統率力が高い人の特徴とは?リーダーシップとの違い・身につける方法を解説
統率力は、組織のリーダーに求められる重要な資質の一つです。社会の変化が激しさを増す中、統率力を持ったリーダーの育成は多くの企業にとって急務でしょう。
この記事では、統率力が高い人の特徴や、統率力を高める方法を解説します。統率力を高めるための研修事例も紹介するので、人事や教育担当者の方はぜひ参考にしてください。
▼統率力向上に役立つ研修3選
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統率力とは
統率力とは、組織やチームにおいて、人々をまとめ、導く力のことです。例えば働き手が多い職場において、チーム全体を効率的に運営したり、プロジェクトをスムーズに進行させたりする際には統率力が役立ちます。
統率力の高い人は、目標に向かってチームが一丸となって進んでいくように、チームをまとめ上げることが得意です。また、統率力の高い人は自分自身が信念を持っており、それを他人に伝えて共感を促すこともできます。人間関係を維持し、チーム全体の生産性を向上させる上で、統率力は欠かせないスキルです。
リーダーシップやマネジメントとの違い
統率力とよく似た概念に、リーダーシップやマネジメントが挙げられます。
3つは混同されがちですが、微妙に異なる概念です。
統率力とは、一つの方向へと他者をまとめ上げる能力を指します。
一方でリーダーシップとは、人々を理想的な未来へと誘導していく能力のことです。両者の違いを表形式で整理すると、以下のようになります。
統率力 |
リーダーシップ |
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定義 |
他者をまとめ上げ、一つの方向へ導く能力 |
人々を理想的な未来へと誘導する能力 |
重要な要素 |
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統率力とリーダーシップは、ともにリーダーに欠かせない要素であるため、両者をバランスよく身につけることが重要です。
リーダーシップについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『リーダーシップとは?種類やリーダーシップがある人の特徴、身につける方法』
統率力は他者を一つの方向に導くのに対し、マネジメントでは各々のメンバーを見て役割とマッチングを追究することによって組織の統合度を高めます。マネジメントの方がより個人にフォーカスしながら事業運営を行っていると言えます。
マネジメントについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『管理職に必要なマネジメントとは?リーダーシップとの違い・スキルを高める方法を紹介』
統率力がある人の特徴
統率力が高い人には、以下のような特徴があります。
- コミュニケーション能力が高い
- 決断力がある
- 責任感がある
- 誠実であり、周囲から信頼されている
- 業務遂行力が高い
- 周囲に気を配ることができる
統率力がある人材は決断力や業務実行力が高く、周囲を巻き込みながら進むために必要なコミュニケーションも得意です。統率力が高い人の特徴を一つずつ見ていきましょう。
コミュニケーション能力が高い
統率力の高い人は、コミュニケーション能力が高い特徴があります。
コミュニケーション能力は、信頼関係の構築やチーム全体の一体感を生み出すために必要不可欠です。統率力の高い人材は、自分の考えをチームへ的確に共有し、目標達成に向かってメンバーをまとめ上げることができます。
また、統率力の高い人材は、意見の発信だけが得意なわけではありません。他者の意見を理解して共感することも得意なため、他者へ「意見が尊重されている」という実感を持ってもらいやすく、チームの一体感を醸成することができます。
仕事で求められるコミュニケーション能力や、鍛える方法は以下のページで詳しく解説しています。
『仕事で必要なコミュニケーション能力と鍛える方法』
決断力がある
決断力があることも、統率力が高い人材の特徴です。
決断力とは、さまざまな情報や意見を元に、具体的な行動を決定する能力のことを指します。単に迅速な判断を行うだけでなく、根拠や理由を踏まえた正確な選択を下すことが重要で、統率力に欠かせないスキルの一つです。
統率力の高い人材は、困難な状況でもスピードと正確性を兼ね備えた判断を下すことができます。しっかり考え抜いてから結論を出すため、周囲からの信頼も厚く、チームを一つの方向へ導きやすいのです。
管理職の意思決定力を向上させるスキルについてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
『管理職の意思決定力を向上させるには?うまくいかない理由と必要なスキル』
責任感がある
統率力の高い人材の特徴として、責任感がある点も挙げられます。
万が一リーダーが自分の言動に責任を持たない場合、周囲からの信頼を徐々に失ってしまいます。はじめはついてきてくれた社員でも、無責任なリーダーだと感じると徐々に離れていってしまうでしょう。
統率力の高い人は、自分の決定がもたらす結果に対して責任を持つことができます。失敗した場合でも、決して他人や外部要因のせいにしません。問題解決のためにどう動くべきなのか真正面から向き合うため、チーム全体を前進させることができるのです。
責任感があることは部下にとって「良い上司」と判断する基準の一つです。良い上司の特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『良い上司の特徴とは?職場に与える影響・良い上司を育てる方法を紹介』
誠実であり、周囲から信頼されている
誠実で周囲から信頼されていることも、統率力の高い人材の特徴の一つです。
統率力の高い人は日常業務にも手を抜かず丁寧に取り組むため、周囲から信頼されています。また、約束や時間を必ず守るようにするなど、誠実な言動を日頃から心がけていることも多いです。こうした日常の何気ない行動の積み重ねが、「この人についていこう」という大きな信頼につながっています。
業務遂行力が高い
統率力の高い人材は、業務遂行力も高い特徴があります。
業務を着実に進める力を持っているため、プレイヤーとしても優秀だという評価を得ていることが多いです。プレイヤーとして高く評価されているため、リーダーとしての役回りを任される機会にも恵まれています。
また、業務遂行力が高ければ、「まずは自分がやる」という姿勢を周囲へ示しやすいです。その結果、他のメンバーも「この人のやったようにやればいいんだ」と感じ、ついていきやすくなります。
業務遂行力はテクニカルスキルに分類されるもので、他のテクニカルスキルと合わせて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『テクニカルスキルとは?3つの種類一覧と具体例・向上させるコツを解説』
周囲に気を配ることができる
周囲に気を配ることができることも、統率力の高い人材の特徴です。
統率力の高い人材は、自分だけではなく、チーム全体の状況を把握しています。その上で、メンバーそれぞれが最も良いパフォーマンスを発揮できるよう、積極的にサポートを提供するのです。
具体的には、それぞれのメンバーの得意なことや苦手なこと、ストレスなどをしっかりと理解しています。また、メンバーが抱えている問題の把握や原因の特定も怠りません。他メンバーの意見や感情、状況を踏まえた助言ができるため、チーム全体の満足度や生産性を向上させることができるのです。
社員の統率力を高める方法
社員の統率力を高めるためには、会議などで場を仕切る経験を積んでもらったり、統率力のある人をロールモデルにしたりすることが有効です。また、リーダーシップ研修を実施して、社員のリーダーシップを磨くことも良いでしょう。
ここからは、社員の統率力を高める方法を解説します。
会議などで場を仕切る経験を積む
統率力を高めるためには、会議などで場を仕切る経験を積んでもらうことが効果的です。
会議を仕切る経験は、統率力を高めるための重要な要素です。会議の進行役は、自分の意見をはっきり述べるとともに、他人の意見を理解し、適宜まとめることが求められます。「多様な視点と意見を聞いて全体の方向性を示す」という進行役の役割は、統率力で求められるプロセスそのものです。
会議を通じて場を仕切る経験を積んでもらい、統率力を発揮する流れやコツをつかんでもらいましょう。
会議を進める際に必要なファシリテーションのスキルや方法は、以下のページで詳しく解説しています。
『ファシリテーションとは?必要なスキルや手法、事例をわかりやすく紹介』
統率力のある人をロールモデルにする
統率力のある人をロールモデルにすることも、社員の統率力を磨く上で非常に有効な方法です。
ロールモデルを活用すれば、自分自身が目指すべき統率力の形を具体的にイメージしやすくなります。ロールモデルを探したら、以下のような点を意識的に観察してみましょう。
- どのようにチームを組織し、運営しているか
- 問題解決のためにどのようなアプローチをとっているか
- どのようなコミュニケーションをとっているか
- 決断を下す際に、どのようなことを重視しているか
ロールモデルとなる人物から学べることを自分の行動へ意識的に取り入れることで、徐々に統率力が身についていきます。
ロールモデルについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『ロールモデルとは?見つけ方や人材育成における効果、活用事例を解説』
リーダーシップ研修を実施
社員の統率力を磨くためには、リーダーシップ研修を実施するのもよいでしょう。
記事の前半でも解説したように、リーダーシップと統率力は厳密には異なる能力です。ただし、両者には重なる部分も多いため、リーダーシップ研修を実施して統率力を磨くこともできます。
リーダーシップ研修では、メンバーとの信頼関係構築の方法や、メンバーへビジョンを共有する際のポイント、期待役割を伝達する際のコツや心構えなどを習得してもらいましょう。メンバーを巻き込んで仕事を進める方法を学べば、統率力に役立つスキルやマインドが身につきます。
弊社アルーでは、リーダーシップを高める研修を提供しています。アルーのリーダーシップ研修について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
リーダーシップ研修
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統率力向上の施策ならアルーにお任せください
統率力向上のための施策なら、ぜひアルーへお任せください。
人材育成を手掛けているアルーでは、統率力を向上させるために役立つさまざまな研修をご用意しています。
アルーの提供している研修は、演習中心の設計になっていることが最大の特長です。ノックやグループディスカッションなど、さまざまな形式での演習を通じて、統率力を磨くのに必要なスキルやマインドを徹底的に定着させることができます。
また、統率力を高めるためには、中長期的なフォローアップ施策も必要です。アルーでは研修前後のフォロー施策も含めて支援するため、研修内容を現場で活かしやすくなります。
アルーが提供しているリーダーシップ研修は、以下のページをご覧ください。
リーダーシップ研修
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アルーのリーダーシップ研修事例
アルーでは、これまでにさまざまな業界でリーダーシップを磨くための施策を支援してまいりました。ここではそれらの中から特に参考となる3社の事例を紹介します。
リーダーシップや統率力を磨く研修の進め方やポイントについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
東急株式会社 部長研修事例
東急株式会社様では、インサイドアウトのリーダーシップを発揮するためのリーダーシップ研修をアルーが支援しています。
本事例では、東急グループの幹部候補となる社員約20名を対象に、リーダー育成に向けた研修を実施しました。プログラムは4ヶ月間にわたり、合計10日間で実施しています。研修では、東急グループのパーパスを見つめるワークに取り組んだり、インサイドアウトのリーダーシップについて学んだりするインプットを行いました。その後、経営者層との対話などを取り入れ、不確実な世の中でリーダーシップを発揮するために必要なスキルを実践も交えながら学んでもらっていることがポイントです。
研修後には、「受講者が自分ごと化でき、熱がこもった研修になった」「研修後にグループシナジーが生まれた」など、多くの好評の声をいただいています。
東急株式会社様の事例について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
東急株式会社 部長研修 導入事例
ポーラ化成工業株式会社 女性リーダー研修事例
ポーラ化成工業株式会社様では、育成委員会の選抜人材となっている生産系の女性約18名を対象として、リーダー育成研修をアルーが支援しました。
本事例では主体性を育むことにフォーカスし、リーダーに必要なスキルについてグループワークなどの演習を重ねています。参加者の主体性を引き出すため、参加者からの発言や参加者同士の交流を意識したことがポイントです。さらに、研修の間には1ヶ月間の実践期間を設け、現場での主体性発揮を定着させるよう促しました。
研修後にはこれまで発言しなかった社員が手を挙げて発言するようになるなど、主体性が向上する効果が見られました。
ポーラ化成工業株式会社様の事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
ポーラ化成工業株式会社 女性リーダー研修 導入事例
コスモ石油株式会社 新任ライン長研修事例
コスモ石油株式会社様では、新任ライン長を対象とした研修をアルーが支援しています。
新任ライン長は、業務計画や役割分担などのマネジメントを行うポジションです。本事例ではマネジメントを的確に遂行するとともに、メンバーを牽引するためのリーダーシップを身につけるために必要な要素を学びました。リーダーシップに必要なスキルだけにフォーカスするのではなく、「伝わったことがすべて」などリーダーに求められるマインド面にもアプローチしたことがポイントです。
研修後には、ライン長として必要なマインドセットの醸成が促進するなど、スキル面とマインド面の双方で多くの効果が出ています。
コスモ石油株式会社様の事例は、以下のページで詳しく紹介しています。
コスモ石油株式会社 新任ライン長研修 導入事例
まとめ
統率力について、定義や鍛える方法、研修の事例などを解説しました。
人材不足が深刻化している昨今では、社員をまとめて組織の生産性を向上させる統率力の重要性がますます高まっています。社員の統率力を磨くためには、会議などで実際に場を仕切る経験を積んでもらうとともに、研修を実施して積極的にスキルやマインドを磨くことがおすすめです。
アルーが提供しているリーダーシップ研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
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ぜひこの記事の内容を参考に社員の統率力を磨き、生産性の高い組織を実現しましょう。