2024年度新入社員レポート
Z世代と働くヒント
~導入研修から見えた特徴と響くメッセージ~

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アルー株式会社では、2024年度3月~ 4月の2カ月間で新入社員約2.7万人に研修プログラムをご提供しました。それらの研修プログラムに関わった講師やコンサルタントに対し、新入社員の傾向や様子についてのアンケートを毎年実施しています。2024年度の新入社員導入研修に関しても同様のアンケートを実施し、今年度の傾向を示しました。

目次

研修現場で見えた新入社員の傾向

研修現場で見えた新入社員の傾向

ポジティブな傾向

ポジティブな傾向については、例年同様に「必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さ」「同世代との高い関係構築スキル」といった傾向が見られました。「必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さ」については、新入社員本人が必要だと理解すれば積極的に取り入れることを指します。これは、SNSを通じて世の中に様々な選択肢があることを理解した上で育ち、「必要だと思ったら、主体的に取り入れる」ことが当たり前と考えている世代ならではの傾向だと考えられます。

また、今年度の新入社員は大学入学時からコロナ禍でしたが、同世代との関係構築スキルにはあまり問題は見られないのではないかとの結果が現れました。

加えて、今年は「多様性を受け入れることに抵抗を感じない」が新たに加わりました。個を大事にし、相手を受け入れることを重要視する時代に育ったことが影響しているのかもしれません。

ネガティブな傾向

ネガティブな傾向について、「周囲からどう見られるか、どういう行動が適切かを知らない」「手の届く情報や居心地のよいつながりで満足をしてしまう」は昨年と同様の傾向になりました。「周囲からどう見られるか、どういう行動が適切かを知らない」については、講義中や休憩中におけるオン・オフの行動の使い分けに対する認識の甘さが起因となる不適切な言動が多々見受けられたようです。「手の届く情報や居心地のよいつながりで満足をしてしまう」については、講義中に課題に取り組む中で講師に質問をせずテキスト内にある情報だけで答えを探そうとしたり、講師や人事とは交流をせず同じグループ間での交流に留まってしまう姿が見られました。

また、今年は「チャレンジより、リスク回避を優先する」が新たに加わりました。こちらは昨今の若者の傾向である「失敗を恐れる」点を踏まえているとも言えるでしょう。研修内では「~~というのは、△△するのが正解ですか?」とストレートに正解を確認してくる受講生もいました。

 

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カテゴリー別傾向

今年度のカテゴリー別傾向では、今年度の新入社員の傾向に加え、今年度の新入社員を除くZ世代(2019年度以降に社会人になった世代と定義)と、Z世代以前で比較ができるように集計をしました。

2024年度新入社員レポート_カテゴリー別傾向

まずは今年度の新入社員とZ世代以前を比較して、数値が大きく上がった項目を見ましょう。「他者との距離感に戸惑う様子(グループワークがよそよそしい等)は見られなかった」は31.9%、「受信力(物事を読み取る力)がある」は16.1%も上昇しています。これはポジティブな傾向として挙げられていた「同世代との高い関係構築スキル」とも結果が合致していると言えるでしょう。

次に数値が大きく下がった項目を見ると、「時間は厳守できていた」が▲ 10.0%、「周囲からの見え方を踏まえ、適切な行動がとれている」が▲33.8%など、社会人としてのモラルについての評価が下がっています。昨今、ビジネスマナーや服装のカジュアル化が進み、マナーの基準が曖昧になってしまった結果、新入社員導入研修中においても適切とは言えない行動をとる受講生もいました。ビジネスマナーや服装を守るべき時には守ることの重要性を新入社員に伝えることが大事なのではないでしょうか。

 

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具体的なコメント

社会人としてのモラルについて

 廊下ですれ違った際、ほぼ全員が挨拶をしてくれた。講師の話や他の受講生の発表を聞く際には、椅子ごと相手を向くことやメモを取ることが徹底されていた

 研修会場の廊下ですれ違う際、ほとんどの受講生が笑顔で「おつかれさまです」と挨拶してくれてとても好印象だった

 休憩時間中のスーツの着こなしや歩き方がだらしなかったり、朝に指摘したことが昼には元通りになってしまう受講生が多く、学生気分が抜けていない様子だった

 演習の締切時間が迫っていても、時間内に終わらなくても別に平気だろうと考えている姿が見受けられた

集団生活・チームワークについて

 演習における役割分担と、他の受講生が言葉に詰まった際やミスをした際の他メンバーのフォローがよくできていた(PCで資料を出すのに時間がかかっているときに、他のメンバーが別の話題を演習の相手役に振る、仲間がフリーズした場面で頷きを深くしてエールを送る等)

 演習が終わった後、「ごめん、みんな役割持ってやってくれたのに、自分だけ何もしてなかった。次の演習は頑張るから!」と振り返りで宣言し、実際に次の演習では立ち上がって積極的にディスカッションをリードしようとしていた

 グループを牽引する受講生と、そうではない受講生の差が目立っていた

 グループワーク内ではあまり発言をしないが、ペアワークになるとたくさん話すことができる受講生が複数いた

行動・成長意欲について

 1回目の演習で全員の発言や参加意欲について指摘したことが、2回目の演習時には改善されていた

 講師から指示があったわけではないが、演習で余った時間を利用して自然と名刺交換の練習を行っていた

 30名も参加しているのに、解説で誰もメモをしない

 全体の場での質問は誰も出ない。各演習における代表者発表でも挙手する方がとても少ない(講師から促して、ようやくちらほら手が挙がる状況)。指名するとしっかりアウトプットも考えており話すことができている。周りを様子見しているのか、受け身なのか?

業務遂行スキルについて

 演習においてお客さま役の発する言葉の定義が曖昧であることを、そのままにせず率直に質問をしたり、お客さま役自身が「言葉の定義が不明瞭であると思っている」と伝えると、自分たちなりの仮説を提示したり「これから一緒に考えていきましょう」と寄り添い並走する意欲を見せていた

 結論や理由を構造化して話せていた・構造化して話そうと意識していた

 「仕事に取り掛かる前にゴール・目的を確認することが大事だよ」と伝えた後の演習で、6チーム中1チームしかゴール・目的の確認に来なかった

 フィードバックの修正はできるが、プラスアルファまでは意識が向かない様子だった。マイナスを0にはできるが、言われない限り1の存在すら思いつかない。現在地はそのような状態だった

 

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受講生に響いたメッセージ

「必要だと思ったら、取り入れる」ことが当たり前の時代で生きてきた新入社員に対して、社会人としての基礎を築くことの重要性を伝え取り入れてもらう必要があります。実際に研修現場で行動変容が起きた事例から、有効な伝え方についてまとめました。

 

  • 仕事に取り掛かる前にゴールや目的の確認をすることは、最終的にはタイムパフォーマンスに繋がるというメッセージが響いていた
  • 「この時期にマナーをしっかり身につけて好意的な第一印象をつくることは、どのスキルを磨くよりコスパが高い」というメッセージへの反応が良かった。もちろんそのメッセージだけの効果ではないと思うが、研修前には挨拶をする人がほとんどおらず、人事側も問題視をしていたが、マナー研修の後には挨拶をしっかりするようになるなどの行動変容がはっきりと見てとれた
  • 研修の中で、「個性を発揮するためにも、原理原則が必要」という動機付けはこれまで以上に届いていた印象があった。「目的(WHY・スタートライン)とアウトプットイメージ(WHAT・ゴールテープ)と納期(その間の時間)をしっかり押さえることは
    大事。その原理原則を押さえられれば、過程となる道筋はそれぞれの『らしさ』を活かして歩んでいい」と伝えた
  • 相手目線に立つことの重要性を伝える際に以下の内容を伝えたら響いた。「相手に染まれと言っているわけでなく自分色を出してほしい。むしろ自分色=仕事をデザインしているということ。相手の立場にたって、具体的な行動を起こすときにどうしたらいいのか?を自分でデザインしていってほしい」
  • マナーが必要、挨拶が大事、など社会人の基本として当たり前に言われることについて、「頭ではわかるが、心の底では納得しきれていない(ほんとに必要か?)人もいると思う。だだが、社会ではこういった当たり前の基本行動ができているかどうかという物差しで皆さんを評価する人が大多数なのは一つの事実。それならば、皆さんはこういった行動ができないと損をする。でも、どういう理由で納得するかという答えは皆さん一人ひとりの価値観の中にしかない。先輩たちに聞いても答えは無い。だからこそ、どうせやらないといけないことに対してモヤモヤする前に、自分で自分を納得させる理由を見つけるのが大事」という説明は強く響いた印象があった
  • 社会や会社のルールに対して納得できない自分がいたとしても、どうせやるなら自分で理由を探そうということを伝えると反応が良かった。社会・会社でやりたいことや身に付けたいことがあるから今の会社を選んでいると思う。やってみる、ということを一旦してみてから、考えればいい。全くしないと自分が損することを伝えた
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2024年3月~ 4月内定者・新入社員研修プログラムご支援実績

企業数

118社

研修受講者数

約2.7万人 ※延べ人数

クラス数

651クラス

2024年3月~4月内定者・新入社員研修プログラムご支援実績_従業員規模
2024年3月~4月内定者・新入社員研修プログラムご支援実績_業界

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アルー株式会社について

2003年の創立以来、大手企業を中心に1,493社以上の人材育成・研修をご支援してきました。
受講者の行動変容に繋がる育成プログラムを開発し、「育成の成果」を見える化するサーベイのご提供も行っています。
これからも、お客さまの目指す姿に寄り添い、意義ある学びの場を提供し続けます。

アルーが選ばれる理由

  1. 安定した多人数・多クラスでの研修開催が可能

綿密な打ち合わせと連携により、会場が異なる開催となっても、安定した進行と受講者へ同質の学びの提供が可能です。クラス間で学びや気づきにバラつきが出ないよう、事前及び各開催日毎に講師とのすり合わせを実施しています。

  1. 豊富な研修カスタマイズ実績

お客さまに意義ある学びの場を提供するために、カスタマイズを積極的に実施しています。カスタマイズ専門部署に15名以上が在籍し、多くの研修でカスタマイズを実施しています。

  1. 育成の成果にこだわるプログラム・サーベイ

アルーの研修は、「わかる」だけでなく「できる」に到達することを研修の目的としています。「100本ノック」と呼ばれるケーススタディ演習や、研修後の職場での実践を促すサーベイなど、受講者の行動変容に繋がるプログラムやサーベイをご用意しています。

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