成計画を立てることが大切です。人材育成計画には、人材育成の対象者やそれぞれの階層で求められるスキル、能力要件や育成のためのアプローチなどを盛り込みましょう。
人材育成計画があれば、「単発の研修はあるが体系化されていない」といった問題を防ぐとともに、中長期的なキャリアを見据えた育成を進めることができます。
人材育成計画を立てる方法や、計画を立てる際の注意点などは以下のページで詳しく解説しています。
『【テンプレートあり】人材育成計画の作り方や計画書の事例を紹介』
OJTの実施
人材育成を効率的に進めるためには、日常業務に取り組む中でスキルの習得を目指すOJTを導入するのが効果的です。OJTを活用すれば、マニュアルや座学での研修では伝えきれないような、実践的な業務のコツを効率よく伝えることができます。
また、OJTの実施を通じて上司と部下の間のコミュニケーションを強化できるのもメリットの一つです。ただし、OJTにおける教育の質はOJTトレーナーの力量に大きく左右されます。OJTの具体的な実施方法や実施時のポイントは、以下のページからご覧ください。
『OJTとOFF-JTの違いは?それぞれのメリットや組み合わせ方を紹介』
eラーニングの導入
研修を効果的に実施するためには、社員がいつでもどこでも学べる環境作りが大切です。eラーニングを導入すれば、社員の自発的な学びをサポートすることができます。eラーニングでは社員が自分の都合のよいときに学習を進められるため、日常業務に追われがちな社員の教育にも有効です。
なお、eラーニングを導入する際にはLMSと呼ばれる学習管理ツールを選定する必要があります。アルーの提供しているLMSである「etudes」は、視覚的でわかりやすいUIが魅力です。etudesについては、以下のページから詳しくご覧いただけます。
etudes(エチュード)
※「etudes」公式サイトへ遷移します。
研修を定期的に実施
せっかく人材育成を行うのであれば、現場での行動変容を促す必要があります。いくら研修に力を入れたところで、実際の仕事で行動の変化が生まれなければ意味がありません。
研修による行動変容を促すためには、研修を定期的に実施するのが効果的です。例えば研修を1ヶ月ごとに実施して、間に現場での実践期間を挟んでみましょう。現場で実践した課題を研修で持ち寄るようにすれば、現場での実践を後押しできるとともに、定期的に研修内容を思い返す機会を作ることができます。
育成担当への教育を充実させる
人材育成を行う際に意識しておきたいのが、現場で育成を担当するOJTトレーナーの育成スキルです。OJTトレーナーの教育ができていないと、「OJTが放置になってしまう」「教育の質にムラができてしまう」などのような問題が起きてしまいます。
人材育成を実施する際には、育成担当となる社員に対する教育も忘れないようにしましょう。例えばOJTの際の心構えやコミュニケーションの取り方などを、集合研修やeラーニングを通じて伝えるのが効果的です。
OJTトレーナーとしての力量を磨くアルーの研修は、以下のページからご覧ください。
OJTトレーナー研修
ストレッチな業務にアサインする
人材育成の効果を十分に発揮するためには、業務アサインを工夫する必要があります。伸ばしてほしい能力がある社員には、該当するスキルを伸ばせるようなストレッチな業務をアサインするように心がけましょう。
例えば、幹部候補となる社員には新規事業へ積極的に携わってもらう、グローバルに活躍してほしい社員には短期の海外駐在経験をさせてみる、といった業務の割り当てが考えられます。個々の志向やキャリアプランなどを踏まえながら、最適な仕事を割り当てましょう。
人事評価システムの導入
人材育成に前向きな姿勢で取り組んでもらうためには、人事評価システムの導入が効果的です。人材育成を行う際には、人材評価の担当者と連携しながら、人材育成と人材評価を連動させるようにしましょう。
例えば、育成プログラムにおける到達度を人事評価へそのまま反映したり、資格を取得した社員には人事評価でプラスの評価を与えたりするといった取り組みが効果的です。人材育成の結果に対してインセンティブを与えることを意識してみましょう。
目標管理制度の導入
人材育成を成功させるためには、目標管理制度の導入を行うのも有効です。それぞれの社員で成長のマイルストーンとなる目標を設定し、上司との1on1などを通じて定期的に進捗状況を確認していくとよいでしょう。
人材育成で目標管理を正しく行えば、社員は「これから自分が成長するためにはどういったスキルが必要なのか?」を常に意識できるようになり、成長への道筋を描きやすくなります。なお、目標管理制度を導入する際の注意点やポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
『目標管理制度がうまくいかない理由は?時代遅れと言われる理由や成功のポイント』
アルーの人材育成成功事例
人材育成を専門に手掛けているアルーでは、これまでに幅広い人材育成ソリューションを提供してまいりました。新入社員研修はもちろん、グローバル人材育成や階層別研修、テーマ別研修など、研修の実施実績も幅広いです。
ここでは、アルーがこれまでにご支援してきた人材育成の成功事例の中から、3つを抜粋して紹介します。
大同特殊鋼株式会社様
「次の100年に向けて」というメッセージのもと、体系的な人材育成に取り組んでいる大同特殊鋼株式会社様。本事例では、階層別に「成長マップ」というマップを策定し、それぞれの階層でどういった期待役割や行動指針が求められるのかを明確に定義しています。
育成の現場では、若年層を対象とした研修でも積極的にキャリアについて考えてもらいました。自分自身のキャリアについて研修で見つめ直してもらい、「人生を豊かにするために職業生活を送る」という考え方の獲得を促した事例です。
本事例については、以下のページで詳しく解説しています。
つなげ。次の100年へ(大同特殊鋼株式会社)
株式会社オカムラ様
「Work in Life」をデザインするというキーワードのもと、人材育成を含めたさまざまな分野で改革を推進している株式会社オカムラ様。人材育成領域では、「自律した人材を育成する」というコンセプトを掲げ、社員が自律的に学ぶ文化の醸成を目指した人材育成を行いました。
本事例は研修制度の変更といった限定的な取り組みだけでなく、環境や文化醸成を含む大々的なプログラムを進めています。昇進直後といったモチベーションが向上するタイミングに合わせて面接や研修などを実施して、社員のパフォーマンス改善を促しました。
本事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
社名変更を機に人財育成も問い直す。学ぶ意欲を喚起し、自律的に学ぶ文化を醸成。(株式会社オカムラ)
株式会社ヤクルト本社様
ヤクルト本社様は、1964年に台湾での営業を開始し、長年にわたり「現地主義」を維持してきました。このコンセプトに基づくグローバルな人材を体系的に育成するために、人材育成体系構築と育成施策の実施をサポートしました。具体的には、「グローバル人材育成コンサルティング」「海外赴任研修」「管理職向けグローバルマインド醸成プログラム」の3つの取り組みを実施しています。
以前からヤクルト本社では単発のグローバル研修が行われていましたが、これらの研修同士のつながりが見えづらく、体系的な人材育成につながらないという課題がありました。本事例ではこうした「点」での研修を綿密に結びつけ、点から線へと人材育成の考え方を進化させました。
本事例については、以下のページでさらに詳しく解説しています。
「点」から「線」の育成へ。経営戦略に基づいたグローバル人材育成体系構築のポイント(株式会社ヤクルト本社導入事例)
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人材育成でお悩みの際はアルーにご相談ください
アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。人材育成でお悩みの際は、ぜひアルーへお任せください。アルーでは、これまでに数多くの人材育成をご支援させていただいたからこそのノウハウが豊富に蓄積されています。
特に、OJTトレーナー向け研修やコーチングスキルの研修など、育成担当者向けの支援プログラムが充実していることがアルーの強みです。人材育成に必要なスキルを伸ばしたい場合は、お気軽にアルーまでご相談ください。