高卒新入社員の教育方法|イマドキ高卒社員の特徴や育て方のポイント
高卒新入社員には、大卒新入社員とは異なる特徴があります。
そのため、高卒新入社員を育成する際には、高卒ならではの特徴を踏まえた施策が必要です。
そこでこの記事では、高卒新入社員の教育方法や、イマドキの高卒社員の特徴を徹底的に解説します。育て方のポイントや研修の事例も紹介するので、高卒社員の育成に取り組んでいる企業担当者の方はぜひ参考にしてください。
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目次[非表示]
高卒新入社員の特徴
高卒新入社員の最大の特徴として、以下のような特徴が挙げられます。
- 特殊な就職活動を行っている
- 早期離職率が高い
- 社会経験が少ない
- 挑戦よりも安定を求める
- コスパ・タイパを重視する
以上のように、特殊な就活活動を行っている点や、大卒新入社員と比べると早期離職率が高く、社会経験にも乏しいことが特徴です。また、最近では挑戦よりも安定を求める、コスパやタイパを重視するといった新しい傾向も出てきています。
最新の高卒新入社員の特徴を以下の項目で詳しく確認していきましょう。
特殊な就職活動を行っている
高卒新入社員の特徴として、学業に支障をきたさないために特殊な就職活動を行っている点が挙げられます。
具体的には、応募できる企業が1人1社までの「1社ルール」が最大の特徴です。
1社ルールとは、1社目で内定をもらえなかった場合のみ、2社目に応募することができるルールで、2023年現在も全国のほとんどのエリアでこのルールが適用されています。
大卒新入社員は何十社もの説明会へ参加して、選考での合格や不合格を繰り返した末に採用を獲得します。一方で高卒新入社員の場合は、ハローワークから高校へ送付された求人票を通じて応募するケースがほとんどなのです。
早期離職率が高い
早期離職率が大卒新入社員と比較して高いことも、高卒新入社員ならではの特徴です。
以前は「7-5-3」とも言われていたように、新卒の3年以内離職率は中卒が7割、高卒が5割、大卒が3割という離職率が一般的でした。
最近では中卒や高卒の離職率が改善傾向にあるためここまで極端な差はありませんが、それでもほとんどの企業で高卒の早期離職率は高い傾向にあります。
高卒新入社員の場合、高校の教師から「受験が難しいなら就職へ切り替えてみてはどうか」と打診されて就活するケースも多く、就業意識や「この企業を自分が選んだ」という自覚が乏しいことも離職率が目立つ要因の一つです。
社会経験が少ない
高卒新入社員の場合、当然ながら社会経験が大卒新入社員よりも浅いです。
多くの大学生は、大学生の間にアルバイトやインターンシップを通じて一定の社会経験を積んでいきます。一方で高校生の場合はほとんどが親の収入に頼って生活しており、学業や部活動で忙しい人も多いです。
ベネッセ教育総合研究所が公表した「第1回子ども生活実態基本調査報告書」によると、高校生のおよそ8割はアルバイト経験を持ちません。「正社員として働く」という感覚を持っていない人も多いです。
参考:ベネッセ教育総合研究所『第1回子ども生活実態基本調査報告書』
挑戦よりも安定を求める
最近の高卒社員には、挑戦よりも安定を求める傾向が見られます。
挑戦よりも安定を求める傾向はZ世代と呼ばれる最近の大卒新入社員にも共通して見られますが、高卒の場合は特にその傾向が強いです。
検索して「正解」を知ることが当たり前な環境で育っているため、質問したり失敗したりすることを恥ずかしいと感じてしまいます。
周囲に合わせ強調して働くという意識は高い一方で、「我こそは」と他に先んじて取り組む積極性や冒険心に欠ける傾向があることを念頭に置いておきましょう。
コスパ・タイパを重視する
SNSに慣れ親しみながら育った世代にあたる高卒新入社員は、「コスパ(コストパフォーマンス)」や「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が強いです。
最近ではさまざまなSNSを通じて、世界中の膨大な情報が瞬時に手に入るようになりました。そのため、「安くておいしい飲食店を探す」「おしゃれな服をできるだけ安く買う」などの、コスパを重視したお金の使い方を常に意識しています。
また、「動画は1分未満のショートが主流」「短くまとめられた文章を流し読みする」といった、タイパを重視する点も大きな特徴です。
こうした傾向は仕事にも現れることが多く、時間やお金のムダに敏感な傾向があります。
最新の新入社員に見られる傾向について、詳しくは以下のページで詳しく解説しています。
『Z世代の特徴から見る教育方法。接し方のポイント』
大卒社員との違い
高卒社員に最適化された研修を実施するためには、高卒社員と大卒社員の間に見られる違いについて正しく理解することが重要です。
- 大人としての責任を問われる立場になったことがない
- 自分の意志で自発的に行動する経験が少ない
- 自分とは違う属性・タイプとのコミュニケーション経験が少ない
- 失敗を過度に恐れる
上記の高卒社員と大卒社員で見られる傾向の違いについて以下の項目で詳しく解説します。
大人としての責任を問われる立場になったことがない
アルバイトなどで一定の社会経験を積んでいる大卒社員と異なり、高卒社員は、大人としての責任を問われる立場になったことがないという特徴があります。
基本的に高校生は、周囲の大人に守られる立場です。身の回りのことや生活を家族が支えることも多く、自分自身が大人として責任を取られる機会はほとんどありません。
一方で大卒社員の場合、アルバイトやインターンシップ、あるいは下宿して自立した経験を持つ人も多いです。高卒新入社員を対象とした研修プログラムを考える場合、こうした経験の違いを踏まえる必要があります。
自分の意志で自発的に行動した経験が少ない
大卒社員と比べ、高卒社員は自分の意志で自発的に行動した経験が少ないです。
高校生は、基本的に周囲から「やるべきこと」を与えられる立場です。学校での勉学はもちろん、部活などでも大人からの指示に従って行動することが多いでしょう。
こうした背景から、高卒新入社員は自分の意志で自発的に動くことが難しい傾向にあります。「自分のやりたいことをやる」環境になかったため、周囲からの指示がなければ動けないという状態になってしまうのです。
自分とは異なる属性・タイプとのコミュニケーション経験が少ない
高卒社員の場合、自分とは異なる属性・タイプの人とコミュニケーションを取る経験も、大卒社員と比べると少ない傾向にあります。
大学の場合、さまざまな年齢や経験、考え方や文化的背景を持った人が集まります。そのため大学では、授業やサークル活動などを通じて多様な人材と交流する機会が多いです。
一方で高校生は、同じ年齢の同じような文化背景を持ったクラスメートとのコミュニケーションが中心の生活を送ってきており、多様性のある場をなかなか経験できません。
そのため、高卒新入社員は自分と近しい人ばかりと接してきた人が多いです。
多様な価値観に触れる経験を積んでもらったり、多様性を受け入れる心構えを形成したりする必要が考えられるでしょう。
失敗を過度に恐れる
大卒社員と高卒社員の間に見られる違いとして、高卒社員は失敗を過度に恐れる傾向が強い点も挙げられます。
社会人経験の浅い高卒社員の場合、仕事で大きな失敗をした経験がほとんどありません。そのため、失敗を過度に恐れてしまい、挑戦しなくなってしまうのです。
特にキャリアに関しては、その傾向が顕著です。「失敗を避けたい」「無理のない範囲で働きたい」と考える人が多く、出世を望まない高卒社員も増えてきています。
高卒新入社員に教育が必要な理由
次に、高卒社員に教育が必要な理由を解説していきます。
- 早期離職を防ぐため
- 早期戦力化による生産性向上のため
- 周囲に悪影響を及ぼす人材になることを防ぐため
- 不祥事などのリスクがあるため
高卒新入社員に教育が必要な理由として、早期退職の防止や生産性の向上が挙げられます。また、周囲の人に悪影響を及ぼす人材になることを防ぐことも、教育の重要な目的です。
高卒新入社員に教育が必要な理由をいくつかの観点から解説します。
早期離職を防ぐため
高卒新入社員に教育が必要な理由として、早期退職の防止が挙げられます。
高卒新入社員は特殊な就職活動を経験しているため、「自分がこの会社を選んだ」という気持ちが浅く、会社に対するこだわりや帰属意識も低いことが特徴です。
こうした状況をそのままにしてしまうと、早期退職によるコストの損失を招いてしまいかねません。
大卒と比較するとどうしても就業意識が低くなりがちな高卒社員には、研修を通じてモチベーションを向上させたり、就業意識を醸成したりすることを重視しましょう。
若手社員の離職を防止する対策方法については以下のページでも詳しく解説しています。
『若手社員の離職を防止するには?早期離職の原因と対策方法』
早期戦力化による生産性向上のため
高卒社員を対象とした教育には、高卒社員に対して早期戦力化を促し、会社の生産性を向上させるという目的もあります。
社会人経験の浅い高卒社員は、周囲と協働するために自分がどう立ち回ればよいのかわからない人が少なくありません。
研修を実施して高卒社員に期待役割やノウハウを伝達すれば、高卒社員をいち早く早期戦力化させることが可能です。
早期戦力化に成功した高卒社員は、同じ年齢の大卒社員と比較すると経験の面でアドバンテージを持つこともできるでしょう。高卒社員の早期戦力化が、組織の生産性向上や業績改善につながるのです。
周囲に悪影響を及ぼす人材になることを防ぐため
周囲に悪影響を及ぼす人材になることを防ぐことも、高卒社員を教育する目的の一つです。
高卒社員は社会経験が浅いため、仕事に対する当事者意識が低い人も多いです。「何でも人のせいにしてしまう」傾向をそのままにして在籍年数を重ねてしまうと、将来的に周囲へ悪影響を及ぼしかねません。
なるべく早い段階から仕事に対して誇りや責任感を持ってもらい、当事者意識を形成することが大切です。
不祥事などのリスクがあるため
高卒新入社員を対象とした研修には、不祥事などのリスクを防ぐ目的もあります。
社会経験を持たない高卒社員は、職業倫理が欠落しているケースが多いです。
こうした状態を放置してしまうと、仕事での手抜きにつながりかねません。
また、最近ではインターネットに囲まれて育った世代の新入社員が、SNSに関連する不祥事を引き起こしてしまうケースも増えています。
「不祥事によって会社へ損害を与える事態に対するリスクヘッジ」の意味でも、高卒新入社員を早期に育成することは重要です。
高卒新入社員に必要な研修内容
次に、高卒新入社員に必要な研修内容を具体的に紹介します。
- 学生から社会人へのマインドセット
- ビジネスマナー
- コミュニケーションスキル
- 報連相
- 他者の受容・尊重
高卒新入社員には、学生から社会人へのマインドセットや、ビジネスマナーを教育しましょう。また、コミュニケーションスキルや報連相を身につけてもらうこともおすすめです。
以下の項目で、詳しく高卒新入社員に必要な研修内容を解説します。
学生から社会人へのマインドセット
高卒新入社員には、学生から社会人へのマインドセットを身につけてもらいましょう。
高卒新入社員には、失敗を過度に恐れてしまったり、自発性がなかったりといった傾向が見られます。
そのため、社会人として必要なマインドセットを研修によって獲得してもらうことをおすすめします。具体的には、会社の一員として求められるモラルや責任感を身につけたり、積極性や挑戦心を引き出して指示待ちからの脱却を促したりしましょう。
▼学生から社会人へのマインドセット研修のカリキュラム例
テーマ |
概要 |
進め方 |
イントロダクション |
グランドルールと研修目的を確認する |
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社会人の基本とは? |
社会人の基本(与えられる側から与える側に)を知る。自立した人とは、自ら周囲に価値を与え、周囲からその価値を認められている人であり、そのために3つの行動(モラルを守る、責任を果たす、相手を尊重する)ことが必要であるを学ぶ |
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導入ワーク: |
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ペアワーク |
ノック1本目 |
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ペアワーク |
ノック2本目 |
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ペアワーク |
ノック3本目 |
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ペアワーク |
総合演習: |
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グループワーク |
まとめ |
振り返り、行動指針の作成、質疑応答 |
アルーの提供している「学生から社会人への意識転換」研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
「学生から社会人への意識転換」のプログラム詳細
▼サービス資料をダウンロードする
ビジネスマナー
ビジネスマナーも、高卒新入社員を対象とした研修におすすめの内容です。
高卒新入社員の場合、ビジネスマナーの内容を知らないことに加え、ビジネスマナーが必要とされる背景について十分理解できていないケースが多いです。
研修では、ビジネスマナーがなぜ必要なのか、などの背景から丁寧に解説することがおすすめです。
その後、具体的なビジネスマナーを教え、ロールプレイングなどを通じて定着を図っていきましょう。
▼ビジネスマナー研修のカリキュラム例
テーマ |
概要 |
イントロダクション |
グランドルールと研修目的の確認 |
マナー理解度テスト |
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マナーを体現するための心構え |
社会人にとってのマナーとは何か、なぜ大事かを確認し、「一人ひとりが会社の代表として相手に信頼感・安心感を与える」というマナーの心構えについて理解する |
講義「印象管理」 |
身だしなみ、挨拶、表情、立ち居振る舞い、言葉遣いをテーマに、周囲から信頼感・安心感を持ってもらえる状態をどのように作るかを学ぶ |
実践演習「印象管理」 |
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講義「実務マナー」 |
職場ですぐに実践するマナーとして、名刺交換、電話応対、メール応対、来客・訪問・席次について学ぶ |
実践演習「実務マナー」 |
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講義「マナーと人間関係」 |
気持ちよく働くための環境づくりと、人間関係の構築として、会食・宴会でのマナーについて学ぶ |
実践演習「マナーと人間関係」 |
会食・宴会中に起こりえるアクシデントについて、自分ならどのように対応するかをテストする |
まとめ |
職場での実践に向けて研修での気付きをまとめ、目標を立てる |
アルーの提供している高卒新入社員向けのビジネスマナー研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
「高卒向けプロフェッショナルマナー」研修プログラムの詳細
▼サービス資料をダウンロードする
コミュニケーションスキル
高卒新入社員には、ビジネスで必要とされるコミュニケーションスキルを学んでもらいましょう。
社会人として仕事を進める上では、自分の都合だけではなく「相手の視点」を常に意識して行動する必要があります。また、仕事を進める際には相手と必ず事前に相談し、ゴールや仕事の段取りについて認識をすり合わせることが重要です。
コミュニケーションスキル研修を行えば、こうした基本的な姿勢について学んでもらい、仕事に必要な情報共有を的確に行えるようになるでしょう。
▼コミュニケーション研修のカリキュラム例
テーマ |
概要 |
進め方 |
イントロダクション |
研修目的を確認する |
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導入講義: |
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講義 |
ビジネスコミュニケーションの基本 |
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ペアワーク |
【Goal】: |
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個人ワーク・ |
【Plan】:段取り |
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個人ワーク・ |
【Do】: |
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個人ワーク・ |
【Check/Action】: |
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個人ワーク・ |
まとめ |
振り返り、質疑応答 |
高卒社員を対象とした、仕事の進め方やコミュニケーションについて学べるアルーの研修は以下のページからご覧ください。
「高卒向け仕事の進め方とコミュニケーション」研修プログラムの詳細
▼サービス資料をダウンロードする
報連相
報連相も、高卒新入社員向けの研修にぜひ盛り込みたい内容の一つです。
「報連相(報告・連絡・相談)」は、ビジネスパーソンとしての基本スキルです。
一方で、正しい報連相をいきなり実践できる新入社員はそう多くありません。
報連相の内容は理解していても、忙しい上司に報連相を実践することを躊躇してしまったり、自分の情報を整理してから相手へ伝えられなかったりするケースもあるでしょう。
研修を通じて報連相の重要性や情報を整理するコツなどを学んでもらい、正しい報連相を実践してもらいましょう。
▼報連相研修のカリキュラム例
テーマ |
概要 |
進め方 |
イントロダクション |
グランドルールと研修目的を確認する |
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頭の体操 |
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ペアワーク |
講義 |
ホウ・レン・ソウの目的(仕事を前に進める、職場の全員が気持ちよく働く)と、心構え(チームの成功を第一に考えホウ・レン・ソウを行う)、ホウ・レン・ソウの7つの道具(場のすり合わせ、エレベータートーク、リクエストの明確化、リクエストの明確化、積極的傾聴、理解の確認、フィードバック)について学ぶ |
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ノック1本目 |
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ノック2本目 |
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ノック3本目 |
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ノック4本目 |
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ノック5本目 |
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ノック6本目 |
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ノック7本目 |
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ノック8本目 |
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まとめ |
1日のまとめ、質疑応答 |
アルーの提供している報連相に関する研修は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
「プロフェッショナルスタンスコミュニケーション ホウ・レン・ソウ7つ道具編」研修プログラムの詳細
▼サービス資料をダウンロードする
他者の受容・尊重
高卒新入社員向けの研修では、他者を受容して、尊重する姿勢を獲得してもらうのもよいでしょう。
最近では組織に多様な視点を取り入れようとする企業も多く、性別や国籍、価値観や文化的背景などでダイバーシティを推進する場面も多いです。
一方で多様な人材と交流する経験を持たない高卒新入社員は、自分と異なる考え方を持つ他者を受容し、尊重することが難しいケースがあります。
研修を通じて多様な相手と協働する際の心構えやスタンスを学び、周囲の人との良好な関係構築を促していきましょう。
▼他者の受容・尊重研修のカリキュラム例
テーマ |
概要 |
進め方 |
イントロ ダクション |
グランドルールと研修目的を確認する |
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良い関係性を築く |
自分から周囲と良い関係性を築き、協力を得やすくするために自分から働きかける重要性を理解する |
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一緒に働きたくなる人になるための心構え |
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ペア ワーク |
いつの間にか信頼を |
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グループワーク |
相手がもっと話したくなる話の聴き方 |
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ペア ワーク |
良い仕事を引き寄せる話しかけ方 |
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ペア ワーク |
成長につながるフィードバックの受け取り方 |
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ペア ワーク |
まとめ |
振り返り、行動指針の作成、質疑応答 |
アルーの提供している「他者の受容・尊重」研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
「他者の受容・尊重」研修プログラムの詳細
▼サービス資料をダウンロードする
高卒新入社員の教育の5つのポイント
大卒新入社員とは異なる特徴を持つ高卒新入社員を教育する際には、いくつかの意識しておきたいポイントが存在します。
- 人としての成熟度を高める教育を行う
- 役割の変化に合わせて段階的な教育を行う
- 行動し、フィードバックを受ける機会を繰り返し設ける
- 社会経験の差があることは上司・管理職も知っておく
- マイクロラーニングもおすすめ
高卒新入社員の教育を成功させるために知っておきたい上記の5つのポイントを解説します。
人としての成熟度を高める教育を行う
高卒新入社員を教育する際には、人としての成熟度を高める教育にフォーカスしましょう。戦力化のために仕事での習熟度を高めたいと考えがちですが、まずは人としての成熟を促すところからスタートしてみることをおすすめします。
人としての成熟を促す際には、以下の3つの要素を意識してみましょう。
- 対自分(ジブン)……視座を高め、見える世界を拡げる
- 対仕事(シゴト)……障害を乗り越え、仕事の目的を達成する
- 対他人(ヒト)……自分と異質な人とも協力し合える
上記の3つの領域でそれぞれ成長を促すことで、責任感の醸成や社会人としてのマインドが形成されていきます。
役割の変化に合わせて段階的な教育を行う
高卒新入社員を育成する際には、役割の変化に合わせて段階的な教育を行いましょう。
例えば入社直後の段階では、報連相やビジネスマナーといった社会人としての基礎スキルを磨いてもらうことが効果的です。同時に、社会人としての責任感を獲得するためのマインドセット研修などにも取り組みましょう。
社会人としての基本的なスタンスが形成されてきたら、徐々に応用的なビジネススキルを教えていきます。高卒新入社員のレベルを見ながら、フェーズにあった教育を実施することが大切です。
行動し、フィードバックを受ける機会を繰り返し設ける
高卒新入社員を育成する際には、行動し、フィードバックを受ける機会を繰り返し設けましょう。
一定の社会経験がある大卒新入社員の場合、研修で知識やスキルを学べば早い段階で実践できるようになります。一方で高卒新入社員の場合、研修で知識やスキルを伝えるだけではなかなか必要性を理解してもらえず、現場での実践に結びつかないケースも多いです。
高卒新入社員を育成する際には、
- 「行動する」
- 「フィードバックを受ける」
- 「気づきを得る」
- 「自分の言動を改める」
以上の4つのサイクルを回すことをおすすめします。
上司が受講者に対して積極的にフィードバックを提供して、まだ見えていない世界を体験させるしくみを作りましょう。
一方的に「やれ」と指示を出すのではなく、「やらないといけないな」と実感させることがポイントです。
社会経験の差があることは上司・管理職も知っておく
高卒新入社員と上司の間には社会経験の差の存在が存在することを上司や管理職も認識することが大切です。
高卒新入社員を育成する際には、上司や管理職が高卒新入社員のバックグラウンドを踏まえた上で積極的にサポートする必要があります。「なんでこんなこともできないんだ」と憤るのではなく、高卒社員と上司の間にはジェネレーションギャップが存在することも理解しましょう。社会経験の差を踏まえながら、基本的な内容から着実に身につけさせることが大切です。
マイクロラーニングもおすすめ
マイクロラーニングを実施することも、高卒新入社員を育成する際にはおすすめです。
マイクロラーニングとは、1回分が数分〜10分程度で完結するような短いコンテンツを通じて学びを深める学習スタイルです。
スキマ時間を活用しながらいつでも学習できるため、忙しい現代のビジネス環境に適した学習方法として注目を浴びています。
特に、TikTokなどで短尺コンテンツに慣れ親しんでいる高卒新入社員に対して、マイクロラーニングは相性のよい教育手法です。マイクロラーニングの学習環境を整えれば、空いた時間をうまく活用しながらスムーズに学んでもらえるでしょう。
アルーが行っている高卒新入社員向け研修の事例
人材育成を専門としているアルーでは、高卒新入社員を対象とした研修を実施しています。その中から特に参考となる事例を2つ、紹介します。
高卒新入社員向け研修の具体的な流れやプログラムについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
高卒新入社員研修
高卒新入社員研修は、高卒新入社員に対して社会人としての基本スタンスを獲得してもらうことを目的とし、以下のような課題を抱えた高卒新入社員に向けて実施した研修です。
- アルバイトの意識が抜けないなど社会人としての意識が欠落している
- 遅刻を繰り返したり、 すぐに他人任せにしたりなど基本行動に関して指摘される
具体的内容 |
◼ オリエンテーション
◼ 仕事をする前に大事なこと
◼ 仕事をするときの心構え
◼ どんな仕事でも役に立つ基本行動
◼ まとめ |
受講者たちに「社会人であること」をしっかりと認識してもらうために、以下の質問を投げかけ、自身の言葉で答えてもらいました。
- 「価値を与えられる側から与える側になるとは?」
- 「そのために自立するとはどういうことか?」
- 「社会人として必要な心構えは?」
- 「なぜ社会人としてマナーが必要なのか」
高卒としての自分の「当たり前」は「社会人としての当たり前ではない可能性がある」ということを伝え、気づくきっかけを与えています。
最後に、どんな仕事をする際にも共通して求められる基本行動として、周囲へのサポートの求め方や報連相、挨拶の重要性について学んでもらいました。
高卒3年目社員研修
高卒3年目社員研修は、高卒で入社した3年目の社員を対象として、仕事に対する前向きな姿勢を持ってもらうことを目的に実施した研修です。
1日目(0.5日) |
2日目(1.0日) |
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テーマ |
STEP1
仕事についてこれまでと違った角度から考えてみる |
STEP2
少し先の自分を想像してみる STEP3 目指す姿に向けて仕事に取り組んでみ |
内容
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◼ お客様パート |
◼ イントロダクション
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◼ イントロダクション
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2日間のプログラムであり、1日目はまず入社から現在までに成長したことを振り返ってもらうワークに取り組んでもらいました。
その後、これまでの成長を踏まえながら、さらなる成長には何が必要なのかを考えてもらっています。
2日目には、自分自身の特性を理解するワークや、自分の特性の活かし方を見つけるワークに取り組んでもらいました。最後に、周囲と良好な関係構築を行うための基本行動を伝え、社会人としてのコミュニケーション力を伸ばしてもらっています。
高卒新入社員への教育ならアルーにお任せください
高卒新入社員への教育なら、ぜひアルーへお任せください。
高卒新入社員を育成する際には、社会人経験が浅い、特殊な就職活動を行っている、などの高卒新入社員ならではの特徴を踏まえた施策が重要です。
人材育成を専門としているアルーでは、これまでにさまざまな業界で高卒新入社員の育成をサポートしています。
研修の企画段階から丁寧なヒアリングを実施し、お客様の企業に最適な研修プログラムをご提案させていただきます。
アルーの提供している高卒新入社員向け研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
高卒向け社会人の基本
ぜひこの記事の内容を参考に、高卒新入社員の特徴を踏まえた効果的な育成施策を実施していきましょう。