イノベーティブな先進企業を目指した施策の第一歩となる経験者採用フォローアップ研修
自律的キャリア形成支援を軸に社員を成長させる研修を繋いでいく
株式会社オリエントコーポレーション 導入事例

左から株式会社オリエントコーポレーション 木本様、相原様、栢野様
	ロゴ

株式会社オリエントコーポレーション
従業員数 : 8,521人(2023年3月31日現在/連結)
事業内容 : オートローン / ショッピングクレジット / クレジットカード / 銀行保証 / 決済・保証 / EC決済 / 海外事業

株式会社オリエントコーポレーションでは、2030年の目指す社会を「誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会」と設定し、目指す姿を「さまざまな社会課題解決に貢献し続ける、イノベーティブな先進企業」としました。その第一歩となる取り組みとして経験者採用フォローアップ研修を実施した背景をご紹介します。

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課題

  • 新卒採用偏重から経験者採用拡充による多様な人材の受け入れ

  • 経験者採用者の立ち上がり支援強化とコミュニティ形成支援

  • 経験者採用向け研修やエクイティ施策の不足などによるインクルージョンの遅れ

  • 社員の自律的キャリア形成支援策の拡充

成果

  • 経験者採用同士の組織をまたいだ同期とのネットワーク構築
  • 経験者採用者がオリコでのミッションを深く知ることによる今後のキャリア形成イメージの構築

展望

  • 経験者採用フォローアップ研修を、全社員の自律的キャリア形成を支援する研修に繋げていく
  • 社員が会社とともに成長できる関係を築き、全社員が自分らしく生き生きと活躍する環境を作る
  • 多様な価値観等を有する社員同士が協働しながら、社外の知見も巻き込み、会社全体でイノベーションが起き続けている状態をめざす

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	栢野様
人事・総務グループ
キャリアデザイン推進部
部長

栢野 勇一郎 
	木本様
人事・総務グループ
キャリアデザイン推進部
人財開発チーム 部長代理

木本 光俊 
相原様
人事・総務グループ
キャリアデザイン推進部
人財開発チーム 主任

相原 絵里花 

イノベーティブな先進企業を目指して、多様な人財をインクルージョンしていくために経験者採用に力を入れはじめた

-御社の事業内容と部署の役割を教えてください

木本様(以下、敬称略):当社は信販会社として、オートローン、ショッピングクレジット、クレジットカードなどをお客様に提供して、商品購入時の支援をする事業を行っています。

栢野様(以下、敬称略):去年の4月に「人事部」という名称を廃止し、「キャリアデザイン推進部」と「人財マネジメント統括部」の2つに分けました。キャリアデザイン推進部では、社員の採用と教育、インクルージョン&ダイバーシティの推進に取り組んでいます。人財マネジメント統括部では、企画や人事厚生、異動運用、人権、健康経営などに取り組んでおり、役割を明確に分けました。

-それぞれのご担当されている役割を教えてください

相原様(以下、敬称略):私は、主に若手社員の教育・育成に携わっています。新入社員の入社時研修やローテーション研修の企画・運営、入社3年目までの若手社員のオンボーディングを行っています。社員の自律的キャリア形成支援策の拡充を目指して取り組んでいます。

栢野:当社はこれまで新卒採用が多く、経験者採用をほとんど行っていませんでした。新卒が多いので、価値観や考えが似た社員が多く、働き方や価値観が同質化する傾向がありました。昨年から経験者採用を本格的に開始し、私は経験者がすぐにインクルージョンできるように、環境を整えることに注力しています。

木本:私は、管理職向けの研修や、評価制度や1on1ミーティングの旗振りを行っています。最近では、インクルージョン&ダイバーシティを推進するマネージャーの育成に向けて、管理職研修を実施しています。

-2030年の目指す姿に向けての課題は何ですか?

栢野:これまで当社は、新卒一括採用がメインであったことから社員の同質化が進んでいました。2030年のめざす社会「誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会」とめざす姿「常にお客さまに寄り添い、向き合い、ニーズに即した金融サービスを通じて、さまざまな社会課題解決に貢献し続けるイノベーティブな先進企業」を実現していくためには、外部環境の変化に対応しイノベーションを起こしていく必要があります。当社のめざす姿にある「イノベーティブな先進企業」を実現するためにも、多様な人材を受容すべく、これまでの新卒採用偏重から脱却し、新卒と同数の経験者採用を開始しました。そして、経験者が持つ多様な考えや価値観を組織に活かすための教育体制を整える必要があると感じていました。
	オリコ経営目標
栢野:そのように感じた理由は、経験者採用を開始してしばらくしたときに、せっかく採用した経験者の同質化が見られたためです。当社は1954年に設立して、今年で創業70年になりますが、金融機関としては珍しく、大きな合併や経営統合などをすることなく会社を成長させてきたという「過去の成功体験」が既存社員に強烈に残っています。その成功体験から、これまでのやり方を変える必要性や、新しい取り組み・考え方を受け入れる必要性を感じている人が少ないために、違う価値観を持って入社した経験者に対して「オリコのやり方は...」「会社の指示に従って...」などといったコミュニケーションが出てしまい、受け入れ側が無意識に経験者をオリコに染めようとしていました。経験者も最初は違和感を持っていましたが、半年ほど経つと当たり前に感じるようになり、次第に同質化していきました。

経験者が、当初感じていた違和感の例として、「ZoomやTeamsのプロフィール画像に写真を入れていないこと」などがアンケートから見られました。既存社員は写真がなくても名前を見れば誰か分かりますが、経験者採用で入社した社員から見ると顔が分かりません。このように既存社員からすると当たり前に思っていたことが、経験者採用者から指摘されるまで違和感なく行われていたこともあり、早急に対処していく必要があると感じました。

木本:他にも「エレベーターで他部署の方とすれ違っても挨拶がないこと」「経験者入社時の研修が少ないこと」など、経験者採用者へのアンケートから改めて気付かされたことが多く、この違和感をオリコに染めずに組織に活かしていくことが大切だと考えています。

栢野:経験者採用者は、基礎的なビジネスマナーが身に付いているという前提で見ていたため、新卒社員では5日間かけて行う入社時研修を、1日のみのオンライン研修で済ませていました。内容も、当社の理念やコンプライアンスなどを中心に行っていました。
経験者の入社時研修後のアンケートで「研修をもっと充実させてほしい」「同期のコミュニティを作りたい」などの声が見られたため、今回の経験者採用フォローアップ研修を実施することになりました。

-アルーに経験者採用フォローアップ研修を依頼した経緯を教えてください

栢野:今回の研修を考え始めたときに、いくつかの研修会社に提案をいただいた中で、アルーの提案が想像以上に良かったためお願いしました。良かったところは「自律的キャリア形成支援」を研修の軸に据えて提案していただいたことです。今まで、新入社員研修、若手研修、管理職研修など、たくさんの研修を用意してきましたが、それぞれの研修に明確な繋がりがありませんでした。研修の大きな柱として「自律的キャリア形成支援」を置くことで、それぞれの研修に繋がりを作ることができ、社員の成長のための研修を提供できると考えました。

木本:アルーには、何度も打合せを重ねて研修をカスタマイズしてもらいました。当初、オリコに入社したばかりの経験者採用者が、オリコでのキャリアを描くことができるのか不安に感じていました。その不安に対して、キャリアについて可視化するところから始めようと提案してもらいました。まずキャリアについての可視化を行い、キャリアの方向性について考えるまでを今回の目標として、最終的にどのようになりたいかを考えるきっかけとなるような研修にしようということになりました。実現可能な目標を設定してもらえたため、アルーにお願いしようと思いました。

栢野:自律的にキャリアについて考える社員が増えると、社員のエンゲージメントが高まって会社の業績が良くなるという相関があり、社員の自律的キャリア形成を会社として支援しようと取り組み始めました。
当社は「2025年から望まない転居を伴う転勤を廃止する」と宣言しました。金融機関は転勤が多い業種で、私自身も転勤を通じて得た知見がたくさんありました。しかし、転居を伴う転勤は、自身のキャリアプランや、家庭のライフプランを考えると難しいという社員も多く、それであれば、社内の異動は基本的にジョブポスティングで行うこととし、社員のキャリア形成については、本人のみで考えるのではなく、上司や人事も一緒になって考えていこうと「自律的キャリア形成支援」に舵を切ったところです。

組織をまたいだ同期との繋がりが、経験者採用者に安心感を与え、キャリアイメージを描かせはじめた

-今回実施した研修の内容を教えてください

木本:経験者採用フォローアップ研修は、経験者として入社された方がすぐに当社で活躍できるよう、同期同士のネットワーク構築とオリコでの自律的キャリア形成支援を目的として実施しました。

栢野:まず、経験者採用フォローアップ研修の冒頭に、社長からのメッセージを伝えました。また、経験者に「違和感があれば言ってほしい」「周囲から満足のいく答えが得られない可能性があるが、諦めずに染まらないでほしい」というメッセージを伝えました。
その後、オリコに入社してからの悩みや気づき、違和感などを受講者同士で話し合う時間を設けました。受講者同士で悩みを共有し、解決策を考えることで、仲間意識を持ってもらい同期同士のネットワーク構築を図りました。
最後に、オリコでのキャリア形成について考えてもらいました。これも一方的な講義形式ではなく、ディスカッション形式で実施しました。

-目的は達成されましたか?

木本:今回の研修により、組織をまたいで同期とのネットワークを構築することができました。受講後のアンケートから「新しい考え方を得られた」「他組織での仕事内容を知ることができた」「入社後の悩みを同期と共有することでストレス解消に繋がった」「他組織の社員と同じ目的を持って研修に取り組むことで、関係性を構築でき、仕事がやりやすくなった」などの声が見られました。今まで組織をまたいだ関わりは、業務上では多少あっても、業務以外ではほとんどありませんでした。今回の施策を通じて、仕事上の関係構築にも繋がり、仕事がやりやすくなったという声もいただいています。

また、同期同士のネットワーク構築だけでなく「同じ経験者で活躍している先輩社員が今はどういう考えで仕事をして、これまでの悩みや課題をどう解決してきたかを聞きたい」という声も受講者から見られるなど、前向きな意見がたくさん見られ非常に良かったと思います。キャリアについても、違う職種のメンバーがどういうキャリアを考えていて、自分と違う職種ではどういう経験ができるのか、研修を通じて情報交換が出来たのは非常に有用であった、というような声が見られたため、キャリアを考える点においても良かったと思います。

相原:経験者採用では、入社の時期が異なり、所属先によって教育体制も異なるので、不安に感じる方が多いです。フォローアップ研修を通じて、経験者をフォローする体制を整えることができたので、安心材料になったと思います。また、組織をまたいで同期と交流したことで、良い刺激を得られたと思います。

栢野:今回の研修は、営業店に配属された経験者採用者 31名を対象としました。経験者と言ってもクレジット業務の経験がある人は少なく、ポテンシャル人材として採用したので、早く仕事を覚えようと一生懸命な人が多く、入社してから自分のキャリアについて考える余裕もあまり無かったのではないかと思います。例えば、今は地方のクレジットセンターに勤務しているが、将来は本社でこういう業務に携わりたいと主体的に手を挙げていけば、本社へ異動できるという選択肢があるということを、この研修を通じてイメージできたことは成功だと感じています。

-想定外だった変化はありますか?

木本:「もっとオリコのことを知りたい」という声が見られたことです。2025年からジョブポスティングが開始されるため、オリコでのキャリアを考える上で、どんなことができるのか、どんな部署があり、どんな仕事やチャレンジができるのかなど、オリコで得られるスキルを知りたい、更には、オリコでキャリアアップした先に、どんな人材になれるのかを開示してほしいとのことでした。ジョブプロモーションのような形で各部署の情報を出していく予定なので、それを活用し、オリコでのキャリアを考える上で役立ててもらいたいです。

「イノベーティブな先進企業」を見据えて、人事として「全社員が自分らしく生き生きと活躍できる会社」を目指す

-今後、どのようなことを実現していきたいですか?

木本:今回の経験者採用フォローアップ研修は、「自律的キャリア形成」の第一歩となりました。このキャリア形成を、研修内で考えて終わり課題を提出して終わりではなく、入社4年目、10年目の研修に繋げていくことが重要だと考えています。

相原:今回の経験者採用フォローアップ研修は、自律的キャリア形成の土台となる研修になりました。今後は、全社員を対象として、全社員が自律的キャリア形成を実現できるような研修や施策を打ち出していこうと考えています。今回の研修では経験者採用者にフォーカスして実施しましたが、新卒・経験者を分けず、全社員フォローしていきます。

木本:これまで、経験者だから、新卒だから、というバイアスによって研修に違いを設けていました。経験者採用と新卒採用とでは採用の入り口が違うだけで、その後のオリコでのキャリア形成は同じになります。人事の役割とは、社員がオリコの一員としてオリコで活躍できるよう支援することだと考えています。全社員が自分らしく生き生きと活躍できる会社を目指していきたいです。

栢野:経験者が多様な考えや価値観を武器にして活躍するには、受け入れ側の理解が必要になります。多様な考えや価値観が、会社として成長しイノベーションを起こしていく上で大切であることを、現場の支店長や部室長クラスに、常に発信していきます。

2030年には「さまざまな社会課題解決に貢献し続けるイノベーティブな先進企業」を目指しています。経験者採用による知見獲得からはじまり、女性管理職比率の向上や、経験者採用の管理職登用のほか、外部からもインクルージョンして、協業しながら新しいことができる会社にしていきたいです。
キャリアアップしたいという理由で退職を希望する社員がいれば応援してあげて、いずれまた戻って来たくなるような魅力ある企業文化を作っていきたいです。

アルーとはビジネスパートナーとして相互に協力し合う関係を構築し、新しいビジネスを展開していきたい

-アルーはどのような存在ですか?

木本:今回、一緒に研修を運営して、これからもしっかりお付き合いさせていただきたいビジネスパートナーだと感じました。当社はこれから更に経験者採用を拡充していく予定で、その研修をより良くするにはどうすればいいのかを、パートナーとして一緒に考えてもらいたいです。今回実施したものが最善と考えるのではなく、是非パートナーとして一緒にアルーにもアイデアを出してほしいですし、一緒に考えていきたいです。引き続き、ビジネスパートナーとして弊社にご協力いただければ嬉しいです。

栢野:ビジネスパートナーとして、広く、深く、新しいビジネスで協業していきたいと思います。
また、アルーは様々な企業と取引しているため、多くの情報をお持ちだと思います。各企業が抱えている課題は多様にありますが、障がい者雇用率や女性管理職比率のような共通の課題もあります。アルーに仲介役となっていただき各種情報交換をしたり、例えば当社の役員がメンターとなって他社の女性管理職候補に協力したり、協力してもらったり、そういう新しい人事領域の施策を一緒にできる、本当の意味でのビジネスパートナーになっていきたいです。

相原:アルーには、研修のプロとしての知見や支援をしてもらいました。今後も当社をより良くするために協力して頂き、当社からも何かお力になれることがあれば協力して、ビジネスパートナーとして良い関係を築いていきたいです。
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アルー営業担当からの一言

アルー株式会社
HRコンサルティング部
宮本 桂一郎

先方のあるべきキャリア像の解像度を上げ、受講者の現状の声を取り入れカスタマイズされたカリキュラムを提供しました。これにより参加者のニーズに合った価値のある研修体験を実現できたと思っております。
参加者が研修を通して新しい視点を習得し、自信を持って明るく演習に取り組む姿が見られ、今回の対象となる中途社員の皆様が会社に適応しようと努力していることや、自分自身の価値観を再発見して受講者間で開示していく様子を拝見できたことはとても感動的で印象に残っております。
今後は領域や階層を広げていき多角的なご支援を実現することで今後もオリコ様のお役に立ちたいと考えております。

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