Z世代の特徴から見る教育方法。接し方のポイント
「Z世代はどのように教育すればよいのだろうか?
「Z世代の特徴や接し方を知りたい」
こういった考えをお持ちの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。主に1996年〜2000年代に生まれた「Z世代」には、これまでの世代とは異なる様々な特徴があります。
この記事を読めば、Z世代の特徴や価値観、さらにはZ世代を教育するときのポイントがわかります。ぜひ今後の人事施策の参考にしてみてください。
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Z世代とは?
そもそも、Z世代とはどの世代のことを指すのでしょうか。
Z世代の定義は文献によって若干のずれがありますが、一般的には「1996年〜2010年代序盤に生まれた世代」を指します。Z世代には多くの特徴がありますが、中でも特筆すべきは、生まれた時からデジタル化が進んでいた「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代であるということです。
以下の図のように、Z世代には「ゆとり世代」とはまた異なる教育方法が有効です。
ミレニアル世代との違い
ミレニアル世代とは、1981年〜1995年に生まれた人々を指す言葉です。2000年前後に成人することから、このような名前が付けられました。
高度経済成長を終え社会経済が停滞的に入っていたミレニアル世代では、以前の「モノ中心」の消費ではなく、サービスや体験といった「コト消費」を重視する特徴があります。一方でZ世代では、モノかコトかの違いではなく、商品やサービスそのもののコスパを重視する傾向が強いです。
Y世代との違い
Y世代とは、主に1980年代の序盤から1990年代中盤までに生まれた人々を指す言葉です。ミレニアル世代とほとんど同じ世代を指しており、実際にミレニアル世代とY世代は同一の世代を指すこともあります。
Y世代は、思春期前後にかけてインターネットの爆発的普及を経験しています。デジタルネイティブの最初の世代とも言われており、現在はインターネットを駆使して活躍する人々が多いです。Y世代は主にパソコンを活用するのに対し、Z世代はスマホがネット活動の中心となっています。
【監修者からひとこと】 昨今、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンという言葉が広まっているように、Z世代という括りで無意識に区別してしまわないように気をつけましょう。企業として、多様性を受容し、包摂的な環境で受け入れ、多様な人材を活躍させることを目的格にすることで、国籍・宗教・性別などを含めた多様性の一部にZ世代があると捉えた上で、企画や施策を検討することを推奨します。 |
Z世代の教育が重要な理由
Z世代の新入社員が入社してきたら、Z世代の特徴について理解することが欠かせません。Z世代への教育は、ジェネレーションギャップへの対策や、退職の防止といった観点からとても重要です。
Z世代の教育が重要な理由について確認しましょう。
ジェネレーションギャップへの対策
Z世代は、生まれた環境や育ってきた環境が、Z世代よりも上のY世代やゆとり世代と大きく異なります。従来通りの指導を行ったとしても、Z世代の社員の感覚と合わなかったり、Z世代に受け入れられてもらえなかったりして、ジェネレーションギャップが発生してしまう可能性があります。
ジェネレーションギャップが発生すると、コミュニケーションに問題が生じ、組織のパフォーマンスが低下してしまうでしょう。そういった状況を防ぐためにも、Z世代についての理解を深め、特性に合った教育を提供することが大切です。
退職の防止
新入社員として入社してきたZ世代は、企業の十年後、二十年後を担う人材です。最近では「人的資本」という言葉が注目されているように、会社にとって「人材」の重要性はますます高まっています。そんな中でZ世代が早期に退職してしまうと、会社としての競争力が大きく低下してしまいかねません。
【監修者からひとこと】 Z世代への教育だけでなく、Z世代を受け入れる現場上司、職場の同僚向けにもZ世代の特徴と対応方法について教育すると効果的です。 |
Z世代の特徴や価値観
アルーでは、2024年度の新入社員約2.7万人に新入社員研修を提供しました。研修講師やオブザーバーへのアンケートの結果、2024年度新入社員には以下のような傾向があることがわかりました。
詳細な数値データは以下の図をご参照ください。数字が高いほど、その傾向が強いということになります。
出典:2024年度新入社員レポート_Z世代と働くヒント~導入研修から見えた特徴と響くメッセージ~
ここからは、上記データやこれまでの独自調査からわかったZ世代の特徴や仕事に関する価値観をお伝えしていきます。
ワークライフバランスを重視する
Z世代が学生時代を過ごした2010年代では、過労死や過剰な残業といった働き過ぎが社会問題化していました。それを受けた働き方改革の中で就活を始めたのがZ世代です。Z世代の特徴として、ワークライフバランスを重視するという点も挙げられます。
こちらも、特に従業員数1,000名以上の大企業の内定者に当てはまる傾向であることがアルーのアンケート調査によって分かりました。
「とにかく働き続けてキャリアを開拓する」というような意識を持っている人は少なく、むしろ「仕事と家庭を両立した幸せ」に重きが置かれていることが多いでしょう。出世に対する意欲が薄く、むしろプライベートや家庭に時間を使いたいと考えるZ世代の社員も少なくありません。
安定と堅実を好み、リスクを避ける働き方を望む
Z世代の新入社員は、強い安定志向を持っている傾向にあります。アルーが2023年に実施したZ世代への調査によると、「あなたが望む仕事・働き方はどのようなものですか?」という問いに対し、「安定した環境に身を置いて、長く、堅実に働きたい」という回答が7割近くを占めました。
この傾向は10年以上前から続いており、その意味ではZ世代の新入社員も近年の新入社員と似た価値観をもっていると言えるでしょう。
一つの会社で長く働き続けたいと考えている
安定志向を強く持つZ世代の新入社員の多くは、「同じ会社で長く働き、堅実に成長したい」と考えています。アルーが実施した2023年内定者調査によると、「今後のキャリアプランはどのようなものですか?」という問いに対し、多くの内定者が「同じ会社の中の特定の部署で、長く働きながらキャリアアップしたい」「同じ会社の中で、複数の部署を異動しながらキャリアアップしたい」と回答しています。特に、大企業の内定者の場合、約半数が「同じ会社の中で働き続けたい」と回答してます。
一方で、「転職をしながら、複数の会社や業界にまたがってキャリアアップしたい」と回答した割合は約6%に過ぎません。
Z世代の新入社員は、「転職ありき」で就職先を決めているわけではないことがわかります。むしろ多くの学生が「長く働きたい」と希望を持って入社しているのです。
デジタルネイティブだがPCスキルは低い
Z世代はデジタルネイティブです。スマートフォンやタブレットをはじめとした様々なデジタルデバイスに囲まれて育っており、デジタル機器の扱いには慣れています。
一方で、デジタルネイティブではあるものの、PCスキルはあまり高くありません。スマートフォンの普及を思春期に経験しているZ世代では、友人との連絡や調べごと、写真の管理などをすべてスマートフォンで完結させる傾向があります。若いからといってWordやExcelが使いこなせるというわけではなく、あくまでもPCスキルについては会社側が教育する必要がある点に注意しましょう。
同世代間の関係構築スキルが高い
Z世代の新入社員は同世代間の関係構築スキルが高いのが特徴です。他者との距離感に戸惑う様子はあまり見られず、研修内でのグループワークでもスムーズにコミュニケーションを取れている新入社員が多い印象でした。
発表の場で他の受講者が言葉に詰まったときにフォローしたり、他の受講者の発言に大きく頷いてエールを送ったりと、相手と良い関係性を築くための言動がよく見られました。
新しい考え方を柔軟に取り入れられる
Z世代の特徴として、新しい考えを柔軟に取り入れられるという点もZ世代の特徴です。
例えば上司が「この仕事には〇〇という意味があるよ」と伝えれば、Z世代の社員はしっかり伝えたいことを把握し、上司の考えを理解してくれる場面が多いです。これまでのやり方に固執することなく、うまく新しい思考を取り入れることができます。
実際の業務の中でも、上司が丁寧に意図や考え方を説明すれば、思い込みや必要以上のこだわりといった要素にとらわれず柔軟に対応してくれるでしょう。
やりがいや楽しさを重視する
一口に「Z世代」といっても、何を重視するかはもちろん個人によって幅があります。しかし、Z世代の社員は「やりがいや楽しさを重視する」という傾向が強いのが特徴です。 例えばZ世代の間では、「チル」という言葉が流行しました。これは、「のんびりする」「リラックスする」という意味があり、InstagramやXでも「チル」をアピールした写真が多く投稿されています。 とにかく先を急ぐような生き方よりも、「のんびりさ」や「まったりさ」が好まれるのもZ世代の特徴といえるでしょう。
自分のニーズを重要視する
多様性が受け入れられるようになった社会で育ったZ世代には、「集団よりも個人を重視する」という傾向があります。そのため、仕事の中では自分のニーズを重要視する場面も多いです。
例えば何らかのタスクに取り組む際にも、「そのタスクが自分にとってどのようなメリットがあるのか分からないと動きづらい」と感じてしまう可能性があります。
また、「自分が納得していない中途半端なことの発信をためらい、報告や納期が遅れる」「自分のニーズが先行し、会社からの期待に応えようとしない」といった問題も発生しやすいため、仕事の意義や意味を伝えるようにして対策する必要があります。
社会問題や環境問題に関心がある
アルーが行ったアンケート調査によると、従業員数1,000名以上の大企業の内定者であるZ世代は、社会問題や環境問題への関心が高いです。インターネットに囲まれて育ったZ世代は、SNSを通じて多くの社会問題や環境問題へ触れています。特にSDGsに関する話題は注目度が高いです。
もちろん全員というわけではありませんが、SDGsへの取り組みが就職先選びの基準の一つとなっている場合もあります。一方、社会問題をはじめとした外部環境への関心の高さが裏目に出て、目の前の仕事へ意義付けができないケースもあるため注意が必要です。
コスパ・タイパを重視する
Z世代を象徴する言葉の一つに、「コスパ」「タイパ」が挙げられます。コスパとはコストパフォーマンスの略語で、払った金額に対するパフォーマンスの高さを言い表した言葉です。「タイパ」とは、タイムパフォーマンスの略語で、かかった時間に対するパフォーマンスの高さを意味します。
こういったコスパやタイパという概念を重視する傾向があるのも、Z世代の特徴です。SNSでも、「ここのレストランはコスパが良い」といった言葉をよく見かけますし、タイパを重視する若者の間ではYouTubeやテレビを倍速再生するのも珍しくありません。
無駄に感じる業務は倦厭しがちで、いかに自分の時間を使わずにパフォーマンスを発揮できるかを気にする傾向にあるでしょう。
素直で真面目
Z世代の特徴の一つに、素直で真面目であるという点が挙げられます。
Z世代は、業務に関する指示を忠実に守り、真面目にこなしてくれる傾向が強いです。実際の業務の中でも、「与えた指示を忠実に守ってくれる」と感じたことはないでしょうか。
もちろん「我こそは」と出し抜くマインドも必要ですが、「与えられた仕事を的確にこなす」というのは、社会人として求められる基礎的で大切な要素です。素直で真面目であるという点は、Z世代のポジティブな傾向の一つでしょう。
自分らしさを優先する
組織よりも個人を重視するZ世代では、自分らしさを優先する傾向も見られます。アルーのアンケート調査によると、特に従業員数1,000名以上の大企業の内定者には、組織よりも自分らしさを優先する傾向にありました。組織にとって重要かどうかというよりも、自分の成長につながるかどうかを気にする場面が多いでしょう。
例えば仕事に取り組んでもらう際も、「この仕事は営業部の売上を1割アップさせる上で〇〇の役割を果たしている」といったように組織としてのメリットをアピールするだけではあまり響かないかもしれません。「これに取り組めば君には〇〇のスキルが身に付く」「この経験は将来〇〇の仕事を任された時に役立つよ」といったように、本人にとっての成長を伝えると、Z世代に対して効果的にアピールできるでしょう。
多様性に寛容
Z世代の特徴の一つに、多様性に対する寛容さも挙げられます。多様性が社会に浸透し始めた2000年代に教育を受けていることもあり、新しい価値観や自身と異なる価値観を受け入れる姿勢があるのです。
そのため、違う価値観を持つ人材ともうまく折り合いをつけていくことができます。ただ、自分と異なる価値観を強要されるのはあまり好まれません。ある意味で「自分は自分、他人は他人」という考えが根底にある、とも捉えられます。
自意識・発信欲求・承認欲求が強い
Z世代は、LINEやX、Instagramといった発信型のSNSを積極的に活用してきた世代です。今はあまり積極的に活用していないかもしれませんが、LINEのタイムラインで情報を発信して、「いいね」を集めるという経験をしているZ世代の社員も多いでしょう。
こういった発信型SNSに慣れ親しんでいるため、Z世代は自意識や発信欲求、承認欲求が強いという傾向もあります。SNSでのいいねをはじめとした承認がグループへの所属意識の源泉となっているため、承認欲求が満たされないと帰属意識が低下してしまうでしょう。
自律性が低い
Z世代のネガティブな傾向の一つに、自律性が低いという点もよく指摘されます。先述した通り、Z世代は言われたことを忠実にこなす能力に長けています。一方で、自らタスクを決めて取り組むような、自律の求められる仕事はあまり得意ではありません。
特に仕事の現場では、「言われたことしかやらない」「自分から動かない」という点がZ世代の課題として顕在化しがちです。また、自分で考えて物事に取り組む習慣が弱いため、仕事の目的を見失う事も多く、仕事が単なるTODOと化してしまうことも少なくありません。
社員の自律性を高めるコツについて詳しくは以下のページをご覧ください。
『【育成事例あり】自律型人材とは?育成方法や気を付けるポイントを紹介』
本質を深く考えることに慣れていない
Z世代は、生まれた時からデジタルが身近にある「デジタルネイティブ」の世代です。ひとつ前のゆとり世代などと比べるとインターネット上の情報は充実しており、「わからないことは何でも調べれば解決する」と考えることも少なくありません。
こういった時代背景もあり、本質を深く考えることに慣れていないのもZ世代の特徴です。一つの課題に対して自分なりに考え抜いて答えを追求するという、いわば「思考の体力」のようなものを集中的に鍛える必要があります。
勤める企業の規模によって傾向が異なる
ここまでの特徴は傾向として多くのZ世代に当てはまりますが、実は内定先の企業規模によって傾向が異なることがアルー独自の調査により分かりました。
1000名以上の企業の内定者は「ワークライフバランス」「自分らしさの重視」「社会貢献」への意識が強く出ており、組織を動かす仕事への興味や新しい仕事、困難な仕事への意欲が低いことが見て取れます。
一方、1000名未満の企業(スタートアップやベンチャー企業)の内定者は、組織を動かす仕事や新しい仕事、困難な仕事への意欲が比較的高く、これまで述べてきた傾向があまり表れないケースもあると思われます。
▼Z世代の意外な実態調査結果はこちらの資料でご覧いただけます。
【監修者からひとこと】 |
Z世代を教育するポイント・接し方
Z世代の特徴をみてきました。ここからはいよいよ、Z世代を教育する際のポイントや接し方について解説します。Z世代を育成する際のコツや心構えを確認していきましょう。
やり方を教えてから自分で考えさせる
Z世代には、物事を進める際に効率性を重視する人が多いです。また、一つの物事を継続的に考え続けることにもあまり慣れていません。いきなり一から考えさせるのではなく、まずは業務のやり方をわかりやすく教えてあげるとよいでしょう。どのように進めるのかさえわかってもらえれば、あとは的確にこなしてくれる可能性が高いです。
一方で、個の尊重の気持ちも強いZ世代には仕事の意義や目的を伝える必要もあります。やり方を教えた後で、個人にとってその仕事にどのような意義があるのかを考えてもらうとよいでしょう。
「自分軸」と「他者軸」の両立を意識してもらう
Z世代の教育時には、「自分軸」と「他者軸」の両立を意識してもらうことが大切です。「自分軸」と「他者軸」の状態を表で表すと、以下のようになります。
入社時は、多くの社員がまだ他者軸を確立しきれていない状況です。表で言えば、左下の「LOSE-LOSE」、あるいは右下の「WIN-LOSE」の枠に当てはまります。
入社後1年目はまず「他者軸」の獲得を目指してもらうとよいでしょう。表で言えば左上のゾーンであり、他者の期待に応える姿勢を身につけた状態といえます。その後、2年目〜3年目の期間を経て自分なりの個性や軸、仕事の進め方を確立し、右上の「WIN-WIN」の状況へ到達するのが理想です。
Z世代社員の成長に合わせて研修やOJTを行う
Z世代の社員と一言でいっても、成長速度は人それぞれです。また、身につけているスキルにも個々で差があるでしょう。Z世代社員の成長に合わせた研修やOJTを実施するのも重要です。
OJTとOFF-JTに分けて時期別の研修内容を見てみると、以下の図のようにまとめられます。
まずは導入研修で新入社員として必要最低限のスキルを身につけてもらい、それを職場実践で定着させるとよいでしょう。入社後から5〜6ヶ月程度経過したビジネス適応期では、フォロー研修や2度目の職場実践を通じて成長を加速させていきます。年明けの1〜3月にかけて戦力化や能力の充実を進め、実力に磨きをかけていきましょう。
9月以降の新入社員育成施策としておすすめの新人フォローアップ研修について詳しくは、以下のページをご参照ください。
『新人フォローアップ研修とは?目的やおすすめの内容を解説』
社員の価値観を尊重する
Z世代を教育する際には、社員の価値観を否定しないように注意が必要です。多様性を認めているZ世代の社員は、自分自身の個性も認めてほしいと考えています。社員の価値観を尊重するように意識しましょう。
例えば改善点を伝える際にも、「君の考え方はその通りだと思うよ」「でも、その考えをこのように活かしてみたらどうだろう?」といったように、相手の価値観を否定しないような工夫が必要です。
個人別で育成方法を変える
一言でZ世代の新入社員といっても、一人ひとりは異なる人間です。それぞれに個性があり、経験やスキルにも幅があります。個性を大切にすることの多いZ世代の社員には、個人別で育成方法を変えるのがおすすめです。
例えば座学によるインプットが得意な社員には座学での研修機会を増やしたり、反対に他者と交流しながら能力を伸ばすことが得意な社員にはワークショップの機会を提供したり、といったことが考えられます。Z社員を均質に育成しようとするのではなく、それぞれの個性をさらに伸ばせるような工夫を取り入れるのが重要です。
教育担当者や管理職は傾聴スキルを身につける
InstagramやXをはじめとした発信型のSNSに慣れ親しんだZ世代は、自分の考えを発信し、それを他者に承認してもらいたいという意識が人一倍強いです。Z世代の教育担当者や管理職は、Z世代の考えをしっかりと聴き入れ理解する、傾聴力を身につけるのがよいでしょう。
教育担当者・管理職がZ世代の考えをしっかりと聴き入れるようになれば、「自分のことを理解してくれる存在」として頼られる場面も増えます。また、Z世代の社員の間に帰属意識が高まることで、退職の防止といった効果も期待できます。
管理職の傾聴力を鍛える方法については下記ページをご参照ください。
『管理職が傾聴力を高める育成方法とは?傾聴力を高めるメリットと目的』
目的・意義を最初に伝える
Z世代は、無意識のうちに物事へ意味や意義を求める傾向があります。合理的な説明がない仕事に取り組むことに対する抵抗が、他の世代の社員と比較しても強いです。Z世代に仕事を任せる際には、仕事の目的や意義を伝えるように心がけましょう。
特に、Z世代の社員は理由がわからないことをやるのを嫌がります。「この仕事に取り組めば〇〇のスキルが身に付くよ」「〇〇君はこの仕事が得意だから任せるよ」といったように、仕事を依頼する際の意義づけを意識してみてください。
心理的安全性を高める
心理的安全性とは、「自分は受け入れられているな」という、組織に対する安心感のことです。心理的安全性の高い組織は自由闊達な意見交換が行われるため、意思決定の質が上がるとともに、メンバーのモチベーションも高くなることが知られています。
自分の意見を発信し承認することを求めるZ世代の社員を育成する際には、心理的安全性を高めることも意識してみましょう。自分の思ったことを自由に発信できる環境を担保することで、組織に対するZ世代からの信頼感を高めることができます。
心理的安全性について詳しくは、以下のページをご参照ください。
『心理的安全性とは?高める方法や人事が行うべき施策について』
【監修者からひとこと】 |
Z世代への研修ならアルーにお任せください
アルーは、人材育成を専門に手掛けてきた企業です。新入社員向けの研修実績も多く、Z世代の社員を育成するノウハウも数多く蓄積されています。
Z世代への研修実施をご検討の際は、ぜひアルーへお任せください。この記事の最後に、アルーの強みをご紹介させていただきます。
最新の傾向に合わせた研修を提供しています
アルーでは2024年度、118社の約2.7万人へ新入社員研修を提供しました。研修を提供する中から見えてきた最近の新入社員の傾向をどこよりも細かく把握しているため、他者には真似のできない、Z世代の傾向を正確に捉えた研修の提供が可能です。
2024年度の新入社員の傾向は以下の資料にまとめております。ぜひご参照ください。
eラーニング・オンライン研修にも対応可能
eラーニングを研修に活用すれば、社員はいつでもどこでも自分の自由なスタイルで研修を受講することができます。コロナ禍で学生時代にオンライン授業を経験したZ世代とは、特に相性の良い研修手法といえるでしょう。
アルーでは、eラーニングやオンライン研修にも対応することができます。社内教育のあらゆる課題を解決するeラーニング用の学習管理システム「etudes」は、以下のページから詳しくご覧ください。
お客様に合わせてカスタマイズも可能
どんなに質の高い教材でも、すべての会社にとって有効であるとは限りません。それぞれの会社には、その会社独自の課題があるものです。
大勢で行わなければならない研修はアルーにお任せいただき、自社独自の内容は内製で行う、というようなことも可能です。
アルーでは、お客さまに合わせてカスタマイズした研修の実施ができます。企業の経営環境や業務内容、さらにはターゲットとする受講者の世代や役割、テーマに合わせた柔軟なカスタマイズも可能なので、お気軽にお問い合わせください。
【監修者からひとこと】 |
まとめ
Z世代の社員の特徴や、育成の際のポイントについて解説しました。InstagramやXをはじめとした発信型のSNSに囲まれて育った最初の世代でもあるZ世代は、自分の身の回りのことを発信するのに慣れているとともに、他者からの承認を求める傾向が強いです。また、多様性を尊重する一方で自律性が低かったり、本質を深く考えることに慣れていなかったりといった課題も存在します。
ぜひこの記事で紹介したZ世代の特徴や教育方法を参考に、質の高い育成施策を実施してみてください。
▼2.7万人への研修実施から見えてきたZ世代のリアルについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下をご参照ください。