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研修の事前課題を効果的に活用するポイント

研修の事前課題を効果的に活用すれば、研修への意識付けや知識の事前確認ができるといった多くのメリットがあります。しかし、「具体的にどんな内容を課題として設定すればよいのだろうか」と迷っている人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
研修の事前課題を設定する際には、いくつかの意識しておきたいポイントが存在します。この記事では、研修の事前課題の目的やポイントを、研修の事例も交えながら解説します。


【人事担当者の皆様へ】研修後の行動変容を促すコツをご存知ですか?



羽鳥丈太監修者情報



目次[非表示]

  1. 1.研修での事前課題の効果・目的
  2. 2.研修での事前課題の内容例
  3. 3.研修で事前課題を出す際の注意点
  4. 4.事前課題でeラーニングやLMSを活用するのもおすすめ
  5. 5.事前課題を活用した研修事例
  6. 6.研修を効果的に行うなら、アルーにお任せください
  7. 7.まとめ


研修での事前課題の効果・目的

そもそも、どうして研修で事前課題を設定するべきなのでしょうか。
研修の事前課題を設定する効果としては、研修に対する意識付けや事前知識の確認などが挙げられます。まずは、研修で事前課題を設定する効果や目的を確認していきましょう。


研修に対する意識づけができる

研修で事前課題を設定する効果として、研修に対する意識づけを促せる点が挙げられます。
研修テーマについて日頃考えていることや感じている課題を事前課題を通じて洗い出してもらえば、研修に向けた意識を形成することが可能です。例えばマネジメント研修の際に「日頃マネジメントで大切にしていることはなんですか?」という事前課題を設定すれば、自分自身のマネジメントスタイルを意識した上で研修に参加してもらうことができます。意識が形成された状態で研修へ臨めるので、当日の学びが深まるでしょう。


自己分析や参加者が抱える現状の課題を洗い出せる

自己分析や、参加者が抱える現状の課題を洗い出せるのも、事前課題を設定するメリットです。
例えば前述したマネジメント研修の例だと、「普段のマネジメントで問題だと感じている点はなんですか?」という事前課題を設定すれば、日頃のマネジメントの問題点を意識した状態で研修へ参加できます。事前課題を通じて自己分析や現状の課題の洗い出しを行うことで、研修へ参加するモチベーションを形成することができるのです。


研修に関する事前知識の確認ができる

事前課題を活用すれば、研修に対して参加者がどれほどの事前知識を持っているか確認することができます。
事前知識の確認を行っておけば、スタートラインが揃った状態で研修に参加してもらうことができます。結果として、「参加者の事前知識がバラバラでディスカッションが深まらない」といった事態を防ぐことが可能です。講師側は事前課題の結果を見つつ、重点的に説明するべきポイントとそうでないポイントを見分けることもできます。


反転学習になり研修時間の講義時間を削減し演習中心の設計にできる

事前課題をうまく設定すれば反転学習が実現するため、研修当日を演習中心の設計にできるというメリットもあります。
反転学習を実施する場合には、研修テキストや関連動画を事前配信して、基礎知識部分だけをインプットしてもらう事前課題を設定することが多いです。こうした課題があれば、知識のインプットを事前に終わらせた状態で研修に臨むことができます。その結果、研修当日の知識インプットに時間を割く必要がなくなり、浮いた時間をディスカッションやグループワークなどのアウトプットに回せるのです。研修を演習中心の設計にすれば、より一層知識が定着しやすくなるでしょう。

反転学習に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
反転学習とは?企業研修に取り入れる際の効果やメリット・デメリット


受講者のレベルを把握することで研修当日の講師ファシリテーションをよりよくできる

研修の事前課題を設定する効果として、受講者のレベルを把握して講師のファシリテーションを改善できる点も挙げられます。
研修当日にディスカッションやグループワークを導入する場合は、講師がうまくファシリテーションを行い、議論を有意義なものにしてもらう必要があります。
事前課題を設定すれば、講師はその結果を見ながら議論の方向性を決めることができるのです。「幅広い知識を身につけているから、議論をより発展させてみよう」「基礎知識に不安があるから、『そもそも』に立ち返って考えてもらおう」といったように、受講者のレベルに応じたファシリテーションが実現します。

ファシリテーションについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ファシリテーションとは?必要なスキルや手法、事例をわかりやすく紹介



研修での事前課題の内容例

パソコン作業する男性

研修で設定する事前課題の具体的な内容としては、以下のようなものが考えられます。


  • 研修テーマに関する現時点での意識や知識の整理
  • 前提知識・基礎知識のインプット
  • 研修テーマに対する現状課題・困っていることのアンケート
  • 参加者と上司との間での研修内容の共有


研修のテーマや受講者の現状に合わせて、それぞれの研修に適したものを選択するのが大切です。研修における事前課題の内容例を詳しく解説します。


研修テーマに関する現時点での意識や知識の整理

事前課題では、研修テーマに関する現時点での意識や知識の整理ができるような内容を設定することが考えられます。例えば、以下のような内容を設定するのがおすすめです。


  • 「自分が普段マネジメントで大切にしていることはなんですか?」(マネジメント研修)
  • 「社会人と学生の主な違いは何だと思いますか?」(新入社員研修)
  • 「日頃のコミュニケーションで何を意識していますか?」(コミュニケーション研修)


こういった点をレポート形式でまとめてもらえば、研修に向けた意識を形成した状態で当日に臨んでもらうことができます。なお、問いかけを設定する際には「どうしてその問いかけを行っているのか?」「研修内容とどう結びつくのか?」を意識するのがポイントです。


前提知識・基礎知識のインプット

研修の事前課題では、前提知識や基礎知識をインプットするような内容を設定するのもよいでしょう。知識をインプットする課題としては、例えば以下のようなものが考えられます。


  • 事前に研修テキストを配布して、指定したページの内容をまとめてもらう
  • 関連動画を配信し、視聴した感想を提出してもらう
  • 課題図書を設定し、内容をレポート形式でまとめてもらう


前提知識や基礎知識をインプットすれば、研修当日の時間短縮につながります。なお、知識をインプットする事前課題は、「テキストを読んで終わり」「動画を視聴して終わり」といった状態になってしまわないよう、レポートや感想などを提出してもらうのがよいでしょう。
なお知識のインプット部分をeラーニングで実施すれば、効率的に事前課題を管理できるためおすすめです。

eラーニングの概要や、活用するメリット・デメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
【簡単解説】eラーニングとは?企業研修で活用するメリット・デメリット


研修テーマに対する現状課題・困っていることのアンケート

研修テーマに関して現在感じている課題や、困っていることをアンケート形式で聞くのもおすすめです。例えば、以下のような設問を設定しましょう。


  • 普段のマネジメントで感じている課題はなんですか?(マネジメント研修)
  • 部下との1on1ミーティングではどのような壁を感じますか?(1on1研修)
  • 商談の際にありがちな失敗はなんですか?(営業力研修)


こういった事前課題を設定すれば、参加者に問題意識が形成されます。そのため、「研修で何を学びたいのか?」を明確に意識した状態で研修へ参加してもらいやすいのがメリットです。また、研修に対する現場からのニーズを把握するのにも役立ちます。


参加者と上司との間での研修内容の共有

研修の事前課題を通じて、参加者と上司との間で研修内容を共有するのもおすすめです。具体的には、以下のような課題を設定するのがよいでしょう。


  • 上司や部下から、管理職本人に期待することを伝える(管理職研修)
  • 上司や部下に、サポートしてほしいことを伝える(管理職研修)


研修の事前課題をきっかけに上司や部下とコミュニケーションを取ってもらえば、研修後の周囲からのサポートを引き出すことができます。周囲からのサポートがあることで、研修終了後の行動変容を実現しやすくなるでしょう。



研修で事前課題を出す際の注意点

研修で事前課題を出す際には、事前課題の量に注意する必要があります。また、提出を任意にしてしまうと、受講者の足並みが揃わないことが多いので要注意です。
ここからは、研修で事前課題を出す際に意識しておきたい注意点を解説します。


事前課題は大量に出さない

研修で事前課題を出す際には、大量に出さないように注意しましょう
事前課題にありがちな失敗が、「内容を詰め込みすぎた結果、参加者の負担となってしまった」というものです。必要以上に量の多い事前課題を設定すると受講者の負担になり、研修へ参加するモチベーションを下げてしまいます。また、事前課題で扱った内容をすべて研修内で扱う必要があるため、研修当日の進行にも悪影響です
事前課題を設定する際には、あくまでも研修に向けた取っ掛かりを作ることを意識して、受講者の負担とならないような量に調整しましょう。例えば事前テキストであれば「◯ページから◯ページ」、課題図書であれば「◯章だけ読んでくる」といったように、範囲を指定するのが有効です。


提出を任意にしない

研修の事前課題は、提出を任意にしないのがポイントです
研修の事前課題を設定する際には、参加者の負担を考慮するあまり、事前課題の提出を任意にしてしまうケースがあります。しかし、事前課題への取り組み具合にばらつきがあると、参加者の足並みが揃いません。結果として、ディスカッションで発言する人が固定されてしまったり、グループワークの進行に支障をきたしたりと、研修の質の低下につながります。また、場合によっては講師の信頼低下も招いてしまうでしょう。
あらかじめ量を調整した上で、事前課題は提出を必須とするのがポイントです。


抽象的な課題を出さない

抽象的な課題を出さないようにするのも、事前課題を設定する際に意識しておきたいポイントです
例えば「普段のコミュニケーションについて思うことをまとめてください」と指示しても、参加者に何を書いてほしいのか伝わりません。「上司とのコミュニケーションで壁を感じる点を100字程度でまとめてください」といったように、できる限り具体的な指示を出すのがポイントです。
なお、問題文と同時に出題の背景を伝えるよう意識しましょう。事前課題がどう研修で活きてくるのか伝われば、参加者は事前課題の意図を把握しやすくなります


研修の内容と課題内容がつながるようにする

研修の事前課題を設定する際には、研修内容と課題内容がつながるように注意しましょう
研修内容と事前課題の内容があまりにも離れていると、事前課題に取り組むモチベーションが低下してしまいます。また、研修当日に「思っていた内容と違う」と思われ、研修プログラムに対する不信感を招いてしまう可能性もあるでしょう。
研修の事前課題は、研修内容とリンクした内容にしてください。事前課題の中で、研修当日の予定プログラムを簡単に説明するのも効果的です。「グループディスカッションでこの事前課題を使います」といったように事前課題を使う箇所を明示して、課題に取り組むモチベーションを引き出しましょう。



事前課題でeラーニングやLMSを活用するのもおすすめ

	LMSイメージ

事前課題を設定する際には、eラーニングがLMSを活用するのもおすすめです。LMSを活用して事前課題を配信すれば、参加者からの提出物を効率的に管理できます。また、研修前後で参加者の行動変容を追跡しやすくなり、研修の成果を上司や経営層へ共有しやすくなるのもメリットです。
事前課題をeラーニングで配信する際のポイントや、eラーニングの活用がおすすめな理由を解説します。


事前課題を一つのプログラム内容にしてみるのも良い

事前課題を配信する際には、事前課題を一つのプログラム内容として位置づけてみるのもよいでしょう
一般的に、「事前課題」は「宿題」のイメージとリンクしており、ネガティブなイメージを持つ人も多いです。一方で、事前課題を研修プログラムの一つとしてeラーニング上で配信すれば、研修の一部分のような感覚で事前課題に取り組んでもらうことができます。その結果、スムーズに集合研修へ移行できるようになったり、前向きに事前課題へ取り組んでもらえるようになったりするでしょう。eラーニングを活用すれば、「宿題」というイメージを払拭し、研修の一部分として自然に扱うことができるのです。


事前課題の管理が容易になる

LMSを活用して事前課題の配信を行えば、課題を簡単に管理できるようになります。
eラーニングの学習管理ツールであるLMSの中には、提出物を管理する機能を備えているものも多いです。LMS上で課題を管理すれば、誰がいつどのような内容を提出したのかを簡単に確認できるようになります。
また、提出内容を上司や研修講師、経営層などへ簡単に共有できるのもメリットです。LMSの中にはCSVでの出力機能などを備えているツールも多く、データの管理や集計も楽になるでしょう。


LMSなら「etudes」をご検討ください

LMSの導入をお考えの場合は、アルーの提供している「etudes」をご検討ください。
etudesは、社内教育のあらゆる課題を解決する、使いやすいUIが特長のLMSです。LMSには業務ツールのようなものも多いですが、etudesはグラフを多用したカラフルなデザインが特徴で、初めてのLMSであっても簡単に活用できます。受講者はもちろん、研修を管理する講師や人事部側からも使いやすいのが大きな特長です。
事前課題の配信はもちろん、課題の管理や他ツールとの連携も簡単に実現できます。アルーの提供しているetudesは、以下のページから詳しくご覧ください。
etudes(エチュード)



事前課題を活用した研修事例

さまざまな業界で人材育成を支援しているアルーでは、事前課題を効果的に活用した研修を数多く実施してまいりました。ここではその中から厳選して、新任管理職研修とビジネススキル研修の2つの事例を紹介します。
事前課題を活用した具体的な研修事例を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


新任管理職研修での事例

管理職としての役割認識を深めたいと感じていたA社では、ブレンディッドラーニングを取り入れた新任管理職研修を実施しました。

	新任管理職研修でのブレンディッドラーニングの例.

本研修では事前課題を効果的に活用しているのが特徴です。研修前に事前課題として、以下のような課題に取り組んでもらいました。


  • 管理職としての現在感じている課題を棚卸しする
  • 現時点での部署計画をまとめる


eラーニングを通じてこうした事前課題に取り組んでもらった結果、教室研修では管理職としての役割認識について議論を深めることができました。本事例では事後課題でもeラーニングを活用しており、反転学習の効果的な導入に成功しています


ビジネススキル研修での事例

「仕事の進め方の基本となるビジネススキルを習得してほしい」と感じていたB社では、若手社員から中堅社員を対象としたビジネススキル研修で事前課題を効果的に活用しています。

	ビジネススキル研修でのブレンディッドラーニングの例

本事例ではeラーニングを活用して、以下の2つの事前課題を設定しました。


  • ビジネススキルの基本を知識としてインプットする
  • LMSを活用して、1問5分のドリル演習を1週間に4〜8問程度取り組む


eラーニングを活用したためドリル形式の演習を効率的に実施できており、研修に向けた知識の定着も把握しやすくなっています。研修当日は事前課題の実践結果の共有からスタートし、現場でのトレーニング方法などを習得してもらいました。事前課題の効果的な活用を行い、学びの共有による主体的な学習を実現した事例です。



研修を効果的に行うなら、アルーにお任せください

研修を効果的に行うなら、ぜひアルーへお任せください。アルーはさまざまな業界で人材育成を支援している、人材育成のプロフェッショナルです。
アルーでは効果的な事前課題を設定した研修を数多く実施しており、eラーニングを活用した研修にも対応しています。アルーの提供している研修の特徴をいくつか紹介します。


eラーニングも活用した研修を実施します

アルーでは、eラーニングを活用した研修を実施いたします。
eラーニングを活用すれば、事前課題や事後課題を効率的に管理することが可能です。研修前に参加者が抱えている課題を分析できるようになるため、研修当日の質も向上します。
また、知識のインプット部分をeラーニング上で配信すれば、研修時間の節約にもつながります。アルーではeラーニングを積極的に活用して、インプットとアウトプットの双方を効率的に進めることが可能です。
アルーの提供しているLMSである「etudes」は、以下のページからご覧ください。
etudes(エチュード)


事前課題も含めての研修を提案いたします

アルーでは、事前課題も含めた研修の提案をいたします。
どんなに優れた研修プログラムであっても、すべての企業に有効であるとは限りません。アルーでは研修の企画段階から丁寧にヒアリングを実施するため、お客様の企業の抱えるビジネス課題に最適化された研修の実施が可能です。また、ビジネス課題を効果的に解決するための事前課題の設定もサポートいたします。
事前課題の設定を含めた企画段階から丁寧に伴走するため、一貫性のある体系的な教育が可能です。


研修後の効果測定も支援いたします

アルーでは、研修後の効果測定も支援いたします。
研修を実施しても、現場での行動変容につながらないケースは少なくありません。アルーでは、研修前後での行動変容を可視化する効果測定の支援も実施しています。「本当に効果のある研修だったのか?」「研修でどこが成長し、どこがうまくいかなかったのか?」を明確化できるため、受講生のさらなる成長に向けた的確なサポートが提供しやすくなるのが特徴です。
また、研修の成果を上司や経営層へ報告する際にも、定量的な効果測定が役立ちます。なお、研修の効果測定を行う方法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
研修効果測定の方法とは|4つの評価レベルや効果測定のポイント



まとめ

研修の事前課題を効果的に設定するためのポイントについて幅広く解説しました。
事前課題を適切に設定すれば、研修に向けた意識を醸成したり、知識を底上げして参加者の足並みを揃えたりすることが可能です。一方でこの記事で解説したようなポイントを意識しなければ、事前課題が参加者の負担となってしまうなどの逆効果を招いてしまうこともあります。
ぜひこの記事で解説した内容を意識しながら効果的な事前課題を設定し、現場での行動変容につながるような人材育成を実現しましょう。


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