【研修会社が教える】研修動画の作り方やメリット、作成のポイント
最近、社内研修の新しい手段として動画が注目されています。研修に動画を取り入れれば、コスト削減や教育効果の向上などさまざまなメリットが期待できるでしょう。
この記事では、研修動画の作り方や、研修に動画を活用するメリットを徹底的に解説します。効果的な研修動画を作成するために知っておきたいポイントも解説するので、研修動画の活用を検討している担当者の方はぜひ参考にしてください。
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研修動画の作り方
研修動画を作る場合、内製と外注の2通りが考えられます。まずは、内製と外注の2つに分けて、研修動画を作成する手順を見ていきましょう。
内製で作る場合
内製で動画を作成する場合、集合研修やオンライン研修を録画するケースと、一から動画を作成するケースの2つが考えられます。研修を録画する場合と一から動画を作成する場合で作成手順や作成にかかるコストは大きく変化するため、動画の目的に沿った方法を選択することが大切です。
それぞれの作成方法について、手順を解説します。
集合研修・オンライン研修を録画する
動画を内製する場合に考えられる方法の一つが、集合研修やオンライン研修を録画することです。
集合研修を録画する場合は、マイクやカメラを別途用意して収録を行います。オンライン研修を録画する場合は、Zoomなどのオンライン会議ツールに搭載されている録画機能を用いて、研修の様子を記録するのが一般的です。
オンライン研修の場合、ボタン一つですぐに録画できるため、手間なく研修動画を作成したい方におすすめの方法です。
ただし、より見やすい研修動画にするためにはテロップや編集も必要です。
オンライン研修のその他のメリットや実施方法は、以下の記事で詳しく解説しております。
『オンライン研修とは?効果的な実施方法やメリット、成功事例を解説』
一から動画を作成する
一から研修動画を作成する場合は、以下の手順で進めていくことになります。
- 動画の目的と構成を決める
- 動画のシナリオを決める
- 動画素材を撮影する
- 編集ソフトを用いて、動画を編集する
まずは動画の目的や構成を決め、動画にどのような内容を盛り込んでいくのか明確化することが大切です。そして、シナリオを決定して必要な素材を洗い出します。その後、実際に撮影を行って素材を揃え、編集ソフトで動画を仕上げるという流れです。
なお、内製で効果的なコンテンツを作成するためには、いくつかのコツがあります。
内製コンテンツを作成するコツをまとめた資料は、以下のページからダウンロード可能です。
外注で作る場合
研修動画を外注で作る場合、外部研修会社が用意している研修動画を購入するケースと、外部に委託して研修動画をオリジナルで作成してもらうケースの2つが考えられます。外注で作る場合の手順をパターン別に見ていきましょう。
外部研修会社の研修動画を購入する
外注する場合、外部研修会社の研修動画を購入するパターンがあります。
この場合、「ビジネスマナー研修」や「マネジメント研修」など、一定のテーマに沿って研修会社が作成した研修動画を購入し、それをそのまま研修で用いることになります。メジャーな研修テーマであれば、研修会社も力を入れて動画を作成しているため、高品質な動画教材を購入できるでしょう。一方で、自社のニーズに合わせた内容のカスタマイズはできません。
外部に委託して研修動画を作成する
研修動画を外注する場合、外部に委託して研修動画をオリジナルで作成してもらうパターンもあります。
研修動画の作成を依頼する場合、自社のニーズに合わせて動画の内容を柔軟にカスタマイズできます。動画内に社内の様子を撮影したシーンを入れたり、社員インタビューを盛り込んだりして、動画に臨場感を出すこともできるでしょう。
ただし、研修動画を購入するケースと比べると、どうしても費用が高額になる点がデメリットです。構成部分を社内で考えた上で外注するなど、部分的に内製するのもよいでしょう。
研修用動画を作成するポイント
研修動画を作成する際には、行動変容を目指した動画の設計にすることがポイントです。また、演習などを交えながら、動画を通じて考えさせる仕組みを作りましょう。
高品質な研修動画を作成するために知っておきたいポイントを3つ解説します。
行動変容を目指した設計にする
研修動画を作成する際には、行動変容を目指した設計にしましょう。
成果につながるような研修を実施するためには、研修をきっかけに社員の行動が何らかの形で変化することが大切です。こうした行動変容が見られなければ、効果的な研修は実施できません。
研修動画を作成する際には、今後の現場での行動を考えさせるなど、行動変容を意識した構成にしてください。現場での具体的な動きを動画形式で伝えることも効果的です。
行動変容を促すための研修を実施するポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
『行動変容を促す社員研修のポイント|ステージ理論に沿った働きかけとは』
演習などを交えて考えさせる仕組みを作る
効果的な研修動画を作成するためには、演習などを交えて考えさせるしくみを取り入れることも大切です。
具体的な方法としては、クイズやワークの活用がおすすめです。研修中に動画を流しっぱなしにするのではなく、適宜動画を一時停止しながらクイズやワークを取り入れて、参加者の集中力を保ちましょう。自分で手を動かして考えることで、動画の内容を改めて理解することができます。動画を受け身で視聴させるのではなく、参加者の主体性を引き出す研修設計を意識してみてください。
動画時間は長くしすぎない
研修動画を作成する際には、動画の時間にも注意しましょう。
特に、研修動画をあまり長くしすぎないことが大切です。直接双方向のコミュニケーションが取れる対面研修と比較すると、動画研修では参加者が集中力を保ちづらい傾向があります。動画1本あたりの長さは、長くても30分〜1時間程度を目安にしてみてください。内容によっては、10分程度の短尺コンテンツに区切ることもおすすめです。
研修に動画を使うメリット
研修に動画を活用するメリットとしては、情報を視覚的にわかりやすく伝えられる点や、教育の質を一定に保つことができる点が挙げられます。また、コスト削減や心理的ハードルの低下もメリットです。
研修に動画を活用する代表的なメリットを解説します。
視覚的にわかりやすい
研修に動画を活用するメリットとして、視覚的にわかりやすく情報を伝えることができる点が挙げられます。
例えばフレームワークや論理構造など、抽象的な内容を口頭だけで伝えるのは難しいです。動画を活用すれば、図やアニメーションを用いながら説明できるため、参加者の直感的な理解を促せます。
また、実際の業務の場面を撮影したシーンを入れれば、現場での動きをわかりやすく伝えることが可能です。ツールやソフトの使い方も、口頭より動画で説明した方がスムーズに理解できます。
教育の質を一定に保つことができる
動画を活用するメリットとして、教育の質を一定に保つことができる点も挙げられます。
大規模な研修を実施する際には、複数クラスに分けて実施することが多いです。対面研修であれば各クラスに講師が必要で、研修内容もクラスによって差が出ることが予想されます。
一方で動画研修であれば同じ動画を使い回せるため、複数クラスに同じ教育機会を提供できます。教育の質を一定に保つことができるため、参加者間で足並みを揃えることができるでしょう。
コスト削減につながる
研修に動画を活用すれば、コスト削減も期待できます。
研修を動画形式で実施する場合、一度高品質な動画を作成すれば、複数回にわたって同じ動画を使い続けられます。そのため、講師の依頼に必要なコストを削減できますし、毎年研修カリキュラムを策定する手間を省くことが可能です。また、研修動画をオンライン配信すれば、会場確保や交通費といったコストも省くことができます。
時間・場所を問わず受講可能
研修動画をオンラインで配信すれば、時間や場所を問わず研修を受講できるようになります。社員は会議までの待ち時間や通勤時間といったスキマ時間を活用した学習ができるため、日常業務を圧迫することなく研修を実施可能です。
特に、普段から多忙な管理職や経営層を対象とした研修を実施する場合には、動画の活用が効果的です。スキマ時間を活用した学習ができれば、研修に参加する負担を最小限に抑えられます。
心理的ハードルが低い
研修への心理的ハードルが低下する点も、研修を動画形式で実施するメリットの一つです。
例えば対面形式の公募研修の場合、「内容に興味はあるが、研修場所へ出向く時間がない」「業務の都合上、指定された時間に研修を受けるのは難しい」といった理由で、研修へ参加することを躊躇する社員がいます。一方で動画形式の公募研修であれば、場所や時間を受講者側が自由に決められるため、「受けてみよう」という気になりやすいです。
自分のペースで学べる
研修を動画形式で実施すれば、自分のペースで学ぶことができます。
例えば研修中にわからない箇所があれば、社員は一時停止したり、巻き戻したりして、適宜内容を確認できます。教材の該当部分を読みながら、疑問点をその場で解消することが可能です。
また、動画形式の研修であれば、再生速度を変えることもできます。社員にとって簡単な内容であれば再生速度を速くできますし、反対に理解が追いつかない箇所はゆっくりと視聴することが可能です。自分のペースに合わせた学習ができるため、最小限の時間で学習効果を最大化できます。
研修に動画を利用するデメリットはある?
研修に動画を活用するメリットを解説しましたが、研修に動画を活用することにはデメリットもあります。研修に活用する際には、こうしたデメリットについて事前に知っておきましょう。
ここからは、研修に動画を利用することで生まれるデメリットを解説します。
動画作成に手間がかかる
研修に動画を活用するデメリットとして、動画の作成に手間がかかる点が挙げられます。
研修で活用する動画を内製する場合、動画の構成や素材を考える段階から始めなければいけません。専用の機材がなければ、ビデオカメラやマイクの用意も必要です。
また、撮影した動画を編集するためには、動画編集ソフトを導入する必要があります。簡単なものであれば無料のツールも活用できますが、高度な編集を行いたい場合には有料のソフトが必須です。研修動画を内製する場合は、時間的・金銭的にさまざまなコストがかかることを意識しておきましょう。
セキュリティ対策が必要になる
セキュリティ対策が必要になる点も、研修に動画を活用するデメリットの一つです。
例えば研修動画の配信に、YouTubeの限定公開を利用するケースが見られます。YouTubeで限定公開した動画は、URLを知っている人全員が動画を視聴可能です。そのため、意図せず動画のURLが流出してしまった場合、外部へ情報漏洩してしまう可能性があります。
社内からアクセスできないようなシステムを用いる、研修動画を不用意にアップロードしないなど、動画研修の場合には入念なセキュリティ対策が必要です。
リアルタイムでのコミュニケーションが取れない
動画研修のデメリットとして、リアルタイムでのコミュニケーションが難しい点も挙げられます。
研修を動画視聴だけで完結させてしまうと、どうしても講師から参加者という一方通行のコミュニケーションになってしまいがちです。参加者から質問が出てもその場で対応できませんし、ワークの結果に対して講師がフィードバックすることもできません。
こうしたデメリットを解消するためには、動画研修と対面研修を組み合わせるブレンディッドラーニングがおすすめです。効果的にブレンディッドラーニングを活用すれば、動画研修と対面研修の双方が持つメリットをうまく引き出すことができます。ブレンディッドラーニングについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『【事例あり】ブレンディッドラーニングとは?効果的な方法や注意点を徹底解説』
研修での動画活用がおすすめな内容
動画の活用がおすすめな研修テーマとしては、ハラスメント研修やコンプライアンス研修、情報セキュリティ研修が挙げられます。加えて、メンタルヘルス研修を動画形式で実施するのもよいでしょう。
研修での動画活用がおすすめな内容を4つ解説します。
ハラスメント研修
ハラスメント研修には、動画の活用がおすすめです。
例えばハラスメントになりうる実際の場面を動画形式で共有すれば、どういった行動がハラスメントに該当するのかわかりやすくなります。動画形式で伝えることで臨場感が出るため、ハラスメントに対する当事者意識を持たせることにもつながるでしょう。
弊社アルーでは、ハラスメントについて学べるeラーニングの教材をご用意しています。アルーの提供しているハラスメント講座は、以下のページから詳しくご確認ください。
eラーニング教材 テーマ別|コンプライアンス
コンプライアンス研修
コンプライアンス研修も、動画の活用がおすすめのテーマです。
最近では、コンプライアンス研修に力を入れる企業が増えてきています。特に、SNSやインターネットに関連したトラブルが多いため、こうしたテーマを重点的に扱う企業が多いです。
コンプライアンスの遵守のためには、すべての社員が同じ知識や認識を持っていることが求められます。大人数に一律な内容を伝える必要があるため、動画研修が適しているのです。
動画形式で具体的なコンプライアンス違反の事例を共有すれば、どういった行動がコンプライアンス違反とみなされるのか理解してもらえます。SNSやインターネットに関する使い方のルールも、口頭よりも動画で共有したほうがスムーズです。
コンプライアンスについて学べるアルーのeラーニング教材は、以下のページからご覧いただけます。
eラーニング教材 テーマ別|コンプライアンス
情報セキュリティ研修
情報セキュリティ研修も、動画教材の活用がおすすめの研修テーマです。
情報漏洩は、企業の信用低下に直結します。そのため、研修を通じて「正しい情報の扱い方」「パスワードの管理方法」「SNSの利用ルール」などの共有が大切です。
研修動画を通じて情報漏洩の恐ろしさなどを伝えれば、当事者意識を持って研修に臨んでもらえるでしょう。正しい情報管理の仕方も、動画で共有すれば記憶に残りやすいです。
メンタルヘルス研修
動画を活用した研修がおすすめのテーマとして、メンタルヘルス研修も挙げられます。
社員のメンタルヘルスを保つためには、社員の持つ「レジリエンス」を向上させることが大切です。加えて、管理職を対象とした研修では、部下のメンタルをマネジメントする方法を学んでもらう必要があります。
動画を用いることで、メンタル不調が発生した際の様子や対応方法をわかりやすく共有できます。文章で表現するよりも状況がイメージしやすくなるため、実際のメンタル不調に直面した際にも、適切な対応を取りやすくなるでしょう。
レジリエンスを高めるアルーのeラーニング教材は、以下のページからご確認ください。
eラーニング教材 テーマ別|レジリエンス
研修動画を管理するならLMSの利用が必須
研修動画を管理するためには、LMSと呼ばれる学習管理ツールの活用が必須です。
LMSを導入すれば、社員は自分がどの動画を視聴するべきなのかわかりやすくなります。再生速度を変える機能などが充実しているLMSを導入すれば、動画を通じた学習が一層便利になるでしょう。
また、動画を管理する側のメリットも大きいです。LMSを使えば、どの社員がどの動画を視聴したのかひと目でわかるため、学習状況の管理がしやすいです。加えて、YouTubeなどへ動画を一般公開するのに比べると、LMSを使うほうがセキュリティ面でも安心感があります。
研修動画を管理するならアルーにお任せください
研修動画を管理するなら、ぜひアルーの提供しているLMSである「etudes」をご活用ください。
etudesは、誰でも簡単に使い始めることのできる、わかりやすい操作画面が特徴です。学習状況を視覚的に管理できるため、研修受講側と研修の実施側双方がスムーズに研修を進められます。
ここからは、アルーの提供するLMSである「etudes」の特徴を簡単に紹介します。
なお、etudesについてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
etudes(エチュード)
テーマに合わせた教材を必要なだけお使いいただけます
etudesでは、人材育成を手掛けてきたアルーならではのノウハウが詰まった教材が豊富に取り揃えています。具体的には、以下のようなテーマ別教材をご用意しています。
- ビジネススキル
- コンプライアンス
- マネジメント・部下育成
- 思考力・コンセプチュアルスキル
- グローバル
- 関係性構築・チームワーク
さまざまな学習者を想定したオリジナルのeラーニング教材が充実しているため、目的にあった高品質な教材を利用することができます。
階層別研修を実施しやすい学び放題プランも
アルーでは、独自に開発した「学びたくなる教材」を活用したeラーニングが受け放題になる「etudes Plus」というプランをご用意しています。
etudes Plusでは、「新入社員」「中堅社員」「管理職」といった、それぞれの階層を想定した教材を充実させています。そのため、階層別研修を実施したい場合にぴったりです。人材育成のノウハウが豊富なアルーだからこそできる研修設計であるため、階層ごとの能力育成を効果的に進めることができます。
etudes Plusの詳細は、以下のページからご覧ください。
受け放題eラーニング・etudes Plus(エチュードプラス)
研修動画作成の支援もいたします
アルーでは、オリジナルの研修動画の作成支援も行っています。
オリジナルの教材を作成する際には、コンテンツの設計や映像撮影、アニメーション制作、ナレーション収録などさまざまな工程が必要です。こうした工程をすべて自社で実施するのは難しいケースも多いでしょう。
アルーでは、動画研修を一から支援することが可能です。プランニング段階から丁寧にヒアリングを実施するため、お客様の企業に最適化された研修内容を提供できます。また、既存の研修内容をデジタル化するサービスや、内製化支援も実施中です。
オリジナル教材作成支援について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
オリジナル教材を作成
まとめ
動画研修の方法やメリット、デメリットなどを詳しく解説しました。
動画研修にはさまざまなメリットがあり、効果的に動画を活用すれば対面研修では得られない研修効果を得ることが可能です。一方で、研修動画の作成には手間がかかりますし、コミュニケーションが一方通行になりがちといったデメリットも存在します。動画研修を実施する際は、この記事で解説したようなポイントを意識して、工夫しながら実施することが大切です。
動画のメリットとデメリットを正しく理解した上で、効果的な研修につなげていきましょう。