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若手社員が抱えがちな5つの悩みと放置するリスク・対策を解説

基本的な業務スキルが習得できている入社2〜5年の若手社員は、企業の今後を担っていく重要な人材です。しかしながら、若手社員は自身のキャリアや社内での人間関係、ワークライフバランスなどさまざまな面で悩みを抱えていることも少なくありません。

本記事では、若手社員を部下に持つ上司や管理職、人事担当者の方へ向けて、若手社員が抱えがちな5つの悩みとその改善策について解説します。若手社員の離職防止やモチベーションアップのためにできることを探ってみましょう。


▼若手社員の悩みを解決するのにおすすめの研修3選



    監修者/羽鳥丈太


    目次[非表示]

    1. 1.若手社員が抱えがちな5つの悩み
    2. 2.若手社員の悩みを解消しないことのリスク
    3. 3.若手社員の悩みを解消するための対策
    4. 4.若手社員研修事例
    5. 5.若手社員の育成ならアルーにお任せください


    若手社員が抱えがちな5つの悩み

    若手社員がよく抱える悩みとしては、以下が挙げられます。



    自分の将来のキャリアに対する不安

    若手社員は、自身のキャリアに不安を抱いている可能性があります。
    たとえば「このままここで働いていても良いのか」「この先どのようなポジションを目指すべきかわからない」など、自分のやりたいことや今後のキャリアパスが不透明な人がいます。また、日常業務がマンネリ化してやりがいや成長実感を得られず、ぼんやりと毎日の業務をこなすだけの状態になっている人もいるでしょう。

    キャリアアップを目指すうえで、ロールモデルとなる人材が社内にいない場合は「この会社にいても、自分の理想とする未来を実現している人はいない」と感じ、モチベーションが下がる要因にもなります。

    会社の将来性についても、業界のトレンドや社会情勢を加味して「この会社は今後大丈夫なのか」と不安を抱きながら仕事をしている場合もあるでしょう。

    このように若手社員は自身や周囲の先輩社員、そして企業の経営状態を見て、今後のキャリア形成が難しいと悩んでいるかもしれません。


    人間関係の悩み

    人間関係に関する悩みも、若手社員がよく抱く問題のひとつです。

    入社して数年が経過すると、社内の人間関係や職場の雰囲気もおおよそ把握できます。そのような中、居心地の悪い空気感があったり、先輩社員や上司に話しかけづらい雰囲気があったりすると、職場に馴染めません。

    また、先輩社員や上司とうまくコミュニケーションが取れないと「意見や悩みを聞いてもらえない」「いつも一方的に指示されるだけ」と感じ、上司に対し不満を募らせてしまう懸念があります。後輩社員の指導方法がよくわからず、悩んでしまう人もいるかもしれません。
    そのほか、所属部署やチーム内でメンバーが頻繁に対立し、なかなか円滑に業務が進まないときも、職場の気まずさを感じて悩んでしまいます。メンバー間の競争意識が強い部署であれば、メンタルが追い詰められてしまう人もいるでしょう。

    若手社員は、上司と部下の両方と関係を構築し始めるポジションだからこそ、板挟みとなる関係性に悩む人が多いと言えます。


    仕事の知識やスキル不足

    若手社員自身の知識や業務スキル不足が、悩みにつながる場合もあるでしょう。

    たとえば、なかなか成果を出せていなかったり、業務時間内にタスクを完了できず残業しがちになっていたりすると、自分の能力が低いと感じてモチベーションの低下や自信の喪失を引き起こします。

    また、周囲から求められているスキルと現状のスキルに差がある場合も同様です。昨今は若手社員の育成に力を注ぐ企業も多く、若手社員に求めるスキルが高くなっている傾向が見受けられます。若手社員への期待値が高まる状況下で、周囲からのプレッシャーや実際のスキルとのギャップに苦しみ、思うように業務に臨めていないのかもしれません。


    ワークライフバランスに対する不満

    ワークライフバランスを重視し、プライベートの時間を大切にしようとする若手社員も多いでしょう。しかしながら、仕事優先でプライベートの時間が確保できない状況に陥っていると、当然ながら不満が蓄積します。

    本人がこなせる以上に業務が与えられていたり、長時間労働や残業が当たり前の文化ができあがっていたりすると、仕事中心の生活になり若手社員への負担も大きくなります。

    リモートワークを導入している企業では、プライベートと仕事時間の境界線が曖昧になりやすいため、長時間働くクセがついてしまう社員もでてくるでしょう。余裕のない労働環境が、思うようにプライベートの時間を生み出せない悪循環を生みだし、若手社員の悩みへとつながります。


    給与や待遇への不満

    給与や待遇に対する不満が、悩みにつながっている可能性もあります。

    昨今はインターネットで同業他社の平均給与と容易に比較できるため、他社と比べて自社の給与が少ないと仕事へのモチベーションも低下します。社内でも、同僚との給与差にショックを受けて悩むこともあるかもしれません。

    また、給与や待遇が悪いと生活費を工面できないかもしれないといった不安がよぎり、精力的に業務に励めない社員もいるでしょう。
    給与や賞与を決めるための人事評価が自身のスキルや労働力に見合っていない場合も、会社に不信感を抱きかねません。

    若手社員の抱える悩みはこのように多岐にわたり、本人の問題だけでなく企業の経営体制や風土が要因になっていることもあるでしょう。
    なお、入社して間もない新入社員はまた別の悩みを抱えています。新入社員が抱える悩みについてはこちらの記事で解説しています。
    関連記事『新入社員が抱えがちな悩み11例と解決の方法




    若手社員の悩みを解消しないことのリスク

    若手社員の抱える悩みを解消せず、放置していると以下のリスクが発生します。


    • 仕事に対するモチベーションの低下
    • 他の若手社員への悪影響
    • 休職者・離職者の増加


    なかなか悩みが解消されなかったり、悩み事がより深刻になったりすると、仕事のモチベーションが低下します。モチベーションの低下は、業務の非効率化や生産性の低下、早期離職を引き起こす要因になり得るでしょう。

    また、若手社員は横のつながりを大切にする傾向があるため、悩みがあっても上司には相談せず、同期に相談する人のほうが多いです。その結果、悩みに共感した他の若手社員まで同じような状態に陥ってしまう可能性も否定できません。

    若手社員の抱える悩みは、本人の心身に大きなストレスを与えます。特に労働環境が悪く誰にも相談できない状態だと、心身の不調も悪化し、休職や離職の選択をせざるを得ません。人材不足が叫ばれる昨今の社会情勢で、貴重な若手人材を失うのは企業にとっても大きな痛手になります。

    上記のように若手社員の悩みを放置すると、本人だけでなく企業全体にも悪い影響を及ぼすことを改めて理解しておきましょう。

    若手社員の離職を防ぐための対策については、以下の記事で解説しています。
    若手社員の離職を防止するには?早期離職の原因と対策方法



    若手社員の悩みを解消するための対策

    では、若手社員の悩みを解消するために人事部や管理職ができる対策にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、特に有効な5つの対策を解説します。


    キャリア相談を実施する

    まずは、若手社員のためにキャリア面談の機会を設けるのがよいでしょう。
    たとえば、メンター制度やキャリアカウンセリングを導入して、日頃の業務だけでなく今後の目標策定やキャリア形成までサポートするなどが挙げられます

    メンター制度では、若手社員一人ひとりにメンターとなる社員を配置し、日常業務の困りごとや将来のビジョンなどを気軽に相談できる体制を整えます。

    また上司と部下の関係構築も兼ねて、上司がキャリア面談を実施するのもよいでしょう。その際には、上司が丁寧にヒアリングし、若手社員の悩みに寄り添う姿勢を持つことが大切です。社内での対応が難しい場合は、社外からキャリアカウンセラーを呼んで面談をしてもらう方法もあります。

    なお、部下のキャリア形成を支援するためのヒントは以下の記事で解説しています。
    関連記事『部下のキャリア形成を支援する際に管理職と人事部が行うべきこと


    1on1ミーティングを定期的に行う

    1on1ミーティングも、若手社員の悩み解消に役立ちます。1on1ミーティングは、上司と部下間で実施する1対1の面談のことです。

    ミーティングの実施によって、若手社員も上司と円滑にコミュニケーションが取れるようになるため、人間関係の構築や改善につながるでしょう。ミーティング中は、若手社員の話を傾聴することに努めましょう。部下の考えや価値観を理解することで、上司からの指示も出しやすくなり、若手社員は日々の業務をスムーズに進められます。

    1on1ミーティングに限らず、日常的に上司から若手社員にコミュニケーションを取る姿勢も重要です。面談の場以外でも気にかけるようにしましょう。

    1on1ミーティングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
    関連記事『1on1とは?話すことの例や意味がないと言われないための進め方


    若手社員研修を実施する

    スキルや知識不足に悩む若手社員のためには、若手社員研修を実施するのも有効です。

    研修を通じてスキルアップを実感してもらい、自信につなげます。若手社員に自信がつけば、日々の業務に対するモチベーションが高まるだけでなく、業務効率化や職場への定着も見込めるため、企業にとってもプラスの影響を増やせるでしょう。

    また研修は、若手社員の精神的成長や自発的な行動を促進する側面もあります。

    たとえば、後輩への指導力を高めるOJTトレーニング研修であれば、自分から率先して部下を指導するためのメンタルや行動力を身につけられます。

    若手社員の悩みに沿った研修の実施で、社員のスキルアップやモチベーションアップを目指しましょう。若手社員にどのような研修が向いているかは以下の記事で紹介しています。
    関連記事『若手社員研修におすすめのカリキュラム13選|内容や事例を含めて紹介

    弊社アルーが提供する若手社員研修について詳しくは以下のページをご覧ください。
    若手社員研修



    職場全体で若手社員をフォローする

    若手社員の悩みを解消するには、組織全体で若手社員をサポートする体制を作ることも大切です。
    若手社員をサポートするのは、直属の上司だけではありません。所属部門のメンバーやOJTトレーナー、人事担当者などさまざまなポジションの人材が若手社員と関わります。
    そのため、1対1の「点」の関係性だけでなく、1対複数といった「面」での支援を心がけましょう。たとえば上司だけでなく、他の若手社員・先輩社員との座談会やランチ会を実施したり、メンターやロールモデルとなる社員を選出して若手社員のサポートに回ってもらったりするといった対策を実施するのが有効です。

    特定の育成担当者にすべてを任せるのではなく、複数のサポート人材を配置しておくことで、支援もしやすく、若手社員にとっても安心できる職場になります。


    柔軟な勤務制度の導入や業務量の適正化を図る

    ワークライフバランスの悩みがある若手社員のために、勤務制度の見直しや業務量の適正化を図ることも重要です。

    勤務制度は、社員の状況に応じて柔軟な対応ができる以下の制度を導入するのがおすすめです。


    • テレワーク制度
    • フレックスタイム制度
    • 短時間勤務制度
    • 出産・育児・介護休暇制度 など


    働き方の多様化によって、若手社員が働きたいと思う環境と実際の環境に大きなギャップが生まれている可能性もあります。そのため、社員それぞれに合った働き方を選択してもらい、勤務体制を再構築するのがよいでしょう。

    また、業務量の適正化には以下の方法が挙げられます。


    • 業務内容の可視化
    • 優先順位をつけることによる業務の効率化
    • 社員のスキルや能力に合わせた業務量の調整


    業務内容の可視化によって、業務のムダや非効率な部分も浮き彫りになり、優先順位をつけやすくなるでしょう。また個々の能力に応じた業務量にすれば、残業の発生も抑えられ、ワークライフバランスの実現につながります。


    給与や待遇、評価制度を見直す

    給与や待遇に不満を持つ若手社員のために、給与体系や評価制度を見直してみるのもよいでしょう。
    現在の給与体系や待遇が、一般的な生活水準以上であるかはもちろん、社員の能力やスキルに応じたものになっているかを確認します。たとえば、成果を基準とする成果主義なのか、スキルや知識・業務プロセスを評価する能力主義なのかなど、何を評価基準にするかによっても社員の満足度やモチベーションは大きく変化します。

    また、人事評価では評価の目的や回数、評価方法を改めて明確にすると、不満の解消につながる可能性があります。給与と評価のズレをなくせるよう、この機会に給与体系や評価システムを再構築してみてはいかがでしょうか。

    評価制度がうまくいっていない場合は、管理職の評価スキルに問題がある可能性もあります。その場合は管理職向けの評価者研修を実施するのも有効です。評価者研修については以下の記事をご確認ください。
    評価者研修の目的とは?学べる内容やメリットについて



    若手社員研修事例

    最後に、若手社員の課題を解消するために、若手社員研修を実施した企業の事例を紹介します。


    カルビー株式会社 若手女性向けキャリア研修事例

    カルビー株式会社では、若手女性社員のために食品メーカー合同の研修を採用しています。

    同社では社外との交流が少ない部門にいる女性社員に対して、キャリア教育をする機会が不足していたそうです。そこで他メーカーも含めた合同研修を導入し、社外との交流や早期のキャリア教育をする機会を設けました。

    研修には女性先輩社員からの講話やグループ共有会などを盛り込み、受講者が他社の受講者とも交流しながら自らのキャリアを自律的に考えられるプログラムを取り入れています。
    結果として受講者のキャリアパスに良い影響が生まれ、次の役職候補になったり、自らの希望で異動し新たな部門で活躍したりする社員も出たそうです。

    実際に受講した女性社員からは「会社を辞めようか悩んでいたが、研修のおかげでいろいろな方から話を聞けて社外にも知り合いができて非常に良かった」といった声を頂きました。

    カルビー株式会社 女性活躍推進のための若手女性キャリア研修 導入事例

    ▼事例資料請求はこちら

      『カルビー株式会社様合同若手女性研修導入事例』資料ダウンロード 【食品メーカー合同】社外に同志を作る若手女性研修 アルー株式会社


    中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社 OJTトレーナー研修事例

    中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社では、若手社員に向けてOJTトレーナー研修(以下、OJT研修)を導入しています。

    導入前はOJT研修のような制度や風土がなく、また職場環境の年齢構成についてもバランスが悪いといった課題があったそうです。
    そのため、新入社員が安心して業務に臨めるよう、OJT研修を若手社員に受講してもらい、新入社員に寄り添える人材の育成を始めました。研修では、OJTハンドブックや新入社員向けの研修資料などのマニュアルをベースに実践への落とし込みをしており、受講者は学びながら実際に新入社員の育成にあたりました。

    研修の結果、若手社員が自ら指導方針を考えたり、新入社員への接し方を工夫したりするようになったそうです。受講した若手社員からも「学ぶことも多く自分の成長にもつながる良い機会だった」との声を聞けました。

    中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社 OJTトレーナー研修 導入事例



    若手社員の育成ならアルーにお任せください

    若手社員は、さまざまな悩みを抱えながら仕事をしている可能性があります。若手社員の悩みを放置していると、モチベーションの低下や早期離職を引き起こすかもしれません。

    若手社員の悩みを解消するには、企業全体で社員をフォローする体制を整え、制度を見直すことが重要です。

    この機会に、若手社員の育成やサポート方法を見直してみてはいかがでしょうか。

    アルー株式会社では若手社員のスキル・モチベーションアップにつながる研修を提案していますので、ぜひご検討ください。あわせて以下の記事もご参照ください。
    関連記事『若手社員の育成ポイント|若手社員の特徴と課題とは



    アルー株式会社
    アルー株式会社
    20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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