【最新】新入社員の特徴といまどき新入社員の成長を促すポイント
「いまどきの新入社員の考えていることが分からない」や「新入社員の働き方がイマイチ理解できない」といった悩みを抱えている育成担当者も少なくないのではないでしょうか。
これらの悩みや問題を解消することは、キャリア開発や成長を支援するうえでは非常に重要です。
アルーが行った独自調査と、2024年度に118社の企業、2.7万人の新入社員に研修を実施したアルーから見る、イマドキの新入社員の特徴をご紹介します。
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最近の新入社員が育ってきた環境
新入社員はゆとり教育で育ってきた世代であり、これまでの世代との一番の違いは、成績が「相対評価」から「絶対評価」に切り替わったことが挙げられます。
相対評価はクラスのなかでどの位置にいるのかを把握することができますが、絶対評価はそうではありません。
教師の基準を満たしていれば誰でも「5」を取ることができ、クラスメイトとの競争が少なくなってるため、「1番を取る」といった競争心の低下につながっています。
また、アナログからデジタルへの変化もあり、インターネットやSNSの普及なども時代背景として挙げられます。
対面でコミュニケーションを図っていたこれまでと違い、文字でのコミュニケーションが主流となっています。
小学生の頃からSNSというツールが存在していたため、いじめが陰湿化する傾向にもありました。そのためなるべく目立たないように、無難に過ごすことで自分の身を守るという傾向になっていることが多いようです。
小学生時代にリーマンショックや東日本大震災が起こり、大学生活の後半にはコロナウイルスや超円高による不安定な経済情勢をいくつも経験しています。そのため、現実主義の人が多い傾向にあります。
自分の能力を試す・人並み以上に働くなど、人と外れて挑戦していくことよりも、ある程度人並みに働けてプライベートを大切にできれば良い、経済的に豊かになれば良いという人が増えています。
親子関係から紐解く最近の新入社員の環境
新入社員が育ってきた家庭環境から、新入社員の特徴を紐解いてみましょう。
現在の新入社員の親世代は1980年代に青年時代を過ごしてきた、いわゆる「新人類」と呼ばれる世代になります。1980年ごろは高度経済成長が終わり、これまでの詰め込み型教育ではなく、個性を尊重する教育が重視されるようになりました。そのため、この時代に青年時代を過ごした世代は個性を尊重する教育を受けてきたことになります。これはよく言えば、子どもに対して自由に学ばせる姿勢をもっているといえる一方で、「モンスターペアレンツ」のような過度に子どもの自由を主張する親がでてくるなどの社会問題も引き起こしました。
個性重視で育ってきた親に育てられた現在の親友社員も、個性や多様性をないがしろにされることは好まない傾向にあります。そのため、以前と比べると、画一的なルールや理不尽な指導には異を唱えることがあったり、一方で自分とは異なる意見や価値観を受け入れやすかったりします。
最近の新入社員の仕事観
アルーでは、2023年4月に企業への就職を予定している学生295名を対象に、「理想の働き方」「理想のキャリアプラン」「理想のリーダー像」「理想のOJTトレーナー像」についての入社前の意識調査を行いました。
調査の結果、世間で言われるZ世代の特徴を示すデータが得られた一方で、そうではない特徴を示すデータも散見されました。こちらではZ世代の仕事観についての調査結果をご紹介します。
安定と堅実を好み、リスクを避ける働き方を強く望む
マサチューセッツ工科大学のエドガー・H・シャイン博士が提唱した「キャリア・アンカー」を基に、働き方に関する9つの選択肢から自分の考えに近いものを最大3つを選んでもらいました。結果として、内定先企業の従業員規模が1,000名以上の群と1,000名未満の群の両方で、安定志向やリスク回避志向が強く感じられる「安定した環境」と「専門性」が上位2つとして選ばれました。
「安定した環境で働きたい」、「専門性を身につけることで、会社に何かあっても自分のみを守れるようにしたい」といった堅実な思考が読み取れます。
「転職」ありきで就職先を決めているわけではない
内定先企業の規模が1,000名以上と1,000名未満の両群ともに最も多かった回答は、「安定志向」であり、多くの学生は「同じ会社で長く働き、堅実に成長したい」と考えているようです。
一方、下位には「副業・兼業」や「転職」「独立」などの選択肢が並びましたが、選択率は低く、特に「副業・兼業」は7.6%でした。
これは現在の社会での新しい働き方としての浸透度や学生の認識が影響している可能性が考えられます。
このように、学生たちの間で「転職」に対する意識は低く、多くが長く同じ会社で働きたいと考えて入社しています。しかし一方で、厚生労働省のデータによると「入社3年以内の離職率は3割」であることが指摘されています。新入社員が早期に離職してしまう原因には、新入社員の意識以外の問題があると考えてよいでしょう。
リーダーに求めるものは、「調和・尊重・公正・公平」
ハーバード大学のダニエル・ゴールドマン博士が提唱したリーダーシップスタイルをもとに、理想の上司像に関する7つの選択肢から3つを選んでもらいました。結果を内定先企業の規模で1,000名以上と未満に分けたところ、両群とも上位3つの選択肢は「組織の調和」「個性の尊重」「公正・公平な判断」で、これらは50%以上の学生が選んでいます。これらのリーダーシップ要素は、業界や業種を問わず、今の時代に求められるものとして、多くの企業で研修テーマとして取り上げられています。
また、第4位に「効率的な業務遂行」が挙げられ、これは「Z世代」の価値観が影響しているかもしれません。リーダーに求めるものは、ビジョンだけでなく、調和・尊重・公正・公平などであり、メンバーとの対話や信頼関係を重視するスタイルが重要であることが伺えます。
OJTトレーナーに求めることは、「個人の理解と尊重」
OJTトレーナーについてのアンケートも実施しました。従業員規模1,000名以上のグループと1,000名未満のグループでの回答を比較しました。
OJTトレーナーとの距離感に関する回答では、両グループともに、近い関係性を望む学生と遠い関係性を望む学生が約半々でした。このことから、「Z世代」を一律に捉えるのではなく、新入社員それぞれの性格や好みを理解し尊重することが肝要だということが分かります。
具体的な業務遂行や指導についての回答では、「Z世代」の特徴とされる傾向が明らかになりました。約80%の学生が、OJTトレーナーからの関心や関与を求めています。自分のペースでの仕事を望みつつ、放置されるのは嫌だと感じているのです。
最後に、1,000名以上の企業の内定者と1,000名未満の企業の内定者の違いを指摘すると、「優しい言葉をかけてほしい」という思いは1,000名未満のグループで強い一方、1,000名以上のグループは「成功体験やノウハウを教えてほしい」と強く期待しています。
最近の新入社員の特徴
上記を踏まえ、新入社員にはどのような特徴があるのでしょうか。
新入社員に対して効率的な研修を実行するためには、近年の新入社員の傾向を把握することが必要不可欠です。
ここでは、アルーが新入社員研修の際に調査して分かった、ポジティブ傾向とネガティブ傾向の双方から具体的な特徴を解説します。
ポジティブな傾向
新入社員のポジティブな要素は、
- 素直で真面目
- 必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さ
- エンジョイメント
- 他者からの評価がモチベーションになる
- 自分の意見に溺れず、客観的に判断できる
同世代との高い関係構築スキル
の6つが挙げられます。
以下にて、具体的に解説します。
素直で真面目
1つ目のポジティブな傾向として、今の新入社員は「素直で真面目」ということが挙げられます。
業務に関して伝えたことを素直に聞き入れ、卒なく真面目にこなしてくれる傾向があります。
実際に働いてるなかで指示を忠実に守ってくれると感じることは少なくないのではないでしょうか。
指示した以上のことはやらないということもあるかもしれませんが、近年の新入社員は業務の意図や概念を把握する力が優れており、上手に察知できることが最大の特徴といえます。
必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さ
上記に加え、柔軟性が高いという点もポジティブな傾向として挙げられます。
そのため、「この業務はどのようなところで活きてくる」「この業務はどういった理由で必要なこと」など、必要だと理解してもらうことで柔軟に対応してもらえます。
また、研修で学んだことやフィードバックについても柔軟に対応し、思想に固執することなく、考え方を変えられるのが新入社員の特徴です。
社会人経験が浅いからこその柔軟さを持っているため、丁寧にしっかり説明することで理解してもらえるでしょう。
エンジョイメント
近年の新入社員は、仕事に対してさまざまな価値観を持っています。
そのなかでも、仕事に対するやりがいや楽しさを重視している方が多く、仕事を通じて楽しもうと考えている方が増えてきています。
また、自己成長を実感して成長していくという成長志向が高い方もおり、学ぶ過程や研修に対してエンジョイメントを大切にしているという点は最近の新入社員の大きな特徴です。
他者からの評価がモチベーションになる
最近の新入社員はLINEやTwitterなどのSNSでのコミュニケーションが生活の中心になっている世代です。自分の投稿に対して「いいね」やリプライを気軽にもらえる環境のため、他者からの承認に良い意味でも悪い意味でも敏感です。承認を得られたと思えばモチベーションが上がりやすいですし、頑張りが認められずにいるとモチベーションが下がりやすい傾向にあります。
きちんと周囲からの評価を伝えてあげれば、マネジメントしやすいといえるかもしれません。育成施策を行う際には、ポジティブな評価にもネガティブな評価にも客観的に向き合い、振り返ることで成長する環境を整えることが必要です。
自分の意見に溺れず、客観的に判断できる
SNS世代の新入社員は、普段から多様な意見や考え方に触れる機会が多く、一つの事柄にも多様な意見を見聞きすることに慣れています。客観的な意見を大切にするため、たとえば賛成意見と反対意見を比較しながら、自分の意見を述べることが得意な傾向にあります。
一方で、まずインターネット上で様々な意見を集めてしまうため、自分なりの考えや主張をもったりすることは苦手かもしれません。
同世代との高い関係構築スキル
同期間で仲良くなろうという意識が強く、打ち解けるのが非常に速い傾向がありました。ここ2〜 3年はオンライン中心の生活が続き、同期との絆作りを心配された人事ご担当者さまが多かったと思われますが、あまり心配はなさそうです。
ネガティブな傾向
一方で、新入社員のネガティブな傾向として、
- 手の届く情報で満足し、自己完結しがち
- 周囲からどう見られるか、どういう行動が適切かを知らない
- 他者にネガティブフィードバックをしない
- 他者から抜きん出ようとする行動をしない
- 対面でのコミュニケーションが苦手
という傾向があります。1つずつ紹介いたします。
新入社員研修を行う目的として、社会人としての心構えを身につけることが挙げられます。
手の届く情報で満足し、自己完結しがち
与えられた情報だけで課題を解決をしていく様子が見られ、自ら質問をして情報を取りに行くという行動が少ない傾向にあります。新入社員研修の際に、「相手がどのように思うか」といった視点での質問が極端に少なく、全く質問にこないグループもありました。
さらに、トップを目指そうという意識も高くないため、演習成果物のブラッシュアップに意識が向かず、その結果、自己完結で満足しているように見える行動が散見されました。
周囲からどう見られるか、どういう行動が適切かを知らない
ネガティブな傾向として、周囲にどう見られているかという見られ方の意識の低さが挙げられます。
例えば、アルーが行った研修では、新入社員が壁に結果や意見を貼って発表を行う際、模造紙でなくA3の用紙にまとめてしまったという場面がありました。本来は最初から相手の見やすさに配慮すべきところでしたが、自分たちの書きやすさを重視してしまったようです。
この背景には、近年問題視されている新型コロナウイルス感染症の影響で、対面で会う機会が減ってしまい、リモートが主流となっていることが影響しています。
直接会うという機会が非常に少なく、対面で経験して学んでいく機会が限られているため、自分がどのように見られているのかという意識が低くなってしまいがちです。
また、社会人としての経験も浅いため、どのような行動が適切かを理解していないということも少なくありません。
適切な振る舞いを理解しておらず、状況によっては周囲に迷惑をかけてしまうということもあります。
他者にネガティブフィードバックをしない
ネガティブな傾向として、他者にネガティブなフィードバックをしないということが挙げられます。
グループワークなどでポジティブなフィードバックはしても、ネガティブなフィードバックは過度に遠慮してしまい、率直なコミュニケーションを取れないこともあるようです。
そのため、研修時には、相手に対して気を遣いすぎてしまわないように工夫する必要があるでしょう。
新入社員に身につけて貰いたいコミュニケーション力の研修については、以下のページでご確認ください。
他者から抜きん出ようとする行動をしない
ネガティブな傾向として、他者から抜きん出ようとする行動を起こさないということが挙げられます。
上述した通り、育ってきた環境などによって安定志向な方が多く、積極的に目立とうとするような行動を取る方は少ない傾向にあります。
そのため、業務に対して一定水準で満足しないように、個人にあった目標設定をして限界を決めない、限界に挑戦させるなど、ある程度の工夫が必要です。
▼アルーの新入社員研修の詳しい資料はこちらからダウンロードできます。
対面でのコミュニケーションが苦手
現在の新入社員は、SNSやオンラインコミュニケーションツールの発達により、対面でのコミュニケーションが以前と比べて減少している中で生活をしてきています。そのため、対面でのコミュニケーションを苦手とする新入社員も増えてきています。
例えば、チャットではスムーズにコミュニケーションが取れているのに対面の会議では発言できなかったり、「顔を見ない方が話しやすい」という理由でオンラインミーティングでカメラをOFFにしたりする新入社員もいます。このように昨今の生活環境の変化によって、対面でのコミュニケーションを苦にし、その結果なかなか心を開けない社員も増えてきているようです。新入社員の育ってきた環境を考慮し、好まれるコミュニケーションスタイルを知っておくというのもマネジメントにおいて必要な観点となるでしょう。
新入社員の特徴に合わせた研修事例
ここまで、新入社員のポジティブな傾向とネガティブな傾向を解説してきました。
それらを踏まえ、どのような研修を行えば良いのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、新入社員の特徴に合わせた研修事例を具体的に紹介します。
場の活性化に向けた働きかけ
全体発表は、グループが多いと参加者の手が挙がりにくくなるため、2つに分けて行います。これにより、参加者は小集団での共有の感覚を持ち、発表へのハードルが下がります。
オンライン研修では、グループワークの代わりに意見をチャットで共有するようにしました。参加者はチャットに慣れており、迅速に意見が集まります。また、メモ取りを促すため、講師は自身の講義スタイルとして大事なポイントを2回繰り返す旨を事前に伝えておくようにするなど、研修の場を活性化させる工夫があります。
マナーの必要性を伝える働きかけ
マナーの必要性については、以下のような解説により納得度を高めてもらえました。
- 社会人になったら常に、マナーを意識・実践しなければならないものと固く捉えるより、オンとオフを意識して、ここはオンだと思ったときにしっかりオンにできるようになろう。
- 海外旅行時に現地の文化を学び適応するように、ビジネスでも既存の文化を理解し、それに合わせて行動することが大切である。
チャレンジを促す働きかけ
チャレンジする重要性を伝え、納得度を高めましょう。
失敗してよいこと
フィードバックを次に活かせればよい
ただし、フィードバックを受けられることは当たり前ではなく、貴重な機会なのだということも必ず伝えてください。自分から聞きにいかないと、フィードバックはもらえないということも知ってもらう必要があります。
すぐに実践するための働きかけ
研修で学んだ内容をすぐに実践に移してもらうための働きかけとして、今日学んだことを今後の職場でどのように活かすかという示唆を与えることも心掛けるとよいでしょう。
職場での活用がイメージしにくい場合は、「明日の研修で」など、新入社員がより想定しやすい場面での活用を促すサポートができるようにしましょう。
また、1日の振り返り時に新入社員同士で相互フィードバックを実施するのもおすすめです。できなかったことだけではなくできたことも認識させることで、成長実感の醸成と翌日以降のモチベーションアップにつなげます。
初日に経験学習モデルを用いて各自の学習目標を設定し、研修に臨むようにするのも効果的です。研修への目的意識が醸成され、2日目以降の「学び取ろう」という気持ちが如実に変わった企業もありました。
相手視点の必要性を促す働きかけ
相手視点の重要性を伝えることも非常に大切です。
自分の人生の価値を自分で確立することは大切ですが、ビジネスの世界では「成果は相手が評価する」という側面も忘れてはなりません。
両方をバランスよく認識すれば、自分自身の価値と相手の評価を両立させ、双方にとっての価値を生み出すことができます。
上記のような相手視点の重要性を伝え、納得度を高める工夫をしましょう。
主体的な活動が生まれる仕掛けを用意
新入社員の主体性を引き出すためにさまざまな仕掛けを用意したケースです。
A社では、新入社員に向けた研修にて、自律性や主体性を発揮するため、日ごとに異なるグループが日直を行い、運営や朝礼・夕礼のファシリテーションを行いました。
その結果、日直を担当したグループは、責任感を持って行動するようになり、お互いに指摘し合うなど、積極的に行動が見られるようになりました。
お互いの行動について気付きが生まれて共有し、発信が盛んに行われるようになった成功例といえるでしょう。
新入社員に主体性を持たせたい時に人事が考えるべきことについては、以下の資料でご確認いただけます。
同期間で関係性をつくる仕掛けを用意
新入社員に置ける研修期間は、単純に業務に慣れるというだけでなく、ほかの社員と信頼関係を築くうえでも重要な期間であり、それらを踏まえたうえで成功したケースです。
B社では、新入社員同士が自己開示ができるようにお互いの価値観が理解できるような場を意図的に設けました。
その結果、新入社員同士の交流が増え、「目標について述べられた」や「一歩踏み出せた」など、価値観の共有が進みました。
また、昼食でブレイクアウトセッションを実施するなど、積極的に関係性を創出する仕掛けを作ったことが成功につながったといえます。
参加者の安心感と主体性を生み出すファシリテーションスキルについては、以下の動画で解説しています。
経験学習が回る仕組みを用意
新入社員の研修において、一気に必要な知識を詰め込んでもそれほど効果はありません。
また、新入社員が身に付けるスキルは、マナーや仕事の進め方、ロジカルシンキングなど、多岐にわたります。
そんななかC社では、連日研修を行うのではなく、数日程度の間隔をあけて実施し、内製研修において活用したかを振り返る機会を設けました。
その結果、研修内容を復習でき、効率的に経験学習のサイクルを回すことができました。
アルーでは、新入社員が経験学習サイクルを回し、継続的且つ自発的に成長するための研修プログラムをご提供しています。
▼詳しくはこちらからご覧ください。
反転学習を意図した仕組みを用意
近年では、インターネットを活用した学習「eラーニング」が注目を集めています。
D社では、個人でeラーニングを受講し、そのうえで研修に参加するという反転学習を研修に取り入れました。
研修では、eラーニングで得た学びや気付き、疑問などを共有し、アウトプットの機会を設けました。
その結果、eラーニングで学んだポイントや用語が、受講者間の共通認識になり、研修時の精度が上がりました。
このように、より深いところまで内容が伝えられるようになったという点が反転学習の利点といえます。
アルーでは、eラーニングを効率的に行える学習システム「etudes」をご提供しております。詳しくは以下のページをご確認ください。
これからの時代に求められる新入社員育成のポイント
上述では、新入社員の特徴に合わせた研修事例について解説しました。
しかし、それらを踏まえたとしても新入社員を育成するポイントがイマイチ分からないという方もいるのではないでしょうか。
ここでは、これからの時代において新入社員を育成するためのポイントは何なのかを解説します。
成人発達理論をベースに3つの適応プロセスを経る必要がある
1つ目として、成人発達理論をベースに置き、3つの適応プロセスを経る必要があるということが挙げられます。
成人発達理論とは、自分のニーズを満たすために行動する「利己的段階」、周囲の期待を満たすために行動する「環境順応型知性」、大きな何かのために行動する「自己主流型知性」、当事者意識を持って全体のために自分を使う「自己変容型知性」の順に発達していく理論です。
これらをベースに置き、チームに馴染む「組織適応期」や業務を通じて顧客視点や目的意識を築く「ビジネス適応期」、業績が安定して成長実感を感じる「戦力化・充実期」といった3つの適応プロセスを経ることで、順調に成長を遂げ、能力的な成長が期待できます。
6~8月頃の組織適応期には、新入社員が組織に馴染むことを優先して施策を組みましょう。この時期の新入社員は、分からないことばかりで戸惑ったり、業務や組織が入社前の期待と異なっているためにショックを受けたりすることがあります。自分ができていることとできていないことを自覚してもらい、自己改善サイクルを回せるように支援しましょう。また、まずは報連相などの仕事を進める上での基礎を定着させるような研修がおすすめです。
9~12月頃の業務適応期は、業務を広く担当し、顧客視点や目的意識を築いてもらう時期です。この時期の新入社員は、自分の実力を過信してミスをしたり、業務量の多さに追い付かなくなりモチベーションが下がったりします。業務全体の流れを理解して円滑に業務を進められることを目標にするとよいでしょう。円滑に業務を進められれば、仕事のやりがいを実感してもらうこともこの時期には可能です。
1~3月の戦力化・充実期には、業務の質が安定し始め、成長実感をもつようになってきます。チームメンバーの一員として仕事を任せられることが増えるので自信がつき始めるでしょう。一方で、「来年度の新入社員に仕事を教えられるだろうか」、「自分の今後のキャリアはどうなるんだろうか」という不安を感じやすい時期でもあります。この時期には、業務を円滑に進めるための判断を一人でできるようになること、業務の目的を理解して責任感を持って取り組めるようになることを目指すとよいでしょう。
経験学習サイクルを回せるように職場全体で支援する
2つ目のポイントとして、経験学習サイクルを意識した場面ごとの支援を意識することが大切です。経験学習サイクルは、新入社員が具体的な経験を通じて学び、その経験を整理し、教訓を引き出すプロセスを指します。
職場全体がこのサイクルの重要性を理解し、新人の経験の整理を助け、教訓化を支援し、新しい状況に適用する能力を伸ばすための支援を行うことが求められます。
そのためには、OJTトレーナーはもちろんのこと、OJTトレーナー以外の社員も新人を育成する役割を持つことが大切です。他部署の社員も新人に積極的に声がけして、経験学習の適用を促して見守りましょう。このような職場全体の取り組みを通じて、新人はより効果的な学びを得ることができます。
組織適応を肯定的に受け入れられる土壌づくりをする
3つ目のポイントとして、組織適応を肯定的に受け入れられる土壌づくりということが挙げられます。
組織のために貢献するというのは過程に過ぎず、目標とすべき社会人像は、自分らしさと周囲の期待を両立した姿です。しかし、「自分らしさ」と「周囲の期待」の間には矛盾が生じることも多く、新入社員はこの矛盾にどう対応すればよいのか分からず、苦しんでしまうことがあります。
こういった社会人生活における矛盾と葛藤に対しては、簡単に答えを求めるのではなく、「矛盾を両立できる方法は何か」という問いを立て、そこに向き合い続けることが重要といえます。
これらを踏まえ、経験を振り返りながら教訓化するプログラムを研修に組み込むことで、肯定的に受け入れられる文脈の創出が可能となるでしょう。
組織適応を肯定的に受け入れられるようにするには、これまでの自分のあり方との矛盾や葛藤と向き合うことが必要です。どうしたらこれまでのあり方を活かしつつ組織適応ができるのかという問いを立て、そこに向き合い続ける意味づけや具体的なやり方を伝えることが重要です。
振り返りの習慣化と自己理解を深めてもらう
4つ目のポイントとして、振り返りの習慣化と自己理解を深めるということが挙げられます。
現状を振り返るためには、フォローアップ研修を実施したり、アセスメントツールを導入したりすることが必要です。
自己理解をする上では、まず自分の価値観のフィルターを通して判断するのではなく、出来事をフラットに受け止めて「どんな意味があったのか」や「ほかにはどのような解釈ができるのか」といった多角的に捉えることが必要です。自分の価値観を相対化することで、自己理解につなげるのです。
これらを意識しながら行動することで、振り返りの習慣化を身に付けることができ、自己理解を深めることができるでしょう。
アルーの新入社員研修について
新入社員というのは、業務管理や進捗具合、業務を進めるうえでの悩みなど、多くのシーンで壁にぶつかっています。
壁を乗り越えて一人前の社員になっていきますが、壁を乗り越えるためには上司や先輩といった周囲からのサポートは必要不可欠です。
しかし、新入社員の育成に手が回らない場合や、より精度の高い教育環境を整えたい場合などもあるのではないでしょうか。
そのような際は、人材育成を専門的に展開している企業の研修を導入するのも一つの手として挙げられます。
アルーでは、近年の新入社員の傾向や課題に合わせ、組織に対する理解や周囲との関係構築などを促すような新入社員研修をご提供しています。
年間約2万人の受講者実績をもとに、傾向を捉えた研修を設計し、「わかる」から「できる」への定着を支援致します。
新入社員の特徴に合わせたカリキュラムを実施
アルーでは、研修のラインナップを豊富に取り揃えており、自分で考えて行動するために必要なマインドセットとスキルセットの双方を支援しています。
また、新入社員の特徴に合わせたカリキュラムを実施できるため、近年の新入社員に合わせて成長を支援いたします。
さらには、集合研修やオンライン研修なども完備していますので、さまざまな研修体系に合わせることが可能です。
実践を中心にした研修で定着しやすい
実践演習を中心に研修を行うため、反転学習や反復学習が可能であり、研修内容が定着しやすいことも特徴です。
また、集合研修の内容に合わせたeラーニングのコンテンツも用意しています。
確認テストやケース演習などの実践を通じることで、理解を深めることができ、さらには集合研修と連動したブレンド学習での活用も可能となっています。
オンライン研修も可能
対面式の研修以外にも、オンライン研修も可能です。
株式会社NTTドコモでは、新入社員の導入研修のうち、ビジネスマナーやスキル研修について、ご支援に機会を設けています。
近年、問題視されている新型コロナウイルス感染症の影響により、対面による研修ではなく、オンラインで新入社員の研修を実施しました。
その結果、はじめてのオンライン研修ということもあり多忙を極めましたが、「受け身になることなく、実践的な研修を受けられた」や「音声や画質は想像していたよりも良かった」など、受講者からの声があります。
また、開催側からも「ストレスなく、双方向コミュニケーションが取れていた」や「本物の電話対応をしているような状態を実現することができ、大変効果が高かった」などの声があり、オンラインによる研修が成功していることが伺えます。
アルーの新入社員研修の事例は以下のページから確認できます。
学生から社会人への変革(オンライン研修)(株式会社NTTドコモ)
まとめ
新入社員の特徴をはじめ、傾向や研修するうえでのポイントなどについて解説してきました。
最近の新入社員は、何を考えているか分からないということがあったとしても、育ってきた時代とその背景を理解することで見えてくるものがあるでしょう。
それらを踏まえたうえで新入社員に合わせた研修を行うことで、効率的に成長を促すことが可能です。
アルー株式会社は、約20年にわたって人材育成を手掛けてきた企業です。
導入企業数103社、受講者数約2.3万人という実績を誇り、これまでの人材育成のノウハウが豊富に蓄積されているため、新入社員の育成にも対応しております。
新入社員の育成をご検討の際はぜひアルー株式会社のご利用をご検討ください。
▼学べる内容や特徴はこちらからご確認いただけます。