社内研修を効率化させるためには?方法や外注のメリットをご紹介
「研修運営のコストが大きく、研修に関する業務が負担となっている」
こういった悩みをお持ちの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。実際、社内研修を実施してはいるものの、運営コストが研修実施側に大きな負担となっているケースは少なくありません。
そこで今回は、研修をできる限り効率よく進める方法や、効率的な研修の進め方、さらには研修を外注するメリットについて解説します。
研修を効率化させる方法は?
研修を効率化するための方法としては、例えば以下のようなものが考えられます。
- 研修の課題を把握して、教育体系を見直し最適化する
- 教室集合研修からオンライン研修に変更する
- LMSなどのツールを導入しエクセル入力による受講管理を減らす
- 研修や研修運営の事務作業を外注する
研修効率化のためには、効率化に向けたいくつかの方法を組み合わせるのがおすすめです。研修を効率化させるための方法についてご紹介します。
現在の研修の課題を把握する
まずは、現在の研修の課題を把握し、それを改善することで、研修の効率化を図ることができます。
研修の課題を把握するためには、例えば研修の流れを図式化して整理したり、研修に携わっている社員に対してヒアリングを行ったりするのがおすすめです。
会場の予約などのコストなどを考えるとオンライン研修に移行した方が良いものや、何年も同じ研修を行っている場合はeラーニング化させてしまった方が良いものもあるでしょう。
研修業務に無駄がないか再度確認し、削れそうな業務は削り、改善していくことで効率化につながります。
教育体系の見直しをする
研修の進め方そのものに問題がない場合でも、研修で教えている内容にダブりがあったり、不必要な内容が含まれていたりすることは珍しくありません。教育体系の見直しを進めるのも、研修の効率化を進める上では大切です。
教育体系の見直しを進める際には、まず経営課題や現場の状況を詳しく把握する必要があります。経営戦略は人材に対して何を求めていて、現場での人材育成には何が足りないのかを明確化すれば、どういった研修内容が必要なのかも見えてくるはずです。
研修の体系図作りに関しては、以下の記事も参考にしてください。
【図例あり】コンピテンシーを用いた階層別研修の体系図作成のススメ
オンライン研修を活用する
最近では、従来の集合型研修ではなく、Web上で研修を実施するオンライン研修を活用する企業も増えてきています。研修の効率化を進める上では、オンライン研修を活用するのも有効です。
研修をオンライン上で実施すれば、研修の会場確保や講師の移動にかかる手間といったコストを大きく削減できます。また、紙ではなくオンライン上で教材を配信することによって、研修参加者の学習状況を管理するのも簡単になるでしょう。研修を効率化する際には、オンラインでできる部分はオンラインで実施するのがおすすめです。
オンライン研修にすることで、以下の表のように会場手配、研修生の宿泊交通手配の工数が削減できます。
【教室集合研修とオンライン研修の工数比較】
教室集合研修 |
オンライン研修 |
|
会場手配工数 |
中 |
- |
研修生宿泊手配 |
中 |
- |
研修企画工数 |
大 |
大 |
研修実施準備工数 |
大 |
大 |
オ ン ラインツール準備 |
- |
小 |
オンライン研修の導入方法やポイントは以下の記事を参考にしてください。
オンライン研修のやり方やメリット・デメリットをわかりやすく解説
ブレンディッドラーニングがおすすめ
ブレンディッドラーニングとは、集合型研修とオンライン研修の両方を活用しながら実施する研修形態です。集合型研修の場合、どうしても運用コストがかかるとともに、研修参加者にも移動の負担を強いてしまうというデメリットがありました。また、オンライン研修では移動の手間などが発生しないものの、ロールプレイングなどの実践的なワークはどうしても制限されてしまいます。
ブレンディッドラーニングの手法を取り入れれば、これらの欠点を互いに補い合い、学習効果を高めることが可能です。オンライン研修で基礎的な知識を身につけたあと、集合研修で実践的なワークに取り組んでもらう、といった形態を検討しましょう。
運用事務を外注する
研修には、講師によるレクチャーそのものの他に、様々な事務作業が発生します。例えば、以下のようなものが一例です。
- 研修生の受講状況の管理や受講案内
- 集合研修を行う際の当日設営・運営
- 研修実施後のアンケート集計
こういった研修に関連する運用事務が、研修実施の大きな負担の原因となってしまっているケースが多いです。こうした工数のかかる事務作業は、外注を検討するのがよいでしょう。研修事務を外注すれば社員側の負担が減り、より研修の内容そのものに集中できるようになります。
【エクセル管理とLMS管理による研修事務工数比較】
エクセル管理 |
LMS管理 |
|
研修概要作成 |
小 |
小 |
研修一覧作成 |
小 |
小 |
研修案内 |
中 |
小 |
受講管理 |
大 |
小 |
事後課題配信 |
中 |
小 |
アンケート集計 |
大 |
極小 |
LMSなどのツールを導入する
eラーニングでの研修効率化を検討する場合は、LMS(学習管理システム)といったツールの導入がおすすめです。LMSを活用すれば、eラーニングで配信する動画教材をまとめて管理できるようになります。
また、LMSによっては学習内容がどれほど身についたのかを確かめるテスト機能や、研修内容についてのフィードバックを受け付けるアンケート機能が利用可能です。LMSで研修教材を管理すれば、研修を運用する手間が一気に削減でき、研修業務の効率化が進むでしょう。
アルーが提供しているLMS「etudes」については、以下のページでご確認いただけます。
etudes
外部の研修を利用する
最近では、様々な企業が研修を外注しています。研修の効率化を一気に進めたい場合は、研修の外注がおすすめです。
研修を外注するメリットとしては、研修業務を効率化できることに加え、研修のクオリティが担保される点が挙げられます。特に、ビジネスマナーやITスキルといった汎用性の高いスキルを身につける研修は、外注と相性が良いといえるでしょう。独自性の高いスキルを身につけてもらいたい場合には、研修内容をカスタマイズできる企業を活用するのもおすすめです。
効率的な研修の進め方
研修を効率化する様々なアイディアについてご紹介しました。ここからは、効率的な研修を進めるステップについてみていきましょう。この流れに沿って研修実施を進めれば、効率的で学習効果の高い研修を実施できます。
対象者の課題を把握する
研修を実施する際には、まず研修対象者へどのようなアプローチをする必要があるのかを知ることが大切です。まずは、研修対象者の課題を把握しましょう。
例えば新入社員を対象とした研修を実施する際には、「ビジネスマナーの基礎が身についていない場面が多い」「報連相が徹底できておらず、ミスが発生している」といった課題が多いです。
反対に、経験豊富な管理職が対象の場合は、「マネジメント技法への理解が甘い」「理想とするキャリアが揺らいでしまっている」といった点が課題となりえます。
このような課題は、本人に対するヒアリングや、対象者の上司への確認を通して見える化していきましょう。
研修の目的を決定する
対象者の課題を把握したあとは、何のために研修を実施するのかという研修の目的を決定します。前のステップで洗い出した研修対象者の課題をもとに、何のための研修で、何が研修のゴールなのかを明確化していきましょう。
例えば先述した新入社員を対象とした例で「報連相が徹底できておらず、ミスが発生している」という点を課題として掲げた場合には、「報連相の徹底を目的とした研修を実施する」「要点を押さえたコミュニケーションが取れるよう、論理性を磨く研修を実施する」といったといった目的が考えられます。
研修内容を洗い出す
研修の目的が定まったら、次にその目的を達成するために必要な研修内容を洗い出していきましょう。目的から研修内容へと落とし込んでいくことによって、研修内容に一貫性が生まれます。
先ほどの例のように、コミュニケーションによるミスを低減することが研修の目的の場合、例えば「報連相の重要性について学んだあと、要点を押さえた連絡の具体例を学ぶ」「学んだ内容を定着させるため、ロールプレイングを行う」といった具合に研修内容が策定できます。
研修体系図に落とし込んで整理する
研修内容が固まったら、研修体系図に落とし込んで研修内容を整理してみましょう。研修の流れが視覚化されることで、研修内容にどのようなつながりがあるのかが一目でわかるようになります。
また、研修体系図を書けば、今考えている研修プランに存在する無駄な内容も見つけ出しやすくなります。研修をできる限り効率化するため、「この内容は省けるな」「〇〇と△△は同じトピックとして扱おう」といったように、研修内容のスリム化を進めましょう。
LMSを活用して受講管理を行う
効率的な研修の実施のためには、eラーニングを活用するのが重要です。eラーニングの学習管理ツールであるLMSを利用して、受講管理を始めましょう。
具体的には、まずLMS上で配信する学習教材を作成します。社員自身で動画を録画してもよいですし、高品質な動画の作成を行いたい場合は外注するのも一つの手です。動画の準備が整ったら研修対象者へ連絡を行い、LMS上で事前学習を進めてもらいましょう。
アルーが提供しているLMS「etudes」では、オリジナル教材の動画作成も可能です。詳しくは以下のページをご確認ください。
オリジナル教材を作成|LMS・クラウド型eラーニングシステム「etudes(エチュード)」
また、現在行っている集合研修の管理も、LMSを導入することで効率化が可能です。
日程変更などは受講者が自分で行うことができるため、日程調整や、日程の連絡、名簿作成や日程の変更があった際の受付などの業務を減らすことが可能です。「etudes」を導入したことにより約82%の業務工数削減ができた事例もあります。
研修を実施し、効果測定を行う
LMSで教材の配信を行ったら、いよいよ研修を実施しましょう。事前学習で身につけた基礎知識をもとにしたディスカッションやグループワークなどを用意して、知識のアウトプットの場を提供するのが大切です。
また、研修を実施したあとは必ず効果測定を実施します。研修を通じてどの能力が上がっており、どの能力がいまいち伸びていないのかを把握することによって、次回以降の研修をさらに効率化することにつながります。
研修の効果測定の方法やポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
研修効果測定の方法とは|4つの評価レベルや効果測定のポイント
研修を外注して効率化させるメリット
研修を効率化する手段としておすすめなのが、研修の外注です。研修を外注すれば、準備の手間が省けるほか、専門性の高い知識を学んでもらえる、クラスが複数に分かれたとしても研修の質を統一できるといった様々なメリットがあります。
研修を外注して効率化させるメリットについてご紹介します。
準備の手間が省ける
研修を外注するメリットとして、準備の手間を大きく削減できる点が挙げられます。研修を社内で実施する場合、研修の担当者は日常の業務に加えて、別途研修のための時間を捻出する必要があります。研修内容の策定や教材の作成、講師のアサインといった事務作業に時間が取られることも多く、こうした事務作業が負担を招いてしまうでしょう。
一方、研修を外注すればこういった手間を可能な限り削減でき、社内担当者の負担を軽減できます。準備の手間が省けるため、社員は研修中のフォローアップに回ったり、日常の業務に集中したりすることが可能です。この記事前半の「運用事務を外注する」の見出しでも解説したように、事務の部分のみを外注するのもよいでしょう。
専門的な内容の研修が受けられる
研修を社内で行う場合、どうしても提供できる知識やスキルは社内に蓄積されているものに限られてしまいます。管理職や先輩社員側に十分なスキルがない場合もありますし、社内にはない高度な知識を獲得したいケースもあるでしょう。
研修を外注すれば、自社のノウハウではまかないきれない専門的な内容の研修が受けられます。今まで社内になかった知識やアイディアを取り入れられるため、思いがけないイノベーションにもつながるでしょう。
また、大人数の研修でも事務作業などを減らせるメリットもあります。
研修の質を統一できる
大規模な研修を社内で実施する際のよくある課題の一つに、「研修の質が研修担当者によって大きく左右されてしまう」「受講者を複数のクラスに分けると、担当講師によって教育の質がバラバラになってしまう」というものがあります。研修担当者に対して別途教育者向けの研修を実施するのも手ですが、研修自体を外注すればさらに効果的に研修の質を統一できるでしょう。
研修を専門に手掛けている企業では、講師が教育者として必要なトレーニングを積んでいるため、質の高い研修ができます。研修の質にムラが生まれないため、同じ内容を再度取り扱ったり、無駄なフォローアップを行ったりする必要がなくなり、効率化につながるのです。
研修結果の見える化で次の研修計画も立てやすい
研修を外注する企業によっては、研修による効果測定までフォローしてくれるところもあります。そうした企業に依頼すれば研修結果を可視化してくれるため、この点も研修を外注する際のメリットです。
研修結果が可視化されることによって、今回の研修で何が身につき、何が身に付かなかったのかを瞬時に把握できます。こういった情報を次の研修プランを策定する際に役立てれば、継続的に研修の質をブラッシュアップすることも可能です。
研修を効率化するならアルーにお任せください
研修の効率化を検討している場合、人材育成を専門に手掛けているアルーへぜひお任せください。
アルーでは、毎年約2万人に対する新入社員研修をはじめ、グローバル人材研修や階層別研修などを幅広く手掛けています。研修の効率化に関するノウハウも数多く蓄積されているため、効率的な研修の実施が可能です。
研修体系作成からお手伝いいたします
どの階層にどの能力を身につけるかを明示した研修体系図の作成業務は、人事にとって大きな負担となります。研修体系が研修自体の質を左右することも多いため、頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。
アルーでは、研修体系の作成段階からお手伝いすることが可能です。経営課題と現場における問題点を踏まえ、どういった研修で何を解決すればよいのか、研修プランに落とし込めるまで徹底的に伴走いたします。
アルーが提供しているコンピテンシーを活用した研修体系図の作成例は以下の記事からご確認いただけます。
【図例あり】コンピテンシーを用いた階層別研修の体系図作成のススメ
オンライン研修・eラーニングで研修を効率化できます
記事でも紹介したように、研修を効率化するためにはオンライン研修やeラーニングの活用が有効です。eラーニングを進める際には、ツールの導入や使い方に関するノウハウが欠かせません。
アルーでは、オンライン研修やeラーニングもご用意しております。オンライン研修では、従来の対面型研修とは異なる育成ノウハウが求められるものです。アルーではオンライン研修やeラーニングならではの研修ノウハウも豊富なため、効果的にオンライン上での研修を実施することができます。
アルーが支援したオンライン研修の事例は、以下のページでご確認いただけます。
学生から社会人への変革(オンライン研修)(株式会社NTTドコモ様事例)
LMSもご用意しております
eラーニングを活用するためには、eラーニングで用いる教材を管理するシステムであるLMSの導入が必要です。一方LMSの中には業務ツールの延長のようなものも多く、操作がわかりにくいといった話もよく聞きます。
アルーでは、社内教育に必要なノウハウをひとところに集めたクラウド型eラーニングシステム「etudes」の活用が可能です。etudesは、学習状況をグラフなどで視覚的に確認できるのが特徴で、難しい操作は一切なくeラーニングでの学習管理ができます。20年以上にわたって培ってきた育成ノウハウを活用して、効率的な人材育成をサポートいたします。
etudesに関しては、以下のページでご確認ください。
etudes
研修の成果を分かりやすく可視化できます
研修を実施したあとでフォローアップを行わないと、本当に研修によって能力が伸びたのかどうかがわかりません。社員の能力の伸びを定点観測することは、研修を継続的にブラッシュアップする上でも重要です。
アルーでは、研修の実施そのものだけでなく、「育成の成果」にも強いこだわりを持っています。独自開発したLMSである「etudes」や評価ツール「ALPath」などを活用して、育成の成果が一目で分かる様々な工夫を凝らしています。これまでの研修ではわかりづらかった育成成果を可視化できるため、学習の定着度や行動変容をスムーズに把握することが可能です。
まとめ
研修を効率化するための方法や効率的な研修を実施するためのステップ、さらには研修を外注するメリットについて解説しました。研修を効率化するためには様々な方法がありますが、中でも研修の外注はメリットの多い方法です。
特に、均一な質の研修を実施できたり、社内にはないノウハウを取り入れた研修が実施できたりする点は、他の方法にはないメリットと言えるのではないでしょうか。ぜひ今回紹介した内容を活用して研修の見直しを行い、効率的な研修実施を進めてみてください。