新入社員の独り立ちはいつ?不安を解消するために企業が行うべきこと
「新入社員の独り立ちはいつから始めればよいのだろう?」
こういった悩みを抱える担当者の方も多いかもしれません。初めは先輩社員や上司に手取り足取り面倒を見てもらっていた新入社員も、徐々に自立して業務を回せるようになる必要があります。しかし、独り立ちに不安はつきもの。新入社員の不安や負担を少しでも軽減するためには、上司や会社側からのサポートが欠かせません。
そこでこの記事では、新入社員の独り立ちをいつから始めればよいのか、また独り立ちの不安を軽減するためにはどのようなサポートが必要なのかを解説します。
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新入社員の独り立ちはいつから?
最初は丁寧に指導やサポートを受けていた新入社員も、徐々に業務を自分で回せるようになっていく必要があります。それでは、新入社員の独り立ちは具体的にいつから始めるのがよいのでしょうか?
新入社員の独り立ちの時期について考えてみましょう。
一般的な新入社員研修の期間は1ヶ月~3ヶ月
新入社員研修の期間は職種や業界によって大きく変動しますが、一般的には1ヶ月〜3ヶ月で行われることが多いです。
例えば事務系の職種では1ヶ月程度、専門知識を身につける必要のある技術系の職種ではそれより長く2〜3ヶ月程度の研修カリキュラムとなります。新入社員は、この新入社員研修の間に「学生から社会人へ」という意識転換を実施するとともに必要な知識を身につけ、徐々に自立へと進んでいくことが必要です。
新入社員の独り立ちを始める時期としては、入社後1ヶ月〜2ヶ月が一つの目安となります。
新入社員は独り立ちに不安を感じていることも多い
先ほど、新入社員の独り立ちは1ヶ月〜2ヶ月を目安に始まるということをお伝えしました。しかし、新人研修のカリキュラムを終えた前後の時期からいきなり実務に移ることには、不安を感じる社員も多いです。
例えば、「入社後3ヶ月でいきなり独立した仕事を任され、前任者もいないため不安を感じる」といった悩みが散見されます。こうした新入社員の不安を少しでも軽減するためには、企業や先輩社員側からのサポートが欠かせないのです。
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新入社員の独り立ちに必要なスキル・マインドセット
新入社員が独り立ちするためには、どのようなスキルやマインドセットが求められるのでしょうか。
ここからは、新入社員が独り立ちするまでの期間に身につけておきたい、独り立ちに必要なスキルとマインドセットとして、代表的なものを9つ紹介します。
学生から社会人への意識改革
学生から社会人への意識改革は、新入社員が独り立ちするまでの間に必ず達成しておきたいポイントです。
大学までの学生生活では、授業料を払うお客様のような立場でしたが、会社で働く際には、誰かから報酬をもらう立場となります。報酬をもらう立場である以上、一人の社会人として責任を持って仕事に取り組むことが必要です。ビジネスに必要な意識改革をしっかり行うことが、新入社員が独り立ちするための第一歩といえます。
また、学生の頃は自分視点で物事を判断しても問題なく生活できていましたが、社会人になると相手視点で物事を判断することが欠かせません。相手視点で考え行動できるようになることが社会人への意識改革の中で一番のポイントとなるでしょう。
ビジネスマナーなどの基本スキル
新入社員研修で必ずといっていいほど取り上げられるのが、ビジネスマナーをはじめとした基本スキルです。社会人として働く際には、取引先やクライアントなどと接する機会が多く存在します。この際、ビジネスマナーはその人の信頼感を大きく左右します。
また、ビジネスマナーをしっかりと身につけると、それだけでも新入社員にとっての自信につながります。自立して仕事をこなしていけるようになる上で、ビジネスマナーをはじめとした基本スキルはとても重要です。
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企業についての理解
会社の一員として活躍していくためには、企業についての理解を深めることが欠かせません。
企業は何をミッションとしてどのような方向性を掲げているのかを、新入社員にはよく理解してもらう必要があります。また、会社は社会の中でどのような役割を期待されているのか、という点を理解できれば、日々の業務の中で大切にすべき価値観なども見えてくるはずです。企業についての理解も、新入社員が独り立ちする上では大切だといえます。
報連相の徹底
報連相は、社会人として誰しもに求められる基本的なスキルです。
新入社員が独り立ちして業務に取り組むようになった場合、周囲の社員に「自分は何をやっているのか」「自分は何に困っているのか」ということを常に共有する必要があります。そのためには、報連相の基本的なスキルを磨いてもらうことが重要です。報連相の徹底を身につけてもらうことも、新入社員が独り立ちする上では欠かせません。
自己評価の傾向の認識
自己評価とは、「自分ができると思っていること」のことを指します。正しい自己評価は社員が実力を発揮していく上で欠かせませんが、この自己評価は客観的な評価からズレてしまうことが少なくありません。
そのため、独り立ちする前の早い段階で、自己評価の傾向を認識することが重要です。自己評価をする際に無意識のうちに採用している自分の評価基準を客観視して、正しく自己評価ができるようになってもらいましょう。
適切な自信
適切な自信も、新入社員が独り立ちを達成する上では重要です。例えば自信が過剰である場合、「私はこんなにもできる」「私は間違ってない」といった考えに陥ってしまい、結果的に大きなミスにつながってしまう可能性があります。
一方で自信があまりにもなく過度な謙遜をしてしまう場合、「私なんかにできるわけない」という思考になり、いつまでも成長できなくなってしまうでしょう。上司や先輩社員からのフィードバックなども活用しながら、常に適切な自信を持ってもらうことが独り立ちの役に立ちます。
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プロフェッショナル意識
プロフェッショナル意識を持ってもらうことも、新入社員が独り立ちする際には重要です。
社会人として働く際には、できることが増えるようになるにつれ、周囲からの期待も上昇していきます。この期待に応えられるよう、常に「ゴールを少しでも遠くに設定する」ことを意識しながら仕事に取り組むのが大切です。指示されたことをこなすだけでなく、自分なりの創意工夫を加えた一歩先の仕事ができるようになれば、新入社員としては一人前です。
主体性
最近の新入社員は、「言われたことをこなし、終わったら次の指示を待つ状態になる」という傾向があると言われています。しかし、いつまでも上司からの指示に沿って行動しているわけにはいきません。
受け身の姿勢から脱却して主体性を発揮するのも、新入社員が独り立ちする上では大切です。「自分がやっていてワクワクし、なおかつ他人に喜ばれる行動はなんなのか」を常に考えながら仕事に取り組んでもらうとよいでしょう。
その他業務に必要なスキル
その他、業務に必要なスキルを身につけることも独り立ちの上では欠かせません。
例えば事務職であれば、作業用ツールの使い方などを習得する必要があります。技術系の職種であれば、フレームワークやプログラミング言語に関する専門知識を獲得することが求められるでしょう。
社会人としてのマインドセットと並行して、業務に必要なスキルも着実に伸ばしていくのが大切です。
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新入社員の独り立ちの不安を減らすために企業がやるべきこと
この記事の前半で新入社員の独り立ちの際には不安がつきものだということをお伝えしました。この不安を少しでも軽減するためには、具体的にどういったアプローチが有効なのでしょうか。
新入社員の独り立ちの不安を軽減するため、企業が取り組むべきことについて解説します。
新入社員の特徴を理解する
まずは、新入社員の特徴を理解するところから始めましょう。
2022年〜2024年に入社してくる新入社員の育った環境の特徴として、学校での評価が「相対評価」から「絶対評価」に切り替わったことが挙げられます。学校でトップクラスの実力でないと「5」を獲得できない相対評価に対し、絶対評価では一定の基準を満たしていれば誰でも「5」を獲得できます。こういったことから、「我こそは」と出し抜いて1番を取る、という競争精神が低下しているのが特徴です。
また、リーマンショックや東日本大震災を小学生で経験しているとともに、大学生活の後半は新型コロナウィルスや円高がありました。暗いニュースも多い中、人並みから外れて成功するよりも、経済的に安定し、家庭の充実した生活ができればよいと考える社員が増えています。
▼2024年度の新入社員の特徴についてこちらの資料にまとめました。
研修体系を整える
新入社員の独り立ちを進める際には、研修体系を整えるようにしましょう。
研修体系を整える際には、まず「何ができていれば独り立ちできるのか」などを、研修のゴールを明確に決めておく必要があります。その上で、そのゴールを達成するのにはどのような能力が必要で、どのようなタイプの研修が向いているのかを検討し、カリキュラムの全体像を策定していきます。
研修体系が整っていると、新入社員も安心して独り立ちに向けた成長を続けることができますよ。
配属後オンボーディング
オンボーディングとは、新しくチームに加入したメンバーがいち早く実力を発揮できるようになるために行う様々な施策のことを指します。例えばチームで行うレクリエーションやメンバー同士が交流するワークショップ、先輩社員が新入社員へ提供するサポートなどが代表例です。
配属後のオンボーディングも、新入社員が独り立ちするために有効な施策です。組織にいち早く馴染めるように多角的なサポートを行うことで、新入社員は組織の中で実力を発揮しやすくなり、独り立ちにつながります。
OJTを放置にしない
新入社員を育成する施策として、OJTを採用している企業も多いのではないでしょうか。
OJTは業種や業界を問わず活用されている人気の手法ですが、OJTトレーナー側に十分なスキルがないとOJTのつもりが、ただの放置となってしまうケースがあります。OJTを放置としないためには、以下の3つの対策が有効です。
- 普段の上司の業務量を調整して、OJTに時間を割けるようにする
- 伝え方や指導の心構えなど、社員の教育ノウハウを底上げする
- 職場の人間関係を改善する
こういった施策を取り入れてOJTの質を上げることで、いち早く新入社員は独り立ちすることができるようになります。
OJTについては、以下の記事で詳しく解説しています。
OJTは放置することじゃない!退職されないためのOJTの方法とは
心理的安全性を高める
心理的安全性とは、「自分が組織に受け入れられているな」「何でも相談したり質問したりして大丈夫そうだな」といった、組織に対する安心感のことを指します。新入社員の独り立ちを進めるためには、心理的安全性を高めるのも有効です。
具体的には、新入社員が上司などに話しかけやすい・相談しやすい状況を作るのがよいでしょう。上司側から積極的に声をかける、困りごとの相談窓口を開設するといった取り組みがおすすめです。
教育担当者のスキルを向上させる
先述したOJTをはじめ、新入社員の育成施策を実施する際には上司の育成スキルが教育の質を大きく左右します。教育担当者のスキルを向上させるのも、新入社員の独り立ちを進める上で有効な施策の一つです。
例えば、OJTトレーナーや教育担当者を対象とした研修を実施すると、教育の質を底上げできます。教育担当者を対象とした研修では、座学では習得しづらい知識やコツなどを伝えるスキルなど、相手の特性を見ながら教育内容を調整するスキルについて学んでもらうとよいでしょう。
OJTトレーナー研修については、以下のページでご確認いただけます。
OJTトレーナー研修
フォローアップ研修を行う
研修を実施したあと、何もフォローアップを行わないと新入社員は研修内容をどう業務に活かせばよいのかわかりません。また、研修によって生まれた行動変容を把握しなければ、来年以降の研修内容をブラッシュアップすることは難しいでしょう。
新入社員の独り立ちを促進するために、フォローアップ研修を実施するのもおすすめです。フォローアップ研修は、研修実施後2週間前後〜数ヶ月のタイミングで実施するケースが多いです。研修によって学んだ内容をどう業務で実践できたのか、実践している時に困った点はないかなどを確認していきます。
なお、新入社員を対象としたフォローアップ研修の概要やプログラム例などは、以下のページで詳しくご覧いただけます。
新人フォローアップ研修
▼新人フォローアップ研修の資料はこちらからダウンロードできます。
メンターをつける
新入社員の独り立ちを促進するため、新入社員に対してアドバイスを行うメンターを配属させるメンター制度を導入する企業も増えてきています。メンター制度では、日頃の業務で生じた困りごとをメンターに相談することが可能です。
困ったことを相談できるメンターという存在がいることで、新入社員は業務に取り組む際の安心感が高まり、様々な業務へ積極的にチャレンジできるようになるでしょう。また、メンターへの質問を通じて、独り立ちするのに必要な知識をいち早く獲得できるようになります。
研修と実践を連動させる
研修で学んだ内容を定着させるためには、実践の場を用意することが必要不可欠です。学んだ内容の実践によって、知識の定着や、より深い知識の理解を進めることができます。
新入社員の独り立ちを加速させるため、研修と実践を連動させるのも効果的です。例えば、研修で学んだ内容を実践できるように業務を振り分ける、といった施策が考えられます。なお、実践の場を与える際には、同時にサポート体制を整えることを忘れないようにしましょう。
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アルーが行っている新入社員向け研修
アルーは、人材育成を専門に手掛けてきた会社です。新入社員を対象とした研修も数多くの実施例があります。
この記事の最後に、アルーが行っている新入社員向け研修の事例を紹介します。新入社員の独り立ちを促進するプログラムをご検討の際は、ぜひ参考にしてください。
ひとりだち意識の獲得研修
ひとりだち意識の獲得研修は、社会人として独り立ちするためのマインドセットの獲得に重点を置いた研修プログラムです。
このプログラムでは、仕事へのオーナーシップを持ち、自ら仕事を進めていくことができるようになる段階をゴールとしています。まずは「新入社員」から一人前の社員へと変化していくと何が変わるのかを明らかにします。その後、自己認識を深め、適切な自信とプロフェッショナル意識を獲得する、という流れです。
主体性を発揮するために必要なプロフェッショナル意識と、独りよがりにならないための適切な自信と適応力をバランス良く伸ばすことができる、イチオシの研修プログラムです。この研修プログラムについては、以下のページで詳しく解説しています。
ひとりだち意識の獲得
▼「ひとりだち意識の獲得」研修の資料はこちらからダウンロードできます。
新入社員向け研修
新入社員向け研修も、独り立ちに向けて有効な研修プログラムの一つです。このプログラムでは、新入社員として一般的に求められる以下のようなスキルを獲得できます。
- ビジネスマナー
- 学生から社会人への意識転換
- 仕事の基本的な進め方
- アサーティブコミュニケーション
- 報連相の徹底
この記事の中盤でも説明した通り、これらの能力は新入社員が独り立ちする上で欠かすことのできないスキルです。新入社員研修ではこういった能力をバランスよく伸ばし、独り立ちへ向けたスキルアップを進めていきます。
アルーの新入社員研修については、以下のページでご確認いただけます。
新入社員研修
▼新入社員研修の資料はこちらからダウンロードできます。
新人フォローアップ研修
新入社員は、業務に取り組む中で不安を感じてしまいがちです。新入社員の不安や負担を軽減するためにおすすめなのが、新人フォローアップ研修です。
新人フォローアップ研修では、自己認識に基づいた適切な自信とプロフェッショナル意識といった独り立ちに必要な能力を獲得するとともに、実践を通じてそれらをさらに伸ばすことができます。実用的なスキルに重点を置いた研修なので、身につけた主体性を日々の業務でもスムーズに活用できるようになるでしょう。
アルーの新人フォローアップ研修については、以下のページでご確認いただけます。
▼新人フォローアップ研修の資料はこちらからダウンロードできます。
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まとめ
新入社員が独り立ちする上で必要なスキルやマインドセット、さらには企業側からの必要なアプローチについて解説しました。
新入社員が独り立ちをするためには、学生から社会人への意識改革を進めると同時に、適切な自信の獲得やプロフェッショナル意識、主体性といった様々な能力をバランスよく伸ばしていく必要があります。新入社員の不安を少しでも軽くするため、ぜひこの記事で紹介したようなアプローチを行い、新入社員の独り立ちをサポートしていきましょう。
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