説得力のある人の特徴・話し方とは?高める方法・具体的な施策をご紹介
説得力の高い社員は、ビジネスのさまざまな場面で有利に立ち回ることができます。しかし、「社員の説得力の高め方がわからない」「施策のイメージが湧かない」といった方も多いのではないでしょうか。
この記事では説得力のある人の特徴や話し方、社員の説得力を高める方法を解説します。
研修の方法も解説するので、人事部や教育担当者の方はぜひ参考にしてください。
▼説得力向上に役立つ研修3選
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説得力とは
説得力とは、何かを伝える際に、相手の理解や同意を得られる能力のことです。説得力の高いと、自分の主張が相手へ受け入れられるとともに、自分の意図した行動や態度へと相手が変化を起こしてくれます。
説得力は、主に「情報提供能力」と「コミュニケーション力」の2つから構成されています。情報提供能力とは、深い知識や豊富な経験に基づく、正確で説得力のある情報を提供する力です。コミュニケーション力とは、相手の気持ちを正しく理解して傾聴した上で、情報を相手が納得しやすい形で伝えるスキルを指します。
例えばどんなに相手の気持ちに寄り添えても、正確な情報を持っていなければ説得力のある話し方はできません。反対に、正確で豊富な情報を持っていたとしても、伝え方のせいで説得できなかったということもあるでしょう。高い情報提供力とコミュニケーション力の2つを備えて初めて、説得力の高い伝え方ができるようになるのです。
説得力がある人の特徴・話し方
説得力がある人には、いくつかの特徴があります。例えばスタンス面では、常にWin-Winの関係を目指した伝え方を意識していますし、強力な代替案を事前に準備していることも多いです。また、自信を持っていたり、相手からの批判に反撃しなかったりと、マインド面でもさまざまな特徴があります。
ここからは、説得力がある人の特徴や話し方を解説します。
Win-Winを目指している
説得力がある人は、常にWin-Winを目指しています。
ビジネスにおいて関わる人をむやみに敵視することなく、協力すべきパートナーとして捉えることができるのです。お互いに協力しようというスタンスで交渉に臨むため、常に互いの要望に耳を傾けながら、相互に利益をもたらすことを目指して話し合うことができます。不必要に対立関係に陥ることもないため、周囲からの信頼も厚いです。
相手の本質的に達成したい要望に目を向けている
説得力のある人は、相手の本質的に達成したい要望に目を向けているという特徴もあります。
説得力の高い人は、目先の表面的な欲求(What)で説得することはありません。反対に、相手が本質的に達成したいと考えている要望(Why)に目を向け、相手とこのスタンスを共有します。
目先の対立関係にとらわれないため、相手と自分の欲求が重なるポイントを見つけることが上手で、説得がスムーズに進みやすいです。相手と要望が食い違った際も、相手がなぜそれを求めているのかを深く考え、相手と自分に共通する利益と異なる要望を整理した上で交渉に臨むことができます。
強力な代替案を事前に準備している
強力な代替案を事前に準備していることも、説得力の高い人材の特徴です。
どんなに説得力の高い人でも、いつも説得が思い通りにいくとは限りません。しかし、説得力の高い人は、説得がうまくいかなかった場合に備えて代替案を準備していることが多いです。事前に「どこまでなら相手へ譲歩できるのか」を設定しているため、ずるずると相手の言いなりになることを防ぎ、可能な限りWin-Winな状況へ持ち込むことができます。
自信を持って話すことができる
説得力のある人の特徴として、自信を持って話すことができることも挙げられます。
自分の意見や考えをはっきり、自信を持って表現するため、相手に誠実さと信頼性を感じてもらうことができます。自分自身が常に自分の意見や提案に対して納得し、深く理解しているため、相手にもそのエネルギーが伝わりやすいです。
また、自分の意見に自信を持つための事前準備も怠りません。しっかりと必要な情報を整理してから自分の意見を練るため、「自分の意見は価値がある」と自信を高めた状態で話すことができるのです。
信頼される人柄である
信頼される人柄であるということも、説得力の高い人の特徴の一つです。
説得力は、根拠や論理だけで築かれるものではありません。普段の人間関係の中で信頼を獲得しているからこそ、いざという場面で相手の納得や協力を引き出すことができます。説得力の高い人はこのことをよく理解しており、周囲から信頼されるように常に努力をしているのです。
具体的には、以下のような行動で職場からの信頼を獲得します。
- 約束や納期を守り、信頼できる人であると示す
- 他人の意見を尊重し、相手を価値ある存在と認識していると伝える
- 責任感が強く、任された仕事を最後までやり遂げることを示す
普段からこうした行動を心がけているからこそ、自分の意見や提案が人々にとって説得力のあるものとなり、組織内での影響力を高く保つことができるのです。
相手からの批判に反撃せず、問題解決につなげられる
説得力の高い人は、相手からの批判へむやみに反撃せず、問題解決につなげることができます。
説得を行う際に、自分の意見に対して相手から反論されると、おもわず反撃してしまう人は少なくありません。反射的に反撃してしまうと、いつの間にか相手を言い負かすことが議論の目的にすり替わり、建設的な話し合いができなくなってしまいます。
説得力の高い人は相手からの批判や攻撃へ不必要に反撃することがありません。「両者にとっての問題解決をしましょう」という方向性を示すことができるため、相手から納得されやすく、結果的に「説得力がある」という評価を得られるのです。
具体的な実績や能力がある
具体的な実績や能力があることは、説得力を高める上で非常に重要です。
説得するためには、相手に対して自分の意見が正しいことを信じてもらう必要があります。具体的な実績や能力は、その人が適切な知識や技術を持っており、それによって成果を出してきたという証明です。相手にわかりやすく伝わる実績を持っていれば、他人を説得する際の強力な武器となります。説得力の高い人はこうした実績もうまく活用しながら、相手からの信頼を獲得していくのです。
社員の説得力を高める方法
説得力を高めるためには、以下のような点を意識するとよいでしょう。
- 結論から話すようにする
- 論理的思考力を鍛える
- 問題解決力を鍛える
- 相手の立場や興味を理解する
- 相手の理解しやすい言葉で話す
こうした伝え方を身につければ、ビジネスのさまざまな場面で有利に立ち回れるようになります。社員の説得力を高めるための方法を解説します。
結論から話すようにする
説得力を高めるためには、結論から話すように心がけることがポイントです。
人に意見を伝える際には、最初に結論を述べ、そのあとにその理由や根拠を説明するようにしましょう。結論から話すようにすれば、自分の意見のうち最も重要な部分を最初に相手へ伝えることができるため、相手がその後の説明に集中しやすくなります。
また、最初から結論を伝えることで、主張の具体的な目的地が明確化されます。その結果、結論に至る経緯がより理解しやすくなり、説得力が増すでしょう。
論理的思考力を鍛える
社員の説得力を高めるためには、論理的思考力を鍛えることもよいでしょう。
論理的な思考力があれば、主張を支持する根拠や理由も明確に提示できるようになり、納得してもらいやすくなります。
さらに、高い論理的思考力があれば、相手にとって自分の意見や主張がどう受け取られるか想像しやすくなります。どの部分が相手へ響き、どの部分が疑問や反論を引き出す可能性があるか予測しやすくなるため、相手と対話する際の対応力が向上するのです。
論理的思考力を鍛える方法は、以下のページで詳しく解説しています。
『ロジカルシンキングの鍛え方とは?ステップごとのトレーニング方法』
問題解決力を鍛える
問題解決力を鍛えることも、社員の説得力を高める方法の一つです。
説得は相手と論戦することが主な目的ではありません。むしろ、相手と共に問題解決を行うプロセスこそが、説得の本質です。
社員の問題解決力を鍛えて、説得の際には「相手と共に問題解決をしている」という視点を持ってもらうようにしましょう。お互いの問題に対して真因の追求と解決策の立案ができるようになれば、相手の納得を引き出しやすくなります。
問題解決能力については、以下の記事で詳しく解説しています。
『問題解決力とは|トレーニング方法・鍛えるメリット・基本の3ステップ』
相手の立場や興味を理解する
社員の説得力を高めるためには、相手の立場や興味を理解するよう心がけてもらいましょう。
説得の際に相手の視点を考慮した伝え方をするよう意識すれば、より相手に納得してもらいやすくなります。自己中心的な視点ではなく、相手の視点を意識して対話するよう心がけてもらいましょう。具体的には、以下のような配慮を行うことが有効です。
- 相手の立場や視点から話を聞く
- 相手の関心がある事柄やニーズを把握する
- 相手が納得できる理由や根拠を提示する
自分だけが話そうとするのではなく、まず相手の話を丁寧に聞き、気持ちや考えを汲み取ることが大切です。その上で、自分の提案や意見が相手の立場にどう適合するのか考え、その観点から説明するよう意識してみましょう。
相手の理解しやすい言葉で話す
相手の理解しやすい言葉で話すように意識してもらうことも、社員の説得力を高める方法の一つです。
相手が自分の主張をより理解しやすくなるよう、専門用語や業界用語はできる限り避け、一般的な言葉を使って説明するようにしましょう。専門的な用語は理解するのに時間がかかる場合も多く、主張が相手に理解されない原因となります。
ただし、社内で一般的に使われている専門用語などは用いても問題ないため、バランス感覚が大切です。自分の主張がよく伝わっていないようだと感じたら、具体的な例を用いながら説明し、相手のイメージを膨らませましょう。
説得力を高める研修ならアルーにお任せください
説得力を高めるためには、研修の実施が効果的です。説得力を高めるための研修なら、ぜひアルーへお任せください。
人材育成を手掛けているアルーでは、説得力を高めるための研修プログラムを数多く用意しています。アルーのプログラムは演習中心の設計となっているため、説得力を高めるための立ち回り方や主張の展開方法を効果的に学ぶことができます。相手の視点を考えながら交渉へ臨むスタンスや、ロジカルシンキングなど、説得力に必要な力を幅広く獲得することが可能です。
説得力を高める研修の実施をご検討の場合は、お気軽にアルーまでお問い合わせください。
社員の説得力を向上させるための施策例
社員の説得力を向上させるためには、会社側が研修などの施策を実施することが有効です。具体的には、コミュニケーション研修を実施して信頼関係構築スキルを高めたり、ロジカルシンキング研修を実施して論理的な伝え方を身につけたりすることがよいでしょう。
社員の説得力を向上させるための施策を解説します。
コミュニケーション研修を実施する
社員の説得力を向上させるためには、コミュニケーション研修の実施がおすすめです。
社員全員が共通のコミュニケーションスキルを持てば、社員間の相互理解を深めることができます。社員が互いのことをよりよく理解できるようになれば、さらに確固な信頼関係を築くことができるでしょう。強固な信頼関係によって、チームワークがより活性化する効果も期待できます。
アルーが提供しているコミュニケーション研修のプログラムは、以下のページをご覧ください。
コミュニケーション研修
ロジカルシンキング研修を実施する
ロジカルシンキング研修を実施することも、社員の説得力を高めるためにおすすめの施策です。
問題を論理的に解決する方法やプロセスを学んでもらうことで、説得力のある話し方ができるようになります。具体的なケーススタディやシミュレーションを積極的に取り入れて、論理的な思考を展開する土台を形成しましょう。フレームワークを使った実践演習を取り入れることも効果的です。
アル―が提供しているロジカルシンキング研修は、以下のページからご確認ください。
ロジカルシンキング研修
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定量思考研修を実施する
定量思考研修を実施することも、説得力を高めるのに有効な方法です。
定量思考研修とは、情報を定量的に導き出して分析する力を学ぶ研修のことを指します。定量思考研修を実施すれば、データに基づく思考ができるようになり、主張に説得力が生まれます。データの効果的な使い方や説得への応用方法も学べるため、相手から主張を信じてもらいやすくなるでしょう。
定量思考を定着させるためには、ノック形式の演習が効果的です。
アルーが提供している定量思考研修は、以下のページからご確認ください。
定量思考100本ノック
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問題解決研修を実施する
説得力を高めるためには、問題解決研修を実施することもおすすめです。
問題の所在の特定や原因追求が甘いと、主張に説得力が生まれません。
問題解決研修を通じて説得に問題解決の視点を取り入れ、相手とWin-Winの関係を構築するのに役立ててもらいましょう。
問題解決力を鍛えるアルーの研修は、以下のページをご覧ください。
問題解決力研修
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ネゴシエーション研修を実施する
ネゴシエーション研修を実施することも、社員の説得力を高める方法の一つです。
交渉を行う際には、いつも両者の利害が一致するとは限りません。難しい交渉を成功させるためには、相手と自分をともに尊重する説得や交渉のスキルとスタンスを身につける必要があります。
ネゴシエーション研修を実施すれば、相手とWin-Winな関係を保ちつつ交渉を重ねる能力を獲得することが可能です。ネゴシエーション研修を通じて自他を尊重するコミュニケーションを身につけ、説得に活かしてもらいましょう。
アルーが提供しているネゴシエーション研修は、以下のページからご確認ください。
ネゴシエーション研修
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定期的なフィードバックで自信をつける
説得力を高めるためには、定期的なフィードバックで自信をつけることも大切です。
例えば1on1ミーティングを実施して、部下の小さな仕事の成果などを褒めるようにしてみましょう。些細なことでも褒め合う風土を作ることで、社員一人ひとりが自信を持てるようになり、説得力のある話し方ができるようになります。
1on1ミーティングの詳しい内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
『1on1とは?目的や意味がないと言われる理由、効果を高めるポイントを紹介!』
まとめ
説得力について、説得力がある人の特徴や話し方、説得力を高める方法などを解説しました。
説得力は、どの職種や業界でも役立つ、非常に汎用性の高いスキルです。高い説得力があれば、交渉や営業の場面はもちろん、ビジネスのさまざまな場面で有利に立ち回ることができるでしょう。そのためには、相手との信頼関係構築を意識しながら、問題解決の視点を持って説得に臨むことが大切です。研修を積極的に活用し、社員の説得力を効果的に高めていきましょう。