オンラインチームビルディングにおすすめのゲームと事例を紹介
チームのパフォーマンスを最大限に引き出すうえで欠かせないチームビルディング。
チーム力を高めていくために実施されることが多く、さまざまな企業で浸透している取り組みです。
最近では、各メンバーのスキルや経験を最大限に発揮し、今よりも良いチームを構築するための研修やコミュニケーションを行う「チームビルディング」を、オンラインで実施する企業も増えてきました。
今回は、チームビルディングをオンラインで実施する際におすすめのゲームや、チームビルディングをオンラインで実施した事例について解説します。
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テレワーク下で、チームビルディングが求められる背景
新型コロナウィルス感染症の影響により、テレワークを導入する企業が増えてきています。
チーム全体を目標達成に導くチームビルディングは、チームメンバーと対面で接することの少ないテレワーク環境下だからこそ求められている取り組みといえます。
オンラインで業務を進めるなかで、チームビルディングが必要となる背景について見ていきましょう。
同僚とのコミュニケーション不足に不安を感じる人は多い
テレワークで仕事を進める際、同僚とのコミュニケーション不足が大きな不安材料となっています。
2020年に日経BP総研イノベーションICTラボが実施した調査では、テレワーク時の不安材料や阻害要因として48.0%の方が「同僚とのコミュニケーションに支障がある」と回答したという結果も出ています。
コミュニケーション不足に陥りやすいテレワーク環境下では、チーム内のコミュニケーションを活性化するためのチームビルディングが必要不可欠といえるでしょう。
参考:テレワークの「新たな課題」ダントツ首位はあれ、独自調査で判明
関係の質を向上させることは、結果の質も向上させる
仕事で成果を挙げるためには、チーム内における「関係の質」を向上することが必要不可欠です。
MITのダニエル・キム教授は、チームがパフォーマンスを発揮するうえで重要な概念である「成功の循環モデル」を提唱しています。
この概念によると、チーム内の関係の質を向上させることで、メンバーの思考の質を向上させることが可能です。
思考の質が向上することで行動の質が改善され、その結果、チーム内に良い結果をもたらすことができるというのが成功の循環モデルです。
チームビルディングの取り組みは、このような好循環をもたらす面においても有効な取り組みだといえます。
良い組織に必要な3要素のうちの一つ
良い組織の共通点には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
バーナードの「組織の3要素」によると、良いチームに共通するのは以下の3つです。
- 共通の目的
- 組織への貢献意欲
- コミュニケーション
チームビルディングに取り組むことで、上記の3つを満たすチームを作り上げることができるでしょう。
オンラインでチームビルディングを行う効果・メリット
これまでは対面形式が主流だったチームビルディングですが、最近ではオンラインで行うケースも珍しくありません。
しかし、オンラインでチームビルディングをするのは難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。実は、オンラインでチームビルディングを行うからこそ得られるメリットも多いのです。
ここでは、オンラインでチームビルディングを行った際の効果とそのメリットについて紹介します。
コミュニケーションの活性化
新型コロナウィルス感染症の流行や働き方改革の一環として、最近ではテレワークを導入する企業が増えてきています。
一方で、上述したようにコミュニケーション不足に不安を抱えている企業も多く、テレワークにしたことにより、業務内でのコミュニケーションが減ってしまったと頭を悩ませている企業も少なくありません。
チームビルディングをオンラインで実施すれば、業務のオンライン化に伴って発生したコミュニケーション不足を補うことができます。
そのため、コミュニケーションの活性化という点がオンラインでチームビルディングを行う第一のメリットといえるでしょう。
参加者が平等に発言できる
対面形式でアイスブレイクやディスカッションを行う際、「気づいたら限られた人しか発言しなくなっていた」といった事態を経験した方も少なくないのではないでしょうか。
一方、オンラインでチームビルディングを実施する際、少人数でのコミュニケーションが取れる「ブレイクアウトセッション」を活用できるため、参加者に平等な発言を促すことができます。
このように発言者が偏らなくなる点も、オンラインでチームビルディングを行う大きなメリットといえます。
どこからでも参加できる
オンライン上で業務を行う際の最大のメリットとして、どこからでも参加することができるという点が挙げられます。
それは、チームビルディングを実施する際でも例外ではありません。
オンラインでチームビルディングを実施することで、遠方から出向いてもらう必要がないというところも大きなメリットといえるでしょう。
また、実施する場所も気にする必要がないため、海外に住んでいる社員や遠方の拠点などとも簡単に連携できます。
普段は関わりの少ない社員と交流することで、新しい発見が生まれるということも少なくありません。
コスト削減になる
一般的には、チームビルディングを実施する際は「会場となる会議室を確保する」「ホワイトボードや机、椅子を用意する」といったコストが発生します。
会場の準備に時間や手間がかかるのはもちろん、金銭的なコストも決して無視することはできません。
オンラインでチームビルディングを実施すれば、そういったコストを削減できるというメリットがあります。
交通費や会場代で浮いた分のコストを、外部講師の依頼や交流のための費用に回すことで、より質の高いチームビルディングを実施することが可能です。
オンラインでできるチームビルディングにおすすめのゲーム
オンラインでチームビルディングを行う際には、対面形式で実施する際とは異なる取り組みが求められます。
オンラインで不足しがちなコミュニケーションを活性化させるためにも、ゲーム形式でチームビルディングを実施するのがおすすめです。
オンラインで実施するチームビルディングにおすすめのゲームを5つ紹介します。
願いの共有
「願いの共有」は、参加者それぞれが持っている願いを分かち合うことを目的としたアクティビティです。
まずは、5分間程度の個人ワークで、「もっとこうしたい」「こうだったらいいな」といった願いを思い浮かべていきます。
このとき、自分の願いを共有ドキュメントなどに書き込んでいくのがおすすめです。
その後、グループワークを25分程度実施し、書き出したものを声に出しながら共有していきます。
このように、それぞれのメンバーが思っている願いを共有することで、その後のワークが活発になるための土壌を作ることができるでしょう。
クエスチョンバースト
「クエスチョンバースト」とは、組織としての「問い」を明確化させるためのゲームです。
たとえば、「部の生産性を上げる」といった目標を明確化し、その後、4分程度の個人ワークで頭の中に浮かぶ問いをチャットなどに書き込んでいきます。
問いの例として、
- 業務プロセスに非効率な点はないだろうか
- 現在のチームでコミュニケーションが不足していないか
- 社員に足りていないスキルは何か
といったものが考えられます。
個人で問いを書き出したあとは、15分程度のグループワークで問いを集約していきます。
個々が挙げた問いの共通項を探していけば、組織として持つべき「問い」を明確化することができるでしょう。
組織として「問い」を共通認識として持つことができれば、組織全体でその問いの答えを探す動きができるようになります。
Talking in the Park
Talking in the Parkとは、会話形式のカジュアルな雰囲気でメンバーへの想いを伝えるユニークなゲームです。
参加者全員が公園で雑談をしているという前提で、一人が「寝落ち」します。
寝落ちした人は、画面に対して後ろを向くのがポイントです。
その後、残ったメンバーは「寝落ちした人のすごいところや感謝しているところ」「こうなったらさらに良くなるところ」などをそれぞれ2〜3分程度で語ります。
時間が経ったら、寝落ちした人がメンバーの方を向き、話していた人たちが「あ、起きたね、おはよう」などと言って迎え入れます。そして、寝落ちした人が話を聞いて感じたことをメンバーに一言伝えるというゲームです。
その結果、表面的な事柄だけでなく、普段はなかなか話さない「人となり」に対する熱いメッセージを届けることができます。
嘘つきあてゲーム
嘘つきあてゲームとは、嘘つきを当てるというテーマを通してチーム内でのコミュニケーションを活性化できるアクティビティです。
3〜5人程度から構成されるグループを作り、グループごとに「お題」を与えます。
その後、チーム内で1人だけお題に対して嘘をつく人を決め、残りの人は本当のことを話すようにします。
チーム間で質問を交わしていき、最終的に誰が嘘つきなのかを見破ることができたチームの勝利です。
このゲームでは、嘘つきを当てるために必要な洞察力や相手の表情を読み取る力が養われると同時に、嘘つきを見破られないための作戦を考える協力姿勢も向上させることができます。
条件プレゼン
条件プレゼンゲームは、各チームにいくつかのキーワードを渡し、それぞれのチームがキーワードをすべて盛り込んだプレゼンを実施するというゲームです。
方法はシンプルですが、キーワードのチョイスによってゲームの難易度に幅が生まれるため、バラエティ豊かなゲームといえます。
「キーワードをどう盛り込むか?」といった作戦を考えるということを通じて、チーム内での結束が生まれることが期待できます。
また、キーワードの盛り込み方を考える想像力やプレゼンスキルといった実用的なスキルも磨かれるでしょう。
チームビルディングをオンラインで行った事例①
ここからは、チームビルディングをオンラインで行った実際の事例について紹介します。
一つ目はアルーの商品開発部で行なったオンラインでのチームビルディングの事例です。
状況と実施目的・企画方針
当社の商品開発部では、組織が一新され、新体制となりました。
商品開発部においても人の入れ替わりが激しかったため、チームビルディングの取り組みをはじめることにしました。
組織内にはお互いに交流が薄かったメンバーが多く、商品開発部に新しく着任したメンバーも多かったため、まずはお互いのこと、商品開発部という組織への理解を深めるのを目的としてチームビルディングを実施しました。
メンバーに対して負荷のかかりすぎない楽しいアクティビティを意識した事例です。
行った取り組み
チームビルディングは以下の流れで行いました。
- 主旨説明・チェックイン
- 自己紹介:私の好きなもの
- 部の歴史を知る
- チェックアウト
オンラインにおけるチームビルディングの概要の説明と併せて、テーマに沿って一言ずつ話をするチェックインを行いました。
話しやすい場の雰囲気を作るため、「今の気持ちを天気で表すと?」や「最近あった嬉しいことは?」、「最近あった楽しいことは?」といった問いを積極的に投げかけます。
その後、お互いについて知るために「私の好きなもの」をテーマとした自己紹介を実施しました。
また、「部の歴史を知る」というテーマで企画者が部の歴史を整理した資料を共有し、グループワークにて意見交換する場を設けました。
ワークショップ後のメンバーの声
ワークショップ実施後には、メンバーから「互いの理解が深まった」という趣旨の意見が多く出されました。
特に、「メンバーのことを知れて嬉しかった。もう一つのグループのメンバーの共有も聞いてみたい」といった意見も出され、参加者のお互いに対する興味を向上させられたことが伺えます。
また、「なぜ現在のような体制になったのかを理解できた」といった声や、「自身の業務の位置づけを知れて、自分なりの仕事の意義を見つけられた」といった声もありました。
また、部署内では「私の好きなもの」をテーマにした自己紹介で知った共通のトピックで雑談をするようになったり、自分の成果物を共有し、承認のメッセージを送りあうなどの変化が生まれました。
チームビルディングをオンラインで行った事例②
2つ目の事例は、アルーの営業部において、組織が再構成されてから半年が経過した際に行われたものです。
若手社員が先輩社員に質問するのを躊躇しているといった課題解決のため、メンバーが遠慮なく意思表明をできる雰囲気作りを目的にチームビルディングを行いました。
グループマネージャーも含めた幅広い縦のつながりが構築できた成功事例です。
状況と実施目的・企画方針
改組から半年が経過した営業部では、「経験の浅い社員が先輩社員に対して質問するのを躊躇してしまっている」「若手社員が全体会議で意見を発表したがらない」といった課題点がありました。
このような状況を改善するため、社歴や経験による見えない壁を取り払い、組織としての一体感を醸成することを目的に行われたのが本事例です。
社歴や経験に関係なく、公平に意見表明ができるよう組織の外部の方がファシリテーターとなり、より「開かれた場」を目指すという方針のもと行われました。
行った取り組み
チームビルディングは以下の流れで行いました。
- 主旨説明・チェックイン
- みんなで当てよう!3択クイズ!
- 今だから話せる恥ずかしい〇〇
- 今こそ話したい〇〇
- 対話 「どう働いていたい?どんな場で働いていたい?」
- チェックアウト
現場にとってチームビルディングの取り組みが負担とならないよう、「クリスマスパーティー」形式で実施したのが本事例の特徴です。
まずは趣旨説明とチェックインを行い、その後「みんなで当てよう!3択クイズ」を実施しました。
この3択クイズでは、メンバーそれぞれが自分自身のことについて3択クイズを作り、お互いに答えを当て合います。
その後、「今だからこそ話せる恥ずかしい〇〇」や「今こそ話したい〇〇」を共有してもらいました。
それぞれ1人5分〜7分程度で話してもらい、自分自身について知ってもらう機会を設けました。
ワークショップ後のメンバーの声
クリスマスパーティーという懇親会の要素を兼ねて実施したため、メンバーが楽しみながらチームビルディングに参加できました。
具体的には、「グループマネージャーも昔はそんなミスをしていたのかと知り、親近感が湧いた」といった声が聞かれ、組織内での縦のつながりが生まれたことが伺えます。
また、本事例では懇親会費用で豪華なランチを宅配しましたが、「部長やグループマネージャーが忙しいなか、企画やランチの手配をしてくれたことに感動した」といった声もあり、組織内での信頼関係が構築できました。
ワークショップ後には、全体会議でビデオをONにするメンバーが増えたり、部長からの一方的な伝達で終わるのではなく、全体で質問や意見の発信をするメンバーが出てきたりといった変化がありました。
チームビルディングをオンラインで行った事例③
最後に紹介する事例は、アルーの商品開発部において組織内のエネルギーを高めるために実施されたものです。
このケースでは目立った問題は発生していなかったものの、働き方や業務プロセスなどについて細かな改善を行うためにチームビルディングを実施しました。
チームビルディングによってメンバー間の理解が深まったと同時に、個人の目的意識も高められた事例です。
状況と実施目的・企画方針
当時のアルーの商品開発部は、組織が構成されてから半年以上が経過していました。
目立った問題こそ発生していないものの、より一層業務プロセスや働き方を改善することができそうだと各自が感じていました。
そこで、個人や組織として生産性を向上させるために実施されたのが、オンラインによるチームビルディングです。
限られた時間でできる限り各メンバーの声をアウトプットして、組織内のエネルギーを高めるという方針のもと行われました。
行った取り組み
チームビルディングは以下の流れで行いました。
- 主旨説明・チェックイン
- 願いの共有
- クエスチョンバースト
- 全体共有
- チェックアウト
趣旨の説明とチェックインを行ったあと、それぞれが持っている願望や目的意識を引き出すため、先程紹介した「願いの共有」を実施しました。
個人ワークとグループワークを通して、それぞれが持っている願望を言語化します。
その後、「願いの共有」のセッションで作った土台をもとに、クエスチョンバーストを実施しました。
メンバーそれぞれが主体的に「問い」を投げかけることで、組織全体として向かうべき方向性が明確化されました。
ワークショップ後のメンバーの声
ワークショップの実施後には、チーム内の課題意識が上昇したという意見が多く聞かれました。
特に、「自分だけでなく、ほかのメンバーも似たような問題意識を持っていると知れた」といった声が目立ち、チーム内での問題意識が効果的に共有できたことが伺えます。
また、「願いや問いを発して刺激を受け、自分自身のやりたいことが浮かんだので、発信していきたい」といった声も聞かれました。
メンバーが持つ問題意識を共有するとともに、問題解決に向けた主体性も引き出せた事例です。
ワークショップ後には、毎週業務改善の会議を行い、より効率的な仕事の進め方を検討するようになったり、Slakなどでのコミュニケーションが活性化したりといった変化が起こりました。
オンラインチームビルディングならアルーにお任せください
アルー株式会社は、人材育成を専門に手掛けてきた企業であり、チームビルディングの実績も数多くあります。
チームビルディングをオンラインで実施することをご検討の際は、ぜひアルー株式会社へお任せください。
▼オンラインでのチームビルディングについては動画でも解説しています。こちらからご覧ください。
また、オンラインでチームビルディングを実施する際には、対面形式でチームビルディングを実施する際とは異なるノウハウが必要です。
ぜひこの記事の内容を活用して、効果的なオンラインでのチームビルディングを実施していきましょう。