ワークショップを研修に取り入れるコツや手法、他形式との違いを解説
最近では、研修においてワークショップを取り入れる企業が増えてきています。ワークショップを研修で取り入れれば、参加者に実践的な演習を積んでもらえますし、より質の高い学びを実現できるでしょう。
そこでこの記事では、ワークショップを効果的に研修へ取り入れるコツや、おすすめの手法6選を解説します。ワークショップを取り入れた研修の実施をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。
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ワークショップとは
ワークショップとは、講義形式で何かを学ぶのではなく、実際に自分たちで作業に取りくんで実践を重ねることによって、そのテーマについて学ぼうという研修手法のことです。元々は演劇の世界などで使われていた言葉で、何かを演じることによって練習するというものでした。
講師が一方的に講義をするだけの研修は、どうしても単調になりがちです。研修にうまくワークショップを取り入れれば、全体にメリハリをつけることができるため、研修がより有意義な場になります。
講義形式との違い
講義形式は、講師が受講者に対して解説することを主軸に置いた研修のことです。講師側が研修テーマについての知識やスキルを説明し、受講者は講師の話を聞くことで学んでいきます。
講義形式は一度に多くの情報を受講者に伝えることができるため、効率的に知識をインプットできます。受講者に体系的な知識を身につけてほしい場合に適していると言えるでしょう。
ただし、講師からの一方通行のコミュニケーションになりがちなので、受講者の集中力が途切れやすくなります。また、アウトプットの機会がないため、「聞いて終わり」になりがちです。知識を活かして職場で行動変容を起こしてもらうには、工夫が必要でしょう。
セミナー形式との違い
セミナーも、ワークショップと同様に体験型の学びを行う研修手法のことです。似たような意味で用いられる両者ですが、実は内容に微妙な違いがあります。
まずセミナーは、基本的に講師が何らかのテーマを一方的に教える形式を取る場合が多いです。参加者と講師、あるいは参加者同士の意見交換が重視されることもありますが、基本的には講師が教えるという点に変わりはありません。
一方でワークショップは、参加者が主体となった体験が重視されます。ただし、最近ではワークショップの要素を取り入れたセミナーなども増えてきており、両者を厳密に区別するのは難しくなってきています。
グループワーク形式との違い
グループワークとは、与えられた課題に対して複数人のグループで取り組んでもらい、その結果に対して講師などがフィードバックを提供するという形式です。セミナーやワークショップと並んで、アウトプットを重視する研修で頻繁に取り入れられます。
ワークショップとグループワークは非常に似たような概念ですが、ワークショップでは進行役となるファシリテーターが取り入れられることが多いのに対し、グループワークではファシリテーターが存在しないという違いがあります。ワークショップでは、ファシリテーターの手助けを受けることが多いと覚えておきましょう。
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ワークショップの手法と進め方
ワークショップには、以下のようないくつかの代表的な手法が存在します。
- ブレインストーミング
- KJ法
- 親和図法
- バリューグラフ
- プロトタイピング
- ワールドカフェ
研修で身につけさせたい内容に応じて、これらの手法をうまく使い分け、最適なものを選択するのが大切です。ワークショップの具体的な手法と進め方を解説します。
ブレインストーミング
ブレインストーミングは、アイディアをとにかくたくさん出してもらい、思考の幅を広げたいときに向いているワークショップの手法です。まずは大きな紙やホワイトボードを準備して、参加者に3名〜7名程度のグループに分かれてもらいます。そして、何らかの発想を要求するテーマを設定し、テーマから連想していった結果を付箋やマーカーなどを用いてそこへ書き込んでいきます。
ブレインストーミングを実施する際は、連想する内容の質ではなく、数を重視するのが大切です。そのため、参加者は出されたアイディアに対してなるべく肯定的な反応を返すようにしましょう。
KJ法
KJ法とは、東京工業大学の名誉教授である川喜田二郎氏のイニシャルから名付けられたワークショップの手法です。まずはブレインストーミングのときと同様に、付箋やマーカー、ホワイトボードを準備します。
その後、設定されたテーマに対してまずは全員がぼんやりと考えていることをどんどん書き出してもらいます。1つの付箋には1つの項目を書き出すことを意識しましょう。その後、付箋の内容でグループ分けを行い、それぞれのグループにタイトルをつけます。さらに全体を可視化して、どのような状況になっているのかを文章化しましょう。
親和図法
親和図法も、KJ法と同様にたくさんのアイディアを整理するのに有効な手法です。まずは何らかのテーマを設定して、それに対する連想結果を付箋に次々と書き出していきます。
その後、参加者同士で議論をしながら付箋の内容をグルーピングしていき、それぞれのグループに名前をつけましょう。そして、全体を俯瞰したあとは視点を変えて何度もグルーピングを繰り返していきます。
数多くの情報を整理したり、テーマに対して参加者同士で共通認識を作りたい場合に有効な手法です。
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バリューグラフ
バリューグラフは、検討対象の「価値」を明らかにしたいときに用いられるワークショップの手法です。2色の付箋とホワイトボード、マーカーを用意した上で、価値を検討する対象を決めて付箋に書いておきます。
参加者は、その付箋から上下それぞれの方向に2色の付箋を配置しましょう。上側の付箋には、「どんな目的で?」という問いを繰り返してさらに階段状に付箋をつなげていき、より上位の価値へ遡っていきます。下側の付箋には、「どうやって実現するのか?」という問いを繰り返しながら、より基盤となる方法へと付箋をつなげていきます。検討対象を取り巻く構造を可視化して、参加者間で合意形成を図りたい場合に有用な手法です。
プロトタイピング
プロトタイピングは、サービスや製品の企画検討が正しい方向へ向かっているかを確認したい場合によく取り入れられる手法です。サービスや製品の試作モデルを作り、機能や使い勝手を確認します。
プロトタイピングを実施する際は、まずプロトタイピングで何を確認したいのかを明らかにしておきましょう。その後、その目的を達成するためにはどういったプロトタイピングが必要で、どのような項目を検証すればよいのかを確かめておきます。最後にプロトタイピングを実施して、検証を行いましょう。
ワールドカフェ
ワールドカフェとは、くつろいだ雰囲気で実施する会議のことです。カフェでお茶を飲んでいるような、リラックスした気分でコミュニケーションが取れるため、革新的なアイディアが生まれやすいという特徴があります。
実施する際には、5〜6名程度の少数のグループに分かれてもらい、一つのテーマについて話し合ってもらいましょう。時間を区切って、何度かグループの入れ替えを行うのが効果的です。なるべく幅広い人と話す機会を持ってもらうことで、アイディアのブラッシュアップにつなげてもらいましょう。
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研修でのワークショップのメリット
よくある研修の形式は、講義形式とワークショップの2つに分けられます。それぞれのメリットや向いているシーンは、以下の通りです。
形式 |
メリット |
向いているシーン |
講義 |
知識を効率的に伝えられる |
業務に必要な知識を幅広く獲得してもらいたい場面や、体系的な知識をインプットしてもらいたい場面。 |
ワークショップ |
知識を定着しやすい・コミュニケーションを促進しやすい |
身につけた知識に対する理解を深めたい場面や、より実践的なスキルの獲得を促したい場面。 |
研修でワークショップを取り入れるメリットを詳しく見ていきましょう。
参加者の集中力が持続しやすい
研修でワークショップを取り入れれば、参加者の集中力を持続しやすくなるというメリットがあります。
講義を主体とした研修では一方的に講師が話し続けるため、どうしても単調なものになりがちです。どんなに面白い講義でも、時間が経つにつれて参加者の集中力は低下してしまうでしょう。
ワークショップを取り入れることで、単調になりがちな講義主体の研修にメリハリを加え、より参加者に内容へ集中してもらいやすくなります。また、ワークショップを通じた周囲とのコミュニケーションが、参加者にとってリフレッシュとなる効果も期待できます。
研修内容をより深く理解しやすい
研修内容を深く理解しやすくなるのも、ワークショップを取り入れる大きなメリットです。
ワークショップで実際に作業へ取り組むことで、自分では理解できていたと思いこんでいたが、実は理解できていなかったポイントを見つけることができます。
特に、ワークショップを取り入れれば現場での実践を促しやすくなります。例えば実際の業務の場面を想定した演習を盛り込むことで、参加者は研修で獲得した知識をアウトプットする方法を学ぶことができるのです。
コミュニケーションの活性化が見込める
研修には能力開発を行うこと以外にも、参加者同士のコミュニケーションを促進する場を提供するという役割があります。研修中にワークショップを取り入れれば、参加者にコミュニケーションを取るきっかけを提供することができるでしょう。
参加者同士のコミュニケーションの活性化が見込めるのも、ワークショップのメリットです。特に、周囲との関係構築が重要な新入社員研修や、階層別研修と親和性の高い手法であるといえるでしょう。
さまざまな考え方・価値観に触れられる
ワークショップを取り入れれば、他者とのコミュニケーションを通じてさまざまな考え方や価値観に触れることができるメリットもあります。
研修では、自分自身の現在地を相対化することが大切です。自分が今現在どんな考え方を持っていて、さらなる成長に何が必要なのかを自覚するためには、他者のさまざまな考え方や価値観に触れることが欠かせません。
自分自身と異なる考え方を理解する経験を通じて自分自身を客観視できますし、多様性を受け入れる心構えを形成することにもつながるでしょう。
実務に活かしやすい
ワークショップでは、実務や現場の課題、企業の課題をテーマにすることができるため、広義やケーススタディよりもより実務的かつ実践的な意見交換、議論を参加者同士と行い、一人ひとりの視点では気づかなかった発見やアイディアが出るだけでなく、新たな課題を見つけることができます。そのため、ワークショップ後に職場に戻った際も業務に活かしやすいでしょう。
ワークショップと親和性の高い研修テーマ
ワークショップの概要や手法などについて解説しました。それでは、具体的にどういった研修にワークショップを取り入れるのが効果的なのでしょうか。
ワークショップを取り入れやすい研修は、コミュニケーション研修や問題解決力研修、戦略策定研修など多岐にわたります。ワークショップと親和性の高い研修テーマを解説します。
コミュニケーション研修
コミュニケーション研修は、ワークショップと最も親和性の高い研修テーマの一つです。
コミュニケーション能力を獲得するためには、周囲と実際にコミュニケーションを取るのが有効です。座学でコミュニケーションの知識を獲得するだけでは、なかなか実践の場につながる学びは得られません。
実際に業務でコミュニケーションを取る場面を想定したワークショップを取り入れるなど、コミュニケーションを実践してもらえるようなワークショップを導入してみましょう。
ワークショップを効果的に活用したコミュニケーション研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
コミュニケーション研修のプログラム詳細
自己理解・他者理解研修
周囲とうまくコミュニケーションを取ったり、リーダーとしての方向性を定めるのに有効なのが、自己理解や他者理解です。また、自分のエネルギーの源泉を理解することで、仕事に対するモチベーションを向上させる効果も期待できます。
自己理解・他者理解研修でも、ワークショップを取り入れやすいでしょう。MBTI®(※注)などの自己理解メソッドに取り組んでもらったり、それを他者と共有する演習を取り入れるのがおすすめです。
※注:MBTI is a registered trademark of the Myers&Briggs Foundation in the United States and other countries.
問題解決力研修
問題解決力は、業種や職種を問わず役立つ基礎的なビジネススキルです。すでに顕在化している問題へアプローチしていく手法を身につけるのはもちろん、潜在的な問題を発見する力も養う必要があります。
問題解決力研修でも、さまざまな形でワークショップを取り入れることができます。「問題の所在を特定する」「問題の原因を分析する」といった特定のテーマを設定してワークショップに取り組んでもらい、問題解決力を高めてもらいましょう。
5つのワークショップを盛り込んだアルーの問題解決力研修のプログラム例は、以下のページをご覧ください。
問題解決ワークショップの詳細
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戦略策定研修
戦略策定力は、主にマーケティング系の職種や、管理職に求められる能力です。ビジネスで優位性を確保し続けるためには戦略策定が重要です。複雑な市場環境を正しく分析し、自社のリソースを最大限に活用できる方法を考える必要があります。
戦略策定研修にも、ワークショップを取り入れるのが有効です。例えば、前述したブレインストーミングを通じて自社のターゲット顧客を分析したり、バリューグラフを用いて自社サービスの価値を検討したりしてみましょう。
戦略的な思考を身につけるためのアルーの100本ノックサービス資料は、以下のページからダウンロードいただけます。
創造力向上研修
会社全体、さらには社会全体へ大きなインパクトを与えるようなイノベーションを創出するためには、既存概念にとらわれない柔軟な発想をする必要があります。こうした創造的な思考を身につけるのに有効なのが、創造力向上研修です。
創造力向上研修も、ワークショップを取り入れるのがおすすめです。ブレインストーミングを通じてアイディアを発散させる練習を積んだり、ワールドカフェでリラックスして話し合う体験をしてもらったりしましょう。
既成概念にとらわれない発想を後押しするアルーの創造力向上研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
IDEA HACKS! 創造性ワークショップの詳細
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キャリアデザイン研修
社員が自分自身のキャリアについて考えることは、変化の激しいビジネス環境を勝ち抜く上で欠かせなくなってきています。将来のキャリアについて考えたり、自分自身が今持っている体験やスキルについて見つめ直すのが、キャリアデザイン研修です。
キャリアデザイン研修の中にも、ワークショップを取り入れてみましょう。自分自身がこれまでに築いてきた経験や価値などを、ワークショップを通じて整理してみるのがおすすめです。
ワークショップを盛り込んだアルーのキャリアデザイン研修は、以下からご覧ください。
キャリア未来地図デザイン研修のプログラム詳細
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DX研修
DXは、今や業種を問わず求められる取り組みです。しかし、なかなか思うように現場のDX化が進まなかったり、社員がデジタルに苦手意識を持っていたりするケースも少なくないのではないでしょうか。
DX研修にワークショップを盛り込めば、実践的なDXを学ぶことができ、現場でのDX促進につながります。現場でどういったDXを実施するのが効果的なのかをワークショップで考えてもらい、実践するイメージを持ってもらいましょう。
DX研修にワークショップを取り入れたアルーの研修は、以下のページからご覧いただけます。
DX・デジタル活用人材研修のプログラム詳細
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マネジメント研修
マネジメント研修も、ワークショップと親和性が高い研修テーマといえるでしょう。
マネジメント力を向上させるためには、マネジメント研修を通じてマネジメントに必要な考え方やスキルを習得してもらう必要があります。
まずはマネジメント層としての役割を、ブレインストーミングやKJ法などを通じて見つめ直してもらいましょう。その後、どういったマネジメントスタイルが有効なのかをワークショップを通じて考えてもらうのがおすすめです。
ワークショップを積極的に活用したアルーのマネジメント研修は、以下のページをご覧ください。
『マネジメントベーシック』プログラムの詳細
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自社理解(会社理解)研修
自社理解を深めることは、仕事に対するモチベーションを高める上で大切です。また、自分の会社の歴史や事業概要について理解が深まれば、社員の間に一体感を醸成しやすくなり、ビジョンや経営方針が浸透しやすくなるといった効果も期待できます。
自社理解研修も、ワークショップと親和性の高いテーマです。例えば自社の事業内容や競合について、KJ法や親和図法などを用いて分析するワークショップを取り入れてみましょう。
自社のDNAについて理解するアルーの研修は、以下のページからご覧ください。
理念浸透
理念浸透研修も、ワークショップを取り入れることで効果的に実施できます。
理念の浸透は、海外などで複数拠点を構える企業にとって重要な課題です。海外拠点を運営しているものの、理念の浸透は現地任せになってしまっており、いまいち一体感が作れないという課題も多いのではないでしょうか。
例えば、社長や経営層からのメッセージを聞いて感じたことを言葉にするワークショップなどに取り組んでもらいましょう。また、部下へ理念を浸透させるためのコミュニケーション力を、ワークショップで磨いてもらうのも効果的です。
ワークショップを活用したアルーの理念浸透研修は、以下のページをご覧ください。
海外理念浸透プログラムの詳細
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ワークショップを成功させるポイント
ワークショップを成功させるには、設計時や集客時に気を付けるべきポイントがあります。ワークショップを成功させる3つのポイントをみていきましょう。
受講者の数を制限する
ワークショップを開催する際には、受講者が多くなりすぎないように制限しましょう。ワークショップ形式で実施すると、上手くディスカッションできないグループや時間制限をオーバーするグループなどがでてきます。受講者数が多すぎるとこれらのグループに対するフォローができず、グループによっては研修の目的を達成できなくなってしまいます。
講師・サブ講師・スタッフの数を考慮し、フォローしきれる受講者数にしてください。
必須研修でない場合、集客に力を入れる
ワークショップを取り入れる研修が必須参加型ではない場合、いつも以上に集客に力を入れましょう。特にグループでワークショップを行ってもらう場合、一定の受講者数がいないとグループを組むことができません。せっかく参加してくれた受講者に満足いく内容を提供できなくなってしまいます。
いつもより早めに集客を開始したり、研修を受けるメリットを明示したりして、集客を行いましょう。
事前アンケートを取り、受講者のニーズを把握する
受講者に事前アンケートを取り、ニーズを把握することが重要です。
ワークショップでどのようなことを学びたいのか、何を課題に感じているのかなどをヒアリングし、ニーズに対応できるようなワークショップを設計しましょう。
受講者のニーズによっては、ワークショップの内容を変えたりグループ分けを変えたりする必要があるかもしれません。できるだけ受講者のニーズに応えられるように工夫しましょう。
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ワークショップを実施する際の注意点
ワークショップにはさまざまなメリットがありますが、同時にワークショップを研修に取り入れる際にはいくつかの注意点があるのも事実です。こうした点に注意しなければ、せっかくワークショップを取り入れたのに研修が成功しなかったという事態にもつながりかねません。
ワークショップを実施する際の注意点を解説します。
参加するだけで終わりにさせない
ワークショップを取り入れる際に大切なのが、参加するだけで終わりにさせないという点です。ワークショップを研修に取り入れる場合、ワークショップに取り組んでもらうこと自体が目的となってしまう場合があります。
しかし、ワークショップはあくまでもスキルや知識を獲得してもらうための手段に過ぎません。研修が終わった後のフォローアップに力を入れたり、理解度確認テストを実施したりするなど、参加することだけが目的とならないよう注意しましょう。
ファシリテーターが重要な役割を果たす
ワークショップを取り入れた研修は、ファシリテーターが重要な役割を果たすのが大きな特徴です。ファシリテーターには、ワークショップのファシリテーターとして適切な役割を担ってもらえるよう注意しましょう。
具体的には、ファシリテーターはまずワークショップで出された意見をうまくまとめる必要があります。また、ワークショップがより有意義な場となるよう、全体の雰囲気作りを行ったり、必要に応じて意見を求めたりすることが大切です。通常の研修講師とは異なる役割が求められることを意識しましょう。
また、ファシリテーターの問いかけだけでは参加者から考えを引き出すことが難しいことがあります。そのような場合は、ワークショップのテーマに詳しいファシリテーターを選定しましょう。ファシリテーターがワークショップのテーマに関して専門的な知識・経験を有していればいるほど、参加者へ的確なフィードバックを提供できます。そのフィードバックを元に参加者の議論を深化させることができるでしょう。
ファシリテーターを育成するためのアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
ファシリテーション研修のプログラム詳細
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心理的安全性が保たれた雰囲気も大切
ワークショップでは、参加者からいかに意見を引き出すかが重要となってきます。例えば、ブレインストーミングやKJ法、親和図法などはいずれも、参加者からの意見が出なければ議論が前に進みません。
参加者が気軽に発言できるような雰囲気を作るためには、心理的安全性を保つことが大切です。ファシリテーターはもちろん、参加者が他の意見に対してポジティブな反応を積極的にするようにグランドルールを定めるとよいでしょう。ワークショップを始める前に、「頭ごなしに否定する意見は出さない」といったルールを設定するのも有効です。
心理的安全性を高める方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
『心理的安全性とは?高める方法や人事が行うべき施策について』
ゲームを活用するのもおすすめ
先程、ワークショップでは心理的安全性を高めるのが大切だとお伝えしました。そこで役立つのが、参加者同士で実施するゲームです。ゲームを効果的に取り入れれば、アイスブレイクの役割を果たし、参加者同士が自由に意見交換をする雰囲気を作ることができます。
ワークショップを取り入れた研修では、ゲームを効果的に活用するのもよいでしょう。なお、研修で取り入れられるゲームにはさまざまな種類があります。研修で使えるゲームの事例については、以下のページから詳しくご覧いただけます。
『コミュニケーション研修で使えるゲーム22選!効果的に実施するポイントも紹介』
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ワークショップを行った研修の事例
アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。階層別研修やテーマ別研修を始めとして、これまでに数多くのワークショップを実施した実績があります。
ここではこれまでにアルーが実施した研修の中から、ワークショップを取り入れた参考となる事例を3つ紹介します。ワークショップを取り入れた研修の実施を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
ミズノ株式会社様
経営戦略の1つとして「グローバル事業の強化」を掲げているミズノ株式会社様。海外子会社と日本本社間のコミュニケーションが少なく、ブランドの統一感を醸成できていないという課題を解決するため、海外子会社のマネージャーを集めた対面研修を実施しました。
親しみを持ってもらうため前日に「Day0」を設け、自由な意見交換ができるカンファレンスを実現しています。対面でのコミュニケーションを通じて、海外子会社と日本本社のコミュニケーションを活性化するという研修目的の達成に成功した事例です。
本事例は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
グローバル事業強化の要として、 本社と海外現法のHRが One Team となるための Global One HR Conference
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東急株式会社様
「インサイドアウトのリーダーシップ」を獲得してもらいたいという背景があった東急株式会社様では、次世代の経営者となる約20名の部長・部長候補郡を対象とした研修を実施しました。
本研修では「戦略を立案する」「業務での実践を振り返る」といったテーマを設定した上で4つのワークショップに取り組んでもらっています。ワークショップを通じて、理想的な経営の実現に必要な考え方やリーダーシップを体得してもらった研修事例です。
本事例については、以下のページで詳しくご紹介しています。
経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ(東急株式会社)
株式会社ストルアス様
ストアルス様では、ポジティブな雰囲気を作るための研修を実施しました。ポジティブシンキングという言葉を会社全体に浸透させるため、ワークショップを盛り込んだ研修を実施しています。
ワークショップでは、「隣の人と意見交換を行う」というワークに取り組んでもらいました。心理的安全性を高めるために講師が話の内容を工夫するなど、ワークショップが有意義なものとなるような仕掛けを盛り込んだ研修事例です。
本事例については、以下のページで詳しくご紹介しています。
ポジティブシンキング研修 導入事例 ポジティブなコミュニケーションがもたらす組織の成長
▼資料ダウンロードはこちら
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研修のワークショップ活用ならアルーにお任せください
アルーは、これまでに数多くの人材育成を手掛けてきた、人材育成のプロフェッショナルです。ワークショップを活用した研修なら、ぜひアルーへお任せください。
アルーでは、「習うより慣れろ」を意識した、アウトプット重視の研修を展開しています。そのため、ワークショップの活用方法に関するノウハウも豊富です。お客様の企業のビジネス課題にあわせ、個別最適化した研修プランを提案させていただきます。
ワークショップを活用した研修の実施なら、アルーまでお気軽にご相談ください。
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