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若手社員の離職を防止するには?早期離職の原因と対策方法


昨今、若手社員の離職は多くの企業で問題視されています。社員の採用や育成にかかるコストを考えると、仕事をこなせるようになってきた時期に離職されてしまうのは大きな損失です。この記事では、若手社員の離職を防止するためにその原因と対策方法についてお伝えします。

【人事担当者の皆様へ】新入社員・若手社員の離職防止の秘訣をご存じですか?


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目次[非表示]

  1. 1.若手社員の入社3年以内の離職は3割前後
  2. 2.若手社員が早期離職する理由
  3. 3.若手社員の早期離職を防止する方法
  4. 4.若手社員の離職防止対策が重要な理由
  5. 5.アルーの若手の離職を防ぐプログラムの例
  6. 6.まとめ



若手社員の入社3年以内の離職は3割前後

新規学卒者の入社3年以内離職率(早期離職率)は、直近20年以上にわたって3割前後で推移しています。2004年の36.6%を最大として、2022年では31.2%という結果になりました。

昨今、若手社員の早期離職が問題視されていますが、実は離職率自体は昔より増加したわけではありません。少子化によって新規学卒者が減少したことと、就労人口の減少による採用人数の増加、人材育成コストの増加などの理由で若手社員が離職したときのインパクトが昔より大きくなっているのだと考えられます。

参照:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況


入社時点では「長く働きたい」と考える若手社員が多い

2023 年 4 月に企業への就職を予定している学生 295 名を対象に行った調査によると、従業員数1000名以上の企業内定者のうち53.8%が「同じ会社の中でキャリアアップしたい」と回答しており、内定者の時点では同じ会社で安定して長く働きたい意欲が強いことがわかります。

参照:2023年度新入社員レポート

一方で、「入社 3 年以内の離職率 3 割」のように3 割の新卒社員たちは、入社後に転職をするため、入社後にどのようなことを経験し、何を思い、考え、そして「転職」に踏み切っているのか理由を見てみましょう。


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若手社員が早期離職する理由

若手社員がせっかく入社した会社を離職してしまうのには、以下のような理由が挙げられます。


  • 労働環境がよくないため
  • 想像していた仕事と違ったため
  • 企業に依存しないキャリア形成を意識しているため


労働環境が良くないため

厚生労働省の調査によると、離職する決め手になった理由として、「仕事上のストレスが大きい」「給与に不満」「労働時間が長い」「会社の将来性・安定性に期待が持てない」などが挙げられており、労働環境がよくないことが離職の原因の1つになっています。そのため、企業としては労働時間、給与、ハラスメント、業務量など改善を図ることで労働環境をよりよくし続けていくことで、一定の離職防止の効果が期待できるでしょう。

参照:厚生労働省 若者の離職理由


想像していた仕事と違ったため

また、離職の理由の1つに自分が想定していた仕事ができなかったというミスマッチもあります。実際に入社してみるとやりたい仕事ではなかったり、自分の得意とするスキルや強みを活かせる業務に就けなかったりすることで、他の職種を求めて転職してしまうことがあるでしょう。企業としては、入社前や配属前に業務内容を説明し、社員の認識の齟齬がないよう努めることに加え、定期的なキャリア面談などを実施し、社員一人ひとりの業務に対するミスマッチがないかどうか把握していくことで、一定の離職防止の効果が期待できるでしょう。




企業に依存しないキャリア形成を意識しているため

最近の若手社員には、企業に依存せず自らのキャリアを形成しようという意識が高まっています。また、就活生の約半数は将来の転職を見据えて就職先を選んでいるという調査結果があります。

若手社員のキャリア意識が従来の企業依存型から企業と対等な関係を求める方向へ変わってきたことから、企業のキャリア観とギャップが生じているのが早期離職の原因ともいえるでしょう。

以上の理由を考慮に入れると、離職をゼロにすることは難しいでしょう。ただし、不本意な離職は若手社員本人にとってもマイナスになりかねないため、企業や人事担当者は若手社員のサポートをする必要があります。

企業は従来の枠組みにとらわれずに新たな人材戦略の構築や、自社に置けるキャリア自律の実現を行うことで、一定の離職防止の効果が期待できます。

参照:株式会社ビズリーチ 将来のキャリアに関する調査



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若手社員の早期離職を防止する方法

何かを禁止するポーズ

若手社員が早期離職を希望する理由は転職のしやすさやキャリア形成だけでなく、社内での人間関係や業務に関する悩みなどもあります。

会社が若手社員に対してキャリア育成を支援したり、社内環境を整えることで不本意な早期離職を防ぐことができるでしょう。

次から、早期離職を防ぐ方法を具体的にご紹介します。


採用時のミスマッチを減らす

求人広告や会社説明会の場で、会社の良い側面だけを強調すると入社後にギャップを感じやすくなります。仕事の実情や厳しさ、経営状況など求職者がデメリットに感じるような点も正直に公開するなど正しい情報発信によって、採用時のミスマッチはある程度防ぐことができます。

また、入社前に会社見学を行う、先輩社員との座談会の場を設けるなど社員の考え方や風土を知った上で入社してもらうことが大切です。


定期的に業務フォローを行う

若手社員は、経験の少なさから生じる仕事の不安や不満を抱え込む傾向があります。特に最近はリモートワークの機会も増え、相談したくてもなかなかできない状況も増えました。

上司や先輩社員が定期的に若手社員の話を聞いて、業務の悩みを聞き出すことで支援実感を感じやすくなり、安心にもつながるため早期離職を防ぐことができます。

新入社員全体にはフォローアップ研修が効果的です。フォローアップ研修の詳細については以下の記事をご覧ください。
新人フォローアップ研修とは?目的やおすすめの内容を解説


労働条件・人事制度の見直し

最近の若手社員は、ワーク・ライフ・バランスを重視したり、承認欲求が高かったりする傾向にあります。昔のように残業は当たり前、困難があっても努力で乗り越えられるといった精神論は通用しづらくなっているのです。

柔軟な働き方を選べるような労働条件の提示や、成果が人事評価や賞与に正しく反映される環境を整えることが重要です。


会社への帰属意識を高める

社員一人ひとりが自社で働く意味や社員同士のつながりを実感して会社への帰属意識を高めることが、早期離職を防ぐ方法の一つになります。

帰属意識を高めるためには、自社の文化や風土、サービスなど魅力に感じている点を振り返る機会を作ることや、部署を越えた社員同士のつながりを構築するなどが有効です。


今までの経験を振り返る機会を与える

目の前の業務に日頃追われていると、視野が狭くなり自分や周りに対するネガティブな面に目がいきやすくなります。これまで成し遂げてきた仕事を振り返ることで、自分の経験の捉え直しができ、自社で成長できたことや自分が得られたスキルなどを改めて自覚することができます。

自分のこれまでの経験の棚卸しができれば、会社の中での自分の立ち位置を客観的に把握でき、早期離職の抑制につながるでしょう。



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若手社員の役割や目標を明確にする

チーム内での自分の仕事の意義や立場がわからなくなると、自社に留まる意味を見失ってしまうため早期離職への意識を高めることにつながります。

上司から若手社員に対しては、今している仕事の意義や目標を明確に伝え、曖昧な形ではなくはっきりとわかりやすく期待を提示する必要があります。

期待をかけられすぎるのもプレッシャーになりますが、適度な期待を受ければ自己肯定感を高められます。また成果だけでなく頑張った過程も正しく評価し、称賛することで次の仕事へのモチベーションを向上させられるでしょう。


上司の育成スキルを伸ばす

若手社員の立場からいえば、上司とのコミュニケーションの際の言葉遣いや指導の方法がストレスに感じられることもあります。指導する側は、自分がかつて若手社員だったときに受けた方法をなぞりがちです。最近の若手社員の特徴や特性を鑑みて、寄り添えるようなアドバイスや指導を行えるようなスキルを上司となる管理職が身につけられるような環境を作ることが大切です。

適時コーチング研修やフィードバックのための研修を実施し、上司は時代に合った育成スキルを伸ばしていくことが早期離職を防ぐポイントになります。

上司の育成スキルについては以下で詳しく解説しています。
部下の人材育成に必要なマネジメントとは?課題や背景、必要なスキルなど徹底解説


会社のロールモデルを見つけ、未来のイメージを持ってもらう

会社で成果を上げている先輩社員などのロールモデルを見つけることで、自分がどのようなキャリアを積んでいきたいかのビジョンを描きやすくなります。

若手社員が早期離職する理由の一つに、今の会社では求めるキャリアやスキルが身に付けられない、成長できないと考えてしまうということが挙げられます。身近にキャリアのお手本ともいえる存在がいれば、今後も会社で働き続けるイメージを明確に掴むことができるので不安の解消につながるのです。


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社内のネットワーキングを広げる

若手社員に向けて、社内で人脈を広げることをすすめるのも早期離職対策として有効です。

部署内や同期同士の縦横のつながりだけでなく、他部署とのつながりなどのななめのつながりを広げることによって、社内情報の収集や多様な視点の形成、問題が起こったときのサポートなどが得られます。

社内でさまざまな人との関係性を構築することで、会社への愛着形成にもつながっていきます。


若手社員の離職防止対策が重要な理由

では、若手社員の離職防止対策が重要な理由はなんでしょうか。


  • 採用・教育コストの損失を防ぐため
  • 企業のイメージアップのため
  • 次世代の管理職育成につなげるため

以下にて、詳しい内容を掘り下げていきます。


採用・教育コストの損失を防ぐため

人材1人あたりの採用・教育コストは大きなものです。社員1人を採用し、一人前に育てるには求人広告にかかる費用から選考のための人件費、研修を実施するのにかかるコスト、仕事が企業にとって生産性のあるレベルになるまでの給与・賞与など多くのコストが必要になります。せっかく育てあげた社員が離職してしまうのは、企業にとって大きな損失です。


企業のイメージアップのため

今はインターネットで検索すれば知りたい情報がすぐ得られる時代です。企業の評判の良し悪しは、SNSや口コミサイトなどで簡単に知ることができます。特に企業の早期離職率は公開の義務があるため、離職率が高いなどのネガティブな情報はすぐに拡散されます。 適切な離職対策を施すことで、ただ離職率を下げるだけでなく「働きやすい職場」「仕事にやりがいが持てる」など企業のイメージアップにつながります。



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次世代の管理職育成につなげるため

次期経営者候補や管理職候補を育成するには、候補者にさまざまな経験を積んでもらう必要があるため、若手社員の時代から準備していかなければなりません。 優秀な人材に早期離職されると、リーダー育成が進まないため将来的に経営にも不安が生じます。

次世代の管理職育成については以下で詳しく解説しています。
【事例あり】次世代リーダー育成方法とおすすめ研修。よくある課題と解決策


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アルーの若手の離職を防ぐプログラムの例

空中にメモを取る人

アルー株式会社では、若手社員の離職を防ぐ研修プログラムをご提供しています。若手社員に向けたセミナーと上司向けの育成研修で、両方向から離職防止をサポートいたします。


対若手向けプレキャリアデザインセミナー

将来を考える上で健全なキャリア観や必要知識を身に付け、今自分ができることを考え精一杯やりきる意識をもつことを目的に行います。

これまで会社で経験してきたことを棚卸しして、その中で自分の強みや成長すべき点を言語化して把握します。

研修を受けた後は、次のような変化を期待できます。


  • 自分が仕事を通して実現したい目標やビジョンを軸として必要な行動を考えていくことができる
  • キャリアをより良く描いていくには、俯瞰的・多面的に捉えていく姿勢が必要になると理解できる
  • 周囲の協力や環境を創り出すためにまず信頼・実績・成果を積み重ねていかなければならないことを認識する


▼アルーの若手研修について詳しくはこちらの資料をご覧ください。


  『若手社員研修サービス資料』資料ダウンロード 『若手社員研修サービス資料』の資料をダウンロードいただけます。若手社員育成の全体像や、育成に関連するサービス一覧を紹介します。 アルー株式会社


▼こちらのページでも詳しく説明しています

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対上司向けメンバーの中長期的キャリアを見据えた育成

リーダーとして中長期的な視点に立ち、メンバーのキャリアプランを立案して実現に向けた実行や軌道修正の方法を学ぶことを目的としています。

メンバーの役割と仕事上の好みとの重なりを探し、やりたいことを引き出してキャリア育成を支援する方法を理解する、メンバーの成長機会を意図的に作って提供する方法などが学べます。

また、キャリアプランを育成した後に継続した支援を行うための方法なども身に付けられます。

▼管理職向け部下育成研修について詳しくはこちらのページをご覧ください

部下育成力研修



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まとめ

若手社員の離職率は、社会的な背景やキャリアへの意識変化から、全く0になることはありえません。しかし原因を探ることで、会社の大きな損失につながるような早期離職防止への対策は講じられます。

最近の若手社員の早期離職の原因は、日本社会全体における人手不足で転職しやすくなっていることや、従来の会社依存型のキャリア形成から独立したキャリア意識への変化が挙げられます。しかし、もっと身近な原因には会社での待遇への不満や入社後のギャップ、職場の人間関係なども見られます。

若手社員の早期離職を防ぐためには、会社への帰属意識を高めたり上司や先輩からの支援実感を得られるように働きかける、労働条件・人事制度を見直すなどの対策が効果的です。

アルーでは、若手社員と管理職に向けた早期離職対策プログラムをご提供しています。自社での早期離職の問題に直面し、改善策をお探しの方は、ぜひ一度アルー株式会社にご連絡ください。


▼アルーの若手研修について詳しくはこちらの資料をご覧ください。

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▼こちらのページでも詳しく説明しています

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