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グローバル人材育成の課題とは?育成のポイントや流れについて

「ビジネスのグローバル化に対応できる人材を育成したい」
「グローバル人材の育成に取り組みたいが、思うように進まない」

こういったお悩みをお持ちの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。ビジネス環境のグローバル化に伴い多くの企業にとってグローバル人材育成は急務となっていますが、グローバル人材育成を行う上ではいくつもの障壁が存在するのも事実です。

そこでこの記事では、グローバル人材育成を阻む要因やグローバル人材育成を行う際のポイント、育成の流れなどについて解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.グローバル人材の定義
    1. 1.1.グローバル人材はなぜ必要なのか
  2. 2.グローバル人材の育成課題とは
    1. 2.1.グローバル人材像が不明確
    2. 2.2.グローバル人材の育成体系がない
    3. 2.3.グローバルで働きたい社員が少ない
    4. 2.4.新しい海外駐在員を選定できていない
    5. 2.5.海外駐在員へのフォローができていない
    6. 2.6.日本人のグローバル経営後継者の不足
    7. 2.7.海外現地法人のナショナルスタッフ幹部の不足
  3. 3.グローバル人材に求められる要素
    1. 3.1.リーダーシップ
    2. 3.2.マネジメント能力
    3. 3.3.グローバルパースペクティブ
    4. 3.4.異文化対応力
    5. 3.5.外国語でのコミュニケーション力
    6. 3.6.ビジネススキル
    7. 3.7.職務専門性
  4. 4.企業が取るべきグローバル人材育成の対応方針
    1. 4.1.グローバル人材の計画的確保・育成
    2. 4.2.海外赴任前・赴任後のフォロー体制の確立
    3. 4.3.グローバル企業としての体制整備
  5. 5.グローバル人材の育成方法
    1. 5.1.グローバル人材の母集団形成
    2. 5.2.上位役職の知識スキル習得
    3. 5.3.赴任者教育
    4. 5.4.グローバルリーダー育成
    5. 5.5.外部研修・セミナーへの参加
    6. 5.6.海外支社でのOJT
    7. 5.7.eラーニングの活用
  6. 6.グローバル人材を育成する際の流れ
    1. 6.1.自社のビジョンや戦略を明確にする
    2. 6.2.グローバル人材の人材像を定義する
    3. 6.3.グローバル人材に求められる要素を明確にする
    4. 6.4.育成体系の策定
    5. 6.5.候補者の選定
    6. 6.6.育成施策を決定する
    7. 6.7.研修の実施・効果測定
  7. 7.グローバル人材の育成ならアルーにお任せください
    1. 7.1.海外経験豊富なコンサルタントによるサポート
    2. 7.2.人材育成体系の構築からトータルサポート
  8. 8.アルーのグローバル人材研修の事例
    1. 8.1.株式会社ヤクルト本社
    2. 8.2.帝人株式会社
    3. 8.3.株式会社三菱UFJ銀行
  9. 9.まとめ


グローバル人材の定義

グローバル人材育成について考える前に、まずはグローバル人材の定義について整理しましょう。文部科学省が公表している資料によると、グローバル人材とは以下の要素を備えた人材とされています。


  • 語学力・コミュニケーション能力
  • 主体性や積極性、チャレンジ精神、協調性と柔軟性、責任感と使命感
  • 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー


参考:資料2グローバル人材の育成について

なおグローバル人材についての基本情報やグローバル人材に求められるスキルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
グローバル人材育成とは?時代が求める人材の要件


グローバル人材はなぜ必要なのか

最近になって注目度がますます高まっているグローバル人材ですが、どうしてグローバル人材はこれほどまでに必要とされているのでしょうか。

グローバル人材が必要な背景の一つに、少子高齢化による海外市場の開拓が挙げられます。少子高齢化は日本の社会問題となっており、今後もしばらく縮小が予想される日本国内のマーケットよりも、欧米や人口増加が著しいアジアやアフリカなどの海外マーケットを開拓したほうが将来性が高い場合が多いのです。

さらに、IT技術の発達により海外進出が容易になった点も要因の一つです。大陸間でも今やほとんどタイムラグなく通信ができるため、他国との商談が容易にできたり、自社のITツールを海外へそのまま展開できたりする場面が増えています。


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グローバル人材の育成課題とは

グローバル人材の育成に取り組む企業は多いですが、グローバル人材育成には課題が多いのも現状です。

グローバル人材の育成がうまくいかないケースでは複数の要因が複雑に絡み合っている場合が少なくありません。グローバル人材を育成する際にありがちな課題について、一つずつ見ていきましょう。


グローバル人材像が不明確

グローバル人材育成時の課題として、グローバル人材像が不明確という点が挙げられます。実際、「グローバル人材」という言葉を掲げて人材育成を行っているものの、グローバル人材とは実際にどのような人材で、何ができるのかが曖昧になってしまっているケースは多いです。

また、グローバル人材の定義が古く形骸化してしまっている場合もあります。いずれにしても、グローバル人材の定義が曖昧なまま育成をスタートさせてしまうと、育成施策はあやふやなものとなってしまうでしょう。


グローバル人材の育成体系がない

グローバル人材を育成しようとしても、育成の仕方がわからない、グローバル人材の育成体系がない、というのも、よくある課題の一つです。
グローバル人材の計画的な育成のためには、以下のような方針を立てて行うと良いでしょう。

グローバル人材の計画的確保・育成

  • 必要な海外赴任者の人数の明確化と赴任期間設定
  • グローバル人材の計画的育成体系の構築

海外赴任前・赴任後のフォロー体制の確立

  • 海外赴任前育成カリキュラムの整備
  • 海外赴任後フォロー体制の確立

グローバル企業としての体制整備

  • グローバル強化体制の確立
  • 海外拠点ナレッジ共有取り組み強化


グローバルで働きたい社員が少ない

そもそも、グローバルで働きたい社員が少ないというのも、ありがちな課題です。
例えば、


  • 海外の赴任期間、業務実態、要求レベルがわからない(語学含め)
  • 海外生活に適応できるか不安がある
  • 社員が海外の事業内容を十分に理解していない
  • 企業が海外赴任希望者に対して、希望度合いを向上・維持させる施策をしていない


などの理由で、グローバルで働きたい社員がいないこともよくある課題です。
このような場合は、企業側から希望者に対するアプローチ不足が原因であることもあります。
グローバル事業について理解を深める場を設けたり、海外赴任経験者との交流会を設けたりして、社員がグローバルで働くイメージを持ちやすい環境作りに取り組みましょう。


新しい海外駐在員を選定できていない

新しい海外駐在員を選定できていないのもよくある課題の一つです。
例えば、


  • 交替、補充要員の予備候補がいないため、海外要員が固定化している
  • 赴任者をスライドした結果、赴任者が高齢化しており海外勤務後継者が少ない


などの理由から、新しい人材育成ができていない企業も少なくありません。


海外駐在員へのフォローができていない

企業側が海外駐在員へのフォローができていないことも、課題の一つとして挙げられます。

例えば、


  • 語学研修のみの実施で、ほとんど育成することなく赴任する場合が多い
  • 家族に対する説明をしていない
  • 立場、役割が1~2ランク上位になるため、戦力になるのに時間がかかる
  • 赴任後の教育、育成が十分行われていなく、現地まかせ


などです。

グローバル人材を育成する際には、企業側の研修体系の明確化、社員の家族に対するフォローなども必要になるでしょう。
赴任前、赴任中、赴任後の長期にわたって、育成施策やフォロープログラムを行なうようにしてください。

海外駐在員向けの研修については以下のページをご確認ください。
駐在員・海外派遣社員育成


日本人のグローバル経営後継者の不足

グローバル人材育成にはいくつもの課題がありますが、特にグローバル経営後継者の不足はよく問題となります。国内ではさまざまな経営者育成の施策が行われていますが、どれも日本国内を対象としたもので、グローバル経営者のためのものは少ないです。

また、経営者育成の研修に参加する研修生も講師も基本的に日本人で、グローバルな経営に取り組む実感が湧かないという課題もあります。


海外現地法人のナショナルスタッフ幹部の不足

海外現地法人では、海外拠点の役員以上をすべて日本人駐在員が占めているケースが多いです。こうした場合、現地化がなかなか進みません。

グローバル人材育成の課題として、海外現地法人のナショナルスタッフ幹部が不足する点も挙げられます。グローバル人材育成を考える際には、日本人駐在員だけでなく現地スタッフの教育も欠かせません。

ナショナルスタッフの教育や育成を成功させるポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ナショナルスタッフ育成を成功させる5つのポイント


グローバル人材育成サービス


グローバル人材に求められる要素

グローバルな会議風景

グローバル人材には、どのような能力が求められるのでしょうか。

グローバル人材には、大きく分けて以下の6つの要素が必要です。


  • リーダーシップ
  • マネジメント能力
  • グローバルパースペクティブ
  • 異文化対応力
  • 外国語でのコミュニケーション力
  • ビジネススキル
  • 職務専門性


グローバル人材に必要不可欠な6つの資質について解説します。


リーダーシップ

グローバル人材は、現地でのビジネスを牽引する必要があります。リーダーシップは、グローバル人材にとって必要不可欠なスキルです。

具体的には、リーダーとして求められる倫理や価値観、内面的な視座などを学んでもらう必要があります。社会への貢献や世界への価値創造まで視点を広げられるとよいでしょう。しっかりとしたリーダーシップがあれば、現地でもチームをうまく牽引し、成果につなげることができます。グローバルな環境で周りを巻き込んで仕事をしていく上で、大切なスキルです。


マネジメント能力

海外駐在中は、チームをマネジメントしていく必要があります。マネジメント能力も、グローバル人材がぜひ獲得しておきたいスキルです。

マネジメント能力が求められる具体的な場面としては、例えば経営資源の配分や人材配置の最適化、さらには労務管理やメンバーのメンタルケアなどが挙げられます。国内で活躍する際もマネジメント能力は必要ですが、海外駐在中にはまた別のマネジメント能力が必要です。海外ビジネスや外国人部下をマネジメントできるような能力が求められます。
グローバル環境で広く使われている、ジョブディスクリプションを用いたマネジメント手法も学ぶ必要があります。

アルーのジョブディスクリプションを基にした外国人部下マネジメント研修については、下記のページで詳しく説明しています。
外国人部下マネジメント研修~ジョブディスクリプション編~

▼「外国人部下マネジメント研修~ジョブディスクリプション編〜」について詳しくはこちらの資料もご覧ください。

  駐在員向け外国人部下マネジメント研修サービス資料 『駐在員向け外国人部下マネジメント研修』の資料をダウンロードいただけます。外国人部下マネジメントの基本的な知識・スキルを学ぶ“基礎編”と、シミュレーション形式で外国人部下マネジメントを行う“実践編"をセットでご提供しています。 アルー株式会社


グローバルパースペクティブ

グローバルパースペクティブとは、グローバルな視点から物事を捉えることができるような視野の広さのことです。グローバルパースペクティブがあれば、海外駐在中のチームの状況をより俯瞰的に捉えることができるようになります。

グローバル人材を育成する際には、ぜひグローバルパースペクティブを身につけてもらいましょう。そのためには、実際に海外現地で経験を積むことが重要です。まだ海外駐在員として赴任できるスキルがない社員には、海外トレーニーとして1~2年海外現地法人に出向したり、1~2週間の短期海外派遣研修でフィールドワークを行い現地の方と協働する経験を積んだりすることがおすすめです。グローバルな視野の拡大に繋がります。

アルーが行っている短期海外派遣型研修やオンライン研修については以下のページをご確認ください。
短期海外派遣型研修

▼資料ダウンロードはこちら

  短期海外派遣研修サービス資料ダウンロード 短期海外派遣研修サービス資料をダウンロードいただけます。外国人の多いアウェイ環境に身を置くことにより、外国人と切磋琢磨する異文化対応力強化プログラムです。 アルー株式会社

短期オンライン海外研修 Global Challenge Program

▼資料ダウンロードはこちら

  『短期オンライン海外研修_Global Challenge Programご紹介資料』資料ダウンロード 『短期オンライン海外研修_Global Challenge Programご紹介資料』の資料をダウンロードいただけます。こちらの研修は外国人と協働して異文化対応力を鍛える海外オンライン研修となっています。日本人少数派䛾環境において、異文化背景を持つ外国人と協働・競争をすることで、プロジェクト䛾進め方・時間感覚・スピード・アウトプット䛾違いを体感し、短期間で異文化対応力が向上を図るためのフローを解説しています。 アルー株式会社

短期海外派遣型研修(オンライン/オフライン)


異文化対応力

海外では、言葉だけでなく文化も異なります。取引先と商談に臨む際のビジネスマナーや心がけ、あるいは一般的な現地の生活習慣などは、グローバル人材にぜひ学んでもらいたい内容です。

グローバル人材を育成する際には、異文化対応力を伸ばしてもらいましょう。海外駐在中には、相手との価値観の違いに直面することも少なくありません。ただでさえ言語の異なる不慣れな環境下で、価値観の異なる相手と仕事を進められるような対応力が必要です。

グローバル人材・駐在員向けの異文化対応力に関する研修は以下のページをご確認ください。
駐在員向け異文化コミュニケーション力研修

▼資料ダウンロードはこちら

  駐在員向け異文化コミュニケーション力研修 駐在員向けの異文化理解・異文化コミュニケーション力スキル研修の紹介資料をダウンロードいただけます。受講者の異文化経験の有無や役割に合わせて、研修内容をカスタマイズできます。海外で仕事をする上で必要な資質を身につけ、日本との違いを理解したうえで現地のナショナルスタッフに対して適切な言動・行動が取れるような知識と演習を交えた設計となっています。 アルー株式会社

駐在員シミュレーション研修

▼資料ダウンロードはこちら

  駐在員シミュレーション研修サービス資料 『駐在員シミュレーション研修』の資料をダウンロードいただけます。海外駐在員によく起こるシチュエーションを疑似体験することで、海外駐在員に求められるスキルやスタンスについて学ぶことができます。「海外駐在未経験の社員を海外に派遣することになった」「駐在員が直面する様々なシチュエーションにできるだけ備えておきたい」といった人事担当者さまにおすすめの研修です。 アルー株式会社


外国語でのコミュニケーション力

当たり前ではありますが、グローバル人材は現地のスタッフや取引先と基本的に外国語でコミュニケーションを取る必要があります。そのためには、ビジネスレベルでの語学力、特にビジネス英語力が必要不可欠です。

語学力を備えたうえで、外国語でコミュニケーションをスムーズに行うためのスキルも求められます。相手との円滑な意思疎通ができるレベルまで語学力を伸ばすことはもちろん、ビジネスシーンにおいて求められる一般的なコミュニケーション力を磨く必要があります。たとえば、プレゼンテーションやアサーティブコミュニケーションのスキルは国内外問わず求められます。外国語でもこういった力を発揮できるよう、語学力とコミュニケーション力を磨くことが求められます。

アルーが行っている英会話研修は以下のページをご確認ください。
ビジネス英会話研修「ALUGO」

▼資料ダウンロードはこちら

  ビジネス英会話トレーニング「ALUGO」 ビジネスで使えるスピーキング力強化に特化した、1on1ビジネス英会話トレーニング「ALUGO」のサービス紹介資料です。ALUGOは、サービス満足度95.5%を誇るビジネス英会話トレーニングプログラムです。PCやスマホでいつでもどこでも、ネイティブ講師から質の高いレッスンを受けることができます。 アルー株式会社


ビジネススキル

海外というプレッシャーのかかりやすい環境で成果を出すためには、高いビジネススキルが求められます。グローバル人材として活躍するために、必要とされるスキルを身につけてもらいましょう。
必要とされるスキルは数多くありますが、すべてのスキルの土台となるロジカルシンキングは必ず習得してもらうことをおすすめします。
ロジカルシンキングとは、物事を深くスピーディに考えた上で、それをわかりやすく伝えるため、体系的に筋道立てて考える力のことです。ロジカルシンキングの力が備わっていることで、プレゼンテーション力や問題解決力、戦略的思考力などを高めることにも繋がります。

アルーでは、ロジカルシンキング研修をご提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
ロジカルシンキング研修

▼ロジカルシンキング研修の詳しい資料はこちらからダウンロードいただけます。

  『ロジカルシンキング研修』資料ダウンロード 「ロジカルシンキング研修」の資料をダウンロードいただけます。分かりやすい口頭報告や簡潔でポイントを押さえたビジネス文書作成など、あらゆるビジネスの場面で役に立つロジカルシンキングの基本的な思考プロセスとスキルを身につけます。 アルー株式会社


職務専門性

グローバル人材に求められる素質の6つめは、職務専門性です。仕事で求められるスキルや知識など、専門力を磨いてもらいましょう。

なお、こうした職務専門性を身につければ、国内に帰ってからも活躍を続けることが可能です。そのため、先述したビジネススキルや職務専門性は海外駐在中にも継続的に伸ばしてもらうのがよいでしょう。


グローバル人材育成サービス


企業が取るべきグローバル人材育成の対応方針

グローバル人材育成にはさまざまな課題が発生しがちだとお伝えしました。それでは、こうした課題を乗り越えるためには企業はどのような方針を取ればよいのでしょうか。
企業が取るべきグローバル人材育成の対応方針を解説します。


グローバル人材の計画的確保・育成

グローバル人材育成にありがちな課題の中には、グローバル人材自体が不足してしまうことに起因するものが少なくありません。グローバル人材の数そのものが足りていない場合には、早急にグローバル人材の確保へ取り組む必要があります。

グローバル人材育成において企業が取るべき方針として、グローバル人材の計画的な確保と育成が挙げられます。また、あわせてグローバル人材の計画的な育成体系を構築するのもおすすめです。「毎年3人選抜し、5年かけて駐在員への教育を実施する」といった定量的な目標を決めるとよいでしょう。

アルーでは、ヤクルト本社でのグローバル人材の育成を支援しています。
全体設計から、研修の企画、振り返りまでを一貫して支援いたしました。詳しくは、以下のページでご確認ください。
「点」から「線」の育成へ。経営戦略に基づいたグローバル人材育成体系構築のポイント(株式会社ヤクルト本社導入事例)


海外赴任前・赴任後のフォロー体制の確立

グローバル人材育成においてありがちな課題として、「海外赴任前の育成が不十分」「駐在中の教育が現地任せ」といったものがありました。

海外赴任前と赴任後のフォロー体制の確立も、グローバル人材育成において企業が取るべき方針の一つです。まずは海外赴任前に実施するカリキュラムを整備するところから始めましょう。また、赴任中の教育体制・フォロー体制の構築や、帰任後のフォローアップ体制の構築も大切です。赴任中に孤立させてしまったり、帰任後に海外経験を活かせる業務にアサインできなかったりといった課題を抱える企業が多いのが実情です。こういったケースに対処できるよう、体制を整えておきましょう。

駐在員や海外派遣社員に対する研修については以下のページをご確認ください。
駐在員・海外派遣社員育成


グローバル企業としての体制整備

グローバル人材を育成するためには、企業側がグローバル企業としての体制を整える必要があります。例えばグローバル人材育成を担当する部署を設立したり、グローバル人材育成の責任者を設置したりして、グローバル強化体制の確立を目指すのがおすすめです。

さらに、海外拠点を複数抱えている場合、拠点間での情報共有も大切です。複数拠点間でのナレッジ共有を図るため、定期的に情報交換の機会を設けるなど、拠点間での交流を促進しましょう。


グローバル人材育成サービス


グローバル人材の育成方法

グローバル人材を育成するためには、どのような方法が有効なのでしょうか。

グローバル人材育成を行うためには、研修の実施やeラーニングの活用など、様々な方法があります。グローバル人材の育成方法を解説します。


グローバル人材の母集団形成

グローバル人材の母集団形成とは、グローバル人材となりうる社員を社内からピックアップして、育成の対象となる集団を決定することです。グローバル人材を育成する場合、まずはグローバル人材の母集団形成を意識してみましょう。

グローバル人材の母集団形成を行う際には、まず公募型の研修やセミナーを開催することがおすすめです。例えば「入社10年目までの若手社員を対象に、公募制で短期海外派遣を行う」といったように枠組みを作り、グローバルに活躍することへの興味喚起や不安払拭を目指します。
母集団をより広く形成したい場合は、必須の研修としてグローバル研修を取り入れるとよいでしょう。入社3年目などの若手の内から、グローバルマインドや基礎スキルを習得するための研修を取り入れてみてください。


上位役職の知識スキル習得

海外拠点へ赴任する際には、国内で勤務している際よりも1〜2ランクほど上位の役職へつくケースが多いです。そのため、海外赴任候補者を対象とした上位役割の知識習得機会を設けるとよいでしょう。

特に、海外駐在員は管理職として赴任する場合が多いです。そのため、管理職や経営者就任を見据えた、上位役割へ求められるスキルや心構えの習得を行なうことが求められます。経営全般に関する知識を身につけたり、他者交流の機会を設けたりするのも効果的です。


赴任者教育

海外赴任が決定したら、即戦力として海外で活躍できるようになるために必要な赴任者教育を実施していきます。

具体的には、まず語学や異文化理解、役職認識などを目的とした赴任前研修を行いましょう。マネジメントスキルもここで学んでもらうのがおすすめです。その後、ケースバイケースで家族向けの説明会を実施します。赴任に向けた不安解消のため、語学や現地での生活について必要事項を説明しましょう。

また、語学力と同時に異文化でのコミュニケーション能力も必要になってきます。
アルーが行っている異文化コミュニケーション力研修については以下のページをご確認ください。
駐在員向け異文化コミュニケーション力研修

▼資料ダウンロードはこちら

  駐在員向け異文化コミュニケーション力研修 駐在員向けの異文化理解・異文化コミュニケーション力スキル研修の紹介資料をダウンロードいただけます。受講者の異文化経験の有無や役割に合わせて、研修内容をカスタマイズできます。海外で仕事をする上で必要な資質を身につけ、日本との違いを理解したうえで現地のナショナルスタッフに対して適切な言動・行動が取れるような知識と演習を交えた設計となっています。 アルー株式会社

海外赴任者が即戦力として活躍するためには、現地で起こるであろうトラブルに対してシミュレーションをしておくことが重要です。アルーのシミュレーションを取り入れた赴任者研修については以下のページをご覧ください。

駐在員シミュレーション研修

▼資料ダウンロードはこちら

  駐在員シミュレーション研修サービス資料 『駐在員シミュレーション研修』の資料をダウンロードいただけます。海外駐在員によく起こるシチュエーションを疑似体験することで、海外駐在員に求められるスキルやスタンスについて学ぶことができます。「海外駐在未経験の社員を海外に派遣することになった」「駐在員が直面する様々なシチュエーションにできるだけ備えておきたい」といった人事担当者さまにおすすめの研修です。 アルー株式会社


グローバルリーダー育成

グローバルに活躍できるリーダーを育てるためには、グローバルリーダー育成に特化した教育が必要です。これまでは大人数での集合研修が主流でしたが、最近では少人数で個々のケースに特化した個別教育が主流になっています。

それぞれの社員や状況に合わせた、個別のグローバルリーダー育成を実施するのも有効です。グローバルな環境でリーダーシップを発揮するための心構えやスキルなどについて学んでもらいましょう。

グローバル人材のリーダー育成研修については以下のページをご確認ください。
グローバルリーダー 個別育成


外部研修・セミナーへの参加

グローバル人材育成を行う際におすすめなのが、外部研修やセミナーへの参加です。外部で実施されている研修やセミナーに参加してもらえば、グローバル人材やグローバルリーダーを効率よく育成できるでしょう。

グローバル人材育成にありがちな課題として、社内にグローバル人材育成のノウハウが蓄積されづらい点がありました。外部研修や外部セミナーへ参加すれば、社内のグローバル人材育成ノウハウに不安がある場合でも質の高い教育が実施できます。

アルーの提供するグローバル人材育成については、以下のページから詳しくご覧ください。
グローバル人材育成サービス一覧

▼グローバル人材育成・研修サービスについての詳しい資料はこちらからダウンロードいただけます。

  『グローバル人材育成サービス』資料ダウンロード|企業研修・人材育成ならアルー アルーはこれまでアジア10ヶ国、海外現地法人400社以上へグローバル人材育成サービスをご提供してきました。海外派遣研修やグローバルリーダー育成研修など、グローバル人材育成サービスのラインナップに関する資料を無料でダウンロードできます。 アルー株式会社


海外支社でのOJT

グローバル人材育成を行う際には、海外支社でのOJTを実施するのも一つの手です。OJTを行えば、現地での業務に直接役立つスキルや知識をダイレクトに獲得できます。海外支社でのOJTは、グローバル人材の即戦力化に有効です。

海外支社で経験を積ませる方法の一つに、海外トレーニー制度があります。
アルーが海外トレーニーの定期面談・サポートを行う支援プログラム​については以下のページをご確認ください。
海外トレーニー赴任支援

▼資料ダウンロードはこちら

  海外トレーニー赴任支援 アルー株式会社


eラーニングの活用

eラーニングを導入すれば、社員はいつでもどこでもスマホやタブレット上から学習を進めることができます。グローバル人材を育成する際には、eラーニングを活用するのもよいでしょう。

特に毎日コツコツ取り組むことが求められる語学の習得はeラーニングと相性がよく、語学に関連するeラーニングの教材も豊富です。また、eラーニングを使えば赴任中も学習を続けられるため、海外赴任前後で継続的な教育を行いたい場合にも活用できます。

アルーが提供している異文化コミュニケーションや海外で必要なマネジメントスキルなどを学べるeラーニングプログラムについては以下のページをご確認ください。
グローバルeラーニングプログラム


グローバル人材育成サービス


グローバル人材を育成する際の流れ

グローバル人材育成には、以下でご紹介する7つのステップが存在します。まずは自社の海外ビジョンを明確化し、人材像や能力要件の定義、育成体系の策定へと進んでいくという流れです。

グローバル人材を育成する際の流れについて解説します。


自社のビジョンや戦略を明確にする

自社の目指す方向が曖昧なままだと、グローバル人材育成体系もあやふやなものとなってしまいます。グローバル人材育成を進める際には、まず自社のビジョンや戦略を明確にすることが大切です。

具体的には、自社の掲げている中長期経営計画や戦略組織ビジョンなどを分析し、まずは自社の方針の大枠をつかんでいきます。その後、海外事業ビジョンを読み込んだり、経営層へのヒアリングを行ったりして、海外事業の向かう方向性を明確にしておきましょう。


グローバル人材の人材像を定義する

戦略の明確化が終わったら、次はグローバル人材の人材像を定義していきます。自社のビジョンや海外事業の戦略に合わせて、「どういったグローバル人材が必要なのか?」を定義してください。

例えば「スケールで圧倒しシェアを獲得する」という戦略を掲げている場合、「海外の優秀な人材と競争しても十分に勝てる人材」などが人材像として考えられます。「差別化で勝つ」という戦略を掲げている場合は、「自社の強みを海外へ発信できる人材」などがグローバル人材の人材像となるでしょう。


グローバル人材に求められる要素を明確にする

グローバル人材の人材像が固まったら、それをもとにグローバル人材に求められる要素を明確化します。グローバル人材の能力要件を定義して、グローバル人材に求められる具体的なスキルを洗い出していきましょう。

能力定義を行う際には、まず各階層のグローバル人材に期待する仕事や役割を整理します。その上で、「それらの役割をこなすのに必要な能力は何なのか?」と考えていきましょう。次ステップで行う育成体系の策定に向けて、育成のゴールを定めるのが大切です。


育成体系の策定

4つめのステップでは、いよいよ具体的な育成体系を策定します。各階層のグローバル人材に期待する能力要件を見ながら、それを達成するために必要な育成体系や育成プログラムを組んでいきましょう。

グローバル人材の育成体系には「国内の育成体系とグローバル人材育成体系を完全に分ける」「国内の育成体系に加え、選択型の教育でグローバル人材育成を行う」といったいくつかのパターンが存在します。自社のグローバル人材育成の状況やビジネス環境などを踏まえながら、適切な制度設計を行うのが重要です。


候補者の選定

グローバル人材の育成体系が定まったら、候補者の選定を行っていきます。グローバル人材の候補者と調達を決め、人材プールと育成パスを明確化していきましょう。

候補者を選定する際には、まず自社にフィットする「軸」をいくつか選びます。軸としては例えば「語学」「パフォーマンス」「リーダーシップ」などがよいでしょう。その後、選択した軸で人材プールを分解し、どの人材にアプローチするのか優先順位をつけましょう。例えば「異文化対応力と語学力がともに高い」グループは短期的な優先順位が高いですし、「異文化対応力が低いが語学力が高い」グループは中期優先順位が高くなります。


育成施策を決定する

候補者の選定が終わったら、具体的な育成施策を決定していきましょう。各階層のグローバル人材要件を達成するために必要な学習内容や到達目標に基づいて、具体的に育成施策として何に取り組むのかを明確化していきます。

例えば前ステップの分類において「異文化対応力は高いが語学力が低い」というグループに対しては集中的な語学研修を実施するのがよいですし、「異文化対応力は低いが語学力が高い」グループには海外派遣研修を実施するのがよいでしょう。各人材プールの特徴に合わせた育成施策を選定するのが大切です。


研修の実施・効果測定

育成施策が決定したら、実際に研修を実施して、効果測定を行っていきます。グローバル人材育成では、リーダーシップや語学力など様々な能力を伸ばしてもらう必要があります。事前にスケジュールを組み、効率よく能力を伸ばせるよう教育を実施しましょう。

また、研修を実施した後には必ず効果測定を実施してください。研修実施後のアンケートや理解度確認テストなどで研修の効果を把握すれば、次回以降の研修のブラッシュアップにつながり、グローバル人材育成のノウハウが社内に蓄積できます。

研修の効果測定の方法やポイントについては以下の記事をご確認ください。
研修効果測定の方法とは|4つの評価レベルや効果測定のポイント


グローバル人材育成サービス


グローバル人材の育成ならアルーにお任せください

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アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。特にグローバル人材育成については豊富なノウハウがあり、グローバル人材育成のための研修も数多く取り揃えております。

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  『グローバル人材育成サービス』資料ダウンロード|企業研修・人材育成ならアルー アルーはこれまでアジア10ヶ国、海外現地法人400社以上へグローバル人材育成サービスをご提供してきました。海外派遣研修やグローバルリーダー育成研修など、グローバル人材育成サービスのラインナップに関する資料を無料でダウンロードできます。 アルー株式会社


海外経験豊富なコンサルタントによるサポート

グローバル人材育成では、この記事の前半で紹介したような様々な課題が発生しがちです。個々の状況やビジネス環境、事業戦略によってグローバル人材育成を改善するためのアプローチは異なるため、状況に応じた個別対応が求められます。

アルーでは、海外経験が豊富なコンサルタントによる徹底的なサポートが可能です。海外でよくある課題から、国内勤務社員をグローバル人材にするために必要なポイントなどを、実践的で現場にあった視点からご提案いたします。


人材育成体系の構築からトータルサポート

グローバル人材育成を行う際には、事業戦略と密接に連動した人事戦略が必要不可欠です。しかし、事業戦略とうまく連動したグローバル人材育成体系を構築するのは簡単ではありません。

アルーでは、人材育成体系の構築段階からのトータルサポートをご提供いたします。アルーで培ってきた豊富な研修ノウハウを活用しながら、お客様に最適な育成体系の構築を手助けすることが可能です。グローバル人材の母集団形成から海外駐在員育成、グローバルリーダー育成など、課題に合わせたソリューションをご提案いたします。


グローバル人材育成サービス


アルーのグローバル人材研修の事例

アルーでは、グローバル人材育成の研修実績も豊富です。この記事の最後に、アルーのグローバル人材研修の事例として、株式会社ヤクルト、帝人株式会社、株式会社三菱UFJ銀行での事例をご紹介します。ぜひ自社へグローバル人材育成を取り入れる際の参考にしてみてください。


株式会社ヤクルト本社

ヤクルト本社では、1964年に台湾での営業を開始して以降、「現地主義」でヤクルトブランドのグローバル化を進めています。現在では海外39の国と地域で販売を展開していますが、そんなグローバル化の際に力を入れたのがグローバル人材の体系的な育成です。

アルーが提供したグローバル人材では、まず駐在員アンケートの実施や部長へのヒアリングなどを通じて全体設計をおこない、その後グローバル人材像の定義や能力要件の設定、育成体系の策定などを進めていきました。

株式会社ヤクルトでの事例は、以下のページから詳しくご覧ください。
「点」から「線」の育成へ。経営戦略に基づいたグローバル人材育成体系構築のポイント(株式会社ヤクルト本社導入事例)


帝人株式会社

帝人株式会社では、繊維や複合成形材料、ITといった様々な事業をグローバル展開しています。グローバルに活躍する人材を育成するため、タイや中国、ベトナムやインドネシアで海外の文化や習慣を経験してもらい、世界を舞台に活躍するマインドを構築しているのが特徴です。

アルーでは、ディスカバーワークショップやフィールドワーク、ビジネスパーソンとのディスカッションなどを盛り込んだ海外研修カリキュラムを策定しました。

帝人株式会社での事例は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
異文化を受容し、自己成長を実現する(帝人株式会社)


株式会社三菱UFJ銀行

株式会社三菱UFJ銀行では、グローバルに活躍できる人材を育成するため以下の2つの施策を導入しました。

ALGO(モバイル英会話トレーニング)
ALGOBOOTCAMP(約2ヶ月のフィリピン滞在型トレーニング)

ALGOBOOTCAMPは、日本人が陥りがちな「TOEICの点数は高いが話せない」という状況を打開するため、英語漬けの生活を送るのが特色のプログラムです。株式会社三菱UFJ銀行の事例では、これらのプログラムを通じて、現地で活用できるビジネス英語力を徹底的に磨くことに成功しています。

株式会社三菱UFJ銀行での研修事例は、以下のページから詳しくご覧ください。
視線の先には、日本の未来・世界の未来がある(株式会社三菱UFJ銀行)


グローバル人材育成サービス


まとめ

グローバル人材育成について、ありがちな課題やグローバル人材育成施策、流れについて解説しました。

ビジネス環境のグローバル化に伴ってグローバル人材育成は多くの企業にとって重要な課題となっています。しかし、効果的なグローバル人材育成ノウハウを蓄積できている企業は少ないのが現状です。

ぜひこの記事で解説した内容を参考にしながら、自社の事業戦略と密接に連動したグローバル人材育成体系を構築し、世界を舞台に活躍できる人材の育成に取り組んでみてください。

アルーの提供するグローバル人材育成におすすめの研修サービスは、以下のページから詳しくご覧いただけます。
グローバル人材育成サービス一覧


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