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リーダーが持つべきマインドとは?身につける方法やポイントを紹介

VUCAとも呼ばれる先の見えない現代のビジネス環境で優位性を確保し続けるためには、リーダーのマインドセットが重要です。リーダーに必要なマインドセットを獲得してもらうためにはどういった人事施策が必要なのでしょうか。
この記事では、リーダーに求められるマインドセットの具体的な内容や、マインドセットを獲得してもらう方法、研修を実施する際のコツを解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.リーダーに求められるマインドとは
    1. 1.1.リーダーとしてのプレイヤーからの脱却
    2. 1.2.新しいことに挑戦する
    3. 1.3.自分を変化させる
    4. 1.4.部下への指導は論理的に行う
    5. 1.5.思考のクセから脱却する
      1. 1.5.1.マインドマップの活用が有効
  2. 2.リーダーにマインドを身につけてもらうための4ステップ
    1. 2.1.1.マインド・適応課題の存在を認識する
    2. 2.2.2.自分を客観的に振り返る
    3. 2.3.3.別の視点があることを知る
    4. 2.4.4.異なる選択肢を試す
  3. 3.リーダーにマインドを身につけてもらうコツ
    1. 3.1.目標を明確にする
    2. 3.2.小さな成功体験を積み重ねる
    3. 3.3.コーチングを活用する
    4. 3.4.マインドを身につけるには時間がかかることを認識する
    5. 3.5.中長期的なビジョンを意識する
  4. 4.リーダーにマインドを身につけてもらう方法
    1. 4.1.研修を行う
    2. 4.2.外部の社員と交流する
    3. 4.3.実践とフィードバックを繰り返す
  5. 5.リーダー向けマインド研修の事例
    1. 5.1.東急株式会社様
    2. 5.2.ポーラ化成工業株式会社様
    3. 5.3.コスモ石油株式会社様
  6. 6.リーダーのマインドセットならアルーにお任せください


リーダーに求められるマインドとは

リーダーにはさまざまなマインドセットが求められますが、基本的にはグロースマインドセットを身につけるのが大切です。
スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック氏は、ビジネスパーソンの持つマインドセットを「グロースマインドセット」と「フィックストマインドセット」の2つに分類しました。

グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違い

グロースマインドセットは、「自分の能力は自分次第で成長させられる」という考え方です。反対にフィックストマインドセットは「能力は生まれつきのものである」という考え方を指します。
グロースマインドセットがあれば、リーダーとして周囲へ好影響を与えることができるでしょう。反対に、フィックストマインドセットの場合はリーダーとして成長できませんし、周囲のモチベーションに悪影響を与えてしまう場合もあります。
では、リーダーに求められるマインドを具体的に解説します。


リーダーとしてのプレイヤーからの脱却

リーダーに求められるマインドの一つとして、「リーダーとしてのプレイヤーからの脱却」が挙げられます。プレイヤー時代の成功体験ややり方に固執してしまうと、チーム全体の成長や変化への対応が鈍くなり、新しい課題に柔軟に対応することが難しくなります。また、自分の成功よりチームとしての目標達成に重点を置くことも求められます。
グロースマインドセットを持つリーダーは、自分自身の役割や考え方を常に見直し、時とともに進化し続けることができます。リーダーがプレイヤーから脱却することができれば、組織やチームの持続的な成長をサポートし、より高い成果を達成するための土壌を築くことができるでしょう。


新しいことに挑戦する

リーダーに必要なマインドセットとして、新しいことに挑戦する心構えが挙げられます。
チームの未来を切り開いていくためには、これまでの慣習を踏襲していくだけでは不十分です。会社全体、あるいは社会へ大きなインパクトを与えるイノベーションを創出するためには、新しい発想で物事へ取り組むことが欠かせません。
未知の物事に対しても積極的に挑んでいき、経験したことのない状況でも周囲の協力を仰ぎながら切り抜けていくマインドが必要です。


自分を変化させる

リーダーには、自分を変化させる心構えが必要不可欠です。
一般に、リーダーを務める社員はプレイヤーとして優れた実績を出していることが多いです。しかし、こうした社員にありがちな失敗が、「過去の成功体験に固執してしまう」というものです。自分が成功体験を持っているからこそ、時代の変化に気づかずこれまでのやり方を続けようとしてしまいます。
時代の流れや若いメンバーの価値観なども敏感に感じ取って、必要に応じて自分のスタンスを変化させられるようになってもらいましょう。

今までのやり方や価値観を棄却し、新たなスキルや知識を獲得し直すことをアンラーニングといいます。アンラーニングに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
【具体例あり】アンラーニングとは?やり方や注意点を解説


部下への指導は論理的に行う

チームが持続的に成果を発揮していくためには、リーダーが部下の指導に力を入れる必要があります。ここで大切なのが、部下指導に対する姿勢です。部下が何度も仕事に失敗してしまう場合などは、どうしても感情的に叱責してしまうこともあるでしょう。
しかし、リーダーは常に部下への指導を論理的に行うように心がける必要があります。特に最近の新入社員の世代では、一昔前までの感情的な指導が心に響きづらいことも多いです。部下が納得できるよう、論理的に筋道だった指導を行わせてみてください。


思考のクセから脱却する

リーダーを務める社員は社歴も長く、これまでの仕事の中で自分なりの「仕事に対するスタンス」が確立されていることが多いです。こうした本人なりの価値観や考え方は効果を発揮することもありますが、時代に合わせて変化させなければ徐々に周囲の理解を得られなくなってしまいます。
リーダーには、思考のクセから脱却してもらう必要があります。アンラーニングなどの取り組みを通じて、これまでにリーダーが無意識のうちにとらわれていた思考のクセから脱却してもらうようにしましょう。

アンラーニングに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
【具体例あり】アンラーニングとは?やり方や注意点を解説


マインドマップの活用が有効

マインドマップとは、自分の思考を整理するツールです。まずはホワイトボードや紙などを用意して、自分の考えたいテーマを中心に書きこみます。その後、カラフルな色を使い分けながらテーマに関連する言葉を書き出していき、テーマに対する答えを見出していきます。
マインドマップを活用すれば、自分が問題解決に至る思考過程が見えてきます。そのため、自分の考え方や思考のクセを把握するのに役立てることができるのです。リーダーのマインドセットを育成する際には、マインドマップも活用してみましょう。


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リーダーにマインドを身につけてもらうための4ステップ

リーダーにマインドマップを身につけてもらうためには、まず自分自身にどのような適応課題があるのかを認識してもらうところから始めましょう。その後、自分を客観的に振り返って別の視点があることを知ってもらい、最後に異なる選択肢を試すというステップを踏むのがおすすめです。
リーダーにマインドを身につけてもらうための4ステップを解説します。


1.マインド・適応課題の存在を認識する

リーダーにマインドセットを獲得してもらう際には、まずリーダー自身にどのような適応課題が存在しているのかを自覚してもらうところから始めましょう。
適応課題とは、解決するためには信念の一部を変更、もしくは手放すことが求められる課題のことです。

ビジネスの場面における課題には、技術的課題と適応課題の2つの側面がある

自分自身に課題があることを認識せずに研修をスタートしてしまった場合、研修の意義や目的が見えづらくなってしまう可能性があります。
具体的には、リーダーとしての期待役割を説明したり、自身の適応課題について考えるグループワークに取り組んでもらうのがおすすめです。

リーダーが認識するべき適応課題の詳細は、以下のページで詳しく解説しています。
適応課題と技術的課題の例を紹介。研修で適応課題にアプローチする方法


2.自分を客観的に振り返る

適応課題やマインドセットの存在を認識してもらったら、次に自分を客観的に振り返ってもらいましょう。自分自身がこれまでにどういったリーダーシップを発揮してきていて、そこにはどのような長所と短所があるのかを理解してもらうのが目的です。
研修中では、日頃の自分のリーダーシップを振り返るワークに取り組んでもらうのもよいでしょう。マネジメントや部下指導といったさまざまな観点から、今一度自分自身のリーダーシップのスタイルを見つめ直してもらうのが大切です。


3.別の視点があることを知る

リーダーシップを見つめ直した後は、別の視点があることを知ってもらい、リーダーとしてのマインドの育成につなげていきます。
例えばリーダーシップを振り返った際に、「カリスマ性で周囲を牽引することに注力しており、メンバーの意向を十分に汲み取れないことがあった」という課題が明らかになったとします。こうした場合には、「カリスマ性だけがリーダーシップではない」「メンバーのポテンシャルを引き出すスタンスのリーダーシップも大切である」と認識してもらうことが大切です。別の視点があることを伝え、リーダーとしての成長を促していきましょう。
研修の場で講師や他の受講者との対話の機会を設け、気付きを促すのがおすすめです。


4.異なる選択肢を試す

別の選択肢を知った後は、その選択肢を実際に試してもらいましょう。今までの自分のスタンスとは異なるリーダーシップを発揮する経験を積むことによって、研修で獲得したリーダーシップのマインドを定着させることにつながります。
例えば、今までとは異なるリーダーのスタンスを提示したあとに実践期間を設け、現場で新たなリーダーシップを実践してもらうのがおすすめです。実践期間のあとにはフォローアップ研修をおこない、現場で十分に実践できたかを確かめましょう。


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リーダーにマインドを身につけてもらうコツ

	リーダーのオーラ

リーダーのマインドセットを育成する際には、目標を明確にしたり、小さな成功体験を積み重ねたりすることが大切です。リーダーにマインドを身につけてもらう際に意識したい、育成時のコツを解説します。


目標を明確にする

リーダーのマインドセットを育成する研修を実施する際には、研修の目的を明確にしてからスタートさせましょう。
リーダーとしてのマインドを身につける研修にありがちな課題に、「研修に参加してもらうこと自体が目的となってしまう」というものが挙げられます。どんなに質の高い研修を実施しても、現場でリーダーとしての行動変容が起こらなければ意味がありません。
現在のリーダーにはどういった課題があって、研修を通じてどういったマインドセットを獲得してほしいのかを、事前に経営層や関連部署とすり合わせておくのが大切です。


小さな成功体験を積み重ねる

リーダーとして必要なマインドを育成する際は、小さな成功体験を積み重ねてもらいましょう。
リーダーに必要なマインドセットは多岐にわたります。また、新しいことに挑戦するマインドなどは一朝一夕で身につけるのは難しく、一度の研修でゴールまで到達できないことも珍しくありません。
研修を複数回に分けて実施して、その間に現場での演習期間を設けるのがおすすめです。小さなことであっても、リーダーが「成長できた」と実感できれば、徐々にマインドセットは定着していきます。


コーチングを活用する

リーダーとしてのマインドセットを育成する際には、コーチングを活用するのもおすすめです。
コーチングとは、育成対象者に上司や先輩社員などがコーチとして所属して、本人の自発的な学びを引き出すことです。本人に直接答えを提示するティーチングと異なり、あくまでも本人による学びをサポートすることに特徴があります。
例えば部長候補を育成する際には、部長がコーチとなってコーチングを実施してみましょう。現場で実践する際にコーチがうまくサポートできれば、現場での学びを最大限に引き出すことができます。


マインドを身につけるには時間がかかることを認識する

リーダーに必要なマインドセットは多岐にわたります。また、それぞれを身につけるのも簡単ではありません。例えば部下へ指導する際の心構えを学ぶためにはある程度時間をかけて部下指導の経験を積む必要がありますし、自分がこれまで前提としてきた価値観を捨て去るのにも時間がかかるでしょう。
マインドセットを獲得してもらう際には、時間がかかることを認識しておきましょう。育成が長期に及ぶことを見越して、半年〜1年単位で研修内容を企画するのが大切です。


中長期的なビジョンを意識する

リーダーのマインドセットを育成する際には、中長期的なビジョンを意識して研修を実施しましょう。
長期に渡る研修を成功させるためには、「研修を通じてどういったマインドセットを獲得してほしいのか?」「マインドセットの獲得を通じて最終的に目指すゴールはどこなのか?」といった研修のゴールをはっきりさせておくことが大切です。
そのためには、なるべく早い段階でリーダー候補となる社員を選抜して、数年後、十数年後を見据えた育成を展開するとよいでしょう。


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リーダーにマインドを身につけてもらう方法

リーダーを対象としたマインドセットの獲得には、研修の実施や外部の社員との交流、さらには現場での実践を通じた学びを促進するといった施策が考えられます。リーダーにマインドを身につけてもらう方法を解説します。


研修を行う

リーダーにマインドセットを獲得してもらうためには、研修を実施するのがおすすめです。対面研修などを通じて、リーダーに対する期待役割を伝えたり、普段のリーダーシップを振り返ってもらうワークを実施したりして、リーダーとしてのマインドセットの獲得を促しましょう。
また、全国の拠点で働くリーダーに一箇所へ集まってもらうことが難しい場合には、オンラインでの研修を開催するのもおすすめです。オンラインと対面研修をうまく併用しながら、効率的に育成を行ってみてください。

オンライン研修のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
オンライン研修とは?効果的な実施方法やメリット、成功事例を解説


外部の社員と交流する

リーダーとしてのマインドセットを育成する際には、自分自身のリーダーシップのスタイルを客観視することが大切です。そのためには、外部の社員とリーダーが交流する機会を設けるのもよいでしょう。
外部の社員と交流する機会を設ければ、自社にはない価値観を取り入れることができるというメリットがあります。また、これまで気づかなかった意外な発見があったり、自分自身のとらわれていた価値観から脱却できたりする効果も期待できます。さらに、外部の社員との交流を通じて刺激を受ければ、リーダーとして働くことに対するモチベーションの向上にもつながるでしょう。


実践とフィードバックを繰り返す

現場での実践とフィードバックを繰り返してもらうのも、リーダーのマインドセットを育成する際のコツです。
いくらマインドセットを言葉で説明しても、なかなか自分のものとして体得することはできません。リーダーとして必要なマインドセットを定着させるためには、現場で実践することが何よりも大切です。
振り返りシートを用意したり、上司と1on1で実践内容を振り返る機会を設けたりして、実践とフィードバックを繰り返す仕組みづくりを行うことを意識してみてください。


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リーダー向けマインド研修の事例

	海外のリーダーシップ

人材育成のプロフェッショナルであるアルーでは、これまでに数多くのリーダーのマインドセット育成を手掛けてきました。ここではその中から特に参考となる事例を3つピックアップして紹介します。
リーダー向けのマインドセット育成研修の実施をご検討の場合は、ぜひ参考にしてみてください。


東急株式会社様

中長期的な成長のためには経営人材の育成が欠かせないと考えていた東急グループでは、マインドセットの獲得を中心としたリーダー育成施策を実施しました。本事例では、リーダーのタイプを「変革型リーダー」「創造型リーダー」「能動型リーダー」の3つに分けているのが特徴です。
研修では、戦略立案を想定したワークショップに取り組んでもらいました。また、研修の間に実践期間を挟み、現場での実践を振り返るワークショップも実施しています。
本事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ(東急株式会社)


ポーラ化成工業株式会社様

女性活躍推進の風土づくりを行いたいと考えていたポーラ化成工業株式会社様では、選抜の女性社員18名を対象としてリーダーのマインドセットを獲得する研修を実施しました。全5回のプログラムから構成されており、それぞれの間に約1ヶ月間の演習期間が設けられています。
本研修では、リーダーとしてのマインドセット獲得を重視して、周囲とのコミュニケーションを取るリーダーシップを現場で演習してもらいました。実践期間の間には中間報告回を実施しており、課題点を随時共有しながら研修を進めたのが特徴です。
本事例は、以下のページからさらに詳しくご覧いただけます。
女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する(ポーラ化成工業株式会社)


コスモ石油株式会社様

新任ライン長を対象としたマインドセットの育成を実施したいと考えていたコスモ石油株式会社様では、「他責から自責」をスローガンに掲げた研修を実施しました。
本事例は160名の新任ライン長を対象としており、あえて事務系の社員と技術系の社員に同じ会場へ集まってもらったのが特徴です。異なる職種のリーダーとの交流を通じて、お互いの理解を深めてもらうとともに、これまで自分自身がとらわれていた価値観からの脱却をサポートしています。
本事例の詳細は、以下のページからご確認いただけます。

信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社導入事例)


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リーダーのマインドセットならアルーにお任せください

リーダーのマインドセット育成なら、ぜひアルーへお任せください。アルーは人材育成を専門に手掛けてきた企業で、これまで階層別研修やテーマ別研修などを豊富に実施してきました。
特にマインドセットに関しては、アウトプット中心の実践的なカリキュラムをご用意しているのがアルーの特徴です。座学や講義だけではなかなか身につきづらい内容を、現場での実践を通じて効果的に身につけることができます。

アルーの提供しているリーダーシップ研修は、以下のページからご確認いただけます。
リーダーシップ研修
ぜひこの記事の内容を参考にしてリーダーのマインドセット育成を進め、会社の未来を切り開くリーダーを育てましょう。


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