反転学習とは?企業研修に取り入れる際の効果やメリット・デメリット
反転学習とはアメリカの教育現場で2000年代から活用が始まった、従来の教育スタイルを反転させた学習方式です。日本でも大学などの教育機関をはじめ、企業の研修現場などで広く導入が進んでいます。
そこでこの記事では、反転学習のやり方やメリットとデメリット、企業での活用事例について解説します。
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反転学習とは?
反転学習とは、「自宅で予習して、授業でさらに学びを深める」という流れにした、これまでの「授業で学習して、家で復習する」という学習スタイルを反転させた学習方式のことです。
元々はアメリカの教育現場で2000年代から活用が始められた教育スタイルですが、最近では東京大学をはじめとした教育機関や、企業の研修でも取り入れられつつあります。反転学習の進め方は様々ですが、自宅でeラーニングなどを使って知識を身につけてもらい、座学でディスカッションなどを進めて理解を深める、といった流れが多いです。
企業研修としての反転学習とは
これまで企業で行われてきた研修は、座学で知識を身につけ、その内容をワークショップなどで日を改めて演習するといったスタイルが主流でした。この方式は受講者に対して均一な教育を提供できるというメリットがある一方、座学の時間内に十分に理解できなかった受講者はおいてかれてしまうという問題があります。
一方、反転学習を企業研修に活用すれば、例えば「eラーニングで自分に必要な部分のみを事前に視聴してもらい、事前に学んだ内容に沿ってワークショプを行う」といった対応が可能です。最近では、この反転学習を企業の研修へ取り入れる企業も増えてきています。
反転学習が注目されている理由
反転学習が注目されている背景として、企業における人材不足があります。特に働き手が不足しつつある現場では、即戦力となる人材の育成が急務です。しかし、従来型の研修では教育に時間がかかり、即戦力の育成にはあまり向いていません。反転授業によって予備知識を事前に身につけてもらえば、アウトプットの時間が従来よりも長く確保でき、育成がスムーズに進みます。
また、コロナ禍によりリモートワークが進んだとともに、オンライン上での教育が普及した点も背景として挙げられます。反転学習ではeラーニングが多く活用されるため、リモートワークとも相性がよいのです。
反転学習はハイブリッド型学習の一つ
教室での直接の学習と、オンライン学習の組み合わせ手法は「ハイブリッド型学習」といわれ、コロナの影響下で研修への導入が増加しました。このハイブリッド型学習の中に、反転学習も含まれます。
ハイブリッド型には以下の4つの方式があります。
- ジグソー型
- ブレンド型
- ハイフレックス型
- ブレンド型
- 分散型
それぞれの方式について、詳しく解説します。
ジグソー法
ジグソー法とは、ある一つのテーマに対して役割分担を行い、チームで課題解決に向けて取り組んでもらう教育手法です。ジグソー法では、3〜4名程度のグループを構成し、個々が調べて持ち寄った知識を対面形式で統合する、という流れとなります。
ジグソー法では、お互いに教え合うことによる「協調学習」と呼ばれる効果が生まれることが知られています。多様な考えを統合して理解を深められるため、難しいテーマであっても自分の言葉で説明できるようになるという点がメリットです。
ジグソー法のデメリットは、担当箇所以外の理解度が低下する可能性があることです。担当箇所は深く理解されるものの、他の箇所については他の受講者のプレゼンを聞くのみになってしまい、理解不足に陥る可能性があります。その結果、テーマ全体への理解が不足したまま研修が終了してしまう可能性があります。
また、担当者の理解が浅かったり、知識が間違っていたりした場合、講師が正解を伝える必要があります。適切なタイミングでフォローができるよう、講師が受講者をくまなくチェックする必要があるのです。
次に、大きな手間がかかることが問題です。ジグソー法では自身の担当分野について調査し、プレゼンテーションやディスカッションを行なわなければならず、多くの行程が必要です。これにより学習に時間がかかり、受講者の負担が増える恐れがあります。特に難解なテーマの場合は、十分な理解が難しく、学習効果が低下する可能性もあります。
ブレンド型
ブレンド型は単元の内容によって、オンライン学習と対面の授業を交互に行う方式です。反転学習は、ブレンド型の一部となります。たとえば10回の研修授業を想像してみてください。最初のレッスンはオンラインで学ぶ、次に対面研修でディスカッションを行い、3回目にディスカッションの検証などを行います。この1回目と2回目の連携が、反転学習の具体例となります。
ハイフレックス型
ハイフレックス型は、対面形式で実施する座学とオンライン上で配信する教材を用いる学習の2つを、受講者が自由に選択できる方式です。社員一人一人が自分に合ったスタイルを選択できるため、個々の要望に応えやすく、受講者の研修に対する負担感が軽減できるという点がメリットです。
柔軟性という面で優れているハイフレックス型ですが、研修実施側は対面形式の講義の準備に加え、配信のセッティングを行う必要があるため、負担がかかりがちです。また、質問対応も対面形式と配信のそれぞれに対応しなければならないため、講師側のスキルが求められます。
分散型
分散型は、1つのクラスを2つのグループに分割し、対面形式で教育するグループとオンライン配信で教育するグループの2つに分ける手法です。グループはいつも固定というわけではなく、例えば1週間ごとに入れ替える、といった運用が考えられます。
分散型を採用すれば、両方のグループが均等に学習することができるようになります。ブレンド型と似たような手法ではありますが、講師側に若干の慣れが必要です。
反転学習のメリット
反転学習は、企業や教育機関などで最近ますます活用が広まっている学習スタイルです。それでは、反転学習はどうしてこれほどまで広まっているのでしょうか。
反転学習を採用するメリットについて、代表的なものを5つ紹介します。
理解度を高められる
反転学習を取り入れることの最大のメリットとして、理解度を高められる点が挙げられます。
反転学習を行う際には、まずeラーニングなどで事前に基礎知識を学びます。特にeラーニングでは自分のペースで学習を進めることができるため、わからない点を何度も見直すことができます。さらに、それでも不明点があった場合には、研修の中であらためて講師に質問することも可能です。
事前に不明点などを洗い出しやすく、何を重点的に聞けばよいのかもわかるため、効率的に研修内容を理解できるでしょう。
アウトプットの時間を増やせる
研修の内容を定着させるためには、アウトプットの場を用意することが欠かせません。例えば営業で必要なスキルを座学で身につけた後に商談のロールプレイングを取り入れるなど、実践的なワークを通じて受講者の知識は定着していくものです。
反転学習を用いれば、研修内の講義にかかる時間を減らし、その分より多くの時間を実践的なワークショップやロールプレイングに当てられるため、たくさんアウトプットする場を設けることができます。また、研修でアウトプットすることが事前にわかっていることで、受講者側も適度な緊張感を持ってeラーニングでの学習に臨むようになるでしょう。
社員同士の交流が活性化する
従来型の集合研修では、どうしても講師による一方通行なレクチャーになりがちです。講師から積極的に質問を投げかけるといったことはできますが、どうしても受講者間の交流は限られてしまっていました。
反転学習を活用した研修を行えば、対面で集まる時間をワークショップなどの演習にフル活用できます。例えばディスカッションを通じて受講者間での会話を増やしたり、ロールプレイングを通じてコミュニケーションをとってもらったりと、受講者間の交流を促進できるという点がメリットです。
講師が理解度を把握しやすい
受講者の理解度を確認することは、研修においてとても大切です。講師が先を急ぎすぎるあまり、受講者の分からない内容を延々と話してしまったり、あるいは反対に受講者が既に知っている知識をおさらいするだけになってしまっては、研修の意味がなくなってしまいます。
反転学習を用いれば、講師が受講者がどこまで知っているのかなどの理解度を把握しやすくなるため、こういった失敗を防ぐことができます。
繰り返し学習ができる
反転学習を活用するメリットとして、繰り返し学習ができる点も挙げられます。従来型の研修では、講師が一度話した内容に分からない点があれば、あとから質問してもう一度説明し直してもらう必要がありました。
一方で反転学習では、eラーニングを用いて予備知識のインプットを行います。分からない点があれば何度でもその場で繰り返し再生できるため、事前に予備知識の穴をつぶしておけます。また、アウトプット終了後に復習したい点が出てきた場合でも、何度も動画を見直すことが可能です。
反転学習のデメリット
ここまで、反転学習のメリットを紹介してきました。様々な恩恵がある反転学習ですが、実は反転学習を取り入れる際には気を付けておきたいデメリットも存在します。
反転学習を企業の研修に活用する際に注意しておきたい、反転学習のデメリットについて解説します。
事前課題の準備や時間が必要
反転学習では、主に受講者へ出した課題によって受講者の理解度を確認し、研修の内容を調整するといった手法が取られます。そのため、事前課題の準備に手間がかかる点が、反転学習を取り入れるデメリットの一つです。
また、事前課題やeラーニングで配信する教材準備などを考えると、どうしても従来型の研修よりも反転学習の方が準備に時間を取られてしまいがちです。演習が多い分、研修期間も長期化する傾向があるため、準備と実施の双方に時間が必要だということは頭に入れておきましょう。
事前課題の取り組み方によって効果に差が出てしまう
反転学習は、研修受講者がうまく自分自身のモチベーションを管理して、学習を継続する必要があります。しかし、いくら質の高い教材を用意したとしても、全員がしっかりと全てを視聴してくれるとは限りません。
事前課題の取り組み方によって、効果にばらつきが生まれてしまうという点も反転学習のデメリットといえるでしょう。理解度確認テストを作る、ディスカッションでの発言へこまめに耳を傾けるなど、理解度にばらつきが出ていないか重点的にチェックする必要があります。
事前に環境の整備が必要
反転学習では、主にオンライン学習やeラーニングを用いて知識をインプットしてもらいます。そのため、受講者側で事前に受講環境を整えてもらう必要があるという点もデメリットです。
具体的には、eラーニングの教材を視聴するのに必要なPCやタブレット端末などを用意する必要があります。また、快適に動画を視聴するためにはWi-Fiの準備も欠かせません。
事前学習の意義を理解してもらう必要がある
反転学習を導入する際には、受講者に事前学習の重要性と目的を理解してもらう必要があります。従来の研修とは異なり、事前課題やオンライン教材を研修当日の前に自主的に行なってもらう必要があります。
事前学習の意義が伝わっていないと、「日常業務で忙しい中、なぜ事前学習に時間を割かなければいけないのか」と受講者が不満を感じてしまう可能性があります。事前学習の意義を理解してくれれば、主体的な学習を期待できます。ただ動画を流し見するのではなく、自分の言葉で話せるまで理解できるように努めたり、不明点をまとめておいたりと、研修当日に向けて十分な準備ができます。そのためにも、受講者のモチベーションを高めるための事前のサポートや説明が重要です。
反転学習に欠かせない、事前課題の上手な活用方法については以下の記事をご覧ください。
『研修の事前課題を効果的に活用するポイント』
研修運営の負担が増える
反転学習を取り入れると、事前課題の設計や教材の準備、受講者の進捗管理、理解度の確認など、研修運営に関する作業が増えます。特に、受講者の進行状況や理解度を追跡するための体制を整える必要があるでしょう。
研修実施にはかなりの労力がかかります。少しでも負担を減らし、効率的に研修を実施するコツにご興味のある方は以下の記事をご覧ください。
『社内研修を効率化させるためには?方法や外注のメリットをご紹介』
研修運営の負担を削減するためには、LMS(学習管理システム)の導入がおすすめです。LMSを使えば、eラーニング動画教材の管理や、学習進捗管理、テスト機能、アンケート機能を用いて研修運営の手間を一気に削減できます。
アルーが提供しているLMS「etudes」については、以下のページでご確認いただけます。
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企業での反転学習を成功させるポイント
反転学習の種類やメリット、デメリットについて解説しました。
ここからは、実際に反転学習を企業の研修へ取り入れる際のポイントについて解説します。これらのポイントをしっかり意識した上で研修を実施すれば、学習効果の高い研修を実施できるでしょう。
学習管理システム・eラーニングと組み合わせたハイブリッド型研修
反転学習を実施する際には、学習管理システム(LMS)やeラーニングと組み合わせましょう。もちろん、反転学習の取り組み自体はオンラインを活用しなくても行うことは可能です。しかし、教室で出した課題を紙で持ち帰ってもらい、各自教材を読み込んで次の講義の準備を進める、といった運用になると、煩雑性が高まってしまいます。受講者にとってわかりづらいだけでなく、研修実施側にも負担がかかり、成功しづらくなってしまうでしょう。
LMSを用いることで、どこまで学習が進んだのかが一目でわかるようになります。教材の管理も楽になるので、取り入れることをおすすめします。
アルーでは、直感的に分かりやすいLMS「etudes」を提供しております。
詳しくは、以下のページでご確認ください。
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予習にかかる時間をあらかじめ伝える
反転学習で自宅での予習をしてもらう際には、受講者自身に時間を確保してもらう必要があります。その際に、1回の予習に何時間が必要なのか、どれほどの手間がかかるのかを事前に示さなければ、受講者はどれほど時間を確保すべきなのかわかりません。
反転学習を実施する際には、例えば「この研修は3日間構成で、それぞれに1時間の予習が必要です」といったように、予習にかかる時間をあらかじめ伝えるようにしましょう。予習に必要な時間を明確にすれば、研修に参加する社員もスケジュールを立てやすくなります。
事前課題後にレポートを提出してもらう
反転学習は、受講者側の自律が必要不可欠な学習スタイルです。もちろん自律が必要なことを最初に伝えるのは有効ですが、それだけでは事前課題への取り組み方に差が出てしまうかもしれません。
事前課題へできるだけしっかり取り組んでもらうようにするため、事前課題後にレポートを提出してもらうとよいでしょう。事前課題への取り組みが改善するだけでなく、講師側もレポートの内容を見て受講者の理解度を把握することができます。
次の行動を設定する
反転学習を実施したあと、「あとは現場でそれぞれ活用してください」と終わらせてしまっては、研修の効果が半減してしまいます。研修で学んだ知識をどこでどう活かすのかまで伝えることで、初めて研修の効果が目に見える形で現れてきます。
反転学習の際、現場へ戻ったあとに何をすべきなのか、次の行動を明確に設定しましょう。あらかじめ現場で次に取るアクションを決めておけば、せっかく実施した研修が受けっぱなしになってしまったという事態も防げます。研修の内容によっては、複数個のアクションを設定して定期的に効果を測定するのも有効です。
事前課題に取り組みやすい環境を作る
日頃の業務の時間を割いて参加する研修は、多くの社員にとって負担になりがちです。特に予習に時間を取られる反転学習では、事前課題に取り組むこと自体をためらってしまう社員も出てくるかもしれません。
こういった受講者の負担を可能な限り低減するため、事前課題に取り組みやすい環境を用意するのが大切です。例えば学習管理システムでわかりやすく動画教材を管理する、eラーニングでいつでもどこでも取り組める環境を用意する、といった取り組みが考えられます。
良質な動画教材を用意する
反転学習では、予習の際に用いる動画教材の質が研修全体のクオリティを大きく左右します。わかりやすい動画を用意すればスムーズに内容が伝わりますし、対面で行うアウトプット活動の質も高まるでしょう。
反転学習を実施する際には、できる限り良質な動画教材を用意しましょう。
研修動画の作り方、作成時のポイントなど、研修会社が持っているノウハウにご興味がある方は以下の記事をご覧ください。
『【研修会社が教える】研修動画の作り方やメリット、作成のポイント』
もし自社で質の高い教材作成が難しい場合には、研修を専門に手掛けている会社へ依頼することをおすすめします。反転学習の教材作成をご検討中の場合は、ぜひ人材育成会社であるアルーへお任せください。
アルーが提供しているLMS「etudes」では、オリジナル教材作成サービスもございます。詳しくは、以下のページをご確認ください。
オリジナル教材を作成|LMS・クラウド型eラーニングシステム「etudes(エチュード)」
事前課題でテストと知識習得の可視化
反転学習では、事前学習への取り組み方によって大きく学習効果が左右されます。できる限り事前課題に真剣に取り組んでもらうとともに、受講者がどのレベルまで知識を習得できたのかを講師がしっかり把握するのが大切です。
反転学習を行う際には、事前課題の終了時にテストを設けるなど、事前知識の習得を後押しする工夫を行いましょう。また、テストには具体的な合格基準点を設け、合格基準を満たさない場合は合格するまで何度でもトライし続けてもらう仕組みづくりが大切です。並行して、確認テストでの成績をグラフで視覚化するなど、知識習得度合いを一目で把握できるように心がけましょう。
反転学習を研修に取り入れる流れ
反転学習を研修に取り入れる際には、大きく以下の5つのステップがあります。
- 目的の設定
- 改善点の分析
- テーマの設定
- 事前課題の決定と共有
- 集合研修の実施
反転学習を取り入れる際の流れについて、ステップごとに詳しく見ていきましょう。
目的の設定
まずは、研修全体を通じた目的を設定します。例えば目標としては、以下のようなものを掲げるとよいでしょう。
- 営業部門に対する顧客からの満足度を上昇させ、継続率の向上を目指す
- なかなかITツールの活用が進まない部署で、現場レベルでのDX化を進める
といった目的が考えられます。反転学習を通じて何を身につけてほしいのか、そもそもなぜその研修を実施するのかを明確化しておけば、内容に一貫性がある研修が実施できます。
研修内容を考える際に意外と見落としがちな研修目的の設定方法などは以下の記事をご覧ください。
『研修の目的とは|効果的に研修を実施するための目的の設定方法を徹底解説』
改善点の分析
目標を立て終わったら、次にその目標達成を阻害している問題点を洗い出していき、改善点の分析を行います。
例えばあるサービスの継続率が悪い場合、研修で解決できる課題としては「営業部門の傾聴スキルが低く、顧客の心に寄り添えていない」「顧客とのコミュニケーションに課題があり、信頼を獲得できていない」といったことが挙げられます。
目標達成を阻害している問題点は一つだけというわけではなく、複数考えられる場合も多いです。目標を客観的な視点から捉え、改善点の分析を進めましょう。
テーマの設定
改善点の分析が終了したら、そこで見つけた改善点をもとに研修テーマの設定を行いましょう。
例えば「傾聴スキルが低いこと」を課題として設定した場合、「顧客からのヒアリング力の向上」といった研修テーマが考えられます。「コミュニケーションに課題がある」と判断した場合には、「報連相の徹底」「コミュニケーション能力の向上」といったテーマとなるでしょう。
事前課題の決定と共有
ここからは、いよいよ反転学習を活用した研修内容を考えていきます。まずは、事前課題の決定と共有を行いましょう。
事前課題として反転学習で最もよく用いられるのは、eラーニングを活用した学習教材の配信です。講義形式の動画を数本用意して、それを研修参加時までに視聴してもらう、といった形式がよく取られます。また、視聴後に簡単な確認テストなどもあわせて配信しましょう。
事前課題の作成が終わったら、研修参加者を対象にメールやSlackなどのコミュニケーションツールで、事前課題を共有してください。
集合研修の実施
事前課題を進めてもらったあとは、最後に集合研修を実施します。集合研修では、事前課題で身につけた知識をもとに、実践的なワークに取り組むケースが多いです。
例えば、レクチャー形式で配信した内容に関するディスカッションやワークショップがおすすめです。コミュニケーション力を高める研修の例だと、例えば学んだコミュニケーション能力を活かしたロールプレイングをセッティングするのもよいでしょう。実践的なワークを多めに取り入れて、知識の定着を促進するのが大切です。
反転学習を活用した研修事例
人材育成を専門に行っているアルーでは、反転学習を取り入れた研修も展開しています。アルーが反転学習を活用した事例では、まず研修の実施前にeラーニングを活用して「ビジネスマナー」や、「他者の受容・尊重」といった内容の基礎知識を習得してもらいました。
eラーニングでは、受講前知識レベル確認テスト→マナーに関する知識動画→理解度テスト→アンケートという流れで学んでもらい、受講前と受講後の変化が見えるように工夫しています。
そして動画での学習後、理解度テストや効果測定アンケートを実施した上で、集合研修を実施。eラーニングで学んでもらった知識をもとに、グループワークにおいて守るべきグランドルールを自分たちで決めるワークを行いました。
学んだ内容をどのように行動に落とし込むべきか考えることで、知識習得にとどまらない実践的な研修となりました。
反転学習を研修に取り入れるならアルーにお任せください
アルーでは、新入社員研修や管理職向け研修など、幅広い研修を提供しています。反転学習を取り入れた研修も数多く実施しており、反転学習の実施に必要なノウハウも豊富です。
反転学習を取り入れた研修実施をご検討の場合には、ぜひアルーへお任せください。アルーならではのメリットを簡単にご紹介いたします。
eラーニング・オンライン研修に対応しています
反転学習は、eラーニングやオンラインでの学習を積極的に活用することが成功の鍵です。もちろん完全にオフラインでの反転学習も実施できないというわけではないですが、学習状況の管理や全体の運営に大きな手間がかかってしまうでしょう。
アルーでは、反転学習に欠かせないeラーニングやオンライン研修にも幅広く対応しています。オンライン研修特有のメソッドも用意されているため、反転学習の効果をさらに引き出すことが可能です。
また、アルーではeラーニングなどの学習管理ができるLMS「etudes」も提供しております。反転学習の導入をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
etudesに関しては以下のページから詳しくご確認いただけます。
etudes(エチュード)
お客様に合わせて研修のカスタマイズが可能です
研修を提供している企業の中には、研修実施側が用意したテーマに沿った研修しか受講できない場合があります。しかし、どんなに研修内容が優れていたとしても、全ての会社にとって有益であるとは限りません。企業にはそれぞれ異なる課題や特徴があるため、研修のカスタマイズ性は大切です。
アルーでは、お客様のニーズに合わせた研修内容のカスタマイズが可能です。不要な研修を実施することなく、最低限のコストで最高の学習効果が期待できる研修プランをご提案させていただきます。
まとめ
反転学習を活用した研修の実施方法や反転学習のメリット、デメリットについて解説しました。反転学習はもともと2000年代から始まった手法ですが、今や企業の研修現場でも幅広く活用が進みつつある研修手法です。
反転学習をうまく活用すれば、単なる知識のインプットだけでなく、学んだ内容をアウトプットする実務的な力を身につけてもらうことが可能です。ぜひこの記事で解説した反転学習の進め方やポイントを参考にして、育成効果を最大限に引き出した反転学習を実施してみてください。