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【食品メーカー合同】
社外に同志を作る若手女性研修

女性活躍を推進するための研修

カルビー株式会社 導入事例

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左からカルビー株式会社 石井様、アルー株式会社 吉種

カルビー株式会社では、女性活躍推進のため、食品メーカー合同の若手女性研修を実施しています。企業の垣根を超えて実施することで、社内開催では得難い経験を得ることができました。今回のインタビューでは、合同若手女性研修による受講者の変化や今後の展望についてお伺いしました。

課題

 

  • 女性社員に早期のキャリア教育を実施したかった

  • 社外との接触が少ない部門の若手女性社員に刺激を受けてほしかった

 

成果

 

  • 受講者が次の役職候補になっている

  • 事業所の人事担当から「ぜひ継続してほしい」と声が出ている

  • 受講後に自らキャリアを考えて異動し、活躍している社員がいる

 

展望

 

  • 役職候補に繋がるように継続的にキャリア教育の機会を設けたい

  • 役職に就いた人のフォローアップや、キャリアの幅出しをしたい

  • 女性活躍について、男性社員の価値観も変えていきたい

 

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会社名 カルビー株式会社
従業員数

(連)4,839人 (単)1,960人(2023年3月31日現在)

事業内容

菓子・食品の製造・販売

人事・総務本部
戦略総務部 部長
兼 全員活躍推進室 室長

石井 信江 様

合同若手女性研修の事例を動画で見る

合同若手女性研修の全体像

全体像
合同若手女性研修は、複数の食品メーカーから若手女性社員を集めて実施しています。各社の20~30代中盤の女性社員を対象とし、2016年から開催しています。

合同研修の全体目的の1つは、同業種で働く仲間との意見交換を通じて、職場文化や価値観、仕事の進め方の違いを知ることです。その中で、自己理解や自身の役割認識を深め、今後のアクションプランを明確にしてもらうことを目的としています。

もう1つの目的は、自身のキャリアを自律的にデザインし、行動まで繋げることです。

そのために、合同研修を2回実施し、間に3週間の実践期間を設けています。
第1回の研修では、合同研修全体の目的を共有し、女性向けに研修を実施する意義を伝えることから始めています。「女性先輩社員による講話」を目玉として置き、モチベーションを上げる工夫をしているのが特徴です。その後の実践期間中には「グループ共有会」で仲間と情報共有し合いながら取り組んでもらっています。
第2回の研修では、実践期間を振り返り、自身の課題を共有してもらいます。他の受講者の課題も聞いた上で、自身のキャリアについて自律的に考えてもらうプログラムにしています。第2回の研修の後にも「グループ共有会」を設けており、他社の仲間との繋がりを大切にしてほしいという期待を込めています。

カルビーでは、社外との交流が少ない女性社員に、同志を作るための合同若手女性研修を提供

-合同若手女性研修に参加した背景を教えてください

石井様(以下、敬称略):当社は合同若手女性研修には7年ほど前から参加しています。他社と合同で、各社の女性社員が集まり、キャリアについて考える機会と位置付けています。社外の方との交流を通じて、仕事への取り組み方やキャリア構築を共に考える同志を作ってほしいという思いから、参加を決めました。同志の存在は、キャリア構築の気付きになったり、仕事についての悩みを相談し合ったりと、自信や安心につながると考えています。

-合同女性社員研修の目的を教えてください

石井:合同若手女性研修では、全社共通の目的として「早期のキャリア教育」をおいています。まず自身のキャリアを描いてもらい、それを他社の受講者と比較することで知識やヒントを習得し、キャリアの選択肢を増やしてもらえるような研修にしています。

-合同で研修を行うことのメリットは何ですか?

石井社外の方と向き合うことにより、受講者の気づきが多いと感じています。また、同じ話でも社外の方から発信してもらうと、受講者の納得感が高くなります。社内のみでの研修も非常に価値がありますが、受講者がより素直に受け止めてくれるという点は合同研修のメリットだと考えています。

特に、合同若手女性研修の目玉プログラムである「先輩社員の講話」では、合同研修のメリットが活かされています。各社の先輩社員から話を聞くことができるため、社内のみで行なうより圧倒的に多く情報や知恵を頂いていると思います。毎年、研修後のアンケートで、各社の先輩社員の講話が印象に残っているという話があがっています。当社では、異業種から食品企業に転職されている方や社内起業されている方は少ないため、合同研修だから実現できることだと言えます。

-今回の合同若手女性研修での受講者の選抜基準を教えてください

石井:近年は特に生産部門など、社外の方との接点が比較的少ない社員を選抜しており、社外の方との交流から多くの刺激を受けてほしいと思っています。
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社外との繋がりが受講者にいい影響を与えているため、その繋がりを続けていく施策を考えている

-「他の受講者から刺激を受けてほしい」「キャリアの選択肢を増やしてほしい」という合同若手女性研修の目的はどの程度達成できましたか?

石井:成果を数字で測ることは難しいですが、継続的にこのような機会に触れてもらうことが大事だと思っています。個々によって刺さり具合や問題意識の持ち方、刺激の受け方が異なりますので、研修に1回参加して終わりではなく、参加後も繰り返しキャリアに向き合えるように機会を提供していきたいです。

現在のところ、この合同研修を通して自律的にキャリアを描くことで、参加した人が次の役職候補として出てくるような流れを組み込めています。

-合同若手女性研修について、受講者以外の社員からのフィードバックはありますか?

石井:受講者を選抜している各事業所の人事担当者から、「社外の方と接する機会が本人にとってよい機会になっている」という話を聞いています。複数の事業所から「ぜひ継続してほしい」という要望があがっています。

-想定外の効果はありましたか?

石井研修をきっかけにキャリアを見直し、生産部門から営業部門に自ら異動した受講者がいました

その方は、研修を受ける前までキャリアについて悩んでおり、一時は会社を辞めようかとまで考えていたそうです。しかし、研修に参加したことで、色々な方から話を聞き、社外にも知り合いがたくさんできて「非常によかった」と前向きな感想をもらうことができました。詳しく話を聞いてみると、自分のやりたいことと所属している部門の業務内容のアンマッチに悩んでいるようでした。そこで、「せっかくそこまで考えているなら、ぜひ自分のやりたいことにチャレンジしてみてはどうか」と伝えたところ、異動希望を出し、数年前に生産部門から営業部門への異動を果たしたのです。
後日、たまたま再会した際に話を聞いたら、「営業として働けることが嬉しい」と言っていました。合同研修を通じて、我々人事に出会い、社外の方との交流で刺激を受け、新しいことにチャレンジしようと行動して良かったと思っているようでした。

研修の内容が受講者にきちんと届いて、さらに変化を起こしている人がいることが実感でき、人事としても嬉しいエピソードでした。

-もっとこうだったら良かったと思う部分はありますか?

石井:合同研修で知り合った受講者たちが、研修後も交流を継続できるような流れができたらいいな、と思っています。研修でチームを組んだ同志とまたやり取りできるような仕掛けや、動機付けになるような示唆について考えています。
具体的には、連絡先を交換できる状況を作ったり、2日間のインターバル期間で交流できる場を設けたりしています。あとは、受講者本人たちがこの研修の価値を感じ取って、自主的な行動を取れるように投げかけができればと思っています。

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合同若手女性研修からはじまり、段階的に育成して、ステップアップしていく

-今後、どのようなことを実現していきたいですか?

石井:合同若手女性研修の受講者には、次のステップである役職候補に繋がる流れを組み込んでいます。ですので、役職候補に繋がるように継続的にキャリアを考える機会を設けていきたいです。
既に2019年から女性役職候補の社内育成プログラムを立ち上げ、役職候補となる人財の育成を実施しています。合同若手女性研修はそのプログラムの前段階になりますので、段階的に育成できるように施策を行っていきたいです。合同研修のプログラム内容については、毎年各社と話をして、かなりいいものに仕上がっていると感じていますので、今後はステップアップした仕掛けを準備していきたいです。
また、研修のみでキャリアを考えるのではなく、1on1ミーティングでもキャリアについて話してもらうよう、人事からは働きかけています。その他にも、役職に就いた方のフォローアップや、キャリアの幅出しなども行っていきたいと考えています。

最終的に当社が目指すのは、性別や年齢に関係なく「全員が活躍できる状態」です。まずは女性活躍を最優先課題としていますが、性別や年齢に関係なく、社員一人ひとりが能力を十分に発揮し、組織の活性化とイノベーションの創出につなげていきます

-アルーは貴社にとってどのような存在ですか?

石井:アルーには、合同研修の目的を一緒に考えて、ゴールがぶれないようにサポートしてもらっています。プログラム内容の相談に対して、複数の選択肢を提示してもらい検討できるところがありがたいです。
合同若手女性研修の目的としている「早期のキャリア教育」について、初期のキャリア構築の施策やプログラム内容について、ディスカッションを重ねました。

アルーは、打合せの進め方や講師とのコミュニケーションを、非常に丁寧に進めてくれます。研修資料だけでなく社内向けの案内を準備してくれたり、プログラムの1つである「先輩社員の講話」での先輩社員を選定してくれたり、また、受講者の選定でも相談に乗ってもらいました。
当社の工数も考慮してもらい、効率よく研修を実施できたと思います。

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アルー営業担当からの一言

	吉種さん
アルー株式会社
HRコンサルティング部
吉種 堅吾

0.5日×2日程の研修を通して、自身のキャリアについて考えるキッカケを作ることができた研修であったと感じています。
研修では、先輩社員からの講話や受講者同士の会話といった他社からの意見を通して、自身の理解を深めることにフォーカスしました。複数の企業様が参加する研修だからこその気付きが合って欲しいという研修の意図をしっかり込めることができたと思っています。他社の意見を聞く中で、新しい視点に気付く受講者の様子が印象的でした。
今後も人材育成を通してお役立ちできればと考えています。

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