コミュニケーション研修が意味ないと言われる理由は?効果的な研修のポイント
コミュニケーション研修は、社内のコミュニケーションを活発化させる上で重要な施策です。
しかし、「コミュニケーション研修は意味がない」と感じる社員も少なくありません。
本記事では、コミュニケーション研修が意味ないと言われてしまう要因とその対策、効果的な研修を実施するために知っておきたいポイントなどを解説します。
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コミュニケーション研修が意味ないと言われてしまう要因
コミュニケーション研修が意味ないと言われてしまう原因として、「研修をやって終わり」という状態になってしまっている点が挙げられます。
また、社員が研修の必要性を感じていなかったり、業務に落とし込めていなかったりすることも要因の一つです。
ここでは、コミュニケーション研修が意味ないと言われてしまう代表的な要因を6つ紹介します。
研修をやって終わりになってしまっている
コミュニケーション研修が意味ないと言われてしまう場合、「研修をやって終わり」になってしまっているケースが少なくありません。
研修は実施したら終わりではなく、振り返りやフォローアップ研修を定期的に行いながら現場での実践をサポートしていくことが必要不可欠です。
こうした振り返りやフォローがなおざりになってしまっていると、研修が現場での行動変容につながりにくくなってしまいます。
また、研修に参加すること自体が目的化してしまい、そこから何を学べたのかまで社員が意識できていないケースもあります。
そういった状況を回避するためにも、研修後は定期的に振り返りやフォローアップ研修を行うことが大切です。
社員が必要性を感じていない
社員が研修の必要性を感じていない場合も、コミュニケーション研修は意味がないと言われてしまう要因の一つです。
研修に対する社員の前向きな姿勢を引き出すためには、研修の意義を共有する必要があります。
受講者には忙しい日常業務を調整して研修に参加してもらわなければならないため、研修の意義が伝わらないとモチベーションは上がりづらいでしょう。
研修の冒頭で「このコミュニケーション研修では〇〇が学べます」や「日常業務でこのように活かせます」などの説明を加え、研修の意味や目的を理解してもらうことが肝心です。
業務に落とし込めていない
研修で身につけた内容を業務に落とし込めていない場合も、コミュニケーション研修に対してネガティブな意見を持たれてしまう原因です。
実践的なビジネススキルを身につけるほかの研修と違い、コミュニケーション研修は業務と直接の関連が見えづらい傾向にあります。
そのため、コミュニケーション研修で学んだ内容をどう業務に落とし込めるのかを重点的に説明することが必要です。
商談やミーティングなど、実際の業務を想定したロールプレイングを盛り込み、学んだ内容を日常業務で活かしてもらうイメージを持ってもらいましょう。
行動変容に至っていない
コミュニケーションが意味ないと言われてしまう場合、行動変容に至っていないというケースも考えられます。
コミュニケーション研修で学んだ内容がその場限りのものとなってしまい、普段のコミュニケーションに活かされないケースは少なくありません。
特にコミュニケーション研修でゲームを扱った場合、「楽しかった」で終わってしまうことがあります。
研修で何を学び、普段の行動をどう変えていくかを考えてもらうことが大切です。
社員の行動変容を促すポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
『行動変容を促す社員研修のポイント|ステージ理論に沿った働きかけとは』
研修内容が古い・現状に合っていない
研修内容が古かったり現状に合っていなかったりする場合も、コミュニケーション研修が意味ないと感じられてしまいます。
たとえば新入社員向けのコミュニケーション研修を企画する際は、今年の新入社員の傾向や課題を把握した研修を実施する必要があります。新入社員の傾向は毎年変化しており、時代の移り変わりによっても求められるコミュニケーションスタイルが変わってきます。
近年では多様性が重視される傾向にあるため、そのような環境でもコミュニケーションを図れる技術を学ぶ必要もあるでしょう。
複数年にわたり同じようなプログラムを用いた研修を行っている場合は、時代遅れの内容となっていないかを一度チェックしてみてください。
社内で共通言語化されていない
コミュニケーション研修が意味ないと感じられてしまう場合、社内で研修が共通言語化されていないという原因も考えられます。
たとえば、新入社員を対象にコミュニケーション研修を実施しても、上司側がその内容を実践できていないケースが挙げられます。
その場合、新入社員は「上司もできていないし、自分もやらなくてもいいな」と感じてしまうかもしれません。
一方、上司だけが知っていて新入社員側が全く知らないというケースもあります。
いずれの場合でも、特定の階層の社員だけに対象を限定せず、社内全体に一貫した施策を浸透させることが大切です。
効果のあるコミュニケーション研修を行うポイント
効果のあるコミュニケーション研修を行うために、抑えておきたいポイントは以下の通りです。
- 対象者の選定をする
- 最初に研修を行う目的を共有する
- 適応課題にもアプローチする
- 研修後の振り返りを必ず行う
- OJTや業務に落とし込み、実践した内容を発表する機会を作る
- 定期的に研修の見直しをする
それぞれの項目を詳しく解説していきます。
対象者の選定をする
コミュニケーション研修を効果的に実施するためには、まず対象者を明確にするのが大切です。
最終的にはすべての階層の社員に施策を浸透させる必要があります。しかし、一度にすべての階層の社員へ研修を行うのは難しいため、特定の階層の社員からアプローチしていくとよいでしょう。コミュニケーション研修の場合は、新入社員や管理職といった階層別に実施するケースと、営業職やコールセンターといった職種別に実施するケースがあります。また、特定の階層に一律で実施するだけでなく、選抜式で研修を実施するのもよいでしょう。
選抜式研修を実施する際の対象者の選定方法は、以下のブログ記事で詳しくご覧ください。
『【事例あり】選抜研修とは?目的や効果的に導入するポイントを解説』
最初に研修を行う目的を共有する
コミュニケーション研修を成功させるためには、研修の冒頭で目的をはっきりと説明することが大切です。
研修の意義が不透明だと、参加するモチベーションが湧きづらいという社員もいるでしょう。目的を共有することで、研修で何を学ぶことができるのかを明確にできます。
自分が何を学んだら良いのかを想像しやすいので、参加へのモチベーションを上げることができるでしょう。
適応課題にもアプローチする
適応課題にアプローチするのも、コミュニケーション研修を成功させるポイントです。
適応課題とは、本人の持つ思い込みや価値観に起因する問題を指します。コミュニケーション能力を向上させるためには、適応課題へのアプローチが大切です。
適応課題としては、例えば「上司のコミュニケーションは〇〇であるべきだ」といった思い込みが挙げられます。研修を通じてこうした固定概念からの脱却を促し、人間的な成長を実現しましょう。
適応課題や技術的課題の具体例や、研修でアプローチする方法は以下のブログ記事で詳しく解説しています。
『適応課題と技術的課題の例を紹介。研修で適応課題にアプローチする方法』
研修後の振り返りを必ず行う
研修を実施したあとは、必ず振り返りを徹底しましょう。
コミュニケーション研修は「楽しかった」で終わりになってしまいがちです。しかし、研修前後でどのような行動変容が起こり、現場にどういった成果が現れているのかを理解しないと、研修を実施する意味は半減します。
そのため、研修後には必ずフォローアップ研修などで振り返りを行いましょう。
現場での実践シートを用意して、研修後に随時実践の状況をモニタリングするのもおすすめです。
研修の効果測定を行う方法や、効果測定の際のポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
『研修効果測定の方法とは|4つの評価レベルや効果測定のポイント』
OJTや業務に落とし込み、実践した内容を発表する機会を作る
コミュニケーション研修を成功させるためには、OJTや業務に落とし込んで、実践した内容を発表する機会を作ることも大切です。
例えば実際のOJTを研修内でシミュレーションして、OJTにおける有効なコミュニケーションについて考えてもらいましょう。ディスカッションや会議などの具体的な業務を想定したワークを取り入れるのも有効です。
その後、実践でわかったことや疑問だったことを受講者の間で共有してみてください。「この場面でのコミュニケーションがよかったね」「ここで〇〇さんへの声かけをするともっとよかったね」といったように、アウトプットした内容を振り返るのが大切です。
定期的に研修の見直しをする
定期的に研修内容を見直しすることも、コミュニケーション研修を成功させるポイントです。
コミュニケーション研修を実施した後には、適宜プログラムの内容を振り返ってみてください。最低でも数年に1度のペースで研修内容を抜本的に見直す機会を設けることで、研修内容が時代遅れになってしまう事態を防げます。
また、研修後にアンケートやヒアリングを実施して、改善点を探ることも有効です。研修でわかりづらかった点があれば、必要に応じてアシスタントを増員するなどの対策を取りましょう。
アルーのコミュニケーション研修の事例
人材育成を専門に手掛けているアルーでは、これまでにコミュニケーション研修を数多く実施しています。ここではその中から特に参考となる事例を、若手社員向けと中堅社員向け、管理職向けの3種類に分けて紹介します。コミュニケーション研修を企画する際には、ぜひ参考にしてください。
若手社員向けコミュニケーション研修の事例
新入社員や若手社員向けのコミュニケーション研修では、ビジネスマナーや報連相など、ビジネスパーソンとしての基礎力を磨いてもらうのが大切です。
まずは周囲と良い関係を築く重要性について、ケーススタディを用いて理解してもらいましょう。「上司からの仕事の依頼」など具体的なテーマを設定し、コミュニケーションを実践する機会を設けます。いくつかのケーススタディを実施した後は最後に振り返りと質疑応答をおこない、ビジネスパーソンの基本となるコミュニケーション能力を獲得してもらいましょう。
新入社員向け研修の事例やプログラムの詳細は以下のページで詳しく解説しています。
コミュニケーション研修
中堅社員向けコミュニケーション研修の事例
中堅社員は、上下左右とのコミュニケーションを通じて会社のハブとなることが求められるポジションです。研修でも、まずは「チームの情報流通の要となってもらう」という期待役割を理解することから始めましょう。
その後、コミュニケーションを実践する具体的な方法について、ロールプレイングを交えながら学んでいきます。また、上司や経営層とのコミュニケーションでは、相手のタイプに合わせたコミュニケーションが大切です。タイプ診断なども活用しつつ、コミュニケーションの使い分けについて考えてもらいましょう。
中堅社員向けのコミュニケーション研修の事例は、以下のページから詳しくご覧ください。
コミュニケーション研修
管理職向けコミュニケーション研修の事例
管理職は、コーチングを通じて部下育成を実践する必要があります。
まずはリーダーとしてのコミュニケーションの重要性を感じてもらうため、「逆いろは歌」などのワークに取り組んでもらいましょう。その後、マネージャーとリーダーシップの違いなどについて講義で理解してもらいます。同時に、GROWモデルなど部下とのコミュニケーションで役立つフレームワークを伝えましょう。最後に、OJTにおけるコーチングを実践するワークに取り組んで、実践へつなげていくのがおすすめです。
管理職向けのコミュニケーション研修の事例は、以下のページをご覧ください。
コミュニケーション研修
効果のあるコミュニケーション研修ならアルーにお任せください
効果のあるコミュニケーションを実施するなら、ぜひアルーへお任せください。アルーでは、「意味ない」と言われない有意義なコミュニケーション研修を豊富にご用意しています。この記事の最後に、アルーの提供しているコミュニケーション研修の特徴を紹介いたします。
アウトプット中心のプログラム
アルーでは、アウトプットを重視したプログラムを提供しています。
コミュニケーションのスキルを高めるためには、実践的な練習が欠かせません。いくら口頭でコミュニケーションの方法論を伝えたとしても、具体的な場面を想定した演習がなければ普段の業務で実践することは難しいでしょう。
アルーのプログラムでは、「上司へ結果を報告する場面」「顧客と対談する場面」などを想定したロールプレイングが豊富に含まれています。日常業務と近い内容にカスタマイズできるため、現場との接続もスムーズです。
適応課題にアプローチ
アルーのコミュニケーション研修は、適応課題にフォーカスしたプログラム内容となっています。
研修では、技術的課題だけでなく適応課題にもアプローチすることが大切です。例えばコミュニケーションについては、「部下は上司の言うことに必ず従うべき」といった思い込みにとらわれてしまっているケースがあります。理想的なコミュニケーションを実現するためには、こうした思い込みから脱却するのが大切です。アルーのプログラムではワークやディスカッションを通じて適応課題にもアプローチするため、人間的な成長を促すことができます。
職場での行動変容まで支援
アルーのプログラムでは、職場での行動変容まで支援するのが特徴です。
研修を実施する際の課題として、「研修をやりっぱなしになってしまう」というものが挙げられました。効果のある研修を実施するためには、研修終了後のフォローアップを充実させ、職場での行動変容を促す必要があります。
アルーのプログラムは、フォローアップ研修や効果測定をはじめとした、職場での行動変容を促す仕組みが豊富です。職場での実践チェックシートなども活用しながら、行動変容を徹底的に支援します。
職場での行動変容をモニタリングするツールである「Compath」は、以下のページから詳しくご覧ください。
行動変容にこだわる職場学習支援システム「Compath」
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まとめ
コミュニケーション研修が意味ないと言われてしまう原因や対策について解説しました。
効果のあるコミュニケーション研修を実施するためには、現場での行動変容を意識したプログラムにする必要があります。また、研修内容が時代遅れのものとなってしまわないよう、定期的に内容を見直すのも大切です。
アルーでは、実践的な内容を数多く盛り込んだコミュニケーション研修を提供しています。アルーのコミュニケーション研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
コミュニケーション研修
ぜひこの記事で解説した内容を活かして、有意義なコミュニケーション研修を実現していきましょう。