catch-img

ミドルシニアの定義とは?活躍してもらうポイント・おすすめの研修を紹介

ビジネス環境が目まぐるしく変化するVUCAの時代では、すべての社員に主体的なキャリア構築が求められます。それは、会社の中心的な戦力として多くの割合を占めるミドルシニア層の社員も例外ではありません。
この記事では、ミドルシニアの定義や活躍してもらうポイントを解説します。ミドルシニアの活躍を促すのにおすすめの研修を紹介するので、人事担当者の方はぜひ最後までお読みください。


▼ミドルシニア育成におすすめの資料3選



    監修者/羽鳥丈太


    目次[非表示]

    1. 1.ミドルシニアの定義とは
    2. 2.ミドルシニアが注目されている背景
    3. 3.ミドルシニアが企業で活躍するメリット
    4. 4.ミドルシニアの課題
    5. 5.ミドルシニアに社内で活躍してもらうためのポイント
    6. 6.ミドルシニア向けの研修ならアルーにお任せください
    7. 7.まとめ


    ミドルシニアの定義とは

    ミドルシニアの社員といった場合、30〜55歳以上の社員のことを指すことが一般的です。
    厳密な定義があるわけではないので一概には言えませんが、例えば「東京しごとセンター」では、それぞれの階層を以下のように定義しています。


    • ヤング……29歳以下
    • ミドル……30歳から54歳
    • シニア……55歳以上


    つまり、「ミドル」と「シニア」を併せた言葉である「ミドルシニア」は、30歳〜55歳以上の幅広い社員を指す言葉と考えることができます。
    ミドルシニア層の実力は会社の競争力を大きく左右するため、ミドルシニアの社員に生き生きと活躍してもらう環境を整えることが重要です。

    参考:東京しごとセンター



    ミドルシニアが注目されている背景

    最近では、人材育成の中でミドルシニアが注目される場面が増えてきています。ミドルシニアが注目されている背景は、主に以下の5つです。


    • VUCA時代に対応していく必要がある
    • 少子高齢化による働き手の減少
    • 企業と社員の関係性が変化している
    • 年金支給開始年齢の繰り上げ 
    • 高年齢者雇用安定法の改訂


    ミドルシニアが注目されている背景について、一つずつ深堀りしていきましょう。


    VUCA時代に対応していく必要がある

    ミドルシニアが注目されている背景として、VUCA時代へ対応していく必要がある点が挙げられます。
    現代は、外部環境の変化が激しいVUCAの時代です。ビジネス環境のグローバル化は、国内市場だけでなく、高成長を遂げている世界市場を巻き込んだ競争への移行をもたらしました。ITツールの進歩によるデジタル化も、既存事業の陳腐化を加速させ、業務内容や求められるスキルセットに大きな変化を与えています。
    こうした激しい環境変化の中で高い企業競争力を維持するためには、全社員の中でも高い割合を占めるミドルシニア層の実力を伸ばすことが欠かせません。
    実際、総務省統計局『労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要』によると、ミドルシニア世代は全労働力人口の42%を占めていることが明らかになっています。企業の競争力に直結するミドルシニア層の実力を伸ばし、激しい環境変化を勝ち抜いていく必要があるのです。
    参考:第1 就業状態の動向 1 労働力人口

    VUCA時代に求められる人材や組織作りのポイントは、以下のページで詳しく解説しています。
    VUCAとは?求められる人材や対応する組織作りのポイント


    少子高齢化による働き手の減少

    少子高齢化による働き手の減少も、ミドルシニアが注目されている背景の一つです。
    「人生100年時代」とも言われている日本では、人口構造の成熟化が進んでいます。少子高齢化は既に社会問題化しており、今後も働き手人口の減少は進むでしょう。こうした状況を受け、優秀な人材を新卒で採用するのは以前より難しくなっています。新卒社員を1から育てるのにも時間がかかります。
    そこで、ミドルシニアの活躍を促し、企業の競争力を確保しようとする企業が増えています。日本人の平均寿命は2022年現在、女性が87.09歳、男性が81.05歳です。こうした平均寿命も要因となり、社会で活躍する期間は長期化しています。


    企業と社員の関係性が変化している

    企業と社員の関係性が変化していることも、ミドルシニアが注目されている背景の一つです。
    従来、企業は個人を内包する関係にありました。終身雇用を前提とした新卒一括採用を行い、年功序列での昇格や昇給を行っていた企業がほとんどです。
    しかし、変化の激しいVUCA時代において競争力を確保するため、近年ではこうした関係性が変化しつつあります。企業と個人は対等な関係が望ましいとされており、年齢ではなく能力に応じた配置や報酬体系を導入するケースも多いです。

    年齢にとらわれずに優秀な人材を活用するため、リスキリングやアンラーニングを通じてミドルシニアの教育を進める企業が増えてきています。


    年金支給開始年齢の繰り上げ 

    年金支給開始年齢の繰り上げも、ミドルシニアが注目を浴びている背景の一つです。
    年金支給の開始年齢は、昭和60年に男女一律で段階的に60歳とするよう法改正が行われました。その後も法改正がたびたび行われ、平成12年には男女ともに65歳となるよう支給開始年齢の引き上げが行われています。
    年金支給開始年齢が繰り上がったことにより、55歳〜65歳の人材も引き続き社会での活躍を求められるようになっています。こうした背景から、ミドルシニア層のスキルアップは人材育成の大きなテーマの一つとなっているのです。


    高年齢者雇用安定法の改訂

    ミドルシニアが注目を浴びる背景の一つとして、高年齢者雇用安定法の改訂も挙げられます。
    これまで高齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置が明文化されていました。しかし、令和3年の高年齢者雇用安定法の改訂により、企業には65歳から70歳までの就業機会の確保が求められるようになっています。70歳までの定年引き上げや定年制の廃止など何らかの措置を講じる努力義務が追加されるなど、企業へ与える影響は大きいです。70歳まで社員が生き生きと働ける環境を整えるために、ミドルシニア層の育成に取り組む企業が増えてきています。



    ミドルシニアが企業で活躍するメリット

    ミドルシニアの活躍を促す際には、ミドルシニアに活躍してもらうメリットを理解することが重要です。ミドルシニアが企業で活躍するメリットとしては、組織の生産性向上や若手の人材育成といった点が挙げられます。
    ここからは、ミドルシニアが企業で活躍するメリットを解説します。


    組織の生産性向上につながる

    ミドルシニアに活躍してもらうメリットとして、組織の生産性向上が挙げられます。
    ミドルシニアは労働力の中でも大きな割合を占める人材です。最も層が厚いミドルシニアがスキルアップすれば、組織を牽引できる力を持った優秀な人材が増え、組織の生産性は向上します。
    また、一定の経験を積んでいるミドルシニアの社員は、社風などもよく理解していることが多いです。周囲へすでに馴染んでおり、ビジネスネットワークも豊富に持っているため、他の世代の社員よりもスムーズな活躍が期待できます。


    若手の人材育成につながる

    若手の人材育成につながる点も、ミドルシニアの社員に活躍してもらうメリットの一つです。
    ミドルシニアの社員が実力をつければ、「部下を成長させられる管理職」になるポテンシャルを持った人材が増えます。優秀な管理職が増えることで、若手社員の人材育成はより一層スムーズに進むでしょう。会社の中心的な役割を果たすミドルシニアの社員を起点にすることで、組織全体の競争力を大きく引き上げることができるのです。また、ミドルシニアが管理職にならなくとも技術の伝達者として活躍することで、若手社員の育成が進むでしょう。



    ミドルシニアの課題

    ミドルシニアが活躍することにはさまざまなメリットがありますが、ミドルシニアの社員はモチベーションの面でいくつかの壁に直面しがちなことも事実です。ミドルシニアが悩みやすい課題としては、以下の2つが挙げられます。


    • 昇進できず、モチベーションが低下する
    • ポストオフによりモチベーションが低下する


    ミドルシニアの社員が直面しがちな課題を一つずつ見ていきましょう。

    昇進できず、モチベーションが低下する

    ミドルシニアの社員には、昇進できずにモチベーションが低下してしまうケースが見られます。
    法政大学の石山氏らとパーソル総合研究所が合同で実施した「ミドル・シニアの活躍実態調査 調査概要」によると、「出世したくない」と思う社員は42.5歳を境に「出世したい」と思う社員を上回ります。また、「キャリアの終わりを意識し始める」と答えた社員の割合も、45.5歳を境に「意識していない」と答えた社員を上回りました。
    こうした背景には、経営環境の変化に伴い、大量の役職ポストが用意できなくなったことが挙げられます。40代前後で昇進期待が裏切られ、その失望感から仕事に対するモチベーションが低下する社員は非常に多いです。


    ポストオフによりモチベーションが低下する

    ポストオフによるモチベーションの低下も、ミドルシニアが経験しがちな課題の一つです。
    ポストオフとは、一定の年齢で役職を解任する制度のことです。ポストオフは制度として企業で定められている場合と、慣習として行われている場合がありますが、いずれにしても職位上昇のモチベーションを下げる要因となります。
    「どうせ◯歳には第一線を退くのだから」とキャリアの終わりを意識し始めることで、仕事に対するモチベーションが低下するミドルシニアも少なくありません。



    ミドルシニアに社内で活躍してもらうためのポイント

    ミドルシニアが課題を乗り越えるためには、いくつかのポイントを意識して人材育成に取り組む必要があります。ミドルシニアに社内で活躍してもらうためのポイントは、以下の4つです。


    • ポータブルスキルを身につけてもらう
    • アンラーニングを実施する
    • リスキリングを実施する
    • キャリアデザインを支援する


    ミドルシニアに社内で活躍してもらうために意識すべき4つのポイントを解説します。


    ポータブルスキルを身につけてもらう

    ミドルシニアに活躍してもらうためには、ポータブルスキルを身につけてもらうことが重要です。
    ポータブルスキルとは、どの業界や業種でも必要とされる、汎用性の高いスキルのことを指します。リーダーシップやコミュニケーション力、問題解決力などは、ポータブルスキルの一例です。
    高いポータブルスキルがあれば、ミドルシニアの社員が活躍する幅を広げることができます。また、管理職に必要なスキルも概ね網羅できるため、より高い職位での活躍も期待できるでしょう。

    ポータブルスキルの一覧や鍛え方は、以下の記事で解説しています。
    ポータブルスキルとは?スキル一覧や鍛え方、必要な背景を解説


    アンラーニングを実施する

    アンラーニングを実施することも、ミドルシニアの活躍を促す際のポイントです。
    ミドルシニアの社員は社内外でさまざまな経験を積んでいます。経験があることは大きなメリットですが、経験にとらわれすぎるあまり、かえって頭が固くなってしまうケースも少なくありません。
    今もっているスキルや知識をいったん手放し、新しいスキルや知識を手に入れるアンラーニングを実施することで、過去の経験にとらわれない活躍をサポートできます。新しい時代に対応するためにも、アンラーニングを積極的に進めていきましょう。

    アンラーニングの方法やリスキリングとの違いは、以下のページで詳しく解説しています。
    【具体例あり】アンラーニングとは?やり方やリスキリングとの違いを解説


    リスキリングを実施する

    リスキリングの実施も、ミドルシニアの活躍を促す際に重要なポイントです。
    リスキリングとは、技術革新や新しいビジネスモデルに対応するため、知識やスキルを新たに学ぶことを指します。リスキリングも、アンラーニングと同様にミドルシニア社員の活躍の幅を広げるのに役立つ取り組みです。DX化に必要なITスキルなどをリスキリングによって習得してもらい、企業の競争力強化につなげましょう。

    リスキリングが注目されている理由や導入方法は、以下のページで詳しく解説しています。
    リスキリングとは?注目される理由や導入方法、注意点をわかりやすく解説


    キャリアデザインを支援する

    ミドルシニアの活躍を促すためには、キャリアデザインを支援することもよいでしょう。
    ミドルシニアの社員は、今後の自分のキャリアについて悩んでいる場合も少なくありません。また、中には現状のキャリアで納得してしまい、モチベーションを見失いつつある人もいます。
    企業が積極的にキャリアデザインを支援することで、ミドルシニアの社員に目標を持って働いてもらうことが可能です。キャリアデザイン研修を実施したり、キャリア面談を実施したりして、ミドルシニアのキャリア開発をサポートしましょう。

    50代を対象としたキャリアデザイン研修を実施する際のポイントは、以下のページから詳しく確認いただけます。
    50代キャリアデザイン研修のヒント



    ミドルシニア向けの研修ならアルーにお任せください

    ミドルシニア向けの研修なら、人材育成を手掛けているアルーへお任せください。
    ミドルシニアの活躍を促すためには、研修を通じてリスキリングやアンラーニング、キャリアデザイン研修を実施すると効果的です。アルーでは、ミドルシニアの活躍を促すのに役立つ研修を豊富に用意しています。
    ここからは、アルーの提供しているミドルシニア向けの研修を紹介いたします。


    キャリアデザイン研修

    キャリアデザイン研修は、自分自身のモチベーションの源泉を理解し、主体的なキャリア構築を行うための一歩を踏み出すことを目的とした研修です。
    会社主導のキャリア形成から個人主導でのキャリア形成へと大きな転換を迎えつつある現代では、それぞれの社員がキャリアデザインの視点を持つことが欠かせません。
    アルーのキャリアデザイン研修では、自分自身の仕事に対するモチベーションを理解するワークなどが豊富に盛り込まれています。モチベーションを見失いがちなミドルシニアの社員だからこそ、キャリアデザイン研修を通じて今一度仕事のやりがいや意義を見つめ直し、前向きなキャリア構築を促しましょう。

    アルーが提供しているミドルシニア向けのキャリアデザイン研修は、以下のページから確認ください。
    40代キャリア研修

    ▼サービス資料をメールで受け取る

      40代キャリア研修サービス資料ダウンロード 「40代キャリア研修」のサービス資料をダウンロードいただけます。キャリアの変化に合わせて、自分がどのように変化していけばよいのかを学べます。 アルー株式会社


    MBTIワークショップ

    MBTIワークショップは、MBTIと呼ばれる検査を用いて、自己理解や他者理解を深める研修です。
    MBTIワークショップでは、まずMBTIの背景にあるタイプ論や4つの指標などを学んだ上で、実際に自身や他の受講者のMBTIを把握します。自分自身の性格タイプを知ることで、自分にはどういったキャリアが適しているのか考え直す機会となるでしょう。また、他者のMBTI診断の結果もグループワークで共有するため、普段関わっているメンバーが持っている価値観や行動特性を把握することができ、他者理解も深まります。

    MBTIワークショップについてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
    自分らしさを活かすことで仕事と他人との関わり方を考えるワークショップ~MBTI~

    ▼サービス資料をメールで受け取る

      自分らしさを活かすことで仕事と他人との関わり方を考えるワークショップ~MBTI~サービス資料ダウンロード 「自分らしさを活かすことで仕事と他人との関わり方を考えるワークショップ~MBTI~」のサービス資料をダウンロードいただけます。 アルー株式会社


    ビジネスモデルイノベーションワークショップ

    ビジネスモデルイノベーションワークショップは、ビジネスモデルを起点に仕事のモチベーションを見出す研修です。
    まずはビジネスモデル思考の概要について理解してもらい、自分自身を見つめ直すワークに取り組みます。その後、個人のビジネスモデルを描き、自分自身の価値を発揮する方法を考えてもらいます。
    記事の前半でも解説したように、ミドルシニアの社員は仕事に対するモチベーションを見失いがちです。ビジネスモデルイノベーションワークショップを通じて今一度自分自身が取り組んでいる仕事の意義を見つめ直し、キャリアプランの明確化を行ってみてください。

    ビジネスモデルイノベーションワークショップの詳細は、以下のページから確認いただけます。
    ビジネスモデルイノベーションワークショップ

    ▼サービス資料をメールで受け取る

      Business Model Innovation Workshopサービス資料ダウンロード ビジネスモデルキャンバスを用いて、個人のキャリアプランニングに活用し、当事者意識をもって自分自身のキャリアプランを描いていくワークショップ「Business Model Innovation Workshop」のサービス資料をダウンロードいただけます。 アルー株式会社



    まとめ

    ミドルシニアについて、注目されている背景や活躍するメリット、ミドルシニアが直面しがちな課題について解説しました。
    ミドルシニアは会社の中でも多くの割合を占める存在ですが、さまざまな原因でモチベーションが低下しがちなことも事実です。ミドルシニアが直面するこうした課題を解決できれば、ミドルシニアの持つ能力を一層引き出し、組織の生産性を大きく向上させることができるでしょう。積極的にミドルシニアのキャリア構築やリスキリングをサポートして、企業の競争力向上につなげていきましょう。


    アルー株式会社
    アルー株式会社
    20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
    お問い合わせ
    無料資料請求
    メガメニュー格納セクション

    おすすめセミナー

    人気記事ランキング

    タグ一覧

    お問い合わせ
    ページトップへ戻る