外国人向け研修を効果的に行うポイント|目的や事例、テーマ例は?
グローバル化が進む昨今では、外国人向け研修の実施を検討する企業が増えてきています。日本人社員と異なる点も多い外国人社員が円滑にコミュニケーションを取り、効率的に仕事を進めていくためにはどういった研修が効果的なのでしょうか。
この記事では、外国人向け研修を効果的に実施するために知っておきたいポイントや研修の目的、事例やテーマ例などを詳しく解説します。
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外国人向け研修の目的
外国人向け研修を実施する目的としては、日本人ビジネスパーソンとの信頼関係構築や日系企業の文化に対する理解の醸成などが挙げられます。また、日系企業のビジネスマナーを学んでもらうのも研修の重要な目的の一つです。
まずは外国人向け研修を実施する目的をいくつか確認していきましょう。
日本人のビジネスパーソンとの信頼関係を築く
外国人向け研修を実施する目的として、日本人のビジネスパーソンとの信頼関係構築が挙げられます。
ビジネスを効率的に進めていくためには、信頼関係の構築が欠かせません。信頼関係のあるチームはコミュニケーションも円滑に進みますし、わからないことがあれば何でも質問できるような風土も形成されます。
研修を通じて、日本人と外国人の間にどういった文化的な違いがあり、効果的なコミュニケーションを取るためには何を意識すればよいのかを知ってもらいましょう。これによってコミュニケーションミスや仕事上でのトラブルが減り、信頼関係構築を促進できます。
日系企業の文化理解
日系企業の文化理解も、外国人向け研修を実施する目的の一つです。
日本国内と海外では、ビジネスの進め方にも大きな違いがあります。またプロセス面での違い以外にも、重要とされる事柄の違いや価値観の違いもあるでしょう。外国人の社員が日系企業で活躍するためには、こうした日系企業の文化を理解してもらう必要があります。
日系企業にはどのような価値観や風土があるのかを、研修を通じてしっかりと伝えておきましょう。
日系企業のビジネスマナーを学ぶ
外国人向け研修の実施目的として、日系企業のビジネスマナーを学んでもらうというのも挙げられます。
外国人社員が直面する大きな困難の一つが、日本国内と海外におけるビジネスマナーの違いです。一般的に日系企業では、多くの細かなビジネスマナーが存在します。お辞儀の方法や名刺の渡し方など、基本的なビジネスマナーであっても習得するには時間が必要です。
日系企業で求められるビジネスマナーを研修でしっかり習得してもらえば、仕事上でのトラブル防止や相手からの信頼獲得につながるでしょう。
外国人スタッフに研修を行う重要性
外国人向け研修を実施する際には、研修を実施することの重要性を理解しておく必要があります。外国人スタッフに研修を実施する重要性はいくつかありますが、中でもリテンションやトラブル防止、ハラスメント防止といった観点は重要です。外国人向け研修を実施することの重要性を解説します。
リテンションにつながる
外国人向け研修を実施すれば、外国人社員の流出を防ぐリテンションにつながるメリットがあります。
リテンションとは、人材の流出を防止するために実施する施策のことです。人材を採用する際には、求人を出したり選考を実施したりするのに多くのコストがかかります。そのため、優秀な社員をリテンションによって企業内にとどめておくことはとても重要です。
日系企業で働く外国人社員が離職を考える要因の1つは、日系企業特有の商習慣やコミュニケーションスタイルとのミスマッチがあります。このストレスが改善されないと、外国人社員が非日系企業に転職することに繋がります。そのため、外国人社員に日系企業の商習慣理解やコミュニケーションの取り方を学んでもらうことが必要なのです。日系企業で働くために必要なスキルを一通り習得できれば「安心して働けるな」と感じてもらえますし、離職を考えるきっかけを減らすことができるでしょう。
社内外のトラブルを防止できる
社内外のトラブルを防ぐという点からも、外国人向け研修の実施は重要です。
外国人社員が日系企業で活躍する際に直面するのが、ビジネス上のトラブルです。
例えば、東南アジアの国では会社で毎日顔を合わせるような場合、挨拶をしないことが普通です。そのような場合に「挨拶ができていなくてやる気がない」というような評価をされてしまったり、「顧客に挨拶をしなかったためクレームになった」などのトラブルにつながったりする可能性があります。
日系企業の文化などを研修で伝えておかなければ、日本とは異なる環境で育ってきた外国人社員は日系企業の文化に適応できないまま仕事を進めてしまいかねません。また、コミュニケーションミスによるトラブルもありがちです。
研修を通じて日系企業へどう適応していくべきなのかを伝え、外国人社員が直面しがちなトラブルを未然に防ぎましょう。
ハラスメントを防止できる
外国人向け研修を実施すれば、ハラスメントの発生を防止できます。
ハラスメントは、企業にとって大きなリスクとなります。ハラスメントが発生してしまった場合、ハラスメントの被害者は休職や離職を考えるきっかけとなりますし、ハラスメント事案が社外へ公表されることによる対外的な信頼低下なども招きかねません。
特にありがちなのが、日本人上司と外国人部下のコミュニケーションがうまくいかず、外国人社員が上司からパワハラを受けるケースです。研修によって周囲とどのようにコミュニケーションを取るべきなのか伝えれば、信頼関係の構築もスムーズになり、ハラスメントの防止につながります。
コミュニケーションが円滑になる
外国人向け研修を実施すれば、コミュニケーションに関する課題解決につながります。
外国人社員の中には、「日本語に自信がない」という語学面の不安からコミュニケーションが取りづらくなってしまうケースもありますし、メールやチャットツールなどによる連絡の感覚が日系企業と異なる場合もあります。
研修を通じて、外国人社員に日本人のコミュニケーションの傾向、例えば「ハイコンテクスト」や「非言語コミュニケーションの意味合いの違い」などを理解してもらうことが重要です。これにより、文化的な違いからくる誤解を避け、より円滑なコミュニケーションを実現することができます。
具体的には、「ハイコンテクスト」の文化では、言葉だけでなく、その背景や状況、非言語的な要素も重要な意味を持つことを理解することが求められます。例えば、日本では「善処します」や「前向きに検討します」といった曖昧な表現がしばしば使われますが、これは直接的な否定を避けるための配慮からきています。このような表現を理解し、適切に対応することで、円滑なコミュニケーションを実現することができます。
また、「非言語コミュニケーションの意味合いの違い」も理解することが重要です。例えば、目線の使い方や身体の接触、スペースの使い方などは文化によって意味が大きく異なることがあります。これらの違いを理解し、適切に対応することで、文化的な誤解を避けることができます。
非言語コミュニケーションについて詳しくは以下のページをご覧ください。
『非言語コミュニケーションとは?重要性やビジネスでの活用例を解説』
よくある異文化コミュニケーションの失敗例については以下のページをご覧ください。
『海外駐在社員によくある異文化コミュニケーションの失敗例と解決策』
仕事へのモチベーションが上がる
外国人向け研修を実施して周囲とコミュニケーションを取ってもらえば、仕事に対するモチベーション維持につながります。
外国人社員にありがちな課題として、周囲とコミュニケーションが取りづらいことによるモチベーションの低下があります。周囲に相談できる社員がいなかったり、職場へ馴染めなかったりして、離職を選択する外国人社員も少なくありません。
研修を通じて日本の職場環境へどう馴染んでいけばよいのかを伝え、日本人社員と外国人社員が打ち解けるチャンスを作っていきましょう。
外国人向け研修を効果的に行うポイント
外国人向け研修を実施する際には、いくつかの気をつけておきたいポイントが存在します。外国人向け研修を有意義なものにする上で意識したいポイントを5つ、解説します。
目的や研修後の理想像は最初に伝える
外国人研修でありがちな失敗が、「やりたい内容を手当たり次第に詰め込んだ結果、結局研修の着地点がわからなくなってしまった」というものです。単発の内容を数多く盛り込んでも、体系的な人材育成にはつながりません。
外国人向け研修を実施する際には、研修の目的や研修後の理想像を最初に伝えるよう意識しましょう。「この研修を受講すれば日本人社員との関わり方が見えてきます」「研修後には、〇〇などのビジネスマナーが身についているのが理想です」といったように、研修の冒頭で説明するのがポイントです。
日本語・英語(現地語)の両方に対応する
日本語に不慣れな外国人社員がいる場合、同じ内容の研修を日本語と英語の両方で実施するのがおすすめです。外国人社員にとっても、自分が慣れている言語のほうが内容を理解しやすいですし、言語の理解にリソースを割く必要がないため記憶も定着します。英語が母国語でない外国籍社員が多い場合は現地語でも準備するとなおよいでしょう。
なお、日本語と英語の両方で研修を実施する際には、クラスによって教育の差にばらつきが出ないよう注意しましょう。日本語クラスを担当する講師と英語クラスを担当する講師の両方が、しっかりと研修の全体像や内容を理解している状態にするのが重要です。
ロールプレイングをとりいれる
研修を実施する際に、学んでほしい内容を座学で詰め込んでもらうだけだと効果的ではありません。特に、外国人向け研修では学んでほしい事柄が多く講義の時間を長めに取りがちです。しかし、話を聞くだけではなかなか内容は理解できませんし、知識を実務に使える状態にまで持っていきづらいです。
外国人向け研修を成功させるためには、ロールプレイングなどのアウトプットを実施する機会を豊富に取り入れるのがおすすめです。ビジネスマナーやコミュニケーションのロールプレイングを実践しながら、研修内容の職場における活かし方をつかんでもらいましょう。
定期的に研修を行う
外国人向け研修を実施する場合、単発で実施するのではなく複数回に分けて、定期的に研修を実施するのがおすすめです。定期的に研修を実施すれば、外国人社員と日本人社員が定期的にコミュニケーションを取る機会を作ることができます。結果として信頼関係の構築が進み、仕事がスムーズになるでしょう。
また、定期的な外国人向け研修があれば、外国人社員同士で課題を共有する場にもなります。外国人社員という同じ立場で情報共有をしてもらえば、職場で直面しがちな課題も解決しやすいです。
受け入れる側の日本人向けにも研修を行う
外国人社員に日系企業で活躍してもらうためには、外国人社員を受け入れる側である日本人社員のマインドセットも重要です。とりわけ、多様性を受け入れる心構えができているかどうかは、外国人社員が安心して働けるかどうかに大きく関わってきます。
外国人向け研修と同時に、受け入れる側の日本人を対象としたグローバルマインドの醸成研修などを実施してみてください。日本人社員にグローバルマインドが醸成されれば、外国人とコミュニケーションを取ることに対する苦手意識も解消され、お互いがより円滑に仕事を進められるようになります。
グローバルマインドの醸成研修について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
『グローバルマインド研修とは|目的や内容、事例をご紹介』
日本人社員を対象にぜひ実施したいグローバルマインド醸成研修のプログラム例などは、以下のページから詳しくご覧ください。
グローバルマインド醸成研修(基礎編)のプログラム詳細
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外国人向け研修でとりあげたい研修テーマ例
外国人向け研修を実施する目的や、研修を実施する際に意識したいポイントを解説しました。では、具体的に外国人向け研修ではどういったテーマを取り上げるのがよいのでしょうか。
外国人向け研修で取り入れたいテーマは、企業理解や企業理念の浸透、ビジネスマナーなど多岐にわたります。外国人向け研修で取り上げたい研修テーマ例を解説します。
自社を理解する
外国人向け研修では、まず自社に対する理解を扱うのがおすすめです。自社の理解としては、例えば自社の事業内容や歴史について一通り説明し、自社にどのような文化があるのか知ってもらうといった内容が考えられます。
外国人向け研修を通じて自社に対する理解を深められれば、自分自身が取り組んでいる仕事が持つ役割や意義も感じやすくなるでしょう。さらに、外国人向け研修の目的の一つであるリテンションにもつながります。
企業理念の浸透
企業理念の浸透も、外国人向け研修でぜひ取り上げたいテーマです。
企業理念は、企業が行う事業活動のすべてに通底する基盤のような存在です。社員にとって魅力的な企業理念を提示できれば仕事に対するモチベーションが向上しますし、企業理念に共感してもらえれば外国人社員も含めて全社員が一つの方向を目指せるようになります。
自社はどのような理念を掲げているのかを知ってもらうことに加え、なぜその理念があるのか、理念はどのように事業へ反映されているのかなどを伝えましょう。
また、理念を押し付けるのではなく、社員のやりたいことや価値観と理念の重なりを見つけてもらうことが重要です。外国人社員が理念を自分なりに解釈し、自分の言葉で話せるようになることを目指すと良いでしょう。
アルーの提供している海外理念浸透プログラムは、以下のページからご覧いただけます。
海外理念浸透プログラムの詳細
▼資料ダウンロードはこちら
日本のビジネスマナー
日本のビジネスマナーも、外国人向け研修ではぜひ取り上げましょう。
外国人社員は日本国内と海外におけるビジネスマナーの違いに直面しがちです。日本で求められるような細かいビジネスマナーを習得してもらうには、企業がしっかりと研修を実施して、ビジネスマナーが身につくまで練習させることが欠かせません。
おじぎや名刺の渡し方など基本的な部分から始め、必要に応じてロールプレイングなどを取り入れながら定着を促すのがポイントです。
外国人向けの日本のビジネスマナーに関するプログラムは、以下のページで詳しく確認いただけます。
【日系企業で働く外国人向け】日系企業のビジネスマナーeラーニングプログラム
日本語語学理解
外国人向け研修では、日本語語学理解も扱うとよいでしょう。
外国人社員にとって、母国語とは異なる日本語でコミュニケーションを取るのは難しいことです。しかし、日本語を理解できなければ業務内容を把握しづらいですし、職場へ馴染みにくいといった問題も起こります。日本語の能力は、日系企業で外国人社員が活躍する際の大きなハードルの一つです。
日本語のレベルには、外国人社員の間でも大きな差があることが多いです。挨拶などの基本を扱うクラス、応用的な会話を扱うクラス、などいくつかのクラスに分けて実施するのがおすすめです。
日本企業とのコミュニケーションの仕方
日本企業とのコミュニケーションの仕方も、外国人向け研修を通じてぜひ伝えるべき内容の一つです。
日本国内と海外では、企業とのコミュニケーション方法も大きく異なります。海外の職場であれば当然とされている事柄でも、日本国内では問題視されてしまう場合が少なくありません。こうした文化の差によるトラブルは相手方の印象を損なうことに加え、外国人社員のモチベーション低下も招いてしまいます。
日本企業と良好な関係を築くためのノウハウを知ってもらい、文化の差によるトラブルを防ぎましょう。
外国人向けのコミュニケーション研修のeラーニング教材は、以下のページで詳しくご確認いただけます。
【日系企業で働く外国人向け】日本人とのコミュニケーションeラーニングプログラム
日本企業の仕事の進め方(PDCAサイクル)
外国人向け研修では、日本企業における仕事の進め方を学んでもらうのもおすすめです。
日本企業では、海外では馴染みの薄い仕事の進め方をしているケースが多々あります。例えば日本企業では当たり前とされているPDCAサイクルなども、外国人社員にとっては初めて触れる概念であることが多いでしょう。
仕事を進める手順が理解できれば、日本で働くことに対する不安感を和らげることができます。また、研修の最後で実際に職場を見学してもらい、現場で活躍するイメージを持ってもらうのもよいでしょう。
日本のビジネス文化を理解する
外国人向け研修では、日本のビジネス文化を理解してもらうのもおすすめです。
日本には、独自のビジネス文化が存在することがあります。例えば「名刺交換」「席次」などは、外国人の社員にとってほとんど馴染みのない概念でしょう。こうしたビジネス文化を知らないと、取引先とのトラブルといった事態も招きかねません。
研修を通じて、ビジネスにはどのような作法があるのかを伝えておきましょう。ビジネスシーンでのマナーはもちろん、食事の作法など日本文化全般について理解してもらうのもおすすめです。
日本のビジネス文化を理解するためのeラーニングプログラムについては、以下のページをご確認ください。
【日系企業で働く外国人向け】日本の職場文化理解 eラーニングプログラムの詳細
外国人向け研修の対象者
一言で外国人社員といっても、対象となる外国人社員の状況は様々です。外国人向け研修を効果的に実施するためには、対象となる外国人社員についてよく理解することが欠かせません。外国人向け研修の対象者を詳しく解説します。
日本で就職し日本文化やビジネススキルを学びたい外国人社員
外国人向け研修の対象者として、日本で就職している外国人社員が挙げられます。日本で就職している外国人社員の場合、一年前後の短期で帰国するというよりも、中長期的に日本でキャリアを築いていきたいと考えている社員がメインです。日本文化やビジネススキルを身につけたい社員も多いでしょう。
こうした外国人社員を対象とした外国人向け研修では、日系企業におけるコミュニケーション方法はもちろん、ビジネスマナーや作法などを踏み込んで教えるのが効果的です。また、居心地のよい職場であれば長く働いてもらえる可能性も高いため、リテンションにも注力しましょう。
今年度の新入社員や勤務2年未満の外国人社員
今年度の新入社員や勤務2年未満の外国人社員を対象とした研修を実施する場合もあります。こうした社員が対象となる研修では、まず職場の心理的安全性を高めることに注力してみましょう。
特に勤務1年目は、「職場に馴染みづらい」といった課題を抱きがちな時期でもあります。定期的に研修を実施するなど、職場での居心地のよさを感じてもらえるような研修内容となるよう工夫してみてください。
留学生として来日しアルバイトをしている外国人社員
外国人社員の中には、留学生として来日してアルバイトをしているケースがあります。こうした社員を対象として研修を実施する場合も多いです。
留学生として来日しているケースでは、外国でのビジネス経験も浅い場合が多いため、まずは基本的なビジネスマナーなどを丁寧に教えるのがおすすめです。また、留学生の場合には日本語のスキルにも差があります。必要に応じて日本語と英語でのクラス分けを行うのもよいでしょう。
海外現地法人に勤務する外国人社員
海外現地法人に勤務する外国人社員を対象とした研修を実施するケースもあるでしょう。海外現地法人へ勤務する外国人社員にありがちな課題としては、「与えられた仕事をこなすだけになりがち」「企業の一員だという実感を持ってもらえない」というものが挙げられます。
そのため、このケースでは企業理解や企業理念の浸透などに力を入れてみてください。自社がどのような価値観を持っているのか理解してもらえれば、企業の一員という自覚を芽生えさせることができます。
日本本社に出張、研修または転籍した海外現地法人の外国人社員
外国人向け研修として、日本本社で働いている海外現地法人の社員を対象とするケースがあります。こうした外国人社員の場合、ビジネス経験が豊富にあるものの、日本国内での勤務経験が浅いケースが多いです。そのため、日本のビジネススタイルに適応できないといった課題が起こります。
このような場合は、日系企業におけるビジネスマナーや仕事の進め方の理解などを中心に学んでもらいましょう。日本での仕事の進め方に慣れてもらえれば、外国人社員が活躍できる幅も広がります。
アルーの外国人向け研修事例
アルーは、グローバル人材育成を始めとした人材育成を数多く手掛けている企業です。階層別研修などのオーソドックスな育成施策はもちろん、外国人向け研修の研修実績も豊富にございます。ここでは、アルーがこれまでに実施した外国人向け研修の中から、特に参考となる事例を2つご紹介します。
TANAKAホールディングス株式会社様
TANAKAホールディングス株式会社様では、海外拠点のナショナルスタッフの選抜者を対象とした外国人向け研修を実施しました。本研修では日本語クラスと英語クラスの2つを用意して、マネジメントに必要なスキルを幅広く身につけてもらったのが特徴です。
研修は、まずナショナルスタッフに「グループの一員だ」という意識を持ってもらうところからスタートしました。また、拠点間をまたいだ横のつながりを醸成するため、受講者同士が楽しくコミュニケーションを取れる仕組みを盛り込んでいます。
本研修事例は、以下のページでさらに詳しくご紹介しています。
ナショナルスタッフに教育の機会を! スキルアップと横同士のつながりを実現 TANAKAホールディングス株式会社様 導入事例
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ミズノ株式会社様
ミズノ株式会社では、経営戦略の一つとして「グローバル事業の強化」を掲げています。そのために、グローバル事業の「人」の強化に重点を置いています。
2019年にグローバル人事担当が編成され、「人」の強化には共通の思いが大切であり、同じ方向を見据えて取り組む体制を作る必要があると考え、2022年は DNA Workshop を実施し、毎月海外現地法人のHRが集まる One HR Meeting を開催し、2023年にはさらに Global One HR Conference を実施しました。
プログラム実施後には、「自発的なコミュニケーションが増加した」などの効果が得られました。
グローバル事業強化の要として、 本社と海外現法のHRが One Team となるための Global HR Conference ミズノ株式会社様 導入事例
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外国人社員が日本企業に馴染むための研修事例
外国人社員が日本式ビジネスに適応できていない、モチベーションが低下してしまったという課題解決のために実施したのが、アルーの日本企業に馴染むための外国人向け研修です。本事例では2日間に分けて研修を実施し、入社後間もない外国人社員だけでなく、外国籍社員を部下に持つ管理職や、社歴の長い外国人社員にも参加してもらっています。
研修中は、日本の特徴である長期雇用や年功序列、「和」の文化などを説明した後、日本的経営の基礎となる文化を理解するワークに取り組んでもらいました。また、2日目では異文化コミュニケーションにも焦点をあて、管理職には多様な部下をマネジメントする方法についても考えてもらいました。
本事例のカリキュラムの詳細は、以下のページで詳しく紹介しています。
外国籍社員が馴染みやすい職場へ~情報・通信業の研修事例~
企業が外国人受け入れにあたって行うべき施策
日本の企業が外国人社員を受け入れるにあたっては、人事制度の構築、組織改革、人材育成の三つの分野で施策を実施する必要があります。それぞれについて、外国人社員が何を不満に感じるのか把握し、その不満に対する施策を打てるようにしましょう。
人事制度の構築
人事制度において外国人社員がよく不満に思うこととしては、ダブルスタンダードの待遇や低い給与、福利厚生に関する不満が挙げられます。これらを解消するため、公正で透明性の高い給与体系と昇格基準の確立、評価制度の見直し、キャリアデベロップメントの機会の提供、組織体制の再編を行うべきです。
組織改革
組織に対する不満として、日本文化への適応の困難さ、企業文化の閉鎖性、偏見や贔屓などの問題に対処する必要があります。これを解決するためには、企業のミッション、ビジョン、バリュー(MVV)や理念の徹底した浸透を図ることが重要になります。プラスして、エンゲージメント向上のための施策の導入が効果的です。
エンゲージメント向上には異文化交流プログラムや、日本語・英語でのコミュニケーションスキル向上のための研修などが効果的でしょう。
アルーでは、外国人社員と日本人社員が日本文化を通して交流できる「日本文化体験チームビルディング」を提供しています。
詳しくは以下のページをご覧ください。
日本文化体験チームビルディング オンライン
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人材育成
最後に、人材育成の面では、外国人社員が感じるキャリアアップの機会不足の問題に取り組む必要があります。具体的な解決策としては、外国人の上司に対する部下マネジメント研修、評価者研修、コーチング研修の実施、さらには日系企業の働き方の普及、適切な人材を幹部候補として育成することが重要です。
アルーでは、外国人社員本人やその上司向けの研修を多数取り揃えております。詳しくは以下のページをご覧ください。
グローバル人材育成サービス
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これらの施策を通じて、外国人社員が公正な環境で充実した働き方をできるようにすることが重要です。外国人社員の働きやすさを高めれば、企業全体の多様性と国際競争力を高めることに繋がるでしょう。
外国人を受け入れる側への研修も必要
外国人を雇用する際、日本人社員にも研修を実施することがおすすめです。異文化コミュニケーション力や主体性・積極性を高め、他国への偏見の是正を行ないましょう。
異文化コミュニケーション力がない場合、日本特有の文化を「常識」と思い込んでいる可能性があります。そして、その「常識」に外れた行動や文化を非難してしまい、外国人社員とのコミュニケーションの障壁となることがあります。日本文化が自身の行動や思考に影響を与えていることを認識し、「自国文化のメガネ」を外すことで、相手の文化を客観的に理解することが大切です。
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また、主体性や積極性も外国人社員と働くためには重要です。グローバルな環境では、受け身ではなく主体的かつ積極的なコミュニケーションが求められます。日本特有の控えめな態度が通用しないこともあり、意見を積極的に表明する姿勢が重要です。
このような主体性は、半日から1日間の異文化コミュニケーション研修だけでは醸成することが難しいのが現実です。5日間以上、朝から晩まで外国人と常に協働するような高密度の研修を用意する必要があります。
短期海外派遣型研修や短期留学などで実際に海外に行く手段もありますが、業務との兼ね合いなどで難しい場合もあると思います。そのような場合には、日本にいながらオンラインで朝から晩まで外国人と英語で協働し続けるようなプログラムもあります。
詳しくは『短期オンライン海外研修』をご覧ください。
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外国人向け研修はアルーにおまかせください
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