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インクルージョンとは?明らかになってきた問題点も含めてわかりやすく解説

インクルージョンは、現代の多様化する社会では不可欠な考え方です。本記事では、インクルージョンの意味、ダイバーシティ・エクイティとの関係、問題点などを紹介します。


▼ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに役立つ研修2選




目次[非表示]

  1. 1.インクルージョンとは
  2. 2.インクルージョンが普及した背景
  3. 3.ダイバーシティとの関係
  4. 4.インクルージョンとエクイティとの関係性
  5. 5.インクルージョンを企業で導入するメリット
  6. 6.インクルージョンの問題点
  7. 7.インクルージョンの企業導入のポイントと注意点
  8. 8.インクルージョン推進の具体的な施策
  9. 9.インクルージョンの実施例
  10. 10.インクルージョン推進に向けた研修事例
  11. 11.まとめ

インクルージョンとは

インクルージョンとは、多様な人々がそれぞれに違いを認め合い、尊重し合いながら、社会の一員として共に生きていくことを目指す考え方です。これは、年齢、性別、性的指向、人種、民族、宗教、障がいの有無、社会経済的地位など、あらゆる違いを包括的に受け入れることを意味します。
インクルージョンは、単に多様性を許容するだけでなく、それぞれの個性を尊重し、その違いが社会全体を豊かにするという認識に基づいています。現代では、社会、教育、職場など、様々な場面で用いられる言葉です。多様性を認め合い、誰もが参加できる社会の実現を目指すため、ビジネスシーンにおいてもよく用いられています。
ビジネスシーンにおいては、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)」として語られることも多いです。人材の採用や育成、昇格を行う際などにインクルージョンの考え方を重視し、人種や性別、年齢などによって不利益が生じないような仕組みづくりが求められています。


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策


インクルージョンが普及した背景

インクルージョンの考え方が普及した背景としては、生産年齢人口の減少や価値観・消費ニーズの多様化、グローバル化の進展により、異なる文化や価値観を持つ人々が共存するようになったことが挙げられます。また、情報技術の発達により、多様な意見や考え方が共有されるようになったことや、人権意識の高まり、障害者差別解消法などの法整備も、インクルージョンを推進する大きな要因となっています。

元々インクルージョンは、ヨーロッパで「ソーシャル・エクスクルージョン(社会的排除)」に対抗する形で生まれた概念です。ソーシャル・エクスクルージョンとは、サービスや権利が一部の人に提供されない状態のことを指します。社会的弱者を排除せずに社会の中で支えることを「社会的包摂」と呼び、「ソーシャル・インクルージョン」が福祉、教育、ビジネスの各分野に広がりました。
教育分野では、1994年のUNESCOサラマンカ声明やアメリカの「個別障害者教育法」によって、障がいのある子どもが通常の教室で学ぶ「インクルージョン教育」が推進されました。
ビジネス分野では、ダイバーシティとともに「インクルージョン」が重要視されるようになります。日本でも企業行動憲章内で以下のように言及されています。

多様な人材の就労・活躍を促進する人事・処遇制度を 構築・拡充し、ダイバーシティ、エクイティ&インク ルージョンを推進する


監修者からひと言


大手企業にとっては「ダイバーシティ」は新しい考え方ではなく、以前から取り組まれてきた施策の一つでしょう。以前からダイバーシティに取り組んでいた企業の多くは、推進していく中でダイバーシティの考えだけでは不十分だということに気付き、エクイティやインクルージョンの考え方を取り入れるようになってきています。また、最近取り組みを始めた企業の中には、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を最初から導入する企業もあります。


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ダイバーシティとの関係

ここでは、インクルージョンとダイバーシティの関係性について解説します。両者を重視するダイバーシティ&インクルージョンは、創造性や幸福度を高めるための重要な考え方であり、現代社会において重要性が増しています。


ダイバーシティとは

ダイバーシティとは「多様性」を意味し、年齢、性別、人種、民族、宗教、性的指向、障がいの有無などによって違いがあるさまを表します。また、多様性を受け入れ、それぞれの違いを認め合うことを「ダイバーシティ」と呼ぶ場合もあります。
異なる視点や経験を組織や社会に取り入れることで、創造性やイノベーションを促進し、より良い成果を生むことができます。企業がダイバーシティを推進する際には、全ての人材に平等な機会を提供し、多様な人々が活躍できる環境を作ることが重要です。

ダイバーシティについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ダイバーシティの取組み事例10選。ダイバーシティとはなにかを簡単解説


インクルージョンとダイバーシティの違い

インクルージョンとダイバーシティは関連性があるものの、それぞれ異なる概念です。以下にその違いを説明します。



ダイバーシティ

インクルージョン

定義

人々の違いや多様性を認識し、受け入れることを指す。人種、性別、年齢、国籍、文化、宗教、能力、性的指向など、さまざまな属性が含まれる。

組織において一人ひとりが自分らしさを発揮し、独自の持ち味を活かして生き生きと働けること。ダイバーシティを実現した後、それを活かすための環境作りに重点を置く。

焦点

多様性を持つ環境を整えることを目的に、多様な人材を組織や社会に迎え入れることに焦点を当てる。

すべてのメンバーが自分の意見を自由に表現し、貢献できる文化の構築を目指し、組織内での相互関係や一体感に焦点を当てる。

目的

組織や社会において、多様なバックグラウンドを持つ人々が差別なく働ける環境を提供すること。

多様な人材がその能力を最大限に発揮でき、自己の価値を感じながら働ける環境を提供する。

ダイバーシティは「多様性を持つこと」を重視し、インクルージョンは「その多様性を活かすこと」を重視します。ダイバーシティがあってもインクルージョンがなければ、多様な人々がその能力を発揮できない可能性があります。したがって、ダイバーシティを重視するのであれば、インクルージョンも同時に叶えていくことが求められます。


ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とは

ダイバーシティ&インクルージョンは、ダイバーシティとインクルージョンの両方を重視する考え方です。多様性を認め、尊重し、活用するだけでなく、誰もが参加できる環境を整備することで、より良い社会を実現することを目指します。ダイバーシティ&インクルージョンは、現代社会において重要性を増しています。

ダイバーシティ&インクルージョンが重視される理由は、以下のとおりです。


  • グローバル化が進んでいる
    グローバル化が進み、異なる文化や価値観を持つ人々が共存するようになってきました。グローバル化した社会で競争力を保つためには、企業も多様性を重視する姿勢が必要です。
  • 人口減少と高齢化
    人口の減少と高齢化により、労働力不足が問題となっています。多様な人材を活用することで、働き手を確保する必要があります。
  • 持続可能な社会の実現
    企業が持続可能な社会の実現に取り組むには、環境問題や社会問題に対する多様な視点やアイデアが不可欠です。ダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、さまざまな背景を持つ人々の意見や知識を集約し、より良い解決策を見出すことができます。


監修者からひと言


労働力の確保が困難になり、グローバル化といった社会変容が起こっている今、企業で働く人々の国籍、価値観、ライフスタイルなどが多様化しています。多様な人材を受け入れ、一人ひとりの能力を最大限に活用することが、企業の持続的成長には不可欠です。そのため、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が求められています。


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策


インクルージョンとエクイティとの関係性

エクイティとは、「公平性」という意味で、誰もが平等な機会と資源を得られるようにすることを目指す考え方です。インクルージョンは、多様性を認め、尊重し、誰もが参加できる環境を整備することを目指す考え方ですが、エクイティは、インクルージョンを叶えたうえで、誰もが平等な機会と資源を得られるようにするための取り組みを指します。例えば、障がいのある子どもたちが、健常な子どもたちと同じように教育を受けられるように、特別な支援を提供することがエクイティの考え方です。この例でいうと、「インクルージョン」は、障がいのある子どもたちが学校に通うことを可能にする環境整備を指します。一方エクイティは、環境整備をした上で、障がいのある子どもたちが学習面で遅れをとらないように、特別な支援を提供することを指します。このようにインクルージョンとエクイティは、どちらも社会の公平性を目指す考え方ですが、アプローチが異なるのです。

DE&Iの広がり

近年、従来のD&Iにエクイティを加えた、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)という、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の3つを組み合わせた概念が生まれています。社会にはさまざまな不平等が存在し、単に差別を排除するだけでは解決できない問題があります。例えば、性別や障がいの有無によるキャリアの制約がある場合、平等な機会を提供するだけでは不十分です。DE&Iは、スタート地点からの不均衡を是正し、真の平等を実現するために重要なアプローチです。
DE&Iは、現代の企業や社会において不可欠な要素となっており、効果的に実施することで競争力を向上させることができます。


監修者からひと言


エクイティを推進するためには、社員一人ひとりがもっている心理的・物理的バリアを取り去ることが必要です。心理的・物理的バリアの有無に関わらず、だれにでも平等な機会を与え、パフォーマンスを発揮しやすい機会を提供していく考えとしてとても重要な考え方です。


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策


インクルージョンを企業で導入するメリット

インクルージョンを企業で導入するメリットとして、以下の3つが挙げられます。


  • 生産性向上
  • 優秀な人材の獲得
  • 企業イメージの向上


それぞれ解説していきます。


生産性向上

インクルージョンを導入することで、組織内に多様な視点やアイデアを取り入れることができます。問題解決や新しいアイデアの創出、イノベーションを促進することができるでしょう。また、インクルーシブな環境では社員が自由に意見を表現できるため、エンゲージメントが向上し、モチベーションが高まります。この結果、仕事の効率が上がり、生産性が向上するでしょう。


優秀な人材の獲得

インクルージョンを重視する企業は、全ての社員が価値を感じられる魅力的な職場環境を整えることができます。結果として、多様なスキルや視点を持つ優秀な人材が集まり、企業の競争力が強化されます。インクルージョンを推進することで、企業の成長や新たな市場機会のチャンスに繋がるのです。


企業イメージの向上

インクルージョンの導入によって、企業は社会的責任を果たす姿勢を示すことができます。社会貢献活動をアピールすることで社会的評価を得やすくなるでしょう。また、インクルーシブな企業は社会的課題に敏感であり、その姿勢が顧客や投資家からの信頼を獲得し、ブランドイメージの向上や長期的なビジネス関係の構築に繋がります。

監修者からひと言


インクルージョンを企業で導入するメリットの1つに、リテンションがあります。多様な人材がその能力を最大限に発揮でき、自己の価値を感じながら働ける会社であれば、「この会社でさらに働き続けたい」という帰属意識に繋がるでしょう。


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策


インクルージョンの問題点

インクルージョンは、誰もが参加できる環境を整備することで、社会全体の幸福度を高め、持続可能な社会の実現に貢献するメリットがあります。しかし、インクルージョンを実現するためには、多様なニーズに対応する必要があるため、コストや労力がかかる可能性があります。

以下に、インクルージョンの問題点をまとめます。


  • コストと労力の増加
    多様なニーズに対応するために、追加のコストや労力がかかる可能性がある
  • 偏った配慮により疎外感を生む
    特定のグループに過度に配慮しすぎると、他のメンバーが疎外感を感じることがある
  • 変化に対する抵抗が起こる
    新しい文化や慣習を受け入れる際に、既存メンバーから抵抗が生じることがある
  • 組織マネジメントが複雑化する
    多様なニーズを考慮するために組織の管理・運用フローが複雑になり、意思決定が遅れることがある


インクルージョンを推進していく際には、これらの問題点が起こり得ることを認識し、対策を行う必要があります。


監修者からひと言


インクルージョンの問題の一つに、管理職の意識変革があります。インクルージョンの考え方を導入する前の企業文化に慣れていた社員からすると、「昔はXXだった」「私の時はXXのように扱われなかった」などのような原体験があるために、管理職などがインクルージョンを推進するボトルネックとなってしまうケースがあるのです。研修などを通じてマインドセットしていく必要があります。


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インクルージョンの企業導入のポイントと注意点

ここでは、インクルージョンを企業で導入する際のポイントと注意点について解説します。


インクルージョン導入に向けたポイント

インクルージョンを企業に導入する際には、以下のポイントを意識することが重要です。


  • 経営者・管理職層のコミットメント
  • 社員への意識改革
  • 多様な人材の採用と育成
  • アクセシビリティの確保
  • 継続的な評価と改善


経営者・管理職層がインクルージョンを重視し、その実現に向けて積極的に取り組むことが重要です。社員に対して、インクルージョンの重要性や意義を理解させ、意識改革を促す必要があります。また、多様な人材を採用し育成することで、組織の多様性を強化する必要があります。さらに、障がいのある人や高齢者など、誰もが働きやすい環境を整備するために、アクセシビリティの確保も重要です。最後に、インクルージョン導入の効果を定期的に評価し、改善を続けることが重要です。
以上のポイントを意識することで、インクルージョン推進で起こる問題の解決に繋がるでしょう。


インクルージョン導入で注意すべきこと

インクルージョンを導入する際には、以下の点に注意する必要があります。


  • 表面的な取り組みにならないように注意する
  • 社員のプライバシーに配慮する
  • 差別や偏見をなくすための意識改革を継続的に行う


インクルージョンを推進する際、多様性を許容する文化を表面的に作ろうとすると社員や社外から反発を受ける可能性があります。「それぞれの個性を尊重し、その違いが組織全体を豊かにする」という根本的な考えを理解し、自社ではどういう取り組みができるのかを真摯に考えることが必要です。表面的な取り組みにならないようにするためには、社員の意識改革を継続的に行う必要があります。また、社員のプライバシーに配慮し、差別や偏見をなくすための取り組みを継続的に行うことも求められるでしょう。
これらの点に注意して、インクルージョンを推進していきましょう。

監修者からひと言


インクルージョンを企業で導入するポイントと注意点の1つに、外部コンサルティング会社の選定があります。外部コンサルティング毎に独自のフレームワークや考え方があるため、「導入したら自社の考え方や進め方と異なっており、うまく社内に浸透しなかった」というケースが起こりえます。外部の協力を得る際は、最適なコンサルティング会社を選定できるよう、複数社から選定しましょう。

 

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インクルージョン推進の具体的な施策

インクルージョンを推進するための具体的な施策としては、以下のものが挙げられます。


  • 多様な人材の採用
  • 社員向けの研修
  • アクセシビリティの向上
  • ワークライフバランスの支援
  • 社内イベントの企画
  • 社外との連携


多様な人材を採用することで、組織の多様性を強化することができます。
社員向けの研修では、インクルージョンの重要性や、多様性を受け入れることの意義を理解させ、意識改革を促すことができます。
アクセシビリティの向上は、障がいのある人や高齢者など、誰もが働きやすい環境を整備するために重要です。
ワークライフバランスの支援を行えば、社員が仕事とプライベートを両立できるようにすることで、働きがいを高めることができます。
また、社内イベントを実施すれば、社員同士の交流を促進し、一体感を醸成することができるでしょう。
社外との連携では、地域社会や他の企業との交流を通じて、インクルージョンに関する知識や情報・取り組みを共有していくのがおすすめです。
以上のような施策を通し、組織内のイノベーションを促進していきましょう。

※関連記事『ダイバーシティマネジメントの成功事例8選!メリット・成功させるポイントは?


監修者からひと言


インクルージョン推進の施策は多種多様です。施策を推進する際には、社内チームの体制化から予算確保、外部リソースの調達を含めて企画を立てることを推奨します。また、どの施策をどういう順番でやっていくかという施策の優先順位付けについては、先進事例の取り組みや外部コンサルティング会社からの情報を得ながら、自社での優先順位付けをしていくと効果的でしょう。


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策

インクルージョンの実施例

パナソニック ホールディングス株式会社の事例

パナソニックホールディングス株式会社は、人的資本経営の一環としてダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)を推進しています。個々の社員が持つ多様な特性を尊重し、組織全体で活かすことで、より高い価値を創出し社会に貢献することを目指しています。
具体的な取り組みとしては、多様な働き方を支援する環境づくりや、社員のウェルビーイングの確保を重視し、安全・安心・健康な働き方や個性を活かす文化の促進を行っています。さらに、従業員意識調査を通じて、社員のエンゲージメントや活躍できる環境の構築に努めています。
また、LGBTQ+や高年齢者の雇用に関する支援、ジェンダー公平性の向上に向けた施策も展開しており、グローバルに地域ごとのニーズに応じたDE&I活動を進めています。

※参考記事:Diversity, Equity & Inclusion - サステナビリティ - パナソニック ホールディングス


株式会社リクルートホールディングスの事例

株式会社リクルートホールディングスは、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂性)を経営戦略の一部と位置づけ、全社員の「働きがい」と「働きやすさ」の両立を目指しています。2030年までに全階層における女性比率を約50%にする目標を掲げ、無意識のバイアスの払拭を図っています。
同社の価値は人にあり、多様な人材が活躍することで成長してきました。創業時から「個の尊重」を重視し、DE&Iを人的資本経営の基盤としています。2021年にはジェンダー平等を目指すことを公表し、多様な価値観を受け入れる社会の実現を目指しています。
具体的には、社員のキャリア開発の機会を充実させる「働きがい」の確保、柔軟な働き方を推進する「働きやすさ」の実現、DE&Iを高めるための風土醸成イベントを年間通じて開催しています。これにより、同社は個々の強みを活かしながら、多様性を尊重する職場環境を構築しています。

※参考記事:DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)|株式会社リクルート


株式会社日立製作所の事例

株式会社日立製作所は社員の多様なバックグラウンドを歓迎し、すべての人に居場所を提供することを目指しています。DE&Iの推進は市場の理解や優れたアイデアの創出、社会の進展に不可欠であると考え、個々の違いに配慮し、誰もが貢献できる会社を目指しています。

同社は以下の3つのテーマに注力しています。


  • ジェンダーバランス:性別を問わず誰もが活躍できる制度と環境を整備し、女性管理職の増加を図っています
  • 文化的多様性:優秀な外国籍社員の活躍を促し、新たな市場開拓を目指しています
  • 世代の多様性:若手世代の声を取り入れ、持続的なイノベーションを創出するための雇用促進と交流を強化しています


また、ジョブ型人財マネジメントや、従業員提案型のアイデアコンテスト「Make a Difference!」などを通じて、個人の成長と企業の成果を両立させています。障がい者やLGBTQIA+に対するインクルージョン施策も強化し、社会的責任を果たす企業としての姿勢を示しています。
2023年には、LGBTQIA+に関する取り組みで「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を受賞しました。

※参考記事:日立のDEIの取り組み:はじめに

※関連記事『女性活躍推進に取り組む企業10選!事例から読み解く成功のコツ


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策

インクルージョン推進に向けた研修事例

アルーではこれまで、多くの企業にダイバーシティやインクルージョン推進に向けた研修を提供してきました。研修事例をご紹介します。


株式会社オリエントコーポレーション 経験者採用フォローアップ研修事例

株式会社オリエントコーポレーションは、イノベーションを推進する先進企業を目指し、多様な人材を受け入れる重要性を認識しました。そのため、新卒採用に偏る方針から転換し、経験者採用に注力するようになりました。
しかし、既存社員が無意識のうちに経験者を同質化させる現象が見られたため、経験者が持つ多様な考え方や価値観を組織に活かすための教育体制の整備が求められました。

そこでアルーより、「自律的キャリア形成支援」を軸にした経験者フォローアップ研修を提供しました。

この研修は、同期間のネットワーク構築と自律的なキャリア形成支援を目的としています。経験者同士が悩みや気づきを共有し、解決策を話し合う時間が設けられ、組織を超えたネットワークが形成されました。また、受講者がキャリア形成をディスカッション形式で考えることで、仕事の進め方や新しい視点を得る機会が提供されました。

研修後のアンケートでは、他部署との交流やキャリア情報の共有が有益であったと高評価を受け、「より一層会社について知りたい」という声も寄せられました。結果として、受講者は将来のキャリアを具体的にイメージできるようになり、ネットワークの強化やキャリア形成支援の成果が現れました。

本事例の詳細は、以下のページからご覧いただけます。
株式会社オリエントコーポレーション イノベーティブな先進企業を目指した施策の第一歩となる経験者採用フォローアップ研修 導入事例

▼事例資料ダウンロード

  『株式会社オリエントコーポレーション様経験者採用フォローアップ研修導入事例』資料ダウンロード 経験者採用フォローアップ研修 アルー株式会社


東京海上日動あんしん生命保険株式会社 組織マネジメント研修事例

東京海上日動あんしん生命保険株式会社では、信頼関係と「対話」に基づくマネジメントにより、ダイバーシティ&インクルージョンの推進や若手の自律的なキャリア形成を支援したいと考えました。研修前の段階では、「対話」が業務の進捗確認に偏ったり、マネージャー側が一方的に話したりしてしまうという課題を抱えていたためです。
適切な対話を学ぶ機会を提供するため、マネージャー層と課長代理層を対象にした「対話」を軸とする研修の導入を決めました。アルーからは、社員の自主性と自律を重視した組織マネジメント研修をご提供しました。
研修では、マネージャー層を対象にした「アドバンスクラス」と、将来のマネージャー候補である課長代理層向けの「ベーシッククラス」に分かれ、対話のスキル強化を中心としたプログラムを実施しています。
受講者が自身のマネジメントを客観的に見直すため、アルーから提供された「ALPath_team」というサーベイも導入されました。また、社員が自身のキャリアやスキルを内省するためのツールを自社で作成し、上司との対話を通じて成長を促進する仕組みも導入しました。
研修後のアンケートでは、「ベーシック」・「アドバンス」ともに非常に高い満足度を得ました。特に講師の実践的なアドバイスが好評で、研修内容を職場で活かす具体的なイメージを持つことができたという声が挙がっています。
研修の目的であるマネジメント力と育成力の向上についても成果が見られ、研修後すぐに学んだことを実践する姿勢が確認されています。

本事例の詳細は、以下のページからご覧いただけます。

東京海上日動あんしん生命保険株式会社 外部の知見を取り入れた体系的な組織マネジメント研修事例

▼事例資料ダウンロード

  東京海上日動あんしん生命保険株式会社様 導入事例 階層別に研修を実施することで相応しい視座を獲得 東京海上日動あんしん生命保険株式会社様 導入事例 階層別に研修を実施することで相応しい視座を獲得"資料ダウンロード アルー株式会社


製造業界G社 マネジメント研修事例

製造業界G社では、組織の活性化やイノベーション創出に向けて、ダイバーシティ&インクルージョンを実現できる組織風土醸成を目指していました。その過程で、年上の部下を持つ管理職がマネジメントに苦慮し、相互理解が進んでいないという問題が生まれてきました。管理職と部下の間には心理的な壁があり、コミュニケーションが円滑に進まない状況にあったのです。
これに対し、管理職がその壁を自覚し、乗り越えるための第一歩を踏み出すことをコンセプトに研修を設計することに決めました。そこで、年上部下の力を最大限引き出すためのマネジメント研修をアルーで実施しました。
研修では、年上部下をマネジメントする場面でのケース演習やロールプレイングを通じて、無意識の思い込みや、自覚自身の癖に気づかせる設計を行いました。また、職場でも無意識の思い込みや癖に気づくために、研修後に定期的な振り返りの機会を設けました。

年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修施策例

研修後のアンケートでは、自分のメンタルモデルに意識を向け、相手とのコミュニケーションを試行錯誤するマインドセットができたという声が多く見られました。年上部下への対応として、「思い込みを自覚し、選択する」など、アプローチを探るうえでのヒントを得ることができました。

本事例の詳細は、以下のページからご覧いただけます。
年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修施策例

▼事例資料ダウンロード

  年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修 年上部下の力を最大限引き出すマネジメント研修と題する管理職研修の導入事例をダウンロードいただけます。課題の特定から解決までのフローをご確認いただけます。 アルー株式会社


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策

まとめ

インクルージョンは、多様な人々がそれぞれに違いを認め合い、尊重し合いながら、社会の一員として共に生きていくことを目指す考え方です。インクルージョンは、単に多様性を許容するだけでなく、それぞれの個性を尊重し、その違いが社会全体を豊かにするという認識に基づいています。現代社会において、インクルージョンはグローバル化、人口減少、高齢化など、様々な課題を解決するために不可欠な考え方となっています。企業においても、インクルージョンを導入することで、生産性向上、優秀な人材の獲得、企業イメージの向上などのメリットが期待できます。
インクルージョンを推進するためには、トップマネジメントのコミットメント、社員への意識改革、多様な人材の採用と育成、アクセシビリティの確保、継続的な評価と改善など、様々な取り組みが必要となるでしょう。

インクルージョン推進にお悩みの方はぜひ、アルーへご相談ください。管理職の意識変革やeラーニングでの全社員に向けた啓蒙など、貴社の課題に合わせた提案をいたします。


「心理的安全性」と「ダイバーシティ」のよくある誤解と対策


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20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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