新入社員研修後の効果測定のポイントや評価項目・効果測定シートをご紹介
新入社員研修を実施したら、施策内容と結果を振り返り、効果を測定する必要があります。しかし、「どのように効果測定すればよいのかわからない」「そもそも新入社員研修が上手くいったのかがわからない」という悩みが多くなりがちです。
今回は、新入社員研修を数多く支援しているアルーが考える、新入社員研修の効果測定のポイントややり方をご紹介します。
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新入社員研修の効果測定の必要性
新人社員研修の効果測定は、人事部が行った施策が配属先で求められる最低限のスタンスとスキルを身につけた上で配属させることができたかどうかを可視化し、配属先への共有と来期への改善に繋げるものです。そのためには、新入社員側からも行った研修への満足度や理解度をアンケートなどで回答してもらうことが必要です。そうすることで、人事側も研修の課題点を発見し、次回以降の改善やフォローアップ研修につなげることもできるでしょう。
また、新入社員個別にフィードバックを提供することによって、新入社員は「自分は他者からどのように見られているのか」「自分の長所と短所はなにか」「社会人として何を身につけるべきなのか」などの課題・強みを発見し、目標設定に活かすことができます。
新入社員研修カリキュラム別効果測定項目
では、新入社員研修ではどのように効果測定するのが良いのでしょうか。
ここでは、カリキュラム別の効果測定項目を紹介いたします。
ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修では、
- 社会人としての適切な言葉遣いができているか
- メールや電話対応のやり方は適切か
- 身だしなみは自社が求める基準に合っているか
- 社会人としてのふるまいが正しいか
などが効果測定項目となるでしょう。
座学のみでは効果測定をすることが難しいカリキュラムとなりますので、研修後にロールプレイングをして定着度を確認する、テストを行って効果測定することが必要になるでしょう。「社会人としてのふるまいが正しいか」という抽象度が高い項目については自社で具体的な行動例を複数提示するとよりわかりやすくなります。例えば、エレベーター内では同期がいても大声で話さず私語を慎む、などといった具体的な行動を提示すると新入社員にとっても人事にとっても分かりやすくなります。
コミュニケーション研修
コミュニケーション研修では、
- チーム内でのふるまいは適切だったか
- チーム内の役割や立ち位置を理解して行動できていたか
- 積極的に他者とコミュニケーションを取ろうとしていたか
- 相手の立場を考えた上で自分の考えを伝えているかどうか
などが評価項目となります。
社会人になると、同僚や上司とコミュニケーションを取り合い、協力して業務を行う必要があります。そのため、コミュニケーション研修では、協調性のある行いができているかや、相手の立場を考えてコミュニケーションが取れるかを効果測定することになります。
コミュニケーション研修でも、座学のみでは効果測定が難しいため、グループワークやロールプレイを行い、同期同士でフィードバックしていくといいでしょう。
社会人としての意識改革
新入社員研修を行う目的として、社会人としての心構えを身につけることが挙げられます。
社会人としてのマインドセットを行う研修では、
- 仕事に対して積極的に動くことができているか
- 期限を守って課題や日報を提出できているか
- ミスや注意されたことに対して素直に認め、反省ができているか
などが挙げられます。
マインドセットの効果測定をするためには、研修の感想や振り返りを行うインタビューシートなどを使用する、配属先の仕事ぶりで効果測定するなどの手法があります。
新入社員研修で使える効果測定シート
ここまでお伝えしてきたように、新入社員研修後の効果測定は「学んだ内容を行動に反映できているかどうか」を判断する必要があります。
そのため、数値化できない定性的な評価が多くなってしまう傾向があります。定量的評価を行うためには、テストを用意するなどの工夫が必要です。
ここでは、新入社員研修で効果測定を行う場合に役立つ効果測定シートをご紹介します。
理解度チェックシート
理解度をチェックするための、テスト形式になっている効果測定シートです。
以下は、アルーが新入社員研修で使用している理解度チェックシートの例です。
ロジカルシンキングやビジネスマナーなど、明確な答えがあるものに関しては、このような小テストを効果測定基準として用いましょう。
定性評価を行う際は、経済産業省が発表している社会人基礎力自己点検シートを活用するのも良いでしょう。
以下は、経済産業省の社会人基礎力をベースに作成したシートの例です。
参考:経済産業省
上記のシートを使うためには、グループワークやディスカッションなどの新入社員の行動が確認できる研修を行うことが必要になるでしょう。
インタビューシート
インタビューシートは、新入社員に対して「研修を行ってどのような学びを得たのか」「理解度はどのくらいか」などをヒアリングする際に使用するツールです。
新入社員の意欲や研修に対する意見を聴くことができるため、新入社員の効果測定はもちろん、次回以降の研修に活かすことができるでしょう。
行動計画シート
行動計画シートとは、新入社員が目標を達成するために、具体的な行動を計画するためのシートのことです。シートには、具体的な目標、目標達成までのステップ、期日などを記載します。
行動計画シートは、新入社員自身に記載してもらうことがおすすめです。自分で設定した目標に向かって日々行動することで、自分ができるようになったことはなにか、できないことはなにか、を明らかにすることができます。
新入社員研修を効果測定する際のポイント
ここでは、新入社員研修を効果測定する際のポイントについてご紹介します。
短期目標と長期目標を分けて設定する
新入社員の研修では、短期目標と長期目標を分けて設定しましょう。
長期目標のみ設定すると、目標達成までに時間がかかり、モチベーションの低下につながります。
研修内容が身についたかなどの最短1日で達成できる短期目標と、研修で学んだことを職場で実践できているかどうかなどの数か月~数年単位で達成できる長期目標を同時に設定し、新入社員が何から取り組めばいいか分かりやすくすることが大切です。
定量結果と定性情報のどちらも設定する
先述しましたが、新入社員研修の効果測定は定性評価が多くなってしまう傾向にあります。
定量的な効果測定を行うコツとしては、目標としている行動に対して3段階か5段階評価をおいて評価することです。なるべく知識・行動ベースで定量化できるようにしましょう。
例えば、ロジカルコミュニケーション研修を行った場合、「1点:結論から話せない」「2点:結論から話せるが、根拠が弱い」「3点:結論と根拠が揃っているが話が長い」「4点:結論・根拠を端的に話せるが相手に合わせて話せない」「5点:相手に合わせて端的に結論と根拠を話せる」といったように5段階に分けてスコアを付けます。一人ひとりの新入社員が今、どのレベルにいるのかが可視化されるため、人事だけでなく、新入社員やその上司にとっても有益な効果測定になります。
定性情報の際には、その評価に至ったコメントを入れるのも良いでしょう。
例えば、「研修中にタイムキーパーを率先して行っており、主体性があってよかった」「問題を指摘された際には素直に応じることができるが、改善点を自分で発見し、どのように行動すべきか考えられるとより良い」など、改善コメントを入れることによって、次のステップが明確になり、納得度の高い評価となります。
新入社員への評価コメントの例は以下の記事で紹介しています。
『新入社員への評価コメントの例文集。成長につながる評価のコツ』
最初の研修の効果測定は研修後すぐ行うと良い
新入社員研修の前半に行った研修はなるべく早めに振り返りを行うと、翌日以降の新入社員研修でPDCAを回していくことができます。できるだけ研修を実施したその日中に行ないましょう。時間が経つにつれ、研修の内容やその時の自分の言動を忘れてしまうおそれがあるだけでなく、人事が意図しないことをそのまま根付かせてしまうリスクがあります。
研修後すぐにアンケートを取ったり、研修の最後にグループワークなどを取り入れたりして、効果測定がすぐにできるような工夫が必要です。
結果に加えてスタンスやプロセスも評価する
新入社員研修の効果測定を行う際には、結果だけでなく新入社員のスタンスやプロセスも評価しましょう。理解度テストなどの結果だけで評価してしまうと、受講者は研修修了時の優劣で一喜一憂してしまいます。結果が良くなかった新入社員の中には、モチベーションを下げてしまう人もでてくるでしょう。
研修への取り組み姿勢や研修前後で変化があった行動についても評価することで、研修修了時には結果が芳しくなかった新入社員でも、継続的に成長しようと努力してくれます。新入社員のモチベーションを高めるためにも、スタンスやプロセスへの評価も忘れずに実施しましょう。
新入社員研修後、配属先と接続させるために行うこと
ここでは、新入社員研修が終わり、現場配属後に行うことについてご紹介します。
育成目標を達成できなかった社員のために新しい目標設定をする
研修で目標を達成できなかったり、理解度が低かった新入社員に対しては、配属先上司と連携しながら、能力開発に関する新しい目標設定を行いましょう。
配属先でうまくいかないと、新入社員は自信を失ってしまい、モチベーションも下がってしまいます。
例えば、コミュニケーションが苦手で、積極的に人と話すことが出来なかった場合は、「率先して自分から挨拶をすることを心がける」など、社員がもう少しで達成できそうな目標設定を配属先上司にも共有しながら行っていきましょう。
フォローアップ研修を実施する
配属後に新入社員が業務を進めていく上で、新入社員研修の時点では見えなかった不安や課題点が見つかることがあるでしょう。このような不安を放置してしまうと、モチベーションの低下や早期離職の可能性もあります。
そのため、経験の振り返りや課題の明確化のために、入社半年~1年後に新入社員のフォローアップ研修を実施することが効果的です。
フォローアップ研修を行うことで、新入社員研修の内容をより深堀して理解することができ、モチベーションの低下を防ぐことができます。
アルーのフォローアップ研修については、以下のページでご確認ください。
新入社員研修の効果を高めるためのポイント
研修の評価を踏まえて、配属後のフォローの方針を決めることももちろん必要ですが、そもそも新入社員がモチベーション高く受講できる、成長を感じられるような工夫をプログラムに反映していくことが必要です。ここでは、新入社員がモチベーション高く受講し、効果を高めるプログラム作成、関わり方のポイントをお伝えします。
ミスや失敗を通して成長できることを伝える
最近の新入社員の特徴の一つとして、失敗を恐れて行動ができないことが挙げられます。プログラム内では、ワークを進めるにあたって知らないと進められない内容は事前に伝える一方で、研修内でのミスや失敗はいくらでもしてもよいこと、その失敗から学び、改善することのほうが大事であることを事前に伝えるようにしましょう。
例えば、「先輩社員のXXXさんも、新入社員研修の時は、名刺交換で相手の名刺を落としたり、報連相でも結論から伝えられることが出来なくて何度も改善のフィードバックを受けながらやり直ししてたんですよ。でも研修中に何度も改善し続けたことで、結果的には新入社員の中でも成長が著しかったんだよ。」などと伝えると、ミスをするのは自分だけではないし、今では優秀な先輩も失敗を通じて成長していったことをイメージすることができます。
先輩の体験談を気軽に聞ける環境を作る
研修内で先輩の体験談を聞く場を設けることも必要です。新入社員にとって、今後自分が担当する業務や働き方を知ることは、とても関心が高い事項です。身近な先輩をロールモデルとして、どんなことを学べばよいのか、自分に何が足りていないのかを考えるきっかけとなります。
また、先輩社員との縦のつながりもでき、会社への帰属意識の醸成にもつながります。人事施策としては、業務の指導や相談をしやすいOJT制度を導入したり、部内では共有しにくい相談のはけ口となるメンター制度を導入し斜め上の先輩に気軽に相談できる環境を用意するといいでしょう。
後輩社員のOJT指導のための適切な心構えと基本的スキルを身につけるOJT指導員育成施策例
あるべき論で伝えない
最近の新入社員の特徴として、自分で理解し納得すると、すぐに行動を修正できる改善力をもっています。新入社員に行動を改善してもらうためには、まずは、理解してもらう、納得してもらう働き方が大切となります。そのためには、プログラムの設計として、あるべき論を伝えるのではなく、新入社員に問いかけ、「なぜ●●する必要があるのか」「なぜ▲▲だと困るのか」を自分で考えてもらうような設計が必要です。
例えば、ビジネスマナーを学ぶ際には、なぜマナーを守る必要があるのかを、最初に新入社員に問いかけます。すると、「会社の代表として見られているため、自分のマナーが悪いと会社の評判が落ちてしまう」「周囲と協働をするうえで、まずは信頼してもらう必要がある」のように新入社員が自分なりにマナーの必要性に気づくことができます。そうすると、マナーの型を身につけようという意欲をもって学習することができるようになります。
アルーの新入社員研修をご紹介
アルーは、毎年約2万人の受講者実績を基に、傾向を捉えた新入社員研修を提供しています。
ここでは、アルーの新入社員研修をご紹介します。
新入社員の傾向に合わせて研修が可能
アルーでは、「自己成長力支援サービス」を使用した新入社員・およびそのトレーナーからのアンケートを基に、新入社員の傾向を分析し、毎年の新入社員研修に反映させています。
そのため、新入社員の傾向にあわせた最新の研修を導入することが可能です。
実践を中心にした研修で定着しやすい
アルーの研修は、いわゆる座学だけではありません。ロールプレイやグループワークなどの実践を中心にした研修を行っているため、学んだ内容をすぐに使うことができ、知識が定着しやすい点が特徴です。
また、eラーニングとの組み合わせにより、反復学習や確認テストを行うことができるので、ブレンディッドラーニングでの活用も可能です。
オンライン研修も可能
集合型の研修だけでなく、オンラインでの新入社員研修も可能です。
現在、大企業の約7割が新入社員研修をオンラインで行っているというデータもあり、オンライン研修の需要は高まってきています。
アルーでは、ZoomやTeamsを活用したオンライン研修にも対応可能です。
新入社員研修の効果測定事例
ここでは、実際にアルーが新入社員研修を行った事例をご紹介いたします。
株式会社NTTドコモ様
株式会社NTTドコモ様では、新入社員研修のビジネスマナー・スキルの研修をアルーが行っています。
ビジネスマナー・スキル研修では、判定試験を行い効果測定を行いました。
目指すレベルと、判定試験の有無は以下の表の通りです。
受講者アンケートでは、研修満足度が5点満点の平均スコアで4.6、研修理解度も4.6と、高評価をいただいています。
詳しくは、以下のページでご確認ください。
【事例】学生から社会人への変革(オンライン研修)(株式会社NTTドコモ)
帝人株式会社様
帝人株式会社様では、4ヶ国で実施される海外派遣研修をアルーが支援しています。
この研修では、最終日のプレゼンテーションと、受講者アンケートで評価を行っています。
受講者のアンケートでは、多くの社員が海外派遣研修に価値を感じ、10点満点中平均で8.12点の高評価を得ています。
詳しくは、以下のページでご確認ください。
まとめ
新入社員研修の効果測定は、新入社員の課題や強みを知ることによって、目標設定に役立てられる他、人事側でも次回の研修に活かすことができるため、とても重要です。
新入社員研修の効果測定は、今回お伝えしたポイントをおさえて行い、研修後にもフォローや目標の再設定を行いましょう。
アルーでは、新入社員研修の支援を行っています。効果測定の基準や方法についても、お客様にあわせて提案いたしますので、ぜひ一度お問い合わせください。
▼アルーの新入社員研修についての詳しい資料をこちらからダウンロードできます。
以下のページでも詳しい内容をご覧いただけます。