ダイバーシティマネジメントの成功事例8選!メリット・成功させるポイントは?
多様性が重視されるようになった昨今、ダイバーシティマネジメントの重要性が高まっています。ダイバーシティマネジメントを成功させるためには、何が必要なのでしょうか。
この記事では、ダイバーシティマネジメントの成功事例やメリット、成功させるポイントを解説します。ダイバーシティマネジメントを詳しく知りたい企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
▼ダイバーシティマネジメントに役立つ研修3選
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ダイバーシティマネジメントとは?
ダイバーシティマネジメントとは、メンバーそれぞれの持つ個性を活かしながら、組織としてのパフォーマンスを最大限に引き出すことです。ダイバーシティとは、「多様性」を意味する単語です。そのため、ダイバーシティマネジメントは「多様性を尊重して行うマネジメント」とも言い換えることができます。
ダイバーシティというと、性別や人種、年齢の違いだけを意識する方も多いかもしれませんが、目に見える違いだけを指すわけではありません。
人間には、それぞれ目に見える個性と目に見えない個性があります。目に見えない深層部分の個性まで追求すると、誰一人として同じ人材は存在しません。社内のメンバーが持つあらゆる個性を尊重し、会社として成長していくためには、ダイバーシティマネジメントの考えが欠かせないのです。
ダイバーシティマネジメントの成功事例8選
ダイバーシティマネジメントを進めるためには、ダイバーシティマネジメントの成功事例が参考になります。ダイバーシティマネジメントを成功させた事例を8つ紹介します。
カルビー株式会社 専任部門を創設し推進を加速
カルビー株式会社では、社員全員が活躍できるようになる環境を整えるために、ダイバーシティマネジメントを取り入れています。
社員には、性別や国籍、年齢や障がいの有無の差といった目に見える違いはもちろん、ライフスタイルや価値観など、目に見えない部分でも無数の違いがあります。カルビーではこうした違いの垣根を超えた活躍を促進するため、ダイバーシティ&インクルージョンの専任部門を2010年に設立しました。
カルビー株式会社では、多様な人財が強みを発揮し、組織力を強化するために、お互いの価値観や経験などの違いを意識する機会が重要だと考えています。アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を学ぶ機会として、2020年度は管理職を対象としたeラーニングも実施しています。
また、女性活躍を推進するため、女性管理職比率を30%超とする目標を設定しています。加えて、女性社員研修や女性リーダー育成プログラムも用意し、女性社員の活躍を多面的に支援していることが特徴です。
参考:ダイバーシティ&インクルージョンの推進|サステナビリティ|カルビー
株式会社資生堂 女性が活躍しやすいワークライフバランスの改善
資生堂では、企業理念を実現するために「LOVE THE DIFFERENCES(違いを愛そう)」というスローガンを掲げ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
具体的には、ジェンダー平等を推進するための女性活躍支援を行っています。事業所内保育所や保育料の補助を通じて、仕事と育児の両立をサポートしていることが特徴です。加えて、女性活躍の壁となっている長時間労働を是正するため、ワークライフバランスの改善にも取り組んでいます。
さらに、LGBTに関する取り組みとして、就業規則の整備や人事部による理解促進を行いました。このほか、障がいのある社員の活躍を促進するため、採用プロセスの整備も進めています。障がいへの理解を促す研修を管理職に向けて実施し、組織に多様性をもたらす人材の積極的な採用と活躍の推進に努めています。
参考:ダイバーシティ&インクルージョン | 人財 | サステナビリティ | 資生堂 企業情報
株式会社メルカリ キャリアを中断した社員を支援
株式会社メルカリでは、社員のダイバーシティ&インクルージョンを推進するために以下のような施策を実施しています。
- CEO直轄の社内委員会である「D&I Council」の設立
- 個々でワークスタイルを選べる「YOUR CHOICE」制度の導入
- 育児や介護でキャリアを中断した社員に対する支援制度の導入
また、社外に向けた取り組みとしては、以下のようなものに力を入れています。
- 無意識バイアスを理解するワークショップの研修資料を無料公開
- ソフトウェアエンジニア育成プログラムの実施
- LGBT+に関する社内研修の公開
社外にも公開しているメルカリ独自の研修プログラム「無意識バイアスワークショップ」や、LGBT+に関する社内研修 「Mercari Pride E-Learning」では、無意識下に培われた思い込みや偏見を指す「無意識バイアス」を適切に理解することや多様性の受容について学び、マネジメントに活かしています。
参考:ダイバーシティ&インクルージョンの体現 | 株式会社メルカリ
株式会社日立ハイテク 役員・管理職を対象にした研修の実施
株式会社日立ハイテクでは、違いを「その人がもつ個性」として捉え、社員の力を最大限に発揮できる社内風土の整備に取り組んでいます。
具体的には、2010年から継続的に多様な人材の確保と、女性採用数の拡大に取り組んできました。2014年には専任組織として「ダイバーシティ推進グループ」を設置し、ダイバーシティマネジメントの実践を行っています。働き方の見直しも合わせて行い、すべての社員がいきいきと活用できるような社内風土の整備に取り組みました。2019年からは、性別や国籍、経歴といったさまざまな観点で多様な人材を確保することを重視するとともに、インクルージョンの推進に努めています。
また、従業員や役員を対象とした研修も豊富に実施しています。
- 社長によるトップメッセージ発信および従業員との意見交換会
- 役員を対象としたダイバーシティ研修
- 統括本部長、本部長を対象としたイクボス研修(研修動画を全管理職が視聴)
- 管理職を対象とした多様性マネジメント教育
経営トップのダイバーシティへのコミットメント強化を目的とした上記のような教育をはじめ、多様な人財が働きやすく活躍できる組織にするために以下のような研修にも取り組んでいます。
- 全従業員を対象としたアンコンシャスバイアス研修(eラーニング)
- 社内報・社内イントラネット・メールマガジンを通じた従業員向けのダイバーシティ意識啓発
- LGBT講演会・eラーニング、セルフブランディングセミナー、グループ内インクルージョンイベント(日本-海外グループ会社間)を通じた多様な価値観の受容促進
コクヨ株式会社 部下を応援する「イクボス」の推進
コクヨ株式会社では、ジェンダーや障がい、国籍だけにとどまらない、多様な人材が自分らしく活躍できる環境を整えるため、Well-beingの向上に取り組んでいます。
コクヨ株式会社では、必要に応じて法定以上の制度を整えていることが特徴です。具体的には、以下のような法定以上の制度を用意しています。
- 育児休業(原則として、子供が満2歳に達する日まで)
- 介護休業(通算183日まで)
- 短日・短時間勤務(育児の場合、子供が小学校3年生修了時まで)
産前産後休暇や配偶者出産休暇、在宅勤務、コアタイム無しのフレックス制度なども導入済みです。このほか、ワークライフバランスの改善や障がい者採用にも積極的に取り組んでいます。
また、コクヨ株式会社はファザーリングジャパンが発起人である「イクボス企業同盟」に2014年12月の発足以来参加しています。「イクボス」とは育児とボスを組み合わせた言葉で、育児や産休などを含む個人のキャリアを尊重した上司のことです。
コクヨ株式会社は、「部下のワークライフバランスを理解しながら従業員一人一人の能力を生かして組織として成果を出すためには、マネジメントの意識改革が不可欠」と考えています。イクボス企業同盟に参画することにより、同じ課題意識を持つ先進企業と知見を共有し、自社のダイバーシティマネジメントのあり方や働き方、職場風土を見つめ直す機会になっています。
参考:働き方改革とダイバーシティ&インクルージョン | 社会 | サステナビリティ
株式会社NTTデータ 女性のキャリア推進と長時間労働の是正
株式会社NTTデータでは、グループビジョンとして「Trusted Global Innovator」を掲げており、その3本柱の一つとしてダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進しています。
ダイバーシティを推進するため、2008年から人事統括役員をトップに据えたダイバーシティ推進室を設けています。2012年からは、女性活躍推進と長時間労働の是正に向け、職場環境の整備を進めました。2019年には、女性のキャリア推進をリードする「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」へ署名し、グローバルな取り組みを進めています。
参考:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP
サイボウズ株式会社 ワークスタイルの多様化
サイボウズ株式会社では、「誰一人として同じ価値観を持っている人はいない」という考え方のもと、メンバーそれぞれが望む働き方を実現できるよう、ダイバーシティマネジメントを実践しています。
サイボウズ株式会社では、ワークスタイル変革に「制度」「ツール」「風土」という3つの要素が必要だと考えていることが特徴です。制度面では、自分自身の働き方を自分で決める「働き方宣言制度」といったユニークな制度を運用しています。ツールとしては、情報共有クラウドやリアルオフィス、バーチャルオフィスを拡充しています。風土面では、理想への共感や個性の重視を浸透させるため、考え方の周知や行動規範の定義などを行いました。
アルーが実施したダイバーシティマネジメント研修事例
人材育成を手掛けているアルーでは、ダイバーシティマネジメントを促進するための研修を数多く実施してきました。研修を実施すれば、ダイバーシティマネジメントに必要な考え方を効率的に身につけることが可能です。
アルーが実施したダイバーシティマネジメントの研修事例を紹介します。
Wismettacグループマネージャー育成研修
Wismettacグループ様では、多様な人材をマネジメントしながら世の中の変化へ対応していくため、マネージャー育成に取り組んでいます。
本事例では、まずマネージャーに役割認識を深めてもらいました。その後、「部下の成長につながる仕事をアサインする方法」「部下の成長をフォローするスキル」などを学んでもらっています。これまではタスク遂行偏重で業務を割り当てていましたが、研修後は「部下の成長」という視点を取り入れた業務アサインができるようになりました。
本事例をさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
【Wismettacグループ導入事例】多様な「個」の特性や能力を活かし、部下の成長を支援するマネージャー育成
▼事例資料をダウンロードする
製造業G社 年上部下のマネジメント研修
製造業のG社様では、イノベーション創出や組織の活性化を実現するため、ダイバーシティマネジメントに取り組みたいと考えていました。
そこで、アルーでは特に課題となっていた、年上部下のマネジメントをスムーズに進めるための研修を支援しております。研修では、自分のメンタルモデルに目を向けた上で相手とコミュニケーションを取る手法を学んでもらい、管理職としてのマインドセットの向上を目指しました。
研修の結果、上司が自分自身の信念や価値観を自覚した向き合い方ができるようになり、年上部下のマネジメントがスムーズに進むようになった成功事例です。
本事例の詳細は、以下のページからご覧いただけます。
年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修施策例
▼事例資料をダウンロードする
製造業A社 問題社員対応力強化研修
A社では、無断欠席をしたり、評価への不満を上司へ言ったりという問題行動を起こす社員の対応に時間を取られるという課題がありました。
そこでアルーでは、問題社員へ然るべき対応を取れるようになるため、管理職を対象とした研修を支援しています。研修では、まず管理職としての役割認識を深めてもらった上で、コミュニケーションの取り方を学んでもらいました。その後、事例演習を交えながら、現場で直面する場面での具体的な対応策を理解してもらっています。
問題社員への対応力を磨いた本研修の詳細は、以下のページからご覧ください。
【研修事例】管理職向け問題社員対応力強化
▼事例資料をダウンロードする
ダイバーシティマネジメントを取り入れるメリット
ダイバーシティマネジメントを取り入れるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 人材不足を解消できる
- 新しいアイディアや技術を生み出すきっかけになる
- 環境の変化に強い
- リスクを分散できる
- 企業イメージがよくなる
ダイバーシティマネジメントに取り組むメリットを解説します。
人材不足を解消できる
ダイバーシティマネジメントに取り組むメリットとして、人材不足の解消が挙げられます。
働き手人口が減少している昨今では、優秀な人材の獲得コストが上昇しつつあります。こうした状況で、育児や介護をきっかけとした離職が発生してしまうのは、非常にもったいないことです。
ダイバーシティマネジメントに取り組めば、すべての社員が自分自身に合わせた働き方ができるようになります。その結果、離職や休職が減り、人材不足の解消につながるでしょう。また、働きやすい環境の整っている企業には、優秀な人材も集まりやすいです。
新しいアイディアや技術を生み出すきっかけになる
ダイバーシティマネジメントを推進することは、新しいアイディアや技術を生み出すことにつながります。
最近はVUCA時代の到来により、消費者のニーズが多様化・複雑化しています。社内に多彩な視点があれば、こうした複雑な消費者ニーズに対応した、新しいアイディアを生み出しやすくなるでしょう。
また、ダイバーシティマネジメントを実践できれば、社内に幅広い考え方が生まれます。その結果、これまでに思いつかなかった斬新な切り口が見つかったり、イノベーションにつながる技術が生まれたりしやすくなるのです。
環境の変化に強い
ダイバーシティマネジメントを実践することは、変化への対応力を高めることにもつながります。
例えばグローバル化の進展した現代では、海外の技術が流入しやすくなっています。こうした状況では、これまでのやり方を続けるだけで成果が得られるとは限りません。むしろ、激しい環境変化に合わせてすばやくビジネスモデルを変化させる、思考の柔軟性が必要です。
企業内に多様な視点があれば、柔軟な視点からアイディアを出すことができます。固定概念にとらわれない発想ができるため、変化への対応力が上がるのです。
リスクを分散できる
リスクを分散できることも、ダイバーシティマネジメントに取り組むメリットです。
変化の激しい現代では、時代にそぐわない考え方が原因となって、経営が窮地に追い込まれる事態が少なくありません。ダイバーシティマネジメントが実践できていれば、多様性のある価値観が社内へ浸透するため、競争力が低下するリスクを低減できます。
また、最近では古い価値観に基づく発言が、SNSやインターネット上での「炎上」を招く場合もあります。社内にダイバーシティの観点があれば、偏見や差別にいち早く気づけるため、炎上のリスクを軽減することができるでしょう。
企業イメージがよくなる
ダイバーシティマネジメントに取り組めば、企業イメージの向上も期待できます。
厚生労働省は大企業を対象に、女性管理職の割合や女性役員の割合などの公表を義務付けています。こうしたデータを就職先選びの参考にする求職者は少なくありません。また、投資家やクライアントも、社内風土やダイバーシティの推進状況をチェックすることが多いです。
ダイバーシティマネジメントに取り組んでいれば、多様性を尊重している会社として評価されるようになります。社外からのイメージアップにつながるため、ビジネスにもポジティブな影響を与えるでしょう。
ダイバーシティマネジメントを成功させるポイント
ダイバーシティマネジメントを成功させるためには、ダイバーシティに対する意識改革や環境整備、採用制度の導入などに取り組むことが大切です。
ダイバーシティマネジメントを成功させる上で知っておきたいポイントを解説します。
ダイバーシティは「居心地が悪い」ことを理解する
ダイバーシティマネジメントを成功させるためには、「ダイバーシティを取り入れると、職場の居心地は悪くなる」ということを社員が理解する必要があります。
人間は、無意識のうちに自分と似たような考え方を持つ人と集まりやすい傾向があります。ダイバーシティは、こうした人間本来の性質に反した取り組みです。そのため、ダイバーシティに対する取り組みを直感的に「居心地が悪い」と感じる社員は多くいます。
ダイバーシティマネジメントを進める際には、こうした点をよく理解するのが大切です。異質な人が集まると必ず波風が立つということを、上層部や現場が理解する必要があります。こうした前提を共有した上で、ダイバーシティの重要性や必要性を納得してもらうことに重きを置きましょう。
働き方や制度の整備
働き方や制度の整備を進めることも、ダイバーシティマネジメントを促進するためのポイントです。
例えばダイバーシティマネジメントの一環として、フレックス制度やリモートワークを導入することが考えられます。仕事とプライベートを両立させる制度が整っていれば、多様な社員が活躍しやすい環境が整うでしょう。
また、産休や育休といった制度を整えることも大切です。ただし、こうした制度はしばしば「制度はあるが、周りの目が気になって利用しづらい」といった状況に陥ります。制度の整備と同時に社内周知を徹底し、制度を利用しやすい風土づくりを同時に進めましょう。制度を整えたうえで、社員が制度を利用しやすいように管理職や上層部の認識を改めることが大切です。管理職や上層部の認識を改めるには、研修を通じてダイバーシティに対する理解を深めるのがおすすめです。
社内で情報発信・共有をする
社内への情報発信や共有を徹底するのも、ダイバーシティマネジメントを進める際のポイントです。
どんなに制度やシステムを整えても、現場に浸透しなければ意味がありません。ダイバーシティマネジメントのための制度を導入した際は、必ず社内周知を徹底し、制度の活用を促しましょう。
情報発信と併せて研修を実施することもおすすめです。自社が行いたいダイバーシティ推進への取り組みの目標を明確に共有すると良いでしょう。管理職や上層部が研修を通じてダイバーシティマネジメントへの理解を深めることで、会社全体がダイバーシティマネジメントに取り組みやすくなります。
また、ダイバーシティマネジメントを促進する際には、「ダイバーシティを重視している」という会社全体の方針を積極的に共有することも大切です。経営層自らの口で語るなど、ダイバーシティが重視されていることを社員が実感しやすくなる取り組みを進めましょう。
リモートワークやワーケーションの導入
リモートワークやワーケーションの導入も、ダイバーシティマネジメントを進める際のポイントです。
リモートワークとは、社内の持ち場から離れ、自宅などの自由な場所で働けるようにすることです。ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、普段の職場や自宅と異なるリゾートやホテル、旅館などで仕事に取り組むことを指します。
コロナ禍を経てリモートワークが定着した企業も多いですが、管理職や上層部にはまだリモートワークに抵抗をもつ方もいるでしょう。
しかし、こうした制度は、社員の自由な働き方を促進することにつながります。
例えば個人作業は主にリモートワークで進め、会議などのコミュニケーションが必要な業務のみ出社を促すなど、積極的な活用を検討してみましょう。
リモートワークやワーケーションができるよう制度を整えたうえで、社員が制度を利用しやすいように管理職や上層部の認識を改めることも大切です。
新たな採用制度の導入
新たな採用制度を導入することも、ダイバーシティマネジメントにつながります。
具体的には、履歴書から性別や顔写真をなくす「ブラインド採用」が挙げられます。ブラインド採用では性別や見た目といった要素にとらわれずに社員の能力を評価できるため、バイアス(「偏り」「偏見」「先入観」など認知の歪みや偏り)を排除できることが特徴です。
また、障がい者雇用を促進するために、採用制度を整えている企業もあります。個別の事情に対応できるよう、採用プロセスを見直してみましょう。
研修を行いダイバーシティの理解を深める
研修を実施して、ダイバーシティの理解を深めることも大切です。
前述した通り、ダイバーシティはしばしば「居心地の悪い」取り組みです。そのため、ダイバーシティに対する取り組みの必要性に疑問を感じていたり、協力を躊躇してしまったりする社員がいます。
研修を通じてダイバーシティの必要性やメリットを伝え、施策に対する理解を促しましょう。
また、ダイバーシティマネジメントを行う際には、特に管理職や上層部のダイバーシティへの理解が必要です。フレックス制度やリモートワークなど、ダイバーシティマネジメントの一環である制度を整えていても、管理職や上層部の理解がないと制度を利用しにくいという部下は多いです。
研修では、管理職に向けてダイバーシティの概要を伝えるのはもちろん、多様な部下との関わり方について理解を深めるのもおすすめです。
ダイバーシティ研修について、詳しくは以下のページで解説しています。
『ダイバーシティ研修とは?必要な理由や効果的なゲームを紹介』
まとめ
ダイバーシティマネジメントについて、事例やメリット、ポイントなどを解説しました。
社会が変化しつつある昨今、ダイバーシティへの対応はすべての企業にとって緊急の課題です。ダイバーシティを効果的に取り入れるためには、多様な人材の能力を最大限に引き出すダイバーシティマネジメントの考えが欠かせません。
そして、ダイバーシティマネジメントを行うには、管理職や上層部のダイバーシティへの理解が重要です。凝り固まったマネジメント観をほぐすために、研修などでさまざまな価値観に触れられる機会を作りましょう。
この記事をきっかけに、ぜひ自社のダイバーシティに対する取り組みを見直し、企業の競争力向上につなげてください。