オンライン研修とは?効果的な実施方法やメリット、成功事例を解説
働き方改革の推進や新型コロナの影響でリモートワークが普及したことにより、多くの企業がそれまで主流だった集合研修からオンライン研修への切り替えを迫られました。感染拡大が収まりつつある現在でも、働く場所を自由に選べるリモートワークや在宅勤務といった働き方に対応するために、オンライン研修の需要はますます拡大しています。
自社でもオンライン研修の導入を検討したいと考えつつも、どのような方法があるのかわからないという方もおられるのではないでしょうか。この記事では、オンライン研修の基本とそのメリットやデメリット、成功させるポイントなどについて解説します。
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オンライン研修とは
オンライン研修とは、インターネットを介してWeb上で行う研修を総称したものです。オンライン研修は約20年前、先進企業がeラーニングを社内教育に導入しはじめたのをきっかけとして広まりました。
講師のいる会場と各拠点をインターネットでつなぎ、受講者はテキストやPCのスライドを確認しながら学ぶことができます。
現在では、テレワークが一般化したことによって、ビジネスの世界においてオンライン研修の重要性がさらに高まっています。
オンライン研修とeラーニングの違い
eラーニングとは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスからインターネットを介して受講者が都合の良い時間に学習できるシステムです。
オンライン研修とeラーニングは別のものと考えられがちですが、eラーニングはオンライン研修の一つであるともいえます。
あえて違いを挙げるならば、オンライン研修はテレビ会議システムを利用してリアルタイムで講習を受講することが多く、eラーニングはあらかじめ用意されている教材を使って知識を自主的に学ぶことが多いという違いがあります。
オンライン研修の種類
オンライン研修の種類には、大きく分けて録画(オンデマンド)型とライブ配信(リアルタイム)型の2種類があります。
録画(オンデマンド)型 |
ライブ配信(リアルタイム)型 |
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メリット |
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デメリット |
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それぞれについて、次から詳しくみていきましょう。
録画(オンデマンド)型
あらかじめ講義を録画したものを動画配信サービスなどで配信し、受講者に視聴してもらう形式です。
メリットとしては、受講者が都合の良い時間に視聴ができる点や、理解が難しかった箇所は何度も見直したり速度調節したりできる点が挙げられます。
一方で、講師や他の受講者とコミュニケーションが取れない点がデメリットです。すぐに質問ができないので不明点がそのままになりやすいことや、他の受講生との関係づくりは難しくなります。
また、受講者によっては視聴期限を逃してしまう、受講するかどうかは受講者に委ねられてしまうといったデメリットもあります。
ライブ配信(リアルタイム)型
ZOOMなどのWeb会議ツールを使って、リアルタイムで研修を行う形式です。
録画型とは異なり、不明点はチャット機能ですぐ質問できる、受講者でディスカッションを行うことが可能というメリットがあります。
一方で、研修には決められた日時に都合を合わせて参加する必要があります。また、使用しているWeb会議ツールに録画機能がなければもう一度見直すことはできないため、注意が必要です。
オンライン研修が注目されている理由
オンライン研修が最近ますます注目されている理由として挙げられるのは、在宅勤務やリモートワークの拡大です。
2020年からのコロナ禍によって、企業も感染拡大予防の対応に追われました。その中で、研修に関してもこれまで行っていたような対面の集合研修は難しくなり、オンラインでの研修への切り替えを余儀なくされたのです。
感染拡大が落ち着いた現在でも、在宅勤務やリモートワークといった多様な働き方の実現が求められているため、オンライン研修は引き続き必要とされています。
オンライン研修のメリット
オンライン研修には、集合研修にはない様々なメリットがあります。ここでは、オンライン研修のメリットについて紹介していきます。
研修を効率的に実施できる
まず主催側のメリットとして、研修にかかる事務的な負担を減らし、効率的に実施できる点が挙げられます。
集合研修の場合、講師と参加者のスケジュール調整や出欠確認、会場準備、提出物管理などに時間がかかっていました。オンライン研修では、Web上で一元管理が可能なのでスタッフも少数で済みます。
また参加者側にとっても、時間の融通が利きやすいため業務の合間や会議後にすぐ研修を受けるといった効率的な参加が可能になります。
チャットで質問ができる
ライブ配信型で研修を行う場合、受講者がチャットで随時質問できるのもメリットでしょう。
オフラインでの集合研修の場合、大人数の中で手を挙げて質問するのは気後れすると感じる受講生もいます。オンラインでは、直接大勢の視線を集めるわけではないため、発言する心理的なハードルが下がります。
また、研修で意見のアウトプットを全員で共有したり、集約をするのもチャット機能を使えば集合研修と比べて容易です。
グループワークができる
Zoom等のWeb会議システムを利用したライブ配信型のオンライン研修では、複数の受講者をグループ分けすることが可能です。
全体講義の後にグループに分かれてディスカッションをする、ワークを行うなどのグループワークを実施でき、講師がそれにフィードバックを行うなど、相互にコミュニケーションを取ることができます。
Zoom研修で行われるグループワークのやり方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
『Zoom研修でのグループワークのやり方とコツをプロが解説』
オンライン研修は、Zoomの他にもMicrosoft Teamsも活用できます。Microsoft Teamsを使ったオンライン研修のコツは、以下の記事で詳しく紹介しています。
『Microsoft Teamsでの研修のやり方を解説。グループワークも可能』
コスト削減につながる
オンラインで研修を実施することで、受講者が会場へ足を運ぶ必要がなくなるため、それまでかかっていた様々なコストの削減につながります。
例えば、研修会場としてレンタルした場所の費用や受講生の移動にかかる交通費、遠方から受講する人のための宿泊費などが必要なくなります。
また、研修資料もデータ化していれば、紙や印刷にかかるコストも減らせるでしょう。
研修機会や質を均一にできる
オンラインで研修を行えば、業務が忙しいため時間がとれない社員や地方勤務で本社での研修参加が難しい社員でも同じ研修を受けることができます。
また、研修の場所や講師の違いによって研修の質が変わってしまうという問題も解決できます。
集合研修・eラーニングとの組み合わせで効果を上げられる
研修の内容によっては、録画型・ライブ配信型のオンライン研修だけでは難しいものもあります。
例えば、機械の操作方法や顧客対応など、実技が必要になる研修はオンラインでは伝わりにくいです。
そのような場合には、業務で使用するツールの使い方やマニュアルは録画型のオンライン研修やeラーニングで確認し、実践や応用は集合研修で直接行うようにすれば、知識が定着しやすく、教育の効果を上げられます。
オンライン研修だけにこだわらず、集合研修やeラーニングと組み合わせて研修を組むことで、学習効果のアップが可能です。
オンライン研修のデメリット
様々なメリットがあるオンライン研修ですが、一方でデメリットもあります。オンライン研修のデメリットをきちんと把握しておくことで、他の方法を効率的に組み合わせて欠点を補完することができるでしょう。
参加者のネットワーク環境が必要
オンライン研修には、安定したネットワーク環境が欠かせません。Web会議ツールを使用する場合には、光回線に接続できる環境があれば安心ですが、受講者全員がそのような環境を用意できるとは限らないでしょう。
ネットワーク状況が悪いために、講義の途中から音声が聞こえなくなった、画面が途切れてしまうなどのトラブルが発生することが考えられます。
オンライン研修を行う際は、事前に受講者へネットワーク環境の整備をお願いすることや、ネットワーク環境が準備できない受講者に対する対応も検討しておく必要があります。
実習や実技が必要な講習には適していない
オンライン研修では、直接人と応対して行う実習や機器の操作などの実技の講習は難しくなります。
どうしてもオンラインで研修する必要がある場合は、概要や方法などを簡単に説明するなどに留め、実習や実技は集合研修や勤務の場で行うというように段階を分ける方法が望ましいでしょう。
参加者の反応がわかりにくく理解度の把握が難しい
Web会議ツールでは参加者のビデオ画像を映すことはできますが、参加人数が多くなるほど画像は小さくなるので、一人ひとりの反応を確認するのは困難です。
また、映っている部分しか見えないため、メモを取って聞いているのかどうかなど参加者の学習姿勢もわかりづらくなります。そのため、どうしても講師側の一方的な説明になってしまいがちというデメリットがあります。
講師側の一方的な説明にせず、受講者の積極的な参加を促すコツは、以下の動画で紹介しておりますので、あわせてご確認ください。
ライブ感、熱量が伝わりにくい
集合研修の場合、目の前に講師がいて周囲に同じように研修を受けている参加者がいるため、いい意味で雰囲気に巻き込まれて学習への集中力が高まります。
しかしオンライン研修では、画面越しでの受講になるのでどうしてもこのようなライブ感や熱量は伝わりにくくなります。
研修が単調になりやすいため、参加者の集中力を保つのも難しいでしょう。
オンライン研修と集合研修のメリット・デメリットの比較
オンライン研修と集合研修のメリットとデメリットを表にまとめて比較しました。
オンライン研修 |
集 合 研 修 |
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メリット |
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デメリット |
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研修の内容によって、知識の伝達を目的とする場合はオンライン研修、実技やロールプレイングを伴う内容は集合研修などというように使い分けて行うと効果的です。
オンライン研修に必要なツール・環境
オンライン研修を実施する際には、受講者と講師、研修運営担当者の環境が整っている必要があります。スムーズに効果的なオンライン研修を実施するために必要なツール、環境について解説します。
オンライン研修に必要なツール
オンライン研修には次のようなツールが必要です。
- PC
- Webカメラ
- マイク
- スピーカー
- テキスト
スマートフォンでのオンライン研修の受講はおすすめしません。画面サイズが小さく講師のプレゼンテーションが見づらかったり、スマートフォンではできない操作があったりするためです。必ずPCを準備するようにしましょう。
オンライン研修に必要な環境
オンライン研修を実施する際には、受講者と講師、研修運営担当者のインターネット環境を整える必要があります。 オンライン研修によく用いられるZoomでは、推奨環境を下記のように指定しています。
- サポートされているオペレーティング システム
- macOS X と macOS X (10.10) 以降
- Windows 11
- Windows 10
- 注: Windows 10 で実行されているデバイスは、Windows 10 Home、Pro、Enterprise のいずれかで実行されている必要があります。 S モードはサポートされていません。
- Windows 8 または 8.1
- Windows 7
- Ubuntu 12.04 以降
- Mint 17.1 以降
- Red Hat Enterprise Linux 8.0 以降
- Oracle Linux 8.0 以降
- CentOS 8 以降
- Fedora 21 以降
- OpenSUSE 13.2 以降
- ArchLinux(64 ビットのみ)
- サポートされているウェブブラウザ
- デスクトップ
- Chrome: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- Firefox: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- Edge: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- Safari: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- モバイル
- Safari: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- Chrome: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- Firefox: 最新バージョンから 2 バージョン以内
- グループビデオ通話の場合:
- 高品質ビデオでは 1.0 Mbps / 600 kbps(上り / 下り)
- 720p HD ビデオでは 2.6 Mbps / 1.8 Mbps(上り / 下り)
- 1080p HD ビデオでは 3.8 Mbps / 3.0 Mbps(上り / 下り)
- ギャラリー ビューでは 2.0 Mbps(25 名)、4.0 Mbps(49 名)
引用元:Zoom のシステム要件: Windows、macOS、Linux – Zoom サポート 使用するツールの推奨環境を確認し、必要であればアップデートなどを行いましょう。
オンライン研修でグループワークを行う方法
オンライン研修では参加者と同じ場にいるわけではないので、グループワークは難しいのではと思われがちです。しかし、内容を工夫すればオンラインでも効果的なグループワークを進められます。
オンラインでのグループワークに向いているのは、次のような内容です。
- 討論やプレゼンテーション
- ロールプレイング
- ブレインストーミング
- ゲーム
オンラインでグループワークを行う際は、ブレイクアウトといった機能を使って参加者をグループ分けすること、時間管理や書記などの進行役をおいておくことなどが成功のポイントです。
オンライン研修を成功させるための工夫
オンライン研修は、これまで行われてきた集合研修とは異なる点が多く、注意するポイントも違うため研修中に思わぬトラブルが起きがちです。
ここでは、オンライン研修を成功させるための工夫を紹介していきます。
事前準備・テクニカルトレーニングを行う
初めてオンライン研修を導入する際は、オンライン研修に慣れていない人に向けたパソコンやソフトの操作マニュアルを用意したりマイクやカメラのオンオフなどの操作方法の練習を行ったりしましょう。
主催側、受講者側ともに、ネットワークの接続確認やデバイス・音響設備などの機器の動作確認といった事前準備をスケジュールの余裕をもって怠りなく行いましょう。
通信トラブルや研修資料のファイルがうまく開かないなどの小さなアクシデントでも、研修の場で生じると講師や他の参加者を待たせることになります。結果的に学ぶべき内容を省略せざるを得ないといった事態にもなりかねないため、、想定できるトラブルは事前に対処できるようにしておくことが大切です。
ゲームなどでアイスブレイクを行う
オンラインでの研修には、慣れていなければ集合研修よりも緊張するものです。研修を始める前に参加者でゲームや雑談をしてアイスブレイクする時間を設けましょう。
最初にアイスブレイクを行うことで、緊張がほぐれるとともに受講者同士のコミュニケーションも取りやすくなるのでおすすめです。
▼具体的なアイスブレイクの方法を知りたい方は、こちらのセミナーアーカイブ動画をご覧ください。
また、こちらの記事も参考にしてください。
メリハリのある進行を心がける
画面を見続けることになるオンライン研修では、思ったよりも受講者の集中力は続きません。目安としては、10分講義をしたら10分は作業や発言をしてもらうくらいのメリハリをつけるようにしましょう。
例えば、10分講義の後クイズを出題する、意見を発表してもらうなど研修全体のテンポをよくし、受講者を飽きさせないような工夫が必要になります。
また、講師側は対面で講義しているときよりも身振りなどのリアクションを大きくし、声のトーンを上げてはっきり話すなど画面を通して見た時にわかりやすい話し方も考えなければなりません。
研修を一元管理する
今後は、集合研修とオンライン研修を両方取り入れた研修方法が主流になっていくでしょう。
研修内容などを一元管理できていないと、正しく研修の効果測定ができなかったり、人事部の負担になったりしてしまいがちです。
受講者の学習進捗や研修出欠状況などは、オンラインで一元管理できるようなシステムを構築しておくと効率的に管理できるでしょう。
アルーでは、学習進捗や研修出欠状況がオンラインで管理できるLMS「etudes」を提供しています。
詳しくはetudes公式サイトをご覧ください。
進行サポートメンバーを配置する
オンライン研修では受講者の様子や理解度をリアルタイムで把握できないため、受講者をサポートしつつ進行を助けるスタッフを配置しておくことが成功のポイントです。
講師以外に受講者に発言する機会を与える役割や、集まった意見をまとめる役割を担うスタッフがいることで研修がスムーズに進行します。
無理のない研修スケジュールを組む
集合研修では、午前中に90分単位の講義を2コマ実施するといった研修の組み方でも対応できるところ、オンライン研修で同様のスケジュールを実行しようとすると参加者の多くはついていけなくなるでしょう。
前項でも述べましたが、画面に向かい続けることになるオンライン研修では集中できる時間は思ったより短いものです。
そのため、休憩の回数を集合研修より増やしたり、タイムラインに余裕を持った設計にしたりするなど、受講しやすい工夫が必要です。
受講の際は顔出しで参加してもらう
オンライン研修は、カメラがオフになっていると、参加者のリアクションが分からず、理解度が講師に伝わりづらくなってしまいます。
また、画面をオフにしていると気が抜けてしまい、そのまま聞き流すだけになってしまう、当事者意識を持てないなどの危険性もあります。
そのため、受講の際は顔出しで参加してもらうことをルールとして共有しておきましょう。
オンライン研修に必要なツール・環境
オンライン研修を実施する際には、受講者と講師、研修運営担当者の環境が整っている必要があります。スムーズに効果的なオンライン研修を実施するために必要なツール、環境について解説します。
オンライン研修の始め方
オンライン研修を導入するにあたって、どのような準備が必要になるのか解説します。 事前に準備をしっかりとしておけば、急なトラブルにも対応しやすくなります。
Web会議システムやLMSを選定する
オンライン研修を始めるにあたって、まずは使用するWeb会議ツールやLMS(学習管理システム)を選定します。研修の規模・内容や参加者数など自社の環境にあったものを選びましょう。 Web会議ツールは、参加者数が20人程度に制限されているものから100人以上可能なものまであります。また、LMSの中にはライブ配信機能や動画配信機能がついているものもあり、出欠管理や学習進捗が一元的に管理できて便利です。 アルーでは、学習進捗が管理できる使いやすいLMS「etudes」を提供しております。LMSの導入をお考えの方は、ぜひご検討ください。 etudes(エチュード)
オンライン研修のツールとしてよく選ばれているのは、次の3種類のツールです。具体的な使用法については、合わせて記載したURLに無料でご覧いただける資料を用意していますので、ぜひご活用ください。
- ZOOM
- Microsoft Teams
- Cisco Webex Training
参加者も含め、必要な機材・環境を用意する
次に、オンライン研修に必要な機材や環境を用意します。参加者には、次の機材を準備しましょう。
- PCやタブレット端末
- Webカメラ
- マイク
参加者自身に準備してもらう場合は、オンライン研修できるスペックが整ってるか十分確認し、用意できない場合は貸し出すなどの対応をとれるようにしておきます。
また、オンライン研修を受ける環境としては次のような場所が望ましいことも伝えておく必要があります。
- セキュリティが安全なWi-Fi環境がある
- 周囲に人がおらず静か
- リラックスかつ集中できる
一方、研修を実施する側は撮影に必要な機材や撮影に適した場所を準備します。
- ビデオカメラ
- 三脚
- ワイヤレスマイク
- 静かで明るい場所
研修内容や日程を決める
研修内容と、講師や参加者のスケジュールを考慮して日程を決定します。 研修内容はオンライン研修に適したテーマを選び、できるだけ内容を詰め込みすぎずコンパクトにまとまるようにするのが無難です。オンラインでの研修は参加者の集中力が持続しづらく、受け身になりやすいため研修内容はよく練っておきましょう。
研修資料を作成する
研修内容が決定したら、事前に研修資料を作成します。前もって参加者にも目を通しておいてもらうため、できるだけ早く作成することが望ましいでしょう。 形式は研修の内容や状況に応じて紙・PDFやスライドなどのデータを選びましょう。 講師依頼文を作成し、講師に依頼する 研修を外部講師に依頼する場合は、講師依頼文を作成して依頼します。 連絡の方法は手紙とメールのどちらでも構いません。メールの場合は内容がすぐにわかるように件名に研修依頼の旨と社名を入れるようにしましょう。また、依頼時期は3〜6か月前が適当です。 依頼文には次の内容を記載します。
- 主催者名
- 研修名とその趣旨
- 講師に依頼したいテーマ
- 日時と講演時間
- 会場
- 参加者数と属性
- 謝礼の内容
- 研修担当者と連絡先
講師依頼文は、必要な情報をもれなく分かりやすく伝えられるようにしましょう。また、丁寧な文を心がけて失礼のないようにします。
参加者にオンライン研修の案内をする
参加者には、遅くても2週間前にはオンライン研修の案内をします。社内伝達の方法は様々ですが、メールで行うのが一般的です。 次の内容を簡潔にまとめ、必要な情報がもれなく伝わるようにします。
- 研修内容
- 開催日時
- 参加方法
- 注意事項
オンライン研修には、特有の注意事項があります。
- 15分前には記載のURLからWeb会議システムに入場しておく
- 使用するデバイスは事前にオンライン研修に対応できるように確認しておく
これらも忘れずに案内しておく必要があります。
事前に研修資料を配布する
参加者へ研修の案内を送るのとできれば同時に、研修資料も配布します。 当日に研修資料を配布することもできますが、その場合、参加者に事前に研修資料へ目を通してもらうことができません。事前に目を通してもらった方が内容への理解が深まるため、資料は事前に配布することがおすすめです。また、資料配布時に予習事項を設けておくことで研修への意欲を高めてもらうなどの効果もあります。
研修後、アンケートを実施する
研修が無事に終了したら、参加者に対してアンケートを実施します。アンケートをとることによって、研修の効果を具体的に把握できるほか、次回同様の研修を行う際の参考になります。 アンケートに載せる項目例を挙げておきますので、アンケートの作成にご参考ください。
- 講義の時間や期間が適当だったか
- 内容が分かりやすかったかどうか
- 自分の業務に役立ちそうか
- 参加者の今の役職や業務内容
- 感想
なお、アンケートは5段階評価を選ぶなどの選択式の方が回答しやすいでしょう。「内容のわかりやすさ」や「業務に役立つかどうか」などは選択式にし、研修全体の感想を最後に自由記入式で設定しておくと参加者の回答率も上がり、主催側の把握にも役立ちます。
オンライン研修に向いている企業・研修
メリットの多いオンライン研修ですが、全ての企業、全ての研修テーマで効果的というわけではありません。自社の状況や開催予定の研修テーマによって、オンライン研修か対面研修かを使い分けることがおすすめです。オンライン研修に向いている企業や研修テーマについて解説します。
オンライン研修に向いている企業の特徴
オンライン研修に向いている企業は、下記のような特徴を持った企業です。
- リモートワークを採用しており、在宅勤務者が多い
- 国内・海外に複数の拠点があり、勤務地にバラつきがある
- シフト勤務者が多く、スケジュール調整が難しい
- 社員のインターネット環境・PC環境が整っている
- 研修にかかる時間的・金銭的コストの削減が求められている
オンライン研修であれば、特定の日時・場所に受講者を集める必要がないため、リモートワーク中心の企業や拠点数の多い企業でも効率的に研修を開催することができます。
一方で、社員のインターネット環境やPC環境が整っていない企業はオンライン研修には向きません。研修中に接続が途切れるといったトラブルが起き、満足に研修を受けることができない可能性があります。
オンライン研修に向いている研修の特徴
オンライン研修に向いている研修は、下記のような特徴をもった研修です。
- 座学で知識をインプットする必要がある
- 社員全員に一律で同じ知識・スキルを身につけてほしい
- ロジカルシンキングのようなコンセプチュアルスキルを取り扱う
特に、コンプライアンスや個人情報保護など、全ての社員が一定の知識を身につける必要のあるテーマはオンライン研修に向いています。社員全員を対面研修に集めることが難しい場合は、オンライン研修を活用してみてください。
また、ロジカルシンキングのような思考力を取り扱う場合には、オンライン研修が向いています。画面を投影してアウトプットを共有したり、チャットで全員の回答を一斉集約したりしやすいためです。
一方、機械の使い方などを講師の手元を見ながら学ぶ必要がある場合にはオンライン研修は向きません。実習形式の研修は対面で実施することが望ましいでしょう。
また、キャリアデザインのような自分の価値観と向き合うようなテーマはオンラインよりも対面実施を検討するとよいでしょう。講師の熱量や他の受講者の考え方などが影響するテーマであるためです。
アルーのオンライン研修事例
アルーでは、ほぼすべての研修でオンラインでの実施が可能です。アルーがお客様に提供したオンライン研修の事例をご紹介します。
株式会社NTTドコモ様
2020年4月、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、初めてオンラインで新入社員導入研修を実施いたしました。
急な運用方法の切り替えや各種手配で多忙を極めた中でも、受講者の研修満足度が5点満点中4.6点、研修理解度も5点満点中4.6点と高い成果を得た研修です。
グループワークを多数取り入れることで、受講者の積極性を引き出し、知識の定着も促進しました。
受講者からは、
- グループワークが数多く取り入れられていて、受け身になることなく実践的な研修を受けることができた
- アルー事務局の方が先生をよくサポートされていて、非常にスムーズな運営が行われていた
といった研修への好評の声を頂きました。また、「オンライン研修世代だからマナーがなっていないと言われないように、試行回数を増やして早く慣れるようにしたいと思う」と自主的な学習への意欲を感じる感想もありました。
NTTドコモの人事部担当者からは、以下のようなコメントを頂いています。
- 講師と受講者間のコミュニケーションがストレスなくできていた
- 電話対応の個別指導については、本物の電話対応をしているような状態を実現することができ、効果が高かった
- 受講者が自らアウトプットするようになった
株式会社NTTドコモ様のオンライン研修の事例について詳しくは以下のページをご覧ください。
学生から社会人への変革(オンライン研修)(株式会社NTTドコモ)
第一生命保険株式会社様
第一生命保険株式会社では、オンライン研修と対面研修を併用して2023年度新入社員研修を実施しました。全2週間の研修の内、アルーからは2. 5日間のオンライン研修を提供いたしました。
まず、オンライン研修で社会人に求められるマインド・スキルやビジネスマナー、仕事の進め方について2.5日間学びました。その後、対面研修で業務シミュレーションを2日間行い、現場で実践できるレベルまで知識を落とし込むという研修プランです。
対面研修を交えることで、スキルやマインドの習得だけでなく、新入社員同士の横のつながりを作ることも叶えた事例です。
第一生命保険株式会社の人事担当者からは、以下のような声を頂きました。
- インプットだけでなくアウトプットも行なうことができた
- 大手企業での研修実績があるので、大規模な研修を安心してお任せできる
第一生命保険株式会社様のオンライン研修の事例について詳しくは以下のページをご覧ください。
「つながり」「たくましさ」「しなやかさ」を備えた新入社員への育成(第一生命保険株式会社導入事例)
▼事例資料はこちらからダウンロードできます。
海外オンライン研修の事例
金融・保険業大手のA社では、これまで海外現地で行っていた短期海外派遣研修をオンラインで行いました。これまでの海外現地研修では、渡航費や宿泊費などのコストもあり年間10~20名ほどしか派遣できませんでしたが、オンライン研修にすることで同じ効果を得ながらも年間50~70名を参加させることができました。結果、グローバル人材のプールを広げることにつながったのです。
研修では、社員に異文化対応力を身につけてもらうことを目的とし、外国人とペアで一つのプロジェクトに取り組んでもらいました。価値観や思考習慣の異なる人材との協業や答えのない課題に最後まであきらめずに取り組む力を身につけることに繋がりました。
海外オンライン研修について詳しくは以下のページをご覧ください。
短期オンライン海外研修 Global Challenge Program
▼サービス資料はこちらからダウンロードできます。
オンライン研修のことならアルーにお任せください
オンライン研修の導入を検討されているならば、教育分野で20年以上の実績を誇るアルーにお任せください。
アルーが培ってきた人材育成のノウハウで、オンライン研修を企画から運営までサポートいたします。
実績の一例として、株式会社NTTドコモ様の新入社員研修をオンラインで実施した際の企画・アンケート結果を参考にしてください。
【事例】学生から社会人への変革(オンライン研修)(株式会社NTTドコモ)