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ダイバーシティマネジメントの課題とは?具体例・解決するポイントをご紹介

「ダイバーシティマネジメントを導入したいが、社員からの理解が得られない」「ダイバーシティマネジメントに取り組んでいるが上手くいかない」こうした課題を持つ人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ダイバーシティマネジメントを成功させるためには、ダイバーシティマネジメント推進の際にありがちな課題や、その解決策を知っておくことが重要です。
この記事では、ダイバーシティマネジメントの課題や具体例、解決するためのポイントを徹底的に解説します。ぜひ最後までご覧ください。


▼ハラスメント防止に役立つ研修3選





目次[非表示]

  1. 1.ダイバーシティマネジメントとは?
  2. 2.ダイバーシティマネジメントの課題
  3. 3.ダイバーシティマネジメントの課題を解決するポイント
  4. 4.ダイバーシティマネジメントの施策例
  5. 5.アルーが実施したダイバーシティマネジメント研修事例
  6. 6.まとめ


ダイバーシティマネジメントとは?

ダイバーシティマネジメントとは、メンバーの持つ多様な個性を最大限に活用し、組織の競争力を向上させることです。性別や国籍、価値観や考え方といった違いに関わらず、すべての社員が働きやすい環境を整えることを指します。
これまで「ダイバーシティ」といった際には、多様性を受け入れることが重視されてきました。しかしダイバーシティマネジメントでは、メンバーの多様性を「活用する」ことがポイントです。個々の違いを「強み」とみなすという考え方が、ダイバーシティマネジメントの根幹には存在します。




ダイバーシティマネジメントの課題

ダイバーシティマネジメントには、いくつかの課題があります。ダイバーシティマネジメントの導入に失敗しないために、こうした課題を事前に知っておくことが大切です。ここからは、ダイバーシティマネジメントで発生する課題について、具体例も交えながら解説します。


「居心地の悪さ」を感じる社員が増える

ダイバーシティマネジメントを進める際にありがちな課題として、「居心地の悪さ」を感じる社員が増えることが挙げられます。
人間は、自分と似たような性質を持つ人と仲良くなりやすいです。異質な人が集まった組織では必ず何らかの形で波風が立ちます。今までの仕事のスタイルを変えることが求められたり、他人へ繊細な配慮が求められたりする環境に、居心地の悪さを感じる人もいるでしょう。日本企業はこれまで同質性の高い組織が多かったため、居心地が悪く感じる人が多く、ダイバーシティはストレスになるのです。


会社全体の統率が困難

ダイバーシティマネジメントにありがちな課題として、会社全体の統率が難しくなる点が挙げられます。
ダイバーシティマネジメントは、さまざまな考え方や価値観を持った社員を組織に取り込もうとする考え方です。そのため、多様な考えが組織内に混在することで、統一感が生まれづらくなってしまいます。後ほど詳しく解説しますが、組織全体として最低限共有するビジョンやミッションを定めるといった対策が必要です。


コミュニケーション

コミュニケーションが難しくなってしまうことも、ダイバーシティマネジメントにありがちな課題です。
例えば外国籍の人材を積極的に登用する場合、これまで通りのコミュニケーションがうまくいくとは限りません。簡単な言葉で話すようにしたり、内容をなるべく具体的に伝えるようにしたりなど、コミュニケーションの工夫が求められます。
また、ダイバーシティを推進する中で、社員同士にコミュニケーションの壁が生まれることもあります。男性社員と女性社員の間に温度差が生まれる、日本人の社員と外国籍の社員の間でコミュニケーションが希薄化するといった事態は珍しくありません。

ダイバーシティを推進するために必要な「コミュニケーション能力を鍛える方法」は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
仕事で必要なコミュニケーション能力と鍛える方法


言葉の壁

言葉の壁も、ダイバーシティマネジメントを推進する際にありがちな課題です。
特に外国籍の人材を積極的に採用する際には、日本語でのコミュニケーションが難しい場合があります。こうしたケースでは、「一見内容を理解してもらえたように感じられたが、後から指示が通っていないことがわかった」という失敗が非常に多いです。上司からの指示が通らない場合、上司と部下双方にとって大きなストレスとなります。


価値観の違いによる対立

ダイバーシティマネジメントを行う際には、価値観の違いによる対立が生まれることもあります。
たとえば日本人の社員の中には、上下関係を大切にする日本の価値観を「常識」だと捉えている人もいるでしょう。しかし、グローバルな環境では、必ずしも日本の価値観が一般的であるとは限りません。
例えば、「外国籍の人材が上司にフランクな対応を行い、上司が不快に感じる」「強気に意見して、萎縮してしまう社員がいる」といった場面は多いです。ダイバーシティマネジメントを推進する際には、価値観や感覚の違いをあらかじめ理解する必要があります。


働き方の違いによる業務の遅れ

働き方の違いによってもたらされる業務の遅れも、ダイバーシティマネジメントにありがちな課題です。
例えばダイバーシティマネジメントの一環としてリモートワークや時差勤務を導入する場合があります。こうした状況下では、「必要な時に連絡が取れない」「コミュニケーションが希薄化する」といった課題が発生しがちです。
また、多様な人材の中には、日本で一般的な時間感覚を持たない社員もいます。締め切りやミーティングの日時を丁寧にリマインドするなど、時間感覚の違いへ対応する意識も必要です。


ハラスメントの発生・増加

ダイバーシティマネジメントの導入がうまくいかないと、ハラスメントの発生や増加をもたらすことがあります。
例えば多様性を認められない社員がいる場合、価値観や考え方の違いへ適応するのを拒否してしまうでしょう。自らの仕事の進め方を変革させることに抵抗感を持つ場合、対立が生じます。会社全体にそういった雰囲気があると、差別やハラスメントといった事態を招く可能性も否定できません。ダイバーシティへの理解促進を積極的に行い、差別やハラスメントが発生しない社内風土を醸成することが大切です。

ハラスメントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ハラスメントの意味とは?職場で発生しやすい種類と事例、対策を紹介




ダイバーシティマネジメントの課題を解決するポイント

ダイバーシティマネジメントにおける課題を解決するためには、以下のポイントを意識しましょう。


  • ダイバーシティは居心地が悪いことを理解してもらう
  • 方針を明確にして周知する
  • 意見やフィードバックを取り入れる
  • マニュアルを準備する
  • 研修を行いダイバーシティへの理解を深める


ダイバーシティマネジメントで発生する課題を解決するために意識しておきたいポイントを解説します。


ダイバーシティは居心地が悪いことを理解してもらう

ダイバーシティマネジメントにありがちな課題を解決するためには、「ダイバーシティは居心地が悪くなるものである」ということを社員へ理解してもらうことが大切です。
前述した通り、ダイバーシティを推進すると必ず波風が立ち、阿吽の呼吸ではやっていけなくなります。しかし、誰しもが働きやすい環境を実現するためには、こうした部分的な居心地の悪さを乗り越えることが欠かせません。
この点を周知しておかなければ、「ダイバーシティを推進しているはずなのに、自分は働きづらくなっている」と反感を買ってしまう可能性もあります。ダイバーシティは居心地が悪くなることもある点をしっかり社員・上層部へ周知し、理解を促しましょう。


方針を明確にして周知する

方針を明確にして周知を行うことも、ダイバーシティマネジメントを促進する際の課題を乗り越えるポイントです。ダイバーシティマネジメントの一環として何に取り組むのかを明確化し、方針を社員へ共有しましょう。
なお、方針を示す際には、それぞれの制度でどういったメリットがあるのか言及しましょう。例えば「時短勤務を可能にします」という方針を示すだけでは、「仕事が進まなくなるのではないか」「時短勤務者以外に仕事のしわ寄せがくるのではないか」と感じられ、協力を引き出せない可能性があります。「経験年数の長い社員が離職せずに働けるようになる」「イメージアップに繋がり、人材が集まるようになる」といったように、施策の持つメリットを示すことが大切です。


意見やフィードバックを取り入れる

意見やフィードバックを取り入れることも、ダイバーシティマネジメントを進める際のポイントです
ダイバーシティマネジメントに関する施策を進めると、企画段階では気づかなかった問題点が明らかになる場合があります。こうした点は随時社員から拾い上げ、必要に応じて軌道修正を行いましょう。そのためには、人事部と社員がコミュニケーションを取る機会を増やす、管理職との1on1ミーティングで施策についてヒアリングしてもらうといった方法が有効です。また、施策に対するアンケート調査を実施するのもよいでしょう。


マニュアルを準備する

ダイバーシティマネジメントにおける課題を解決するためには、マニュアルや管理者向けのガイドラインを準備することも必要です。
マニュアルや管理者向けのガイドラインがあれば、外国人の社員でも滞りなく仕事を進めることができるようになります。社員は何度も仕事のやり方を聞き直す必要がなくなり、管理者も行動の指針が明らかになるため、ストレスを軽減することにつながるでしょう。また、外国籍の社員を対象としたマニュアルを作成する際には、可能な限り日本語以外の言語にも対応させることが大切です。


研修を行いダイバーシティへの理解を深める

ダイバーシティマネジメントを促進する際には、特に管理職に研修を行いダイバーシティに対する理解を深めることもおすすめです。
管理職に研修を実施すれば、組織としてダイバーシティに対する意識改革を進めることができます。研修によって、すべての社員がダイバーシティを「自分ごと」として捉えられるようになることが理想です。
また、管理職にダイバーシティ研修を実施すれば、差別やハラスメントの防止にもつながります。差別やハラスメントは、本人が自覚しないまま行っているケースも多いです。研修によって何が差別やハラスメントに該当するのかを伝えれば、問題を未然に防ぐことができます。

効果的なダイバーシティ研修の実施方法や、具体的な内容、ワーク例などは以下のページからご覧ください。
ダイバーシティ研修とは?必要な理由や効果的なゲームを紹介




ダイバーシティマネジメントの施策例

ダイバーシティマネジメントを進める際には、以下のような施策を検討してみてください。


  • 外国人労働者の採用
  • 女性管理職の増加
  • 産休・育休の取得
  • テレワークなどの働き方の選択


ダイバーシティマネジメントにおける具体的な施策例を解説します。


外国人労働者の採用

ダイバーシティマネジメントの施策として、外国人労働者の採用が挙げられます。
外国人労働者を採用すれば、他の社員が思いつかないような新しい切り口からアイディアを出してもらえるかもしれません。また、ポテンシャルの高い優秀な外国籍の人材を採用することは、企業の競争力向上に直結します。
なお、外国人労働者を採用する際には、価値観に違いがあることを念頭に置きましょう。外国人部下との接し方を管理職に教育するなど、受け入れる側への施策も重要です。

外国籍社員の上司に向けたマネジメント研修は、以下のページからご覧いただけます。
外国籍社員の上司向け マネジメント研修

▼サービス資料をメールで受け取る

  『外国籍社員の上司向けマネジメント研修』資料ダウンロード 外国籍社員受け入れ部署向け異文化理解・異文化コミュニケーションの研修です アルー株式会社


女性管理職の増加

女性管理職の増加も、ダイバーシティマネジメントにおける具体的な施策の一例です。
女性管理職を増加させることで、企業の活性化や社内風土の改善といった効果が期待できます。また、管理職として活躍する女性が社内に増えることで、働く意欲が高い女性社員のモチベーション向上にも効果が期待できるでしょう。女性管理職を増やすには、その上司である管理職や周囲の同僚の理解も必要です。
また、大企業では女性管理職や女性役員の比率の公表が義務付けられています。女性管理職の比率などを企業選びの軸とする求職者も多いため、人材獲得やイメージ向上の面でもメリットがあります。

女性管理職を増やす具体的な施策についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
女性管理職が少ない理由は?|女性管理職を増やすメリットと取り組むべき施策


産休・育休の取得

ダイバーシティマネジメントの一環として、産休や育休の取得を推進することも有効です。
最近では、仕事に対する社員の価値観が変化しつつあります。以前のように仕事を生活の中心に据える社員は少なく、家庭や育児と仕事を両立させたいと考える社員が多いです。
産休・育休制度を導入するだけでなく、管理職の制度への理解も促進しましょう。社員が制度を申請した際に管理職が理由なく拒否したり、制度を利用した社員に不利な待遇を強いるようなことがないようにしなければなりません。管理職の意識を変え、産休・育休者がいてもチームをマネジメントするコツを管理職に伝えることで、産休・育休制度の推進に繋がります。


テレワークなどの働き方の選択

テレワークなどを導入し、自由に働き方を選択できるようにすることも、ダイバーシティマネジメントの一例です。
テレワークを導入すれば、仕事と家庭を両立させたいという社員のニーズに応えることができます。また、介護と仕事の両立が必要な社員も、リモートワークがあれば柔軟に働き方を調整できるでしょう。
フレックスタイム制も、働き方の選択を促進する制度の一例です。働く時間を社員が自由に調整できるようになれば、社員の働き心地が向上し、ライフステージの変化をきっかけとした休職や離職を減らすことができます。自由な働き方を実際に取り入れるには、管理職にテレワークやフレックスタイム制などの新しい働き方に応じたマネジメント手法を身につけてもらうことも必要です。




アルーが実施したダイバーシティマネジメント研修事例

人材育成を手掛けているアルーでは、ダイバーシティマネジメントを促進するための研修を数多く実施してきました。ここからはこれまでにアルーが支援した中から、特に参考となる事例を3つピックアップして紹介します。
ダイバーシティマネジメントを促進する研修の具体例について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


【Wismettacグループ】マネージャー育成

Wismettacグループ様では、組織風土変革の一環としてマネジメント研修を実施しました。本事例では、「個」の特性や能力を活かすマネジメント能力を身につけることに重点を置いています
研修では、部下一人ひとりの特徴を踏まえた上で、成長につながるようなタスクをアサインする方法を学んでもらいました。研修の結果、これまでの「同じ価値観を持った集団でのマネジメント」から脱却し、「多様な価値観を持ったチームのマネジメント」が実現した成功事例です。

本事例の詳細は、以下のページから詳しくご覧ください。
【Wismettacグループ導入事例】多様な「個」の特性や能力を活かし、部下の成長を支援するマネージャー育成

▼事例資料をダウンロードする

  『西本Wismettacマネジメント研修導入事例』ダウンロード 西本Wismettac グループ様にアルーがご支援した、マネジメント研修をご紹介します。 アルー株式会社


年上部下のマネジメント研修

製造業のG社様では、年上部下のマネジメントに苦慮する管理職がいるという課題がありました。そこで管理職を対象として、年上部下のマネジメントについて学ぶ研修を実施しています。
研修では、まず自分自身が無意識のうちに抱えている思い込みを自覚するワークを実施しました。その後、年上部下のキャリア観や、関係性構築を行うためのコミュニケーション手法について学んでもらっています。

年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修施策例

研修後には、「その人をありのまま受け止めることの大切さを感じた」「年上部下への対応を探るヒントが得られた」といった声が上がりました。

本事例の詳細は、以下のページからご確認いただけます。
年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修施策例

▼事例資料をダウンロードする

  年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修 年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修と題する管理職研修の導入事例をダウンロードいただけます。課題の特定から解決までのフローをご確認いただけます。 アルー株式会社


問題社員対応力強化研修

A社様では、「体調不良の際に無断欠席する」「自らの評価に対する不満を上司に苦情として言う」といった問題行動を起こす社員への対応に課題を感じていました。そこで管理職を対象に、問題社員への対応力を磨く研修を実施しています。
研修設計では、以下の3点をポイントとして位置づけました。


  • 管理職をモチベートする研修設計
  • 指導スタイルのアップデート
  • メンタルモデルと向き合う設計


研修当日には、管理職としての役割認識を深めてもらうとともに、具体的な場面を想定した事例演習を豊富に行い、対応力の強化に取り組んでいます。

管理職向け問題社員対応

本事例の詳細は、以下のページからご確認ください。
【研修事例】管理職向け問題社員対応力強化

▼事例資料をダウンロードする

  管理職向け問題社員対応力強化 JX金属株式会社 日立事業所様の管理職研修の導入事例をダウンロードいただけます。課題の特定から解決までのフローをご確認いただけます。 アルー株式会社




まとめ

ダイバーシティマネジメントにおいてありがちな課題や、それぞれの課題の解決策を解説しました。
ダイバーシティを進めようとすると、どうしても職場に波風が立ちます。その結果、ダイバーシティ推進に対して抵抗を感じたり、メリットが得られなかったりする社員も出てくるでしょう。ダイバーシティマネジメントを効果的に進めるためには、こうした課題をあらかじめ把握した上で、積極的な対策を進めることが大切です。
ぜひこの記事で解説した内容を参考に、ダイバーシティマネジメントにありがちな課題を効果的に解決してください。



アルー株式会社
アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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