こんなお悩みや課題をお持ちの方へ
精密機器業界は、高度な技術と精密な製造プロセスを特徴とする産業であり、医療、半導体、航空宇宙、自動車など、あらゆる分野で重要な役割を果たしています。中でも特に需要が大きいのはグローバル市場が拡大している医療と自動車の分野です。医療分野においては高齢化社会や健康意識の高まりに伴って診断・治療支援の役割を果たす精密機器が、自動車分野においては電動化や自動運転技術の進化に伴い、自動化・制御に関連する精密機器が、それぞれ需要の高まりを見せています。
医療分野における画像診断・手術支援のニーズ
医療分野で多用される精密機器には、CTや内視鏡のような「診療機器」、手術で使用されるメスなどの「治療機器」、ペースメーカーなどの「生体機能補助・代行機器」などがありますが、いま特に注目を集めているのは画像診断・手術支援に関係する機器です。その背景には医療従事者の負担軽減という観点があります。患者の増加や医療技術の進歩によって診療や手術の複雑さが増し、医療従事者への負担も増加していることから、高度医療の提供につながる医療分野の精密機器に対する需要が高まり、国内外のスタートアップ企業から大手医療機器メーカーまで、様々な企業による開発競争が熱を帯びています。
自動車分野におけるセンサー、アクチュエーター、制御装置のニーズ
自動車に関係する精密機器と一口にいっても、エンジン周りからトランスミッション周りまで、実にさまざまな箇所で、微細な部品で構成された機械装置が必要とされています。特に業界をあげた自動化に向けた様々な取り組みによって、センサー、アクチュエーター、制御装置といった機器に対する需要が増加しています。いずれも開発するためには高い技術力が必要となる機器であり、そのような機器を取り扱うことができる人材の熾烈な獲得競争も繰り広げられているのです。
カメラ業界における構図変動(※2)
昨今の精密機器業界の動向として特筆するべきはカメラ関連機器の構図の変動です。スマートフォンのカメラ機能・レンズ性能の向上により厳しい状況のカメラ市場において、デジタルカメラの需要が大きく落ち込む一方、ミラーレスカメラの売り上げが伸長しています。背景としてはソニー、キャノン、ニコンといった市場のメインプレーヤーが次々と新製品を投入したことでラインナップが拡充したことが要因の一つとみられています。このように市場のニーズの変化に対応した迅速な製品投入などの施策を実行できるプレイヤーとなるために、柔軟性の高い組織を形成するための人材育成施策を積極的に実施していく必要があります。
業界内で広がるマテリアルズ・インフォマティクスの取り組み
昨今の精密機器業界の動向を理解するためのキーワードとして、「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」があります。これは機械学習などの情報科学を用いて、有機材料、無機材料、金属材料など様々な材料開発の効率を高める取り組みのことを指します。精密機器の材料は、その構造や元素の組み合わせによって耐久性・導電性・耐熱性などの性質が大きく異なりますが、ITを活用してより性能の高い材料を創出する研究方法の1つとして、マテリアルズ・インフォマティクスが注目されているのです。変動の激しい精密機器業界で生き残っていくためには、このような新しい手法・取り組みに素早く適応できるデジタル人材を多く獲得ないしは育成する試みが重要となっています。
激しい環境変化に対応できる管理職の育成
精密機器業界では、管理職のマネジメントスキルに対する要求が大きくなっています。医療・自動車といった人命に密接に関係する分野で活用される精密機器は、高い品質基準を満たす必要があり、厳格な品質管理と規制に従うことが求められます。これらの機器の製造に関わるすべての労働者は品質管理プロセスに精通し、細部にわたって注意を払う必要があることから、労働者を管理する立場である管理職はなお一層広い視野と環境変化への対応力を併せ持つ人材である必要があるのです。
高まりを見せるASEAN地域での需要対応
経済成長とともにインフラの整備やIT技術の発展が進むASEAN地域で精密機器に対する需要が高まりを見せています。精密機器業界においては、需要拡大を見せるアジア地域での競争で優位に立つための戦略が非常に重要となりそうです。たとえば海外支部・海外市場といった外部拠点のマネジメントや、日本本社とアジア支店とのコミュニケーションなど、国境を越えた関係性構築に貢献できるグローバル人材を育成する取り組みが、精密機器業界のプレイヤーの生存戦略のためには欠かせません。
重要性を増すDX人材育成・リスキリング支援の施策
IT技術の高度化に伴い、精密機器業界における人材の育成・獲得の方向性が変化しています。医療・自動車業界を取り上げるとすれば、新しいヘルスケアテクノロジーが次々と導入される医療現場でのデジタル移行の先導や、ガソリン車からEV車の開発体制への移行をリードできるデジタル人材の配置が強く求められるようになりました。業界を跨いで優秀なデジタル人材の奪い合いとなっている現状においては、技術者の育成のみでなく、従業員がスキル・知識を再習得することを支援する取り組みが重要であるとの認識が広まりを見せていることから、DX人材の育成や、リスキリング支援等の積極的な取り込みが今後さらに重要性を増していくと思われます。
従来の常識を打ち壊すクリエイティビティの原動力となる多様性
他業界と比較しても非常に速いペースで進む精密機器業界の技術革新において、イノベーションとクリエイティビティを促進するための取り組みは、なくてはならないものです。ダイバーシティを推進することで、グローバル市場での競争力を高めることができるだけではなく、新しい技術や手法をいち早く取り入れる創造性に富んだ雰囲気を組織内に醸成することができます。そのためには、創意工夫をこらしたダイバーシティ推進の施策の企画や実行が重要です。
Z世代の新入社員のキャリア・仕事観への対応
新人を早期に一人立ちさせ、現場での就業を通して仕事を覚えさせるOJT(On-the-Job Training)は、特に精密機器業界で多用されがちな教育方法です。しかし、「背中を見て育て」や「習うより慣れろ」といった現場でのOJTではうまく育ちにくくなっています。というのも、Z世代の傾向として「組織よりも自分らしさを優先する」、「コスパ・タイパを重視して、無駄に感じる業務は倦厭しがちで、いかに自分の時間を使わずにパフォーマンスを発揮できるかを気にする傾向がある」、「とにかく働き続けてキャリアを開拓する」というような意識を持っている人は少なく、むしろ「仕事と家庭を両立した幸せ」に重きが置かれていることが多い」など仕事に対する価値観が以前と変わってきています。そのため、新入社員や若手社員向けの教育のあり方も見直すことで、精密機器業界における若手人材の早期戦力化を支援する取り組みが必要です。
厳格な品質管理体制に必要な中堅リーダーの存在
複雑かつ多量の規格に対応する精密機器を市場に出すために、精密機器サプライヤーの組織ではあらゆる品質保証活動が行われています。同一製品に対する複数の多角的な保証活動が行われる組織体制を正常に保つために重要なのは、各セグメントを正しく管理・運営できる中堅リーダーの存在です。複数部門への責務の分掌に比例して各部門のリーダーに求められる裁量も大きくなり、こうした責任を全うできる強い中堅リーダーを多く抱えることによって、厳格な規格を満たす高品質の製品を世に出すことができるのです。
Q. 精密機器業界では、どのような研修を実施することが多いでしょうか
A. 管理職向けから一般職、専門人材まで様々な研修を実施しております。他社では管理職向けや現場リーダー向けに部下指導の研修を実施することが多くあります。
Q. 自社に合わせた研修カスタマイズはできますか?
A. カスタマイズできます。貴社のご要望に応じて、演習のカスタマイズ、講義内容のカスタマイズなどいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
Q. 精密機器業界出身の講師に研修を登壇してもらうことは可能ですか?
A. 可能でございます。
Q. 自社の海外の現場・支社で研修を実施したいのですが、研修海外でも実施できますか?
A. はい、特にアジアでの実施が可能です。中国、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、インド、韓国、タイなどで実績があります。
Q. 部門やテーマを統括する中堅リーダーのマネジメントスキルを向上させたいのですが、そういった研修は実施できますか?
A. はい、アルーでは中堅リーダーの能力開発やキャリア構築を支援するプログラムをご用意しています。また研修企画・運営に精通した弊社のコンサルタントが、貴社に最適な研修メニューをご提案し、効果測定まで伴走いたします。
※1(出所)経済産業省(医療機器産業を取り巻く課題について)を基に作成
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/medical_device/pdf/001_06_00.pdf
※2 マイナビ(業界研究:精密・医療機器業界)を参考に作成
https://job.mynavi.jp/conts/2025/complete_guide/gyoukai/maker/seimitsu_iryou.html