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管理職に求められる能力とは?あるべき姿や能力を身につけてもらう方法について解説

管理職に求められる能力は多岐にわたります。管理職が能力を身につけ、うまく部署をマネジメントできるようになれば、チームとして仕事が円滑に回るようになります。結果として、会社の業績を上げることにもつながるでしょう。
この記事では、管理職に必要なスキルを3つ解説します。能力を身につけさせる方法や管理職として求められる心構え、管理職の役割も紹介するので、ぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.管理職の階層によって必要となる能力の比率
  2. 2.管理職の役割
  3. 3.管理職のあるべき姿
  4. 4.管理職としての心構え
  5. 5.管理職に求められる3つの能力とは?
  6. 6.求められる能力を身につけてもらう方法
  7. 7.管理職に能力を身につけてもらうには研修がおすすめ
  8. 8.管理職の能力を向上する研修事例
  9. 9.まとめ


管理職の階層によって必要となる能力の比率

カッツモデル:職位と能力の関係性

管理職に求められるスキルを提唱した「カッツモデル」によると、管理職には以下の3つのスキルが必要です。


  • テクニカルスキル……業務遂行能力
  • ヒューマンスキル……対人関係能力
  • コンセプチュアルスキル……概念化能力


「カッツモデル」によると、社員に求められる能力は役職に応じて変化します。
例えば経営層ではコンセプチュアルスキルがより多く求められますし、一般職ではテクニカルスキルが重要視されます。管理職はその間に位置し、コンセプチュアルスキルとヒューマンスキル、テクニカルスキルがバランスよく求められるポジションです。また、ヒューマンスキルはどの階層でも等しく求められます。


経営層

経営層は、コンセプチュアルスキルが多く求められるポジションです。
会社のトップである経営層は、事業が成果を出せるように戦略を策定する必要があります。そのためには、複雑なビジネス環境をしっかりと分析し、論理的な思考に基づいた根拠のある経営戦略を策定することが重要です。また、経営層が常識や既成概念にとらわれないアイディアを生み出せれば、企業の競争力が向上し、イノベーションの創出につながります。
ただし、コンセプチュアルスキルだけを身につけているのでは不十分です。管理職や一般社員と信頼関係を構築するヒューマンスキルや、現場を理解するのに必要なテクニカルスキルも忘れずに身につけておきましょう。

経営層への研修実施をお考えの方は、以下の記事もぜひご覧ください。
【事例あり】役員研修で取り扱うべき内容や研修目的を解説


ここからは、管理職に求められる能力を階層別に解説します。


課長~部長

課長〜部長層の管理職は、コンセプチュアルスキルとヒューマンスキル、テクニカルスキルの3つをバランスよく身につけることが求められます。
部署としての方向性を決定する場面や戦略を策定する場面では、コンセプチュアルスキルが重要です。コンセプチュアルスキルを用いて部署の直面する課題を洗い出し、解決に向けた効果的なアプローチを提案する必要があります。
また、提案したアプローチを実行するためには、周囲からの協力を引き出すことが重要です。そのためには、信頼関係を構築するヒューマンスキルが求められます。また、管理職がメンバーのサポートに入る際には、テクニカルスキルも重要です。

課長〜部長に向けた育成や研修の重要性については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
課長育成が重要な理由|求められるスキルや役割・育成のポイント
部長研修とは?内容や目的・事例を解説


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管理職の役割

管理職の果たすべき役割としては、以下の4つが挙げられます。


  • 自分の部署業務や成果の責任者
  • 部下の育成
  • 業務改善
  • 経営理念の浸透


ここからは、管理職に求められる役割を解説します。
なお、管理職の役割やあるべき姿についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
管理職の役割やあるべき姿とは?育成方法も紹介


自分の部署業務や成果の責任者

管理職は、自分の部署業務や成果の責任者としての役割を果たす必要があります。例えば営業部長であれば営業成績に対して責任を負いますし、経理部であれば企業の資金の動きを正確に管理するという責任を負います。 自分の部署の業務が円滑に進むよう、管理職が的確に指示を出したり、マネジメントしたりするのが大切です。日頃から、自分の担当している部署がどのような立ち回りを求められているのかを意識する習慣をつけ、役割認識を深めておきましょう。


部下の育成

管理職は、部下の育成を行う必要があります。 組織の中長期的な競争力を高めるためには、部署の次世代を担う社員の育成が欠かせません。例えば研修を実施する際には、「どのような能力育成が必要なのか?」といったように、現場サイドとして意見を求められることがあります。また、研修内容を社員に定着させられるよう、管理職が中心となって1on1ミーティングやフォローを実施する場合もあるでしょう。 また、OJTを通じた育成を実施する場合もあります。課長以上の管理職は直接OJTに携わることは少ないかもしれませんが、OJT全体の統括者として指示を出したり、マネジメントしたりする役割があります。


業務改善

業務改善も、管理職の重要な役割の一つです。 管理職は、部署で行っている業務の中に非効率な部分がないか常に意識しておく必要があります。もし業務の中に無駄を見つけたら、無駄の解消に向けて働きかけるのが重要です。また、業務の負担が一部のメンバーに偏っている場合には、業務量を調整しましょう。管理職が積極的に業務改善へ取り組むことで、部署の生産性が向上し、会社全体の業績改善につながります。


経営理念の浸透

経営理念を浸透させることも、管理職の重要な役割の一つです。 課長〜部長層の管理職は、経営層と現場をつなぐ存在としての立ち回りが求められます。管理職が経営層の方針を現場へ伝えることができれば、経営層と現場の距離が縮まり、会社全体として一体感が生まれるでしょう。 なお、経営理念を浸透させる際には、管理職自身の言葉で現場のメンバーに響かせることが重要です。経営層の示した方針をそのまま現場へ伝えるのではなく、管理職が経営方針を咀嚼することを意識しましょう。

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管理職のあるべき姿

管理職として求められる能力やマインドは多岐にわたりますが、あるべき姿として重要なのは次の5点です。


  • 目標設定や進捗管理ができる
  • 部下の育成やモチベーション管理をする
  • リーダーシップを発揮できる
  • 職場の雰囲気作りができる
  • 経営側と社員の橋渡しができる


まず、組織とメンバー双方の目標を設定し、進捗を確認しながら必要なリソース調達や環境づくり、介入支援をしていくことが求められます。その際には、業務支援だけでなく部下の育成やモチベーション向上も同時に行う必要があります。

また、管理職には自らリーダーシップを発揮し、他部署や会社全体を牽引していくことも求められます。自部署だけを見るのではなく、全社的な視点で課題解決をしていくことも管理職のあるべき姿の一つです。

同時に、職場の雰囲気を良好に保つことも管理職の役割です。
部下と上司、メンバー同士がお互いに話しかけやすい雰囲気を作り、メンバーが楽しく、いきいきと働ける環境を作りましょう。

最後に、経営側と社員の橋渡しも管理職の重要な役割の一つです。
経営側からのメッセージをそのまま社員に伝えるのではなく、社員にとって分かりやすく咀嚼して伝える力が求められるでしょう。

管理職のあるべき姿の詳細は以下の記事で詳しく説明しています。
管理職のあるべき姿とは|求められる能力やスキルの育成方法

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管理職としての心構え

管理離職として活躍するためには、プレイヤー意識を脱し、幹部候補としての高い視座を獲得することが重要です。また、自分らしいリーダーシップの発揮方法を見つけることも、管理職として活躍する第一歩となります。
ここからは、管理職に求められる心構えを解説します。


プレイヤー意識を脱する

管理職として活躍するためには、プレイヤー意識を脱する必要があります。 プレイヤー時代は、目の前の仕事を自分自身で的確にこなすことが評価されました。しかし、マネージャーとして活躍するためには、こうした認識を改めてもらうことが重要です。 マネージャーは、「自分で動く」のではなく、「周囲を動かす」ことによって成果を出す必要があります。どうすればチーム全体として最大の成果が出るのかを常に考えながら、適切な業務アサインやマネジメントを実践する意識が必要です。

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幹部候補としての視座を意識する

管理職は、幹部候補として必要な高い視座を意識することも重要です。 管理職として働く人材は、将来の企業を背負う幹部候補でもあります。幹部として成果を出すためには、部署や仕事単位で考えるのではなく、会社全体、ひいては社会全体を見据えた行動が必要です。 管理職の段階から視座を一段高めておけば、幹部として活躍する土台を形成することができます。幹部になったときスムーズに活躍できるよう、常に広い視野を持つクセをつけておきましょう。

幹部候補の育成方法については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
幹部候補の育成方法とは?選抜方法や人事が知っておくべきポイント


「自分らしさ」を基にメンバーを導く

「自分らしさ」を活かしたリーダーシップの発揮方法を見つけることも、管理職にとって重要なポイントの一つです。 人は誰しも、仕事をする際に発揮される「自分らしさ」があります。外部環境が複雑化している現代では、「自分らしさ」を活かした多様なマネジメントが企業の強みになります。型にはまったマネジメントを実践するのではなく、自分らしさを活かしてメンバーを導く方法を確立してもらいましょう。 そのためには、まず管理職自身が「どうありたいのか」という軸を持つことが重要です。研修などで自分らしさについて見つめ直してもらい、自分なりの「軸」を見つけてもらいましょう。


自分からコミュニケーションをとる

管理職に求められるマインドとして、自分からコミュニケーションをとる意識も挙げられます。 例えば部下と接する際も、「困っていることはない?」「わからないことがあったら教えるよ」といったように、積極的に管理職から話しかけるのが重要です。管理職が自分からコミュニケーションをとることで、「放置されていないんだ」という安心感を持ってもらえますし、メンバーからの信頼獲得につながります。 また、社内外の人材と自発的にコミュニケーションをとることも重要です。日頃から積極的に人脈を構築しておけば、協力関係が生まれやすくなります。また、ビジネスチャンスの拡大にもつながるでしょう。

管理職に必要なコミュニケーションスキルの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
管理職に必要なコミュニケーションスキルとは|コツやスキルの身につけ方を解説


風通しのいいチーム環境を作る

管理職は、風通しのいいチーム環境を作る意識も求められます。 風通しのいいチームを作ることで、メンバー同士のコミュニケーションが活性化します。そうすれば、メンバーの仕事に対するモチベーションが向上しますし、離職や退職を検討するきっかけを減らすこともできるでしょう。 また、風通しのいいチームでは、メンバーが失敗を恐れずに挑戦することができます。「失敗したら白い目で見られないだろうか」といった不安が軽減されるため、チーム内でさまざまな挑戦が生まれ、イノベーションにつながるアイディアが生まれやすい環境が形成されるのです。

風通しの良い職場にするための施策例や事例については以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。 『風通しの良い職場とは?施策例や事例、よくある勘違いをご紹介


成長意欲を忘れない

管理職として必要なマインドの一つに、成長意欲も挙げられます。 プレイヤー時代は、上司や先輩社員から仕事に対するフィードバックをもらい、それを通じて成長することができます。一方で管理職は、基本的にこうした「上から与えられる」ような成長機会がありません。 管理職は高い成長意欲がなければ、いつまでも能力が向上せず、時代に取り残されてしまうでしょう。自分に必要な学びは自分で取り組むという意識を持ってもらい、自律的な学習を促しましょう。 自律学習の重要性や自律学習を企業が支援するメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。

ぜひご覧ください。 『自律学習とは|企業が社員の自律学習を支援するポイント

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管理職に求められる3つの能力とは?

先述の「カッツモデル」によると、管理職には以下の3つのスキルが必要です。


  • テクニカルスキル……業務遂行能力
  • ヒューマンスキル……対人関係能力
  • コンセプチュアルスキル……概念化能力


このうち、ヒューマンスキルの構成要素としてはリーダーシップやファシリテーション、コーチングなどが挙げられます。また、コンセプチュアルスキルは論理的思考や批判的思考などの思考力から主に構成されています。
管理職として活躍するためには階層に応じてこれらの能力をバランスよく身につけるのが大切ですが、上位役職者になるほどテクニカルスキルの重要度は下がり、コンセプチュアルスキルの重要度が上がる傾向にあります。上位役職者になると組織やチーム全体の問題解決を担うことなり、現状把握能力や原因を究明する力、論理的に解決策を導き出す力が求められるからです。
ここからは、管理職に求められる3つの能力を解説します。


テクニカルスキル

管理職には、テクニカルスキルが求められます。
テクニカルスキルとは、いわゆる「業務遂行力」のこと
です。例えば営業職であれば、自社サービスや商品に関する知識や営業スキルなどが、テクニカルスキルの一例に当たります。マーケティングであれば、マーケティングに必要なツールを使う力や、統計の知識などがテクニカルスキルの一例です。
管理職にテクニカルスキルがあれば、周囲をサポートする際に役立ちます。OJTを実施する際にも、管理職自身が高い業務遂行力を備えておくことで、指導に説得力が生まれるのです。加えて、テクニカルスキルの高い管理職は、周囲から信頼を獲得しやすくなります。

テクニカルスキルの具体例や、向上させるコツは以下の記事で詳しく解説しています。
テクニカルスキルとは?3つの種類一覧と具体例・向上させるコツを解説


ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、対人関係能力のことを指します。一言でヒューマンスキルと言っても、それを構成する要素は多彩です。ヒューマンスキルには、例えば以下のようなものが含まれます。


  • リーダーシップ
  • ファシリテーション
  • コーチング
  • プレゼンテーション
  • コミュニケーション
  • 調整力


ヒューマンスキルを構成する要素を一つずつ詳しく解説します。

なお、ヒューマンスキルの要素一覧や、高める方法についてさらに知りたい方は、以下のページをご覧ください。
【研修事例】ヒューマンスキルとは?8つの要素一覧と高める方法


リーダーシップ

管理職は、高いリーダーシップを身につけておく必要があります。
リーダーシップとは、さまざまなメンバーが在籍するチームを一つの方向にまとめ、目標達成へ向けてチームを引っ張っていく能力です。
チームを確実にまとめるためには、メンバーとリーダーの間の信頼関係が欠かせません。管理職は積極的にメンバーとコミュニケーションをとって信頼関係を構築し、チームをまとめ上げる必要があります。管理職に高いリーダーシップがあれば、メンバーは安心して働くことができますし、いざというときの協力も引き出しやすいです。

リーダーシップについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
リーダーシップとは?種類やリーダーシップがある人の特徴、身につける方法


ファシリテーション力

ファシリテーション力も、管理職に欠かせないスキルです。
ファシリテーションとは、会議やディスカッションが有意義なものになるよう、場のデザインを行うことを指します。具体的には、椅子やテーブルの配置を通じて話しやすい雰囲気を作ったり、必要に応じて参加者に意見を求めて合意形成を図ったりします。また、アイスブレイクを実施して、参加者の緊張をほぐすのもファシリテーションの一例です。
管理職がファシリテーションを実践することで、部署で行う会議やディスカッションの生産性が向上します。無駄な会議が減ることで、業務効率改善が期待できるでしょう。

ファシリテーションの具体例や手法、事例などは以下の記事で詳しく解説しています。
ファシリテーションとは?必要なスキルや手法、事例をわかりやすく紹介


コーチング

管理職には、コーチングのスキルが求められます。
コーチングとは、相手の自主性を尊重した学びをマンツーマンでサポートすることです。コーチングを行う際には、「こうしてごらん」などと相手に直接答えを提示することはありません。その分、相手の気づきを促す質問やフィードバックを重視して、相手自身による学びを引き出します。
管理職が正しくコーチングを実践できるようになれば、部下育成のスピードが上がります。また、コーチングは主体性を持った部下を育成するのに適した手法です。そのため、管理職がコーチングを行うことでメンバーの主体性が向上し、仕事に対するモチベーションや部署の生産性に好影響を与えるでしょう。

コーチングの詳細は、以下の記事をご覧ください。
コーチングとは|メリット・デメリットや必要スキルについて紹介


プレゼンテーションスキル

プレゼンテーションスキルも、管理職にとって重要なスキルの一つです。
管理職は、部署の代表として社内外のさまざまな場面でプレゼンテーションが求められます。質の高いプレゼンテーションを行えば、それだけで「安心して仕事を任せられる部署だな」と思ってもらえるでしょう。また、部署の成果をわかりやすく周囲へ共有できるようになれば、会社全体の生産性向上にもつながります。
プレゼンテーション力を高めるためには、事前に情報を的確に整理したスライドを作成したり、聴衆に説得力を感じさせるような振る舞いを意識したりすることが大切です。

プレゼンテーション力を磨くアルーの研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
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コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も、管理職に必要不可欠な能力です。
管理職が高いコミュニケーション能力を備えていれば、周囲との信頼関係構築につながります。管理職は、社内の他の管理職や社外の関係者と折衝する場面が多いです。管理職が部署の代表、ときには会社の代表として周囲からの信頼を獲得できれば、ビジネスチャンスが広がったり、部署単位での協力関係を構築しやすくなったりします。
また、管理職が高いコミュニケーション能力を備えていれば、部下の育成や評価にも役立ちます。例えば、「部下のできている点とできなかった点をバランスよく伝える」「部下の悩みを的確に把握する」といった場面で、管理職のコミュニケーション能力が発揮されるでしょう。

管理職に求められるコミュニケーションスキルの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
管理職に必要なコミュニケーションスキルとは|コツやスキルの身につけ方を解説


調整力

管理職には、調整力も求められます。
仕事を進める際には、周囲と仕事内容やスケジュールを調整する必要があります。管理職は、部署の代表として社内の他の部署や社外と調整する機会が多いです。
対外的な調整の場面では、必ずしも利害関係が一致するとは限りません。利害の一致しない難しい状況でも、うまく双方が納得できる結論に達するよう、さまざまな角度から合意形成を図る必要があります。こうした納得度の高い調整を遂行するためには、管理職の調整力が欠かせないのです。

交渉が苦手、調整力を強化したいという社員には、ネゴシエーション研修を実施してみてはいかがでしょうか。アルーのネゴシエーション研修については以下のページでご確認ください。
ネゴシエーション研修

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コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルとは、目の前の複雑な事象を分析し、物事の本質を捉える能力です。日本語では、「概念化能力」と言われることもあります。
管理職には、高いコンセプチュアルスキルが欠かせません。コンセプチュアルスキルには、以下のような要素が含まれます。


  • 論理的思考(ロジカルシンキング)
  • 批判的思考(クリティカルシンキング)
  • 水平思考(ラテラルシンキング)
  • アカウンティング
  • 戦略思考
  • 課題設定力
  • 問題解決力
  • プロジェクトマネジメント


ここからは、管理職に求められるコンセプチュアルスキルの具体的な内容を解説します。

なお、コンセプチュアルスキルの詳細や鍛え方を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンセプチュアルスキルとは?高め方や具体例を一覧でわかりやすく解説


論理的思考(ロジカルシンキング)

管理職は、論理的思考力を身につけておく必要があります。
論理的思考力とは、物事について深く洞察した上で、筋道立った体系的な思考を展開する能力のことです。ロジカルシンキングとも呼ばれるこのスキルは、ビジネスを進める上でさまざまな場面で役立ちます。
例えば効果的なプレゼンテーションを作成する際には、論理的思考を用いて情報を構造化し、整理することが大切です。管理職として意思決定を行う際も、論理的思考によって意思決定に必要な情報を整理して考えれば、説得力のある決断を下すことができます。

ロジカルシンキングのメリットや基本となる考え方、鍛え方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ロジカルシンキングとは?メリットや基本的な考え方・鍛え方について紹介


批判的思考(クリティカルシンキング)

批判的思考も、管理職に欠かせない能力の一つです。
批判的思考とは、「〇〇なのではないか?」と疑問を投げかけることを通じて、物事の本質を見抜く力を指します。クリティカルシンキングとも呼ばれることもあり、ビジネスでは論理的思考と並んで重要な能力の一つです。
管理職に高い批判的思考力があれば、意思決定の質が向上します。これまで「なんとなく」で判断していた事柄も、批判的思考の枠組みを用いて洗練させることで、より最適解に近い結論を出すことが可能です。また、批判的思考によって、コミュニケーション力や問題解決力を高めることもできます。

クリティカルシンキングの概要や鍛えるメリット、研修の内容は以下の記事で詳しく解説しています。
クリティカルシンキング研修とは?目的や内容・ポイントをご紹介


水平思考(ラテラルシンキング)

管理職には、水平思考の能力も求められます。
水平思考とは、常識や既成概念にとらわれず、与えられた情報に基づいた客観的な思考を展開する能力のことです。ビジネスの現場では「ラテラルシンキング」と呼ばれることもあります。
水平思考を鍛えることで、固定概念や既存の論理にとらわれない、柔軟な意思決定ができるようになります。複雑な状況での意思決定が求められる現代のビジネス環境では、重要度の高い能力です。


アカウンティング

管理職に求められる能力として、アカウンティングが挙げられます。
アカウンティングとは、会計や経理を意味する単語です。具体的な仕事内容としては、経営成績や財務状態などを管理したり、物品の在庫状況を記録したりすることを指します。
管理職がアカウンティングの知識を身につけておくことで、財務や経理との連携がスムーズになり、部署の生産性が向上するでしょう。


戦略思考

戦略思考も、管理職に必要な力の一つです。
現代のビジネス環境は、新しいIT技術やビジネスモデルが次々と登場する変化の激しい環境です。こうした環境でビジネスを成功させるためには、高い戦略性を持ったビジネス計画を策定することが欠かせません。
管理職には、「今まで通り」「現状維持」といった考え方から脱却し、自ら戦略を策定することが求められます。こうした戦略思考の力は、将来経営層に抜擢された際にも役立つでしょう。

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課題設定力

管理職に必要なコンセプチュアルスキルの一つとして、課題設定力も挙げられます。
ビジネスでは、多くの物事が絡み合った複雑な課題に直面する場面が多いです。管理職は、こうした複雑な課題をシンプルな要素に一つずつ分解し、部署として取り組むべき課題を定義する必要があります。管理職が的確に課題設定を行うことで、メンバーは「自分が何に取り組むべきなのか」を明確に認識できるのです。


問題解決力

管理職には、問題解決力も求められます。
ビジネスは、問題解決の連続と言っても過言ではありません。日々直面するさまざまな問題に対して適切な解決策を考え、それを着実に実行することが求められます。
特に管理職の場合は、あるべき姿から問題を設定する「設定型問題」が必要です。設定型問題は、より高いレベルのあるべき姿を自ら設定し、そのあるべき姿に到達するために設定されるギャップ(問題)のことを指します。現状に満足せず、よりよくするためにはどうすればよいかを考え、自ら行動していく力が求められます。
また、チーム視点での問題解決ができるよう、視座を高めておくことも重要です。部署として今どのような問題に直面していて、解決のためには誰に何ができるのかを日々考えるクセをつけておきましょう。

問題解決力のトレーニング方法や基本の3ステップは、以下の記事で詳しく解説しています。
問題解決力とは|トレーニング方法・鍛えるメリット・基本の3ステップ


プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントも、管理職に必要なコンセプチュアルスキルの一つです。プロジェクトが円滑に進行するよう、業務の割り振りや進捗状況の管理、スケジュール調整を行う必要があります。
また、プロジェクトにはさまざまな能力を持ったメンバーが集まります。管理職はプロジェクトの成功に向けて、メンバーそれぞれの能力を的確に把握することが重要です。管理職がメンバーの適性を理解することで、適切な業務アサインにつながります。

プロジェクトマネジメントのスキルを高める研修の実施方法や成功ポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
プロジェクトマネジメント研修とは|目的や方法、成功のポイント


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求められる能力を身につけてもらう方法

管理職に必要な能力を身につけてもらうための方法としては、以下の5つが挙げられます。


  • 経験から学んでもらう
  • 管理職研修を実施する
  • 管理職同士の交流の場を作る
  • コーチングを実施する
  • 自己啓発支援制度を導入する


ここからは、管理職に必要な能力を獲得させる方法を解説します。


経験から学んでもらう

管理職に必要な能力を獲得してもらう方法として、経験から学んでもらうことが挙げられます。
例えば部長としての活躍が期待される社員を副部長に抜擢し、能力を磨いてもらうという方法です。副部長として部長の仕事を補佐することで、部長の具体的な動き方やリーダーシップの発揮方法を学ぶことができます。ときには部長の代わりに仕事をこなすことで、部長として必要な能力を徐々に伸ばすことができるでしょう。この他にも、管理職や経営層としての活躍が期待される人材を、新規事業のトップに就任させるケースもあります。


管理職研修を実施する

管理職に必要な能力を獲得させるために、管理職研修を実施することもおすすめです。
管理職研修を実施することで、管理職として必要な能力を効率的に獲得させることができます。管理職就任前に一律で研修を実施することで、管理職間の足並みを揃えることも可能です。
管理職研修を実施する際には、現場での実践を想定した演習を積極的に盛り込むのがポイントです。日常業務で忙しい管理職は、研修内容を思い出す時間が捻出できなかったり、現場で実践する余裕がなかったりします。研修時間内で演習に取り組んでもらい、管理職として必要な行動を定着させることが大切です。

管理職研修の目的や内容、ポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
【事例あり】管理職研修の目的とおすすめの内容は?3つの成功ポイント


管理職同士の交流の場を作る

管理職を育成する際には、管理職同士の交流の場を作るよう意識してみましょう。
例えば週に1回程度、管理職同士のミーティングを行うといった施策が考えられます。余裕がない場合は、月に1回程度の頻度でも構いません。定期的に管理職同士で集まってもらい、部署間の情報交換を行ってもらいましょう。
また、管理職同士の交流の場があれば、現場で直面しているトラブルを共有することもできます。トラブル対処のノウハウを管理職同士で共有し、スムーズな問題解決につなげましょう。


コーチングを実施する

管理職を育成する際には、コーチングを実施することもおすすめです。
コーチングを実施する場合は、管理職に対してマンツーマンでコーチを配属します。マンツーマンで指導を行うことで、一人ひとりに合った成長を促すことが可能です。例えばリーダーシップの発揮方法や、メンバーとのコミュニケーションスタイルは、人それぞれで違いがあります。コーチングによって個別の育成を行うことで、管理職それぞれの課題に対応した育成ができるのです。

コーチングの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
コーチングとは|メリット・デメリットや必要スキルについて紹介


自己啓発支援制度を導入する

自己啓発支援制度を導入することも、管理職を育成する際の方法の一つです。
具体的には、書籍購入や資格取得に対して補助を出すといった制度が考えられます。書籍や資格を通じた自己研鑽を後押しすることで、主体性を持った管理職を育成することが可能です。
このほか、社員同士の勉強会に補助を出したり、セミナーへの参加費を会社が負担したりといった方法もあります。

社員の能力を引き上げるためには、自己啓発支援が有効です。自己啓発支援の方法や具体例については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
自己啓発とは?自己啓発支援の方法や具体例・実施企業事例をご紹介

特に管理職には、自己啓発支援制度を利用して資格取得に取り組んでもらうのがおすすめです。管理職におすすめの資格は下記の記事で紹介しています。
管理職が取るべき資格は?分野別のおすすめや取得時の注意点を紹介!


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管理職に能力を身につけてもらうには研修がおすすめ

管理職に必要な能力を伸ばすためには、研修の実施がおすすめです。
管理職に求められる能力は多岐にわたります。そのため、こうした能力の育成をすべて現場任せにするのは難しいです。研修を実施することで、管理職に必要な能力を体系的に伸ばすことができるのです。
弊社アルーでは、管理職育成のための研修プログラムを豊富にご用意しています。アルーの提供している研修プログラムは、それぞれの企業のニーズに合わせて柔軟に研修内容をカスタマイズできることが特長です。

アルーの管理職研修は、以下のページから詳しくご確認いただけます。
管理職研修

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  管理職研修サービス資料ダウンロード 管理職研修のサービス資料をダウンロードいただけます。管理職におすすめの研修プログラムのご紹介のほか、管理職研修の設計のポイントもお伝えします。 アルー株式会社


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管理職の能力を向上する研修事例

アルーでは、これまでにさまざまな業界で管理職の研修を実施してまいりました。ここからは、その中から特に参考となる事例を3つピックアップして紹介します。
管理職研修の具体例を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


東急株式会社 管理職研修事例

東急株式会社様では、外部環境が激しく変化する現代に必要な「インサイドアウトのリーダーシップ」を管理職に身につけさせたいと考えていました。そこで、次世代経営者となる東急グループの部長や部長候補者を対象とした研修を実施しています。
本事例では、東急グループのDNAと自分自身のつながりを理解するワークを実施しました。その後、参加者が立てた組織の変革ビジョンを講師と壁打ちする1on1も実施しています。
本事例の詳細は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
【導入事例】経営人材の鍵は、矛盾を両立するインサイドアウトのリーダーシップ(東急株式会社)


ポーラ化成工業株式会社 女性管理職研修事例

女性活躍を推進したいと考えていたポーラ化成工業株式会社様では、選抜人材となっている生産系の女性約18名を対象とした研修を実施しました。
本事例では、まず傾聴の姿勢を身につけてもらうワークを実施しています。誰かが話していることに深く共鳴する姿勢を身につけてもらい、管理職として必要なコミュニケーションスキルの習得を促しました。このほかにも、メンバー主体のグループワークを数多く実施して、管理職として求められる主体性の育成に取り組んでいます。
本事例の詳細は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

【導入事例】女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する(ポーラ化成工業株式会社)


コスモ石油株式会社 管理職研修事例

コスモ石油株式会社様では、「他責から自責」をテーマとしたライン長を対象とした研修を実施しています。
本事例ではあえて技術系と事務系のライン長に一度に集まってもらい、両者の交流を促しました。ライン長同士の交流を促すことで、お互いの理解を深めてもらうとともに、違う組織形態の中で働いている仲間がいることを実感してもらっています。
さらに、メンバーそれぞれの思いを踏まえたリーダーシップの発揮方法についても学んでもらいました。本事例の詳細は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
【導入事例】信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社)


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まとめ

管理職に必要な能力やスタンス、能力育成の方法などを解説しました。
管理職は、コンセプチュアルスキルやヒューマンスキル、テクニカルスキルを、階層に応じてバランスよく身につけるのが重要です。研修や自己啓発制度などを実施して能力育成の機会を提供すれば、管理職として必要な能力を効率よく育成することができるでしょう。その際には、研修だけで完結させるのではなく、現場での実践を意識するのも大切です。ぜひこの機会に、管理職として求められる能力に対する理解を深め、効果的な人材育成につなげてください。


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アルー株式会社
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20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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