ワークエンゲージメントとは?測定方法や3つの尺度、高める方法を解説
ワークエンゲージメントは、社員のメンタル面における健康を保つために重要な概念です。ワークエンゲージメントを向上させれば、仕事に対する社員の主体性を向上させ、より生産性の高い職場を実現することができます。
この記事では、ワークエンゲージメントの測定方法やつ3つの尺度、ワークエンゲージメントを向上させる方法を解説します。
▼ワークエンゲージメントを高める研修3選
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ワークエンゲージメントとは?
ワークエンゲージメントとは、「社員が仕事に対してポジティブな感情を持ち、充実している状態」のことです。より厳密には、オランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ教授らによって以下のように定義されています。
ワークエンゲージメントは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である
出典:http://www.jsomt.jp/journal/pdf/063040205.pdf
ワークエンゲージメントは、社員のパフォーマンスを左右する重要な要素です。ワークエンゲージメントを向上させれば、社員は主体的に仕事に取り組むようになり、生産性が大きく向上します。
なお、上述した定義の中にある通り、ワークエンゲージメントは社員の一時的な感情ではなく、持続した全般的な感情を指します。いわゆる「燃え尽き」の対局にある概念で、職場の生産性向上や離職率低下を語る上で欠かせない要素です。
最近では厚生労働省もワークエンゲージメントを向上させる重要性に言及していることもあり、社員のワークエンゲージメントを重視する企業は急激に増えてきています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3_01.pdf
ワークエンゲージメントを構成する3つの要素
ワークエンゲージメントは、以下の3つの要素から構成されていると言われています。
活力……仕事中の高い水準のエネルギーや心理的な回復力などがある状態
熱意……仕事に強く関与し、仕事に意味を見出す状態
没頭……仕事にのめり込んでいる時の幸福感がある状態
「活力」は、主に仕事中のエネルギー水準のことです。仕事に対する努力をいとわない気持ちや、困難に直面しても粘り強く取り組む気概などが該当します。
「熱意」は、仕事に対して深く関わり、熱中する状態のことです。仕事への誇りを持ったり、自ら積極的にチャレンジしようという意欲を感じたりしている社員は、熱意が高いといえます。
最後に「没頭」とは、仕事にのめり込んでいる状態のことです。例えば仕事中に「時間が早く経つ」「仕事から頭を切り離すのが難しい」といった感覚があれば、仕事に没頭している状態といえるでしょう。
ワークエンゲージメントを高めるためには、これら3つの要素をバランスよく兼ね備えることが大切です。
ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントの違い
従業員エンゲージメントは、在籍している組織に対してエンゲージメントが高い状態のことを指します。一方、ワークエンゲージメントは、仕事そのものに没頭している状態であり、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態や、仕事に対する活動水準の高さを示します。
ワークエンゲージメントは、仕事そのものへの主体性や意欲であることに対し、従業員エンゲージメントは、仕事を含む組織への貢献意欲を指すのです。
ワークエンゲージメントと関連するそのほかの概念
ワークエンゲージメントと関連する概念として、「ワーカホリズム」「バーンアウト」「職務満足感」があります。ワークエンゲージメントは、以下のように類似する概念があり、部分的に重複する部分もありますが、付加価値を加えた固有の概念となっています。
・ワーカホリズム(ワーカホリック)
ワーカホリズム(ワーカホリック)は、過度に一生懸命に強迫的に働く傾向と定義されています。活動水準が高い点がワーク・エンゲージメントと共通していますが、仕事への態度や認知が否定的な状態のことを指します。
ワーカホリズムに陥る人の多くは、「仕事を失いたくない」「仕事を続けるためには頑張らなければならない」といった、恐怖心を抱いています。
仕事に対する内発的な動機付けが存在するワークエンゲージメントに対し、外発的な動機のみで行動するワーカホリズムは好ましくない状態です。
・バーンアウト
バーンアウトは、仕事に対して過度のエネルギーを費やした結果、疲弊してしまっている状態を指します。抑うつ状態に陥り、仕事への興味・関心や自信が低下してしまっています。仕事への態度や認知について否定的な状態で、活動水準が低い状態にあることを指します。「燃え尽き症候群」とも呼ばれ、ワークエンゲージメントとは対極に位置する概念です。バーンアウトに陥る場面としては、仕事に対して献身的に取り組んだのに、期待通りの成果が得られなかった場合などが挙げられます。
・職務満足感
職務満足感は、自分の仕事を評価してみた結果として生じる、ポジティブな情動状態のことです。ワークエンゲージメントが仕事をしているときの感情や認知を指す一方で、職務満足感は仕事そのものに対する感情や認知を指します。どちらも仕事への態度や認知について肯定的な状態ではありますが、「職務満足感」は仕事に没頭してはいないため、活動水準が低い状態にあります。
出典:https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3_01.pdf
ワークエンゲージメントの尺度と測定方法・質問項目
ワークエンゲージメントを測定する方法としては、以下の3つが挙げられます。
- UWES
- MBI-GS
- OLBI
これらの方法はワークエンゲージメントを測定する上で有効ですが、実際に測定する際には注意点も存在します。
例えば、ワークエンゲージメントは国民性や文化によって偏りがあることがわかっています。特に、日本人のワークエンゲージメントは海外よりも低く算出されがちです。理由として、日本人は「自己批判バイアス」を強く持っており、自分に対する評価が厳しくなりがちな点が挙げられます。また、周囲との関係を重視して自己を評価する「相互協調的自己」を強く持つ人が多いため、「自分だけがポジティブに働いている」と見せないようにする心理が働いていることも考えられます。
いずれにせよ、企業がワークエンゲージメントを高める施策を検討する際には、こうした国民性を考慮することが大切です。ここから紹介する測定方法を実施する際は、以上のような注意点を頭に入れておきましょう。
ここからは、ワークエンゲージメントの測定方法を解説していきます。
UWES
UWESは、ワークエンゲージメントを直接的に測定する方法です。
具体的には、ワークエンゲージメントを構成する3つの要素である「熱意」「没頭」「活力」という3つの尺度について、以下のような質問を投げかけます。
- 活力:「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」
- 熱意:「自分の仕事に、意義や価値を大いに感じる」
- 没頭:「仕事をしていると、時間がたつのが速い」
UWESではこうした質問を合計17個投げかけ、それぞれの要素がどのレベルにあるのか測定します。ワークエンゲージメントの定義に沿った内容のため、精度の安定性が高く、現在最も利用されている測定方法です。
MBI-GS
MBI-GSは、ワークエンゲージメントの対局概念であるバーンアウト状態であるかどうかを測定する方法です。数値が低い場合、バーンアウト状態から遠く、ワークエンゲージメントが高いと判断することができます。
MBI-GSでは以下の3要素に沿って、それぞれ5〜6項目の質問によってバーンアウト状態を測定するのが特徴です。
- 消耗感……5項目
- 冷笑的態度……5項目
- 職務効力感……6項目
それぞれの要素に対する質問としては、以下のようなものが含まれています。
- 消耗感:「一日の仕事が終わると疲れ果ててぐったりすることがある」
- 冷笑的態度:「自分がしている仕事の意味や大切さがわからなくなることがある」
- 職務効力感:「自分は職場で役に立っていると思うことがある」
医療従事者や教育関係者、経営者など高いストレスや負荷がかかる職業では特に重要なツールとされています。
OLBI
OLBIはMBI-GSと同様に、バーンアウトを測定する方法です。測定の尺度として、以下のような項目を用います。
- 疲弊
- 離脱
測定値が低ければ、ワークエンゲージメントが高いと判断することが可能です。OLBIには、以下のような質問が含まれています。
- 疲弊:仕事後、ぐったり疲れ果てている
- 疲弊:やる気に溢れている
- 離脱:否定的な語りが多い
- 離脱:仕事にますます打ち込む
質問例からもわかる通り、OLBIはネガティブな項目とポジティブな項目を織り交ぜて評価するのが特徴です。OLBIを活用するためには、労務管理と従業員サーベイを一元化して、測定結果を施策へ反映する仕組みを作ることが求められます。
ワークエンゲージメントが注目される背景
ワークエンゲージメントは、厚生労働省が「令和元年版労働経済の分析」(労働経済白書)で言及するなど、近年注目を浴びている概念です。
ワークエンゲージメントが注目されている理由として、労働人口の減少が挙げられます。少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。限られた優秀な人材を定着させるためには、社員のワークエンゲージメントを改善し、社員の離脱を防ぐことが極めて重要なのです。
また、雇用の流動化もワークエンゲージメントが注目されている背景の一つです。転職の敷居が下がった昨今では、会社と社員の継続的な関係を維持することが難しくなりつつあります。そこで、テレワークの導入や柔軟な働き方の実現を通じてワークエンゲージメントを高め、企業への定着率を改善しようとする企業が増えてきているのです。
参考:令和元年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-
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ワークエンゲージメントの向上が企業に与えるメリット
ワークエンゲージメントを向上させれば、企業にとっては以下のようにさまざまなメリットがあります。
- 社員の心身・健康を維持できる
- 組織の生産性の向上が期待できる
- 社員の学習意欲やキャリアに対する意識が向上する
ここからは、ワークエンゲージメントの向上が企業へ与えるメリットを解説します。
社員の心身の健康を維持できる
ワークエンゲージメントを向上させるメリットとして、社員の心身の健康を維持できる点が挙げられます。
ワークエンゲージメントの高い社員は活力があり、仕事へ積極的に取り組む傾向が強いです。ストレスにも耐性があり、必要以上に落ち込むことがありません。精神的な負荷を軽減しやすいため、メンタルの不調を起こしづらくなります。また、万が一心身に悪影響を及ぼす事態が起きても、被害を最小限にとどめられるため、離職率の低下にもつながります。
組織の生産性の向上が期待できる
組織の生産性向上も、ワークエンゲージメントを高めるメリットの一つです。
ワークエンゲージメントの高い社員は、自分の持つスキルや知識を最大限に活かして仕事へ取り組むようになります。社員それぞれが活発に動くようになると、それが周囲との相乗効果を生み、組織全体のパフォーマンスにも好影響を与えます。
社員の学習意欲やキャリアに対する意識が向上する
ワークエンゲージメントを高めるメリットとして、社員の学習意欲向上や、キャリアに対する意識の向上も挙げられます。
ワークエンゲージメントが高い社員は、「最新技術を学びたい」「経営技術を磨きたい」「語学力を伸ばしたい」といった意欲が高く、自己研鑽にも積極的です。自発的にスキルや知識を磨く社員が増えれば、個々のポテンシャルが高まり、結果的に組織の競争力強化につながります。例えば自社商品について社員が自発的に学ぶようになれば、商品の改善が期待できます。顧客にも自信を持って商品をアピールしやすくなるため、業績の向上も実現できるでしょう。
さらに、自己研鑽によって力を伸ばした社員は、主体的に自らの役割を見つける傾向があります。指示されたこと以上の仕事をこなすようになるため、期待役割を超える行動が定着し、主体的なキャリア形成が実現するのです。
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ワークエンゲージメントが低下する原因
ワークエンゲージメントは、さまざまな要因によって低下してしまいます。職場のワークエンゲージメントが低下する代表的な原因は、以下の4つです。
- 社員のモチベーションが低い
- 社員間のコミュニケーション不足
- 組織の複雑化による連携の希薄化
- 風通しの悪い企業環境
例えば社員のモチベーションが低かったり、職場でのコミュニケーションが希薄だったりすると、社員の仕事に対する主体性は減退し、ワークエンゲージメントは損なわれてしまいます。組織が複雑化し、周囲と連携が取れなくなる場合も、同様にワークエンゲージメントは下がるでしょう。
また、風通しの悪い企業環境も、ワークエンゲージメントが低下する原因の一つです。職場の風通しが悪い場合、困ったことや不安な点があっても周囲へ相談できず、結果的にワークエンゲージメントが低下します。こうした事態を防ぐためには、困ったことをすぐに相談できる環境を整えるなど、職場の風通しを改善する取り組みが必要不可欠です。
風通しの良い職場を作る方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
『風通しの良い職場とは?よくある勘違いや作り方を紹介【事例あり】』
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ワークエンゲージメントを高める方法と具体的な施策
ワークエンゲージメントを高める方法としては、以下の2つの方向性が考えられます。
- 「仕事の資源」を充実させる
- 「個人の資源」を充実させる
職場のワークエンゲージメントを高めるためには、「仕事の資源」と「個人の資源」をバランスよく充実させていくのが効果的です。ここからは、職場のワークエンゲージメントを高める具体的な方法について解説します。
「仕事の資源」を充実させる
ワークエンゲージメントは、仕事の資源が多ければ多いほど、高まりを見せます。仕事の資源を増やすためには、以下のような取り組みが有効です。
- 仕事のパフォーマンスに対するフィードバック
- 上司によるコーチング
- 社会的な支援
- 正当な評価
- キャリア開発の機会
これらを実現するための具体的な方法としては、1on1ミーティングやOJTの実施、上司からのサポート強化、MVVの浸透などが挙げられます。仕事の資源を充実させる方法を一つずつ見ていきましょう。
1on1ミーティングやOJTの実施
1on1ミーティングやOJTを実施すると、社員のワークエンゲージメントを向上させることができます。
1on1ミーティングを実施すれば、上司と社員が1対1で話せるため、社員の本音を引き出せるでしょう。1on1ミーティングの場を通じて社員の不安な点や疑問点を解消すれば、社員がストレスなく働ける環境が整い、ワークエンゲージメントの向上につながります。
また、OJTによって社員教育を充実させれば、社員は仕事をこなすのに必要な能力をスムーズに獲得できます。自走できるようになれば、「自分にもできることが増えた」と自己効力感を高めてもらえるため、ワークエンゲージメントが向上するでしょう。
1on1ミーティングの効果的な導入方法や実施事例は、以下の記事で解説しています。
『1on1ミーティングの効果的な導入方法と事例を紹介』
また、OJTについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
『OJTとは?OFF-JTとの違いや効果的な方法をわかりやすく解説』
上司・管理職側のコーチング力を高める
ワークエンゲージメントを改善するためには、上司や管理職側のコーチング力を高めることも大切です。
上司のコーチングやサポートは、社員のモチベーションに大きな影響を与えます。コーチングが不十分で社員が「放置されている」と感じた場合、仕事に対するモチベーションが低下しかねません。
一方で、単純にサポートが多ければ良いというわけではない点にも注意が必要です。上司が必要以上に社員の仕事に介入した場合、「息苦しい」「監視されているように感じる」などと、かえってモチベーションが低下する場合もあります。社員の個性を見極めながら、個々にあった関わり方をするのが大切です。
上司のコーチング力を高める方法は、以下の記事で解説しています。
『コーチングとは|メリット・デメリットや必要スキルについて紹介』
MVVを浸透させる
MVVを浸透させるのも、ワークエンゲージメントを改善する方法の一つです。
MVVとは、会社にとって指針となる以下の3要素を指します。
- ミッション
- ビジョン
- バリュー
MVVを浸透させることで、社員は自分の仕事が会社の中でどのような意義を持っているのか理解しやすくなります。自分の仕事に意義を見出せる社員が増えれば、自然とワークエンゲージメントの改善につながるでしょう。
MVVを浸透させるためには、研修の実施や社内広報の強化などが有効です。
MVVを浸透させる方法や、MVV浸透の成功事例は以下のページからご確認いただけます。
『MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させる方法と成功事例』
「個人の資源」を充実させる
ワークエンゲージメントを向上させる方向性として、個人の資源を充実させるのも重要です。仕事の資源を増やすと個人の資源も充実し、その逆も起こるため、両者は非常に密接な関係にあります。
個人の資源を充実させるためには、以下のような取り組みが有効です。
- 自己効力感を高める
- レジリエンス力を養う
- 希望を持って粘り強く目標に取り組む
社員の内発的動機付けを形成すれば、個人の資源が充実し、ワークエンゲージメントの向上につながります。具体的な方法としては、ジョブ・クラフティングの導入やコミュニケーションスキルの向上、研修の充実化などが代表的です。
ここからは、個人の資源を充実させる具体的な方法について解説します。
ジョブ・クラフティングを取り入れる
ジョブ・クラフティングを取り入れるのも、社員のワークエンゲージメントを向上させる方法の一つです。
ジョブ・クラフティングとは、自分自身の意思によって仕事を再定義し、自分らしさや新しい視点を取り入れながらキャリア自律へつなげる方法のことです。ジョブ・クラフティングを実施すれば、社員の仕事に対する主体性が向上するため、ワークエンゲージメントの改善が期待できます。
ジョブ・クラフティングの具体的な実施方法や、導入に際して意識すべき注意点は以下のページで解説しています。
『ジョブ・クラフティングとは?具体的な導入手順や注意点をご紹介』
コミュニケーションスキルを高める
社員のコミュニケーションスキルを高めるのも、ワークエンゲージメントを向上させる方法の一つです。
社員のコミュニケーションスキルを伸ばせば、職場でのコミュニケーションが活性化します。コミュニケーションが活発な職場環境は、社員のモチベーションを維持する上で非常に有益です。リモートワークの普及などによってコミュニケーションが希薄化する職場も多い昨今では、ワークエンゲージメントを向上させる効果的な手法といえます。コミュニケーションスキル習得の手始めとして、まずは挨拶の定着などシンプルなものから始め、徐々に取り組みを本格化させるとよいでしょう。
社員のコミュニケーション能力を高める方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
『社員のコミュニケーション能力を高める方法』
モチベーション研修を実施する
モチベーション研修の実施も、社員のワークエンゲージメントを高める方法の一つです。
モチベーション研修では、仕事に対する社員のモチベーションを向上させるためのさまざまなワークに取り組みます。例えば、これまでの仕事の「モチベーション曲線」を描き、自分自身のモチベーションが左右されるタイミングを客観視するといった内容が一般的です。このほかにも、社員同士で楽しく取り組むゲームなどを通じて、仕事に対するモチベーションを再発見してもらう手法もあります。
モチベーション研修によって仕事のモチベーションを向上させたり、コントロールできるようになったりすれば、ワークエンゲージメントの改善にも大いに役立つでしょう。
モチベーション研修の具体的な内容やおすすめのゲームは、以下の記事で解説しています。
『モチベーション研修とは|おすすめのゲームやカリキュラム例を紹介』
レジリエンス研修を実施する
レジリエンス研修の実施も、ワークエンゲージメントを改善する方法の一つです。
レジリエンスとは、普段直面するさまざまなストレスとうまく付き合いながら、ストレス自体も自分自身の糧としながら成長していくしなやかさのことです。
高いレジリエンスがあると、困難に直面しても時間の経化とともにモチベーションが回復し、前向きな気持ちになることが可能です。
レジリエンスの高い社員はパフォーマンスが安定しており、ワークエンゲージメントも高いという特徴があります。
レジリエンス研修は、こうした社員のレジリエンスを磨く研修です。社員のストレス耐性を上げ、柔軟な発想力を身につけてもらうことができます。
レジリエンス研修の内容や目的、ポイントについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『レジリエンス研修とは?内容や目的、成功させるポイント』
監修者からひと言 |
ワークエンゲージメント向上事例
ワークエンゲージメントを向上させる際には、ワークエンゲージメントの向上に成功した事例が参考になります。ここからは、これまでに弊社アルーが支援した事例の中から、特にワークエンゲージメント向上の参考となるものを3つピックアップして紹介します。
ワークエンゲージメント向上の具体的な流れや施策を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社オリエントコーポレーション 経験者採用フォローアップ研修事例
株式会社オリエントコーポレーションでは、経験者採用の拡大に伴い、経験者採用で入社した人材の立ち上がり支援強化とコミュニティ形成支援、自律的キャリア形成支援策の拡充が課題となっていました。
そこで、アルーより、経験者採用フォローアップ研修をご提供しました。経験者採用者同士のネットワーク構築や、経験者採用者がオリコでのミッションを深く知ることによる今後のキャリア形成イメージの構築を支援しています。
同期同士のネットワーク構築のために、経験者同期同士のグループワークや交流機会などを積極的に取り入れました。また、オリコのミッション理解については、会社概要などのインプットだけにとどまらず、積極的に参加者同士の交流を促して、主体性を引き出したことが本研修のポイントです。研修後には「もっとオリコのことを知りたい」といった声が上がるなど、ネットワーク構築を通じて結果的に経験者のワークエンゲージメントが向上しました。
本事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
株式会社オリエントコーポレーション イノベーティブな先進企業を目指した施策の第一歩となる経験者採用フォローアップ研修 導入事例
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ミズノ株式会社 海外子会社と日本本社のコミュニケーション促進事例
ミズノ株式会社では、海外子会社と日本本社間のコミュニケーションが希薄で、ブランド内での意識統一が不十分という課題がありました。そこで、アルーでは海外子会社のHRマネージャー以上を日本に集め、コミュニケーションを活性化する施策を実施しています。
本事例では、対面形式でアイスブレイクや社長セッション、MVVの共有などを行いました。カンファレンスの前日には「Day 0」を設け、ウェルカムディナーなどを通じて交流しやすい雰囲気作りに取り組んだのがポイントです。
研修後にはリージョン間の関係構築が進み、結果的に海外子会社役員のワークエンゲージメント改善が実現しました。自発的なコミュニケーションが見られるなど、効果を実感する声も多くいただいています。
本事例の詳細は、以下のページから確認いただけます。
ミズノ株式会社 グローバル人材育成研修 導入事例
▼事例資料ダウンロード
株式会社ファイントゥデイ 企業パーパス浸透研修事例
株式会社ファイントゥデイでは、社員を3つの階層に分けて、各階層に必要なリーダーシップスキルを開発するための研修を実施しました。
本事例では社員を3つの階層に分けた上で、それぞれの階層に合わせたゴールを用意していることがポイントです。上級管理職層にはアッパーマネジメント研修、ミドルマネジメント層にはコーチング研修、メンバー層にはセルフリーダーシップ研修など、階層ごとに必要なリーダーシップ行動を定着させました。マネジメント層だけでなくメンバー層にもリーダーシップを定着させることで、社員の主体性を向上させ、結果的にワークエンゲージメントも向上した事例です。研修後には、「社員にまずはリーダーシップ行動を起こしてもらう」といった成果が上がっています。特に上級管理職層やミドルマネジメント層には、企業のバリューやリーダーシップビヘイビアを自分の言葉で表現する様子が見られました。
本事例の詳細は、以下のページからご覧ください。
株式会社ファイントゥデイ 3つの階層への異なるアプローチでパーパス浸透を図った研修事例
▼事例資料ダウンロード
ワークエンゲージメント向上ならアルーにお任せください
ワークエンゲージメントの向上なら、ぜひアルーへお任せください。
人材育成を手掛けているアルーでは、ワークエンゲージメントを向上させるのに役立つ研修プログラムを豊富にご用意しております。階層やレベルごとの研修実施はもちろん、海外子会社を巻き込んだグローバルなワークエンゲージメントの向上実績も豊富です。また、アルーでは貴社の課題に応じて柔軟に施策内容をカスタマイズできます。ワークエンゲージメント向上に関することなら、何でもお気軽にご相談ください。