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管理職の評価方法とは?評価の流れ・ポイント・成長させるポイントを紹介

近年、組織運営における管理職の役割がますます重視されています。しかし、管理職のパフォーマンスをどのように評価したらよいのか理解が深まっていない方も多いのではないでしょうか。管理職の評価は、その人が会社にとってどれほど価値を持つ存在であるかを測る重要な指標であり、またその結果が管理職自身のモチベーションにも直結します。
本記事では、具体的な評価項目、評価の流れ、管理職を成長させる方法をご紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.管理職評価の重要性
  2. 2.管理職の評価項目
  3. 3.管理職の評価の流れ
  4. 4.管理職を正しく評価するポイント
  5. 5.管理職を成長させる方法
  6. 6.管理職研修の実施ならアルーにお任せください
  7. 7.アルーの管理職研修事例
  8. 8.まとめ


管理職評価の重要性

管理職の評価は、組織の成功に直結する重要なプロセスです。理由としては、管理職が企業理念の提示、チームの指導、プロジェクトの推進など組織の重要な役割を担っているからです。
管理職の評価を通じて、各チームが組織の目標に対してどの程度効果的に貢献しているかが明確になります。管理職のモチベーションと能力が向上すると、組織全体のパフォーマンスも上がる相乗効果が期待できます。
また、管理職の能力を適切に評価することで自社の強みや改善点が把握でき、企業としての成長につなげることができるでしょう。
以上のような理由から、管理職の評価は組織にとって非常に重要な役割を果たしています。



管理職の評価項目

ここからは、管理職の評価項目についてご紹介します。
管理職の評価項目は、下記の通りです。


  • 成果・実績
  • 経営企業理念に沿った行動
  • チームの管理
  • 戦略立案と実行力
  • リーダーシップ
  • 人材育成能力
  • 職場環境の構築
  • 問題解決能力
  • 自己成長


これらの評価項目を踏まえて、公平かつ具体的な評価を行うことで管理職の能力向上につながります。


成果・実績

管理職の評価項目として、成果・実績は欠かせません。
具体的には、個人やチームが目標を果たし、期待される結果を達成したか否かを主に見ます。会社からの期待値達成は業務遂行における大きな目標であり、達成できているかどうかが評価の際には重要です。
成果・実績の評価方法としては、目標数値から実際の達成率を算出し、定量的に表すことが一般的です。これにより、評価を客観的で公平なものにすることが可能です。さらに、達成率はその人物が任された業務に対してどの程度貢献しているか、またその人物の能力やパフォーマンスを数値化することにも役立ちます。


経営企業理念に沿った行動

企業理念に沿った行動は、管理職の評価における重要なポイントです。
企業理念を理解し、チームの全員を適切に導く能力は、管理職の基本的な資質といえます。
さらに、理念を具体的な事業戦略へと落とし込むスキルも求められます。具体的で実現可能な戦略を策定し、実行に移せるかどうかが評価されます。
また、経営方針やビジョンをメンバーに効果的に伝える力も重視されます。
管理職はチーム全体の目標設定において重要な役割を果たすため、ビジョンに沿った目標を設定し、メンバーが目標に向かって努力できるよう導くことが必要です。
管理職のマネジメントスタイルは個々によって異なるものですが、企業全体としての方向性は一致していることが重要です。そのためには、経営的な視点や能力が求められます。
経営理念に沿った行動を管理職の評価項目に加えることで、企業の理念や方向性を理解し、それを具現化する能力を持つ管理職を正しく評価することが可能となります。
企業理念の浸透方法とコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【事例あり】理念浸透の方法と成功のコツ


チームの管理

管理職の評価項目で重要なのが、チームの管理です。
個々のメンバーのスキルや特性を理解し、適切な役割分担を実現しているかどうかを評価しましょう。管理職がチームの管理をできているかどうかは、チーム全体のパフォーマンスに大きく影響します。
たとえば、メンバーのスキルや能力に合わせて最適なタスクを割り振るという役割があります。あるメンバーが営業スキルに秀でているなら営業関連のタスクを任せる、分析力に長けているならデータ分析に関する業務を依頼するなど、各メンバーの能力を最大限に活かす役割分担が求められます。
また、メンバーの成績や成長具合を適切に評価し、フィードバックすることも重要な業務です。これにより、メンバーのモチベーションを高め、チーム全体の生産性を向上させることができます。
このように、チーム全体に目を向けて適切な管理ができているかどうかを確認し、評価を行います。


戦略立案と実行力

管理職の評価項目の一つに、戦略立案と実行力が挙げられます。
上位の戦略や戦術、キーサクセスファクター(KSF)を理解し、それらに基づいた自部署の目標設定や取り組み課題の設定ができるかどうかが重要です。
評価時には以下のような行動ができているかチェックしましょう。


  • 組織全体の戦略や戦術、KSFを理解し、自部署の機能や目指すべき方向性を見極められているか
  • 上記を踏まえて具体的な業務計画を作成し、それに基づいた下位組織の目標が設定できているか
  • 業務計画の実行に必要な資源を適切に配分し、進捗状況を定期的にモニタリング・コントロールできているか
  • 部門戦略推進に必要な資源を調達・配分し、実行に向けた体制・オペレーションが構築できているか


このように、戦略立案と実行力は、戦略の理解から目標設定、業務計画の作成、資源の配分、進捗管理、体制の構築までを含む包括的な能力を指します。どれか一つではなく、総合的な能力があるかどうかで評価しましょう。


リーダーシップ

リーダーシップは、管理職の評価項目の中でも非常に重要な要素です。
チームを指導し、目標達成に向けて動機付ける能力は、リーダーとしての役割を果たす上で必要不可欠なスキルと言えるでしょう。
管理職は、明確なビジョンを示し、チームや組織の方向性を確立する役割を担います。戦略的な思考と行動が求められることから、その視野と判断力は組織の成長に大きな影響を及ぼします。
管理職がビジョンを明確にし、方向性を示しながらチームメンバーを目標に向かって導くことでチーム全体の士気を高め、生産性を向上させることができます。
さらに、個々のメンバーの集まりである集合体を、相乗効果をもたらす真のチームへと育て上げることが求められます。そのためには、一人ひとりの能力と特性を理解して最適な役割分担を行い、円滑なコミュニケーションを確保するなど、リーダーとしての高い調整能力と人間理解が必要となります。
リーダーシップの有無だけではなく、組織の中でどのように生かしているかまで評価することが重要です。

管理職が持つべきリーダーシップについては、以下の記事で詳しく解説しています。
管理職が持つべきリーダーシップとは?マネジメントとの違いや研修事例


人材育成能力

管理職として重要な役割の一つに、部下の育成があります。
メンバーの能力開発やキャリアサポート能力は、管理職の評価項目として非常に重視されます。部下一人ひとりのスキルレベル、特性、長所短所を理解し、その上で最適なタスクを割り振る能力は、部下の成長を後押しするだけでなく、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。また、部下の成長を促すためには、難易度の高いタスクを割り振ることも必要となります。これにより、部下はチャレンジングな業務に挑戦し、自身の能力を伸ばす機会を得ることができます。その過程で生じる困難や失敗からも学ぶことで、自己成長を遂げることができるでしょう。
このように、管理職の人材育成能力は、部下個々の成長だけでなく、組織全体の成長にも大いに寄与します。また、それは管理職自身の評価にも直結するため、意識的に向上させることが求められます。
人材育成のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
人材育成のポイント8つ|階層別・手法別のポイントを徹底解説


職場環境の構築

職場環境の構築は、組織内の生産性と働きやすさを最大化するために重要な管理職の責任の一つです。
管理職は自身の組織を客観的に観察し、状況を把握する必要があります。
客観的に観察することにより、チームメンバー間のコミュニケーションの流れや組織内の協働の状況などを把握します。
把握した状況をもとに管理職はチームワークを醸成し、活発で円滑なコミュニケーションが行われるように改善策を立案・実行していくことが求められます。これにより職場の雰囲気を良好に保つだけでなく、メンバー間の信頼関係を築き、問題解決や意思決定の効率化にも寄与します。
また、管理職には自組織内外の関係者や部門と積極的にコミュニケーションをとり、協働体制を構築することが求められます。これにより、組織全体の目標達成に向けた協力関係が形成され、組織成果の最大化につながります。
以上のように、管理職を評価する際には、組織の状態把握、協働体制の構築、チームワークの醸成など、職場環境の構築に関わる多くの観点をチェックする必要があります。


問題解決能力

問題解決能力は、管理職の評価項目として欠かせない要素です。
問題解決能力とは、業務や職場における問題を正確に分析し、適切な解決策を見つけ出し実行する能力を指します。この能力は、組織が直面する課題や問題を効率的に解決し、組織全体をスムーズに運営するために必要となります。
管理職の仕事は、まず問題を明確に理解し、可視化することから始まります。
具体的には、データや情報を集め、それを分析して問題の本質や原因を明らかにします。
また、関係者全員で問題を共有し、解決策を考えることが重要です。これにより、各員が問題意識を共有し、一体感を持って取り組むことができます。
次に、可視化した課題に対して、管理職は現実的な解決策を考える必要があります。具体的なアクションプランの立案力や、その実行力を問われる瞬間となります。解決策は単にアイデアを挙げるだけでなく、それが現実的に実行可能で、問題が解消されるものでなければいけません。
管理職がこれらのプロセスを適切にこなせるかどうかが、問題解決能力の高さを示すといえるでしょう。
管理職に必要な問題解決能力については、以下の記事で詳しく解説しています。
問題解決力とは|トレーニング方法・鍛えるメリット・基本の3ステップ


自己成長

管理職の評価において、自己成長も非常に大切な要素です。
管理職自身が能力を向上させるために自己啓発に取り組む姿は、チーム全体に伝わり、全体のパフォーマンス向上を後押しします。
具体的には、新たなビジネストレンドの探求や、リーダーシップやマネジメントスキルの強化、または自身の専門分野における最新の知識を維持するための学習などがあります。
自己成長について評価する際には、具体的な行動や結果を確認することが重要です。例えば、自己啓発のための時間をどれだけ確保しているか、新たな知識やスキルをどの程度習得しているか、またそれが仕事の結果にどのように影響を及ぼしているかなどを評価項目とします。これらを通じて、管理職が自身の成長に真剣に取り組んでいるかを判断し、適切な評価を行うことが可能となります。



管理職の評価の流れ

ここからは、管理職の評価の流れについてご紹介します。
管理職評価の流れは、下記の通りです。


  1. 目標設定
  2. 評価基準の設定
  3. 情報収集
  4. 評価の実施
  5. フィードバック
  6. 目標の再設定
  7. 成長プランの策定


一つずつ、詳しく解説しています。


目標設定

管理職の評価プロセスは、目標設定から始まります。
管理職自身と人事部門・上司が協力して行う重要なステップです。
具体的には、評価期間中に達成すべき業績目標や行動目標を共同で設定します。
設定する目標が管理職の役割や責任、その人が率いる部門やチームの目標と一致しているかどうかを確認しましょう。管理職が目指す方向とチームの方向性にズレが発生すると、実績が伴わず、正しい評価ができなくなってしまいます。
目標設定は単に数値目標を掲げるだけでなく、管理職の役割やチームの期待値を明確にする機会でもあります。


評価基準の設定

評価基準の設定は、管理職のパフォーマンスを公正かつ客観的に評価するための重要なステップです。評価基準があることで、評価対象者がどのようなスキルや能力を持っているか、また、どのレベルを目指すべきなのかが明確になります。
リーダーシップやコミュニケーション能力、問題解決能力、意思決定能力などのスキルや能力については、達成を図るための具体的な基準を設定しましょう。
評価基準を定めることで、管理職の能力を具体的かつ客観的に評価することができます。また、評価結果は管理職自身の成長プラン作成や研修の課題抽出などの基準となり、管理職のスキル向上を促すことにも繋がります。


情報収集

評価の精度を高めるためには、情報収集が必要不可欠となります。評価対象である管理職の行動や実績を広範かつ詳細に把握することで、公正かつ適切な評価が可能となります。

情報収集の対象や内容としては、以下の項目が挙げられます。

情報収集の対象

評価する内容

直接的な観察

管理職の日頃の行動や態度を直接観察し、行動が企業理念に沿っているか、リーダーシップを発揮しているか、問題解決能力があるかなどを評価する。

上司や同僚からのフィードバック

上司や同僚からのフィードバックを収集し、管理職としての実績や成果、チームの管理能力、人材育成能力などを評価する。

仕事の成果物

具体的な商品やサービス、企画書などから、成果や戦略立案と実行力を評価する。

達成された目標の確認

設定した目標を達成できたかどうかを確認する。目標達成の有無は、重点的に評価する。

これらの情報を集めることで、包括的かつ具体的な管理職の評価が可能となります。情報収集をする際には様々な人・観点からまんべんなく集めましょう。一部の意見だけを重視するのではなく、多角的な視点から評価することが重要です。


評価の実施

情報収集が完了したら、いよいよ評価を実施していきます。
事前に設定した評価基準と収集した情報を元に、管理職のスキルや能力を評価します。
評価を行う際には、管理職の成果や実績だけでなく、企業理念に対する理解度や行動、チームの管理方法、戦略立案と実行力、リーダーシップ、人材育成能力、職場環境の構築、問題解決能力、自己成長など、多角的な視点から評価するようにしましょう。これらの評価項目は、管理職としての役割と責任をどれだけ果たせているかを測定する指標となります。
評価者は、評価基準に基づいて各項目を公平に評価する必要があります。そのため、評価者自身も評価基準を十分に理解し、それに沿って評価を行うようにしましょう。これにより、評価結果の信頼性と公正性を保つことができます。
評価者研修の目的や内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
評価者研修の目的とは?学べる内容やメリットについて


フィードバック

評価結果を踏まえてフィードバックを行うことで、管理職のパフォーマンス向上や成長を促すための土台を作ります。
フィードバックを行う際は、評価結果の中で特に強みとして挙げられた部分や、改善が必要とされた部分について、具体的な事例を挙げて説明します。これにより評価が抽象的なものでなく、具体的な行動や結果に基づいていることを理解してもらうことができます。
また、フィードバックの内容は具体的で建設的な内容にする必要があります。単にダメ出しをするのではなく、何が問題であったか、どのように業務に影響を及ぼしたか、そしてその改善策は何かを述べることで、具体的な行動改善に結びつけることができます。評価結果に基づく具体的な改善提案を行うことで、管理職のモチベーションを保つことも可能です。
フィードバックの際には、管理職自身に自己評価も行ってもらうことを推奨します。これにより、自己認識と他者からの評価のギャップを見つけることができます。自己評価と他者評価の差異があった場合、それぞれの理由や背景を明確にし、共通認識を作りましょう。評価への納得度合いが高まり、周囲からの期待に気づいてもらうこともできます。


目標の再設定

目標を再設定することで、管理職の今後の方向性や行動計画が明確になり、組織全体の成長にも寄与します。
評価結果を踏まえ、まずは管理職と共に現状の成果や課題を振り返ります。特定の目標が達成されていない場合や、実績が期待値を下回っている場合は、その原因を深堀りし、解消するための新たな目標を設定します。逆に、特定の目標が達成されている場合や、実績が期待値を上回っている場合は、その要因を分析し、さらなる成長のための新たな目標を設定します。
また、フィードバックの過程で明らかになった改善点や課題に対しても、具体的な行動計画を策定します。例えば、「コミュニケーションの改善」や「戦略立案能力の向上」などの具体的な行動計画を作り、それぞれに対する期限や達成基準を設けることで、目標の明確化とともにその達成に向けた具体的なアクションが明確になります。


成長プランの策定

成長プランは、評価の結果や再設定された目標などに基づき、管理職自身が作成します。
具体的なスキルや知識の習得、新たな業務領域への挑戦など、具体的にどのような行動をするのかを明記することが重要です。
日々の業績達成はもちろん重要ですが、管理職として更なる成長を促すためには、具体的な成長プランの策定が欠かせません。成長プランに沿って管理職が成長することで、結果的に組織全体のパフォーマンス向上に寄与します。



管理職を正しく評価するポイント

ここからは、管理職を正しく評価するポイントをご紹介します。
管理職を正しく評価するポイントは、下記の通りです。


  • 公平な評価制度の確立
  • 評価シートを活用
  • 定量・定量2つの目標を設定
  • 360度評価の導入


これらのポイントを押さえることで、公正で効果的な管理職評価が行えます。


公平な評価制度の確立

管理職の評価制度を公平に行うためには、評価方法の偏りをなくし、明確な評価基準を確立しましょう。
評価が個々の評価者の好みや偏見に基づいて行われると、公平性を損ない、信頼性も失われる恐れがあります。
これを防ぐためには、評価基準を明確にしておくことが重要です。
評価基準は、管理職の職務内容や職位に応じた能力、業績などを具体的かつ明瞭な指標で設定する必要があります。
明瞭な指標があれば、評価者は自身の主観や感情を排除し、評価対象者の能力や業績を公平に評価できます。
また、評価者を1人だけでなく、複数人設定して行うことも一つの方法です。これにより、評価者の個々のバイアスを排除し、評価の公平性を高めることができます。複数人からの評価は、評価対象者の視点を広げ、更なる成長の機会を提供することにもつながります。


評価シートを活用

管理職の評価を行う際には、評価シートの活用が有効です。
評価シートを活用することで、管理職の能力や成果を定量的に把握できフェアな評価が可能となります。
評価シートは主に二つの側面から管理職を評価するために活用します。
一つ目は定量的な評価で、具体的な数値や指標に基づいた評価を行います。
二つ目は定性的な評価です。具体的な数値や指標では測れない部分を評価します。
定量・定性の項目を評価シート上に記載し客観的な評価を行いましょう。
評価シートがあれば、管理職自身も自分の評価基準を理解し、自身の成長を客観的に把握することが可能になります。また、定期的に評価シートを確認することで、次に何をすべきかが明確になり、自身の成長の道筋をつけることができます。
評価シートのテンプレートは以下からダウンロードできます。

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定量・定量2つの目標を設定

管理職の評価を行うにあたり、定量と定性の2つの目標設定が重要です。これらの2つの目標設定を組み合わせることで、全面的かつ公正な評価が可能となります。
まず、「定量」についてですが、これは数字で評価できる目標を指します。たとえば部署全体の売上や個人の成績など、数値で明確に示すことが可能な評価項目です。
定量目標は管理職のパフォーマンスを一定の基準で評価する際には非常に有効です。
一方、「定性」については、数値では評価しきれない目標を指します。部下のエンゲージメントの強化や育成などが含まれます。数値による評価が難しいものの、管理職の役割として非常に重要な要素です。
定性的な評価項目は、管理職が部署の雰囲気を良く保ちつつチームを育成し、高いパフォーマンスに導いているかを測る指標として必要不可欠です。
管理職という役職は結果を求められる立場であり、その結果は必ずしも定量的に評価できるものだけではありません。部下のエンゲージメント強化やチームの育成など、定性的な目標も同時に設定することで、多角的な視点で管理職のパフォーマンスを評価し、成果を最大化することが可能となります。


360度評価の導入

360度評価とは、評価者だけでなく、他の上司や部下、同僚、自己評価など、さまざまな視点から評価を行う手法です。これにより、一方向からの視点だけでなく、多角的な観点からの評価が可能となります。
一人の評価者だけでなく、複数人の評価者から評価を収集することで、公平さと客観性を高めることが可能です。また、異なる立場からの意見を集めることで、評価対象者の行動や能力を全面的に理解できるでしょう。



管理職を成長させる方法

ここからは、管理職を成長させる方法をご紹介します。
管理職を成長させる方法は、下記の通りです。


  • 管理職研修の実施
  • 管理職同士の情報交換の場を作る
  • コーチをつける
  • アンラーニングとリスキリングを促進する
  • 適応課題にアプローチする
  • eラーニングの活用


管理職研修の実施

管理職に必要な能力を取得してもらうためには、管理職研修を実施することがおすすめです。
管理職研修を実施することで、管理職として必要な能力を効率的に習得させることができます。管理職就任前に一律で研修を実施することで、管理職間の足並みを揃えることも可能です。
管理職研修を実施する際には、現場での実践を想定した演習を積極的に盛り込むのがポイントです。日常業務で忙しい管理職は、研修内容を思い出す時間が捻出できなかったり、現場で実践する余裕がなかったりします。研修時間内で演習に取り組んでもらい、管理職として必要な行動を定着させることが大切です。

管理職研修の目的や内容、ポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
【事例あり】管理職研修の目的と企画の進め方・おすすめカリキュラムをご紹介


管理職同士の情報交換の場を作る

管理職の成長を促進するためには、管理職同士の情報交換の場を設けることが有効です。
具体的には、週に1回や月に1度程度、管理職同士でのミーティングを定期的に開催するという施策が考えられます。各部署の成果や課題、取り組みなどを共有することで、広い視野を持つことが可能となります。その他に、研修で他部署の管理職同士でグループになってもらい、ワークショップに取り組むという方法も挙げられます。
管理職同士の交流の場があることで、各部署で発生した問題やトラブル、その対処法等について共有し合うこともできます。それぞれが直面している問題や経験を共有することで、他の部署でも同様の問題が発生した際にスムーズに解決できるようになります。組織力を高めるだけでなく、個々の管理職の成長にも繋がるでしょう。


コーチをつける

管理職を育成する際には、専属のコーチをつけ、コーチングを実施することもおすすめです。
コーチングとは、一対一で行われる指導です。管理職一人ひとりのニーズにきめ細かく対応することができ、最適な成長を遂げることが可能となります。
例えば、リーダーシップの発揮方法やチームメンバーとのコミュニケーションスタイルは、人によって異なります。このような個々の課題に対して、コーチングを通じてパーソナライズされた育成を行うことで、各管理職の能力を最大限に引き出すことが可能となります。
コーチングの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
コーチングとは|メリット・デメリットや必要スキルについて紹介


アンラーニングとリスキリングを促進する

管理職が成長するためには、既存の知識やスキルを見直す「アンラーニング」と新たなスキルを学ぶ「リスキリング」の2つが重要な要素となります。
アンラーニングとは、時代の変化や組織の成長に合わせて、古くなった理念や方法から脱却し、新しい視点を身につけることです。一方、リスキリングは新たな知識やスキルを習得し、自身の成長や組織の進歩に貢献することです。
これらの取り組みを適切に実施すれば、管理職は自己成長を遂げ、組織全体の成長に貢献できるでしょう。
アンラーニングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【具体例あり】アンラーニングとは?やり方やリスキリングとの違いを解説

リスキリングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
リスキリングとは?注目される理由や導入方法、注意点をわかりやすく解説


適応課題にアプローチする

管理職としての成長を促す方法の一つとして、適応課題にアプローチすることが挙げられます。
適応課題とは、自分の今の信念体系のままでは解決することが難しい課題のことで、解決するためには信念体系の一部を変更したり手放したりすることが求められます。

適応課題の例としては、「『部下は上司に従うものだ』という価値観があるため、部下の話を傾聴して信頼関係を築くことができない」などが挙げられます。
適応課題にアプローチすることで管理職自身の思考力や視野が広がり、組織全体の問題解決力も向上します。これは、管理職の成長だけでなく組織成長にも繋がる重要なステップです。適応課題にアプローチすることの重要性を理解し、研修プログラムに取り入れてみましょう
適応課題については、以下の記事で詳しく解説しています。
『​​​​​​​適応課題と技術的課題の例を紹介。研修で適応課題にアプローチする方法


eラーニングの活用

管理職の成長を促進する手段の一つとして、eラーニングの活用が挙げられます。
eラーニングは、インターネットを利用した学習のことで、時間や場所を選ばず学習が可能です。忙しい日々の中でも自分のペースで学び続けることができるため、研修の時間がなかなか取れない管理職に向いている学習方法と言えるでしょう。リーダーシップや組織管理、戦略立案などのテーマに特化したeラーニングコンテンツを受講すると効果的です。また、受講後のテストやフィードバックを通じて、学んだ内容の理解度を確認し、必要に応じて再学習することも大切です。
管理職におすすめのeラーニングコンテンツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
管理職研修におすすめのeラーニングコンテンツ6選。効果を高める方法



管理職研修の実施ならアルーにお任せください

人材育成を手掛けているアルーでは、効果的な管理職研修を実施するためのノウハウが蓄積されています。お客様の企業が抱える課題に合わせ、柔軟に内容をカスタマイズした研修の提供が可能です。
また、アルーではオンライン研修やeラーニングを活用した研修も積極的にサポートしています。日常業務に追われる管理職だからこそ、オンライン研修やeラーニングを積極的に取り入れ、効率的に研修を進めていきましょう。

アルーが提供している管理職研修の詳細は、以下のページからご確認いただけます。
管理職研修

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  管理職研修サービス資料ダウンロード 管理職研修のサービス資料をダウンロードいただけます。管理職におすすめの研修プログラムのご紹介のほか、管理職研修の設計のポイントもお伝えします。 アルー株式会社



アルーの管理職研修事例

ここからは、アルーが実施した管理職研修の事例を3つご紹介します。


  • 東急株式会社
  • Wismettacグループ
  • 株式会社ネットドリーマーズ


東急株式会社 部長研修事例

東急株式会社では、2006年度より東急グループの経営者育成を目的とした「東急アカデミー」が開講されていましたが、社会や事業環境の大きな変化をきっかけに研修内容を見直し、アルーの管理職研修を導入しています。
自身の内面を変え、周囲にも影響を波及させていく「インサイドアウトのリーダーシップ」を発揮する変革リーダーの育成を目指し、部長を対象に研修を実施しました。

研修では、「企業のDNAと個々のつながり」を深く掘り下げ、会社が守り続けるべき価値観と変えていくべきことについての議論が白熱しました。
また、組織の変革ビジョンやプランについて、他の受講者や講師とディスカッションを行うことで、自らのビジョンや取り組みがどのように自分自身の内発的動機とつながっているのかを問うプログラムも実施しました。
東急株式会社はこの研修を通じて、会社を変革していく勢いのあるリーダー育成を目指しています。

東急株式会社での部長研修実施事例は、以下から詳しくご覧いただけます。
経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ(東急株式会社)


Wismettacグループ 管理職研修事例

Wismettacグループでは、組織風土変革の一環として、22年度から毎年アルーのマネジメント研修を実施しています。
Wismettacグループでは、多様な人材をマネジメントしながら世の中の変化へ対応していく必要性が生じ、管理職のマネジメントスキルの向上が課題となっていました。そこで、これまで自己流のマネジメントを行っていた管理職に対し、最新のベストプラクティスを反映したマネジメント手法を体系的に学んでもらうことを目的に研修を実施しました。
23年度の研修では、中間マネジメント層に焦点を当て、彼らを起点に組織全体の風土や共通言語を浸透させることを目指しました。研修のテーマは「メンバーの成長課題と業務アサイン」とし、成長課題と業務を結びつけて部下に納得感を持って取り組んでもらうためにはどうすればよいのか、研修で学んでもらいました。
受講した新任管理職からは、現場での課題解決へのヒントを得られたとの声があがっています。一方、経験の長いシニアの管理職からは、自己流のマネジメントを体系的に整理できたとの意見があり、部下や後輩への指導に活用したいとの声が聞かれました。

Wismettacグループでの管理職研修事例は、以下から詳しくご覧いただけます。
多様な「個」の特性や能力を活かし、部下の成長を支援するマネージャー育成(Wismettacグループ研修導入事例)

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  『西本Wismettacマネジメント研修導入事例』ダウンロード 西本Wismettac グループ様にアルーがご支援した、マネジメント研修をご紹介します。 アルー株式会社


株式会社ネットドリーマーズ 評価者研修事例

株式会社ネットドリーマーズでは、マネージャーの評価に関する知識を平準化し、共通認識を持ってもらうために評価者研修を実施しました。
評価方法がミッションに偏っていたため、達成できない人はいつまでも成長が停滞してしまうという課題が存在していました。また、評価基準が明確でなかったため、各マネージャーの評価方法がバラバラになっていたという課題もあります。そこで、全社員の評価知識の均一化が必要と考え、評価者研修を実施しました。
人事担当者からは、人事経験の豊富な講師のおかげで、受講者としても人事担当者としてもやるべきことを整理する機会になったと感謝のお言葉を頂きました。
また、今回の研修を通して、受講者がマネージャーとしての意識を持てたという成果も上がっています。

株式会社ネットドリーマーズの評価者研修実施事例は、以下から詳しくご覧いただけます。
株式会社ネットドリーマーズ 評価者研修研修 導入事例

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  『株式会社ネットドリーマーズ様評価者研修導入事例lv』資料ダウンロード 株式会社ネットドリーマーズでは、マネージャーの評価に関する知識を平準化し、共通認識を持つために評価者研修を実施しました。研修初日に評価制度を変える理由を説明し、マネージャーの意見を吸い上げたことで、目線合わせを行えたとのことです。株式会社ネットドリーマーズとアルーが取り組んだ評価者研修についてご紹介します。 アルー株式会社



まとめ

本記事では管理職に対する評価について、具体的な評価項目、流れ、管理職を成長させる方法などをご紹介しました。
管理職の評価は、組織の発展に重要な役割を果たします。評価項目や流れ、ポイント、そして管理職を成長させる方法を理解することで、より公正で効果的な評価が可能となります。また、管理職研修の実施や情報交換の場の提供などを通じて、管理職のスキルアップをサポートすることが重要です。アルーでは、管理職のスキルアップを叶える研修プログラムを提供しております。信頼できるパートナーとして、皆様の組織力向上に貢献いたします。今回紹介した内容を参考に、ぜひ管理職の評価の見直しを行ってみてください。
アルーが提供している管理職研修を詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
管理職研修

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アルー株式会社
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20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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