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50代キャリアデザイン研修のヒント

多くの企業で「キャリア研修」は行われていますが、少子高齢化が進んでいる現代では、50代に向けたキャリアデザイン研修が注目されています。

50代の社員は、20代・30代の社員に比べ、「今までの延長で良いのでは?」「すでに自分のキャリアは終わっているのでは」など、キャリアについてしっかり考えられている方は少ない傾向にあります。

ですが、企業側としては「継続して戦力になってほしい」「新たなことにも挑戦してほしい」という要望も強く、社員と企業の間でキャリアの考え方が乖離していることも多いのではないでしょうか。

今回は、50代の社員に対してキャリアデザインを行う目的・理由や、50代社員に向けたキャリアデザイン研修の事例についてご紹介します。
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目次[非表示]

  1. 1.50代社員のキャリアデザイン研修が重要な理由
  2. 2.企業の雇用義務は?
  3. 3.50代のキャリアに関する課題
  4. 4.50代のキャリアデザイン研修の3つのゴール
  5. 5.アルーの50代キャリアデザイン研修の例
  6. 6.アルー株式会社の50代キャリアデザイン研修を受けた人の感想
  7. 7.50代のキャリアデザイン研修ならアルーにお任せください


50代社員のキャリアデザイン研修が重要な理由

50代社員のキャリアデザイン研修が重要な理由は、以下の5つです。


  • 平均余命が延長している
  • 会社員の公的年金受給開始時期が繰り上がる傾向がある
  • 老後において、それなりに生活費が必要
  • 生活費に充てる貯蓄がなければ、働く必要があると想定される
  • 50代はミッドライフクライシスを迎える


これらの理由について1つずつ紹介いたします。


平均余命が延長している

厚生労働省の調査によると、50代のおおよその寿命を平均余命から算出した場合、男性は約83歳、女性は約88歳となっています。

参考:厚生労働省 主な年齢の平均余命

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等などの死亡率の変化が平均寿命を縮める方向に働いていますが、40年前と比較すると、75歳からの平均余命は男性では約4年、女性では約6年長くなっているため、高齢期の備えが必要になってきています。

50代の社員が主体的に働き続けられるよう、企業としてもキャリアデザイン研修を行うことによって社員の不安を払拭し、前向きになる動機づけをすることが重要になってきているのです。


会社員の公的年金受給開始時期が繰り上がる傾向がある

また、2000年の法律改正により、公的年金支給開始時期が男女共に60歳から65歳に引き上げられることになりました。

男性は2013年度から2025年度にかけて引き上げられ、女性は支給開始年齢が5歳低く設定されていたため、男性の5年遅れ(2018年~2030年)で引き上げが行われます。

中高年齢の社員が正社員として働く期間が長くなるため、社員の意識改革や働き方の再検討を行うタイミングでもあるのです。


老後において、それなりに生活費が必要

生命保険文化センターが行った調査によると、夫婦2人で老後生活を贈るうえで必要と考える最低日常生活費は、月額で平均23.2万円となっています。ゆとりのある老後生活を送るためには、平均で37.9万円が必要とされています。

また、厚生労働省の調査によると、高齢夫婦無職世帯の実収入は月20.9万円程度とされています。一方、実支出は26.4万円程度であるため、その差は月に約5.5万円とのデータも出ています。

参考:厚生労働省 提出資料

このように、老後において生活費が足りない方が多くなる可能性があるため、定年を迎えた後も働き続ける必要に迫られているのが、50代会社員の現状です。

人生100年時代と言われる現代の中で、定年を控えて再雇用を想定している方でも、立場や役割が変わっても働き続けることの大切さや、50代社員の経験の活かし方をキャリアデザイン研修によって再認識することが重要になっているのです。


生活費に充てる貯蓄がなければ、働く必要があると想定される

先述しましたが、老後の社会保障給付などを含めた実収入と、実支出との差は月に約5.5万円となっているため、赤字分は貯蓄から切り崩すか、その分だけ働く必要があると想定されています。

日本人は米国などに比べ、資産形成のリテラシーが低く、65歳~69歳の就業率は諸外国に比べて高い傾向にあります。

参考:人生100年時代における資産形成

そのため、定年後に再雇用を想定している方も多く、立場や役割が変わった後の自身の価値創出やマインドセットが必要になってくるでしょう。


50代はミッドライフクライシスを迎える

ミッドライフクライシス(中年の危機)とは、心や体、環境などが変化することを経験し、自身のアイデンティティについて葛藤したり、不安を感じたりする時期のことです。

40代~50代は人生の転換期とされており、今までとは同じ生き方はできなくなり、生き方や価値観の大きな転換が求められます。

若いころにある程度のポジションや役職についている男性ほど、ポジションを失うことへの恐怖や不安が大きく、ミッドライフクライシスに陥りやすいとされています。

ミッドライフクライシスを克服するためには、自分を再定義し、自己のありたい姿と価値観を再構成する必要があります。

この手助けをするのが、企業で行うキャリアデザイン研修なのです。




企業の雇用義務は?

先述したように、公的年金受給開始時期が60歳から65歳に引き上げられたことにより、多くの企業が設定している定年60歳から受給開始までの5年間を埋めなければ、多くの人の生活が立ちいかなくなってしまうおそれが出てきました。

そこで、2021年の法改正により、次のいずれかの措置を取ることが義務付けられました。


  1. 定年を65歳まで引き上げる
  2. 希望者全員を対象として、65歳まで継続雇用する制度を導入
  3. 定年制を廃止


定年を65歳まで引き上げる場合には、問題は生じないのですが、2の継続雇用制度を導入する場合には、定年に達した時点で退職とし、その後新たに雇用契約を結ぶことになるため、賃金などの労働条件が変更されることが一般的です。

そのため、今までの立場が変わってしまう、給与が変わってしまうということが多く、50代社員の方は再雇用に向けたマインドセットやどのように働いて行くかの準備をしていく必要があるでしょう。

また、65歳までの雇用確保に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、努力義務ではありますがいくつかの措置を新設しています。

高年齢者雇用

参考:厚生労働省 高年齢者雇用安定法 改正の概要

50代社員は定年後には働き方が変わってしまうことが多く、それにあわせた目標の再設定が必要になるでしょう。




50代のキャリアに関する課題

悩む男性

ここまで、高年齢者社員はまだまだ現役で働くことを企業としても社会としても求められているという現状と、キャリアデザイン研修の重要性を紹介いたしました。

しかし、50代社員の中には、立場や仕事内容・給与が変わることへの不安を抱えていたり、既に自分のキャリアを諦めてしまったりしている方も多くいます。

ここでは、50代社員のキャリアに関する課題について解説いたします。


立場・仕事内容・給与の変化を受け入れられない

先述のように、企業側が希望者全員を対象として、65歳まで継続雇用する制度を導入している場合には、今の立場や仕事内容、給与などが変化することが一般的です。

そのため、今までのキャリアが失われることや、仕事内容・給与が変わることによるモチベーションの低下などが課題として挙げられるでしょう。


仕事に対する意義付けができない

50代の社員の多くは、定年が近づき、自身のキャリアアップ・スキルアップに限界を感じがちです。

また、定年後には給与や立場が変わることによるモチベーションの低下により、仕事に対しての気持ちも変わってくるでしょう。そのため、「もう自分のキャリアは諦めている」「余生・消化試合のように感じている」、または「生活費を稼ぐだけのアルバイト感覚である」という社員も多くなります。

このようなことから、仕事に対しても上手く目標立てができなくなったり、意義付けができなくなったりすることも課題として挙げられます。

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会社の期待と社員の認識にギャップがある

65歳まで働くことを考慮すると、50歳の社員であれば働く期間は15年以上あります。

企業にとっては、「現役」として今まで培ったスキルや経験を活かして働いて欲しいという思いがあることが多いでしょう。

ですが、社員としては「消化試合のように感じている」「自分のキャリアを諦めている」というような認識であることが多く、また、自分のキャリアについてしっかりと考えている人が少ないため、認識にギャップが生まれてしまいます。

まだまだ企業の中心として活躍してもらいたいのに、社員のモチベーションや今後の不安を払拭できていない、という課題を抱えることが多くなるでしょう。




50代のキャリアデザイン研修の3つのゴール

では、50代のキャリアデザイン研修においては、どのような目標・ゴールを設定するべきなのでしょうか。

ここでは、アルーの考える50代のキャリアデザイン研修のゴールについてご紹介します。


自律的キャリアの必要性を理解する

一つ目は、自律的キャリアの必要性を理解することです。

自律的キャリアとは、変化する環境において自らのキャリア構築と学習に主体的に取り組むことです。

高年齢者社員は、キャリアを諦めてしまっていたり、いまさら学習をすることに抵抗感を抱いたりしていることも多くあります。

50代社員に向けたキャリアデザイン研修では、「元役職者で現在いきいきとセカンドキャリアを実現している方の体験談」などを伝え、優秀か優秀でないかではなく、セカンドキャリアに向けて準備をしたかしなかったかが重要であることを伝えることが大切です。


セカンドキャリアを描ける

50代社員に向けたキャリアデザイン研修では、受講者の現状を自身で認識することで、セカンドキャリアをイメージしてもらうことができます。

研修内では、キャリアの棚卸しをしながら自分の価値観や人生を振り返り、今後、どのようなセカンドキャリアを歩んでいくべきか具体的な目標を作ることで、明日からやるべき行動が分かるようになります。

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仕事の意義付けができる

高年齢者社員は、セカンドキャリアを「余生」「アルバイト感覚」と捉えていることを課題として挙げました。一方、企業側はこの先15年以上にも及ぶ期間を、まだまだ現役として働いて欲しいという思いを抱いており、高年齢者社員と企業の認識の間にギャップがあります。

研修を通して企業側の期待と目標を伝えることで、新たな活躍の仕方や、今後の役割について知り、目標に対してどのように動けばいいのかを知ってもらうことができるでしょう。





アルーの50代キャリアデザイン研修の例

これまで、50代のキャリアデザイン研修の意義や目的についてご紹介しました。

ここでは、アルーが行っている50代キャリアデザイン研修の例をご紹介します。

アルーの50代のキャリアデザイン研修は、以下の流れで進めていきます。


  1. イントロダクション
  2. Willを考える
  3. Canを考える
  4. Mustを考える
  5. アクションプランを考える


これらのプログラムについて詳しく解説いたします。


イントロダクション

イントロダクションでは、一人一人が自分自身のことを見つめ、それを他者に伝え、他者から質問やフィードバックを貰うことで内省を促していきます。

場合によっては自己開示や傾聴についての簡単なワークを実施します。

セカンドキャリアの現在のイメージについて考えて貰い、受講者の現状を自身で認識してもらいます。

そのうえで、今後予想される環境の変化を伝え、その環境の中でどのようなロールモデルがいるのかを知ってもらいます。


Willを考える

次の段階では、ライフラインチャートを使い、これまでの振り返りを行います。

年代別キャリア研修

日本人は自身のやってきたことを過小評価したり、自身の価値に気付いていないことが多いため、それを引き出す場づくりがポイントです。

ライフラインチャート以外にも、キャリア・アンカーやホランドの6角形モデルなどを用いて、自身の振り返りを行います。


Canを考える

振り返りを行ったら、自身の強みを理解し、キャリアビジョン実現のためにどのように活かして行けるのかを考えてもらいます。

お金に換算できない「スキル」「友人関係」「家族」「人的ネットワークを持っていること」などの無形資産を棚卸しし、多様な強みの存在について理解を深めてもらいます。

「ストレングスファインダー」などの診断ツールも有用でしょう。個人の「強みとなりうる資質」を診断でき、理解を深めることができます。


Mustを考える

自身の強みを理解したうえで、どのようなことを行っていくべきかを考えてもらいます。

その道の専門家として、現業の第一線での業務を担うのか、専門分野を活かしてソリューションを提供するのか、自身の人脈や経験・スキルを後輩に指導・伝承していくのかなど、どのように価値を発揮できるかを考えます。


アクションプランを考える

今後の役割の変化を捉え、各節目の状態を明確にします。どのように価値を発揮していくか、具体的なアクションプランを考えて貰います。

たとえ現在40歳の社員の場合、近い将来(55歳)と遠い将来(65歳)時点で仕事や家族、社会とどのような関わりを持っていたいか、どの役割に重きを置きたいかを考えていきます。

節目ごとにどうありたいかを意識できるため、そこに向けてどう行動していくべきかを定めることができます。




アルー株式会社の50代キャリアデザイン研修を受けた人の感想

ここでは、アルーの50代キャリアデザイン研修を受けた方の感想をご紹介します。


  • 錆びついた自分を見つめなおすことができました。輝いていた若き頃は公私ともに充実していたなと思い出しました。結局のところ公私ともに充実していることが、パフォーマンスアップに繋がることに気づけました。
  • 会社、私生活を含め引き出しが少ないと思っていました。受講してみて、そう感じているのは自分だけではないのだなと知りました。また敢えて何か始める必要って有るのかと思っていましたが、定年までアッという間ですのでちょっと何かやってみるのもいいかもと思えました。
  • 自分の強みについて、過去の仕事を振り返り、あらためてこれまでのキャリアに納得できました。
  • 定年後は「のんびりしたい」と考えていましたが、定年後の時間が現役で過ごした時間ほどあることを知り、のんびりだけではボケてしまうと気づかされました。
  • 改めて将来の自分を考える良いきっかけになりました。また、グループワークでは、いろいろな意見が聞け、客観的に自分を捉える良い機会でした。ストレングスファインダーは、自身の思考、傾向を再認識でき、今後のアクションの参考とできそうだと思いました。





50代のキャリアデザイン研修ならアルーにお任せください

人生100年時代と言われる現代。50代社員には新しいキャリアデザインをしてもらう必要があります。

自身の強みや今できることを考え、いきいきと活躍してもらうためにも、企業側もキャリアデザイン研修を通じて働きかけをしていくことが大切になるでしょう。

アルーでは、50代のキャリアデザイン研修を行っています。50代社員の自律的キャリアを促す研修のヒントが知りたい、50代社員に今後の自分らしい働き方を見つけてほしいという人事担当者の方は、ぜひ一度アルーにご相談ください。

また、詳しいキャリアデザイン研修のヒントは、以下のセミナー動画で解説しております。併せてご確認ください。

  50代キャリアデザイン研修企画のヒント アルーは、オーダーメイドの研修をはじめ、人材と組織の課題を解決へと導くトータルソリューションを提供しています。新人から管理職、経営層、グローバル人材までプロフェッショナルの育成を支援します。人材の育成に関する事例やノウハウをセミナーでお伝えします。 アルー株式会社


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アルー株式会社
アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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