リーダー研修でグループワークを実施するポイント|おすすめのゲーム8選
組織を牽引するリーダーを育てるリーダー研修。
幅広い能力が求められるリーダーを育成するためには、リーダー研修にグループワークを取り入れることが大切です。
本記事では、リーダー研修の概要をはじめ、取り入れるメリットやおすすめのグループワーク8選などを解説します。
リーダー研修でグループワークを取り入れた事例も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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リーダー研修とは
リーダー研修とは、部署内でリーダーポジションを務める社員に対して実施する研修の総称です。
主な研修内容としてはリーダーシップやマネジメント、コミュニケーション方法などが挙げられます。
また、新任リーダーを対象として実施するリーダー研修では、リーダーとしての役割認識を深める内容が盛り込まれることが多くあります。
リーダーとしての役割を求められる社員にはどの研修内容も欠かせない要素であり、研修を通じてしっかり習得できることが肝心です。
リーダー研修を設計するコツについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
『意味のあるリーダー研修を設計するコツ。おすすめの内容や成功事例を紹介』
リーダー研修でグループワークを取り入れるメリット
リーダー研修でグループワークを取り入れる主なメリットとして、実践的な内容を学べる点や自分の行動を客観視できる点が挙げられます。
幅広い能力が求められるリーダーにはアウトプットの機会を豊富に提供し、効率的にスキルを伸ばしてもらうことが大切です。
ここでは、リーダー研修でグループワークを取り入れるメリットを3つご紹介します。
実践的な内容を学べる
グループワークを取り入れたリーダー研修を通じて、実践的な内容を学べることは非常に大きなメリットです。
リーダーとして求められるマネジメント能力などは、座学だけで身につくわけではありません。
いくら講師がマネジメントの方法論を説明したとしても、自分で実践しなければなかなか効果的なマネジメントは定着しないでしょう。
コミュニケーションや部下育成の方法も同様に、実践的な練習が必要です。
なぜならば、受講者によってはすでにマネジメントをしている方や過去したことがある方も含まれるため、理論中心の研修では、すでに知っている内容をインプットするだけになり、行動変容に繋がりにくくなるからです。また、これから部下を持つ受講者にとっては、実践したことがないため、研修中に疑似体験をすることで気づきを促すことができます。
グループワークを取り入れてマネジメントやコミュニケーションを実践してもらうことで、マニュアルや講義では伝わらない細部までしっかり把握できるようになるでしょう。
自分の行動や思考の癖に気づきやすい
リーダー研修でグループワークを取り入れることによって、自分の行動や思考の癖に気づきやすくなります。
人は誰しもが行動や思考に癖があるものです。
癖があること自体は悪いことではありませんが、悪い癖や望ましくない癖がある場合は改めなければなりません。
そのため、自分の癖に気づいてもらい、自身の行動を客観的に見られる場を用意することが大切です。
リーダー研修でグループワークを取り入れれば、相互にフィードバックしてもらう機会をつくれます。
その過程を通じて、相手や自分にどのような癖があるのかを把握でき、癖と向き合いやすくなるでしょう。
リーダーシップの発揮に必要なスキルを身につけられる
リーダーシップの発揮に必要なスキルを身につけられるのも、リーダー研修にグループワークを取り入れるメリットの1つです。
リーダーシップを発揮するためには、リーダーとしての役割認識を深めたり、メンバーとの効果的なコミュニケーションについて学んだりする必要があります。
しかし、役割認識やスキルを講義だけで理解してもらうのは難しいことであり、コミュニケーションは実践によって成長していくスキルです。
リーダー研修で効果的にグループワークを盛り込めば、現場ですぐに役立つリーダーシップを獲得しやすくなるでしょう。
リーダー研修でおすすめのグループワーク8選
ここからは、リーダー研修でおすすめのグループワーク8選をご紹介します。
それぞれ異なる目的を持っており、得られるスキルも異なるため、自社のリーダー像や現状の課題にあったグループワークを選択しましょう。
ケーススタディ
ケーススタディとは、現実に起こった事例や想定される類似の事例を共有し、その原因や詳細について話し合うグループワークです。
リーダー研修でケーススタディを実施する場合、リーダーとして直面するであろう具体的な場面をテーマとした例を設定します。
その後、「この場面であればリーダーとしてどのような行動が必要なのだろうか?」といった点について話し合ってもらいましょう。
結論をそれぞれのチームでまとめ、アウトプットとして全体で発表してもらうといった進め方がおすすめです。
グループインバスケット
グループインバスケットは、自らの考えを発表する体験を通じて自分を客観視するのに役立つグループワークです。
まずは3人グループをつくり、それぞれにA、B、Cの3つの役割を担ってもらいます。
その後、以下の手順でグループワークを進めていきます。
- 問題集をグループへ配布する
- 各自がそれぞれの役割になりきって情報を読み込み、会議へ向けて準備する
- 模造紙や付箋、サインペンを使い、筆談で1回目の会議を進める
- 他グループと比較し、どのような順番で会議が進んだのか確認する
- 組織としてパフォーマンスを出すために何が必要なのか検討し、個人の貢献度を確認する
- 役割を変更し、第2回の会議を口頭で行う
- まとめとして、メンバー同士で良かったことや改善点を共有する
1回目の会議で筆談を行う際は、会議の流れが分かりやすいように必ず付箋を時系列に沿って並べることがポイントです。
意思決定プロセスをあとから振り返ることで、効果的な議論の進め方や組織のなかでの振る舞い方を学ぶことができるでしょう。
ベストチーム
ベストチームは、カードゲームを通じてリーダーが取るべき行動を学べるグループワークです。
それぞれのカードには、「褒める文化」「細かな指示」といった内容が書かれています。
同じカードを何枚か集めると、カードに応じて「業績ポイント」や「関係性ポイント」を獲得できるという仕組みです。
たとえば、「褒める文化」のカードを2枚獲得すれば、業績ポイント1と関係性ポイント2が獲得できます。
単純にカードを集めれば良いわけではなく、マイナス効果を発揮するカードもあるため注意が必要です。
カードゲームを通じて、リーダーとして必要な要素を楽しみながら学べるグループワークです。
コンセンサスゲーム
コンセンサスゲームは、合意形成のプロセスについて学べるグループワークの総称です。
一言でコンセンサスゲームといってもさまざまな種類があり、そのなかでも代表的なのが宇宙から基地への帰還を目指す「NASAゲーム」です。
NASAゲームでは、宇宙で遭難した飛行士になりきって、基地まで帰還するための戦略をチームで話し合います。
最終的にチームで1つの戦略を決める必要があるため、合意形成の力を養うことが可能です。
コンセンサスゲームには、ほかにも「砂漠からの脱出」や「船長の決断」などがあるため、自社に合ったコンセンサスゲームを行うと良いでしょう。
ビズストーム
ビズストームは、参加者1人1人が社長となって企業を成長させる体験を積むボードゲームです。
さまざまな仕事のなかから選択と実行を行い、経営資源を蓄えて市場に挑むといった流れで進みます。
市場価値や環境を判断しながら商品を販売し、利益を重ねていくだけでなく、人材育成や経営戦略、さまざまなリスクへの対応などもしていかなければなりません。
ビズストームでは経営戦略やマーケティングをはじめ、人材活用や価値創造の考え方、戦略的思考が身につきます。
オンライン版も用意されているため、テレワークなどで働いている際も気軽に楽しみながら学習できるでしょう。
バッドアイディア・ブレインストーミング
バッドアイディア・ブレインストーミングは、あえて非現実的なアイディアや悪い考え方について話し合うグループワークです。
一般的なブレインストーミングは課題解決に向けたアイディアを自由に出してもらう形式ですが、バッドアイディア・ブレインストーミングはその反対のプロセスで進んでいきます。
一見有効性のない手法のように思えますが、バッドアイディアだと思い込んでいたものを突き詰めていくことで画期的なアイディアにつながることは少なくありません。
解決の難しい状況に直面した際では特に役立つグループワークです。
ポストイット・バリュー
ポストイット・バリューは、メンバーの持っている価値観や考え方を共有しながらチーム全体の目標を設定するグループワークです。
主な流れとしては、参加者が自分自身の価値観や個人としての目標をポストイットへ書き出します。
その後、参加者を3~5名程度のグループに分けてそれぞれの価値観を発表し、チーム内でチーム全体としての目標を3つ設定してもらいます。
チームでの話し合いが終わったら参加者全体で各チームの目標を共有してもらい、参加者全体としての目標をまとめます。
方針を決めるプロセスや話し合いの方法について学べるグループワークです。
トナリノココロ
トナリノココロは、「承認」を得るというプロセスを通じて課題解決を体験するビジネスゲームです。
参加者は企業の特命部の社員となり、ほかの参加者と協力しながら支社で起こるさまざまな課題解決を目指します。
その過程で、ほかの社員と関わり合う仕組みが豊富に用意されています。
承認がルール化されているため、承認を得るポイントやコミュニケーションの方法について学べるのが特徴です。
ほかの参加者とポジティブに関わる機会も多いため、普段はコミュニケーションを取らない社員同士で話してもらうきっかけをつくることもできます。
リーダー研修でのグループワークを成功させるポイント
リーダー研修でグループワークを成功させるためには、どういったポイントに気をつければ良いのでしょうか。
下記では、リーダー研修でグループワークを取り入れる際のポイントを4つご紹介します。
目的によってグループ分けの方針を変える
グループワークを実施する際、グループワークの目的によってグループ分けの方針を変えるようにしましょう。
グループワークを実施するうえで参加者をどのようなグループに割り振るのかがポイントです。
特に異なる部署間での交流を図りたい場合は、部署が混ざるようにグループを構成するといった工夫を行うことをおすすめします。
あらかじめグループ構成を工夫しておけば、グループワークをきっかけに新たな人間関係を構築し、コミュニケーションの活性化につながるでしょう。
参加者全員で取り組むことが必要
グループワークには、参加者全員で取り組むことが非常に重要です。
リーダー研修でグループワークを取り入れる際にありがちな失敗が、「気づいたら一部のメンバーしか話していなかった」「限られたメンバーしか議論に参加していない」といったことです。
一部の社員しか議論に参加していなければ議論の視点が限られたものとなってしまい、グループワークの効果が半減してしまいます。
アイスブレイクなどを取り入れ、社員全員がリラックスして話せる環境をつくりましょう。
そのほかにも、必要に応じて各グループにファシリテーターやアシスタントを配置するのも効果的です。
研修で使えるアイスブレイク集は、以下の記事で詳しく解説しています。
『研修で使えるアイスブレイク11選!新入社員研修にもオススメ』
振り返りやフィードバックを行う
振り返りやフィードバックを行うのも、グループワークを成功させるために必要な要素です。
リーダー研修でグループワークを実施したら、必ずグループワークの過程を振り返りましょう。
「何が上手くいき、何が上手くいかなかったのか」などを整理することで、次回につながる教訓を得られます。
特に議論の過程を整理するのは非常に大切です。
改めて振り返ってみると、議論に無駄が多かったり同じ内容を何度も話してしまったりすることがあります。
記録係を用意して議事録などに議論の流れを記録しておき、あとから振り返れる仕組みをつくりましょう。
職場での実践につなげる
グループワークを実施したあとは、職場での実践につなげていきましょう。
リーダー研修でグループワークを実施したときに得た内容を現場へ持ち帰ってもらうことが大切です。
単純に「あとは現場で活用してください」とするのではなく、現場で学びを実践するサポートをしてみてください。
具体例としては、研修実施の3ヶ月後に再び社員へ集まってもらい、現場での実践を振り返るフォローアップ研修を実施するといったことが挙げられます。
また、「実践シート」などを用意して、研修後に提出してもらうことも有効な手段でしょう。
行動変容を促す社員研修のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
『行動変容を促す社員研修のポイント|ステージ理論に沿った働きかけとは』
グループワークを取り入れたリーダー研修の例
人材育成のプロフェッショナルであるアルーでは、グループワークを取り入れたリーダー研修を数多く実施しています。
ここでは、グループワークを取り入れたリーダー研修の事例を3つご紹介します。
グループワークを取り入れたリーダー研修を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
株式会社ネットドリーマーズ様 評価者研修
株式会社ネットドリーマーズ様では、コンピテンシー評価を浸透させ、評価に関する知識の平準化を実現するため、マネージャーを対象とした評価者研修を実施しました。
本事例では評価制度の変更に伴って研修を実施したため、研修制度を変更する背景を理解してもらうところから出発しています。
「現状マネージャーが思っていること」を吸い上げる時間を用意して、グループワークに取り組んでもらいました。
現状の評価制度について不安に感じていることや、疑問に思っていることを事前に共有したため、その後の内容にもスムーズに接続できました。
本事例は、以下のインタビュー記事で詳しく解説しています。
【事例】知識の平準化とマネージャー陣の目線合わせを実現した評価者研修
▼資料ダウンロードはこちら
ポーラ化成工業株式会社様 女性リーダー研修
ポーラ化成工業株式会社様では、育成委員会の選抜人材となっている生産系の女性社員18名を対象に女性リーダー研修を実施しました。
本研修は全体的にグループワークを多く配置しているのが特徴です。
「リーダーの役割」「傾聴」といったテーマについて、グループワークで主体的な学びを促しながら学習してもらいました。
当初はグループ内での発表に消極的な社員もいましたが、約5ヶ月の研修が終了するころには全18名の社員が一丸となり、主体性を引き出したからこその良い変化が見られました。
本事例の詳細は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
【事例】女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する(ポーラ化成工業株式会社)
コスモ石油株式会社様 新任ライン長研修
コスモ石油株式会社様では、新任ライン長を対象とした研修を実施しました。
本研修ではグループの構成を工夫し、あえて異なる部署の社員が同じグループへ配置されるようにしています。
その結果、関係性の薄かったライン長同士でのコミュニケーションを促進でき、部署間で親睦を深める機会につながりました。
ライン長は、他部署との連携を通じて会社の将来を支えていくキーパーソンです。
グループワークを通じてコミュニケーションの機会を創出し、お互いの理解を深めてもらうことに成功しています。
本事例の詳細は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
【事例】信じて任せる。 人をマネジメントする 新任ライン長研修の意義とは。(コスモ石油株式会社)
リーダー研修ならアルーにお任せください
理想的かつ効率的なリーダー研修を実施したい場合は、ぜひアルーへお任せください。
アルーは人材育成を専門とする企業で、これまでにリーダー研修や管理職研修などを数多く実施してきました。
アウトプットを中心に据えた研修設計を行っているため、グループワークを取り入れたリーダー研修のノウハウも豊富です。
効果的なグループワークの取り入れ方やグループワークを実施する際のポイントなども含め、徹底的に支援いたします。
リーダー研修に関することなら、お気軽にアルーまでご相談ください。
アルーが行っているリーダー研修については、以下のページでご確認いただけます。
リーダーシップ100本ノック