マネージャーの役職には何がある?マネージャーの役職名15選
「ゼネラルマネージャー」「ファーストラインマネージャー」など、企業によって様々な役職があるマネージャー。いずれの場合も課長や部長といった責任あるポジションの管理職を指すことが多いですが、それぞれのマネージャーの業務内容や役割を具体的に把握するのは難しいのではないでしょうか。業界によって異なる意味で用いられることも多いマネージャーの仕事内容について、15個の役職ごとに整理していきましょう。
目次[非表示]
マネージャーの役職とは?
マネージャーとは、組織のマネジメント業務を包括的に行う人のことです。しかし、企業における管理職といった意味合いで用いられることもあれば、スポーツ選手や芸能人のサポートを行う人のことを指すこともある、多様な意味合いを持った言葉でもあります。
どの役職がマネージャーか?
どの役職の人をマネージャーと呼ぶかは企業によっても異なるため一概に定義することは難しいですが、一般的な企業の場合は係長以上の役職の人のことを「マネージャー」と呼ぶことが多いです。基本的には、数名以上のグループをまとめる役割を持っている人、というイメージを持っておけば間違いないでしょう。
マネージャーの定義について詳しくは、以下のページをご参照ください。
『マネージャーとは?リーダーとの違いや必要なスキルについて』
また、マネージャーと似た意味である「管理職」について知りたい方は以下のページをご参照ください。
『管理職はどこから?役割・仕事内容・必要なスキルを徹底解説』
ただし、一言でマネージャーと言っても、様々な役職名が存在します。ここでは、日本や海外の企業でよく使われる役職名について紹介いたします。
日本企業でよく使われる役職名
日本企業でよく使われる役職名を紹介します。
係長
係長は、課よりも小規模な係を管理し率いる役職です。実質的にはチームリーダーとしての位置づけで、課長の下でチームをまとめることが求められます。自分自身の成果のみならず、組織全体の成果を考慮し、業務改善や進捗管理、後輩指導を進めることが主な仕事内容です。企業によっては、係長はマネージャー(管理職)でないケースがあります。
課長
課長は、係長より上の役職で、部の中にある課を管理します。係長をとりまとめ、会社内の課の代表となります。人事の配置や部下の評価など、マネージャーとしての業務領域も多い一方で、一般社員が身近に接することができる人物であり、組織によってはプレイヤーとしての活躍も求められる役職です。
課長の下には「課長代理」「課長補佐」などの役職があることもあり、言葉の通り課長の業務を補佐しますが、課長代理には課長と同程度の権限があるが課長補佐には権限を有さないなど、違いがあることもあります。
プレイヤーとしての活躍も求められる課長には「率先型のリーダーシップ」が求められます。
課長の役割や必要なスキルについては以下のページをご参照ください。
『課長育成が重要な理由|求められるスキルや役割・育成のポイント』
部長
課よりも上の「部」を取り仕切る役職です。
部は複数の課で構成されるため、所属している人数も多く、マネージャーとしての業務領域が広くなります。
会社によっては、部長の次席にあたるポジションで「次長」、部署の中でも本部における部長を「本部長」または「事業部長」などの役職がある場合もあります。
部長には未知を切り拓く意識が必要になります。
部長の役割や必要なスキルについては、以下のページをご参照ください。
『部長研修とは?内容や目的・事例を解説』
役員
役員とは、会社の経営に責任を持つ役職です。
会社法423条では、「役員等」にあたる役職は
- 取締役
- 会計参与
- 監査役
- 執行役又は会計監査人
とされています。
会社法で定められている役員は、全てが社内の経営層にあたる人材ではなく、会計参与などは社内から独立した立場でなければならないと定められています。
外資系企業、海外現地法人でよく使われる役職名
外資系企業や海外現地法人では、日本企業とは異なり「○○マネージャー」という名称で呼ばれるケースが多いです。よく使われる役職名をご紹介します。
役員が身につけるべきスキルや育成方法については、以下のページをご参照ください。
『【事例あり】役員研修で取り扱うべき内容や研修目的を解説』
シニアマネージャー
シニアマネージャーは、通常よりも上位に位置するマネージャーという意味合いで用いられる役職名です。
一般的な日本企業では次長や部長代理、副部長がシニアマネージャーと呼ばれることが多く、下位のマネージャーよりは上、ゼネラルマネージャーよりは下に位置するようなポジションをシニアマネージャーと言います。従業員規模が多くマネージャーとゼネラルマネージャーの間に役職を増やす必要性がある企業で用いられるケースが多いです。
マネージャー
日本の課長と同義に近く、組織のマネジメント業務を包括的に行います。マネージャーとしての業務領域も多い一方で、一般社員が身近に接することができる人物であり、組織によってはプレイヤーとしての活躍も求められる役職です。
アシスタントマネージャー
運営するチームが大きくなると、マネージャー一人だけではチーム全体のマネジメント業務をこなしきれない場合があります。そのような場合に設置されるのが、アシスタントマネージャーと呼ばれる役職です。その名の通り、マネージャーのアシスタントとして、補佐的にマネジメント業務をこなします。
「アシスタント」という名前こそついていますが、マネージャーが不在のときなどはマネージャーの代わりとしてその業務をこなすため、実質的にマネージャーと同等の強い権限を持っています。
サブマネージャー
サブマネージャーは、マネージャーを補佐する役職を指します。ベンチャー企業やショップ、飲食店、ホテルなどで使われることが多い呼称です。
マネージャーの仕事を代行したり、チーム運営をサポートしたりするのが役割です。
サブマネージャーには、日頃からマネージャーと綿密なコミュニケーションを取り、マネージャーが目指す目標やビジョンを正確に理解する姿勢が求められるでしょう。
ヘッドマネージャー
ヘッドマネージャーは一般的に、組織や部門の最上位に位置する管理職を指すことが多いです。主な役割は、組織の目標設定や戦略立案、人材の管理と育成、予算管理など、組織全体の運営と成果を監督することです。
なお、特定のプロジェクトやチームのリーダーを「ヘッドマネージャー」と呼称することもあります。
ヘッドマネージャーは部下全員の人柄やマインド、スタンス、スキル、置かれている環境などを把握し、中長期的な視点で組織運営と部下マネジメントを行う必要があります。
ジュニアマネージャー
ジュニアマネージャーは、一般的には組織の初級管理職を指す役職です。ジュニアマネージャーは特定のチームや部門の運営を担当し、上級マネージャーやディレクターの指導の下で、チームの業務を監督します。
具体的には、チームの運営やチームメンバーのサポート、チームの目標設定、メンバー個人の目標設定などを担います。
ジュニアマネージャーは、経験豊富なマネージャーやディレクターの指導を受けながらマネージャーとしてのスキルと経験を積むことができます。そのため、次世代リーダー候補をジュニアマネージャーとすることが多いでしょう。
グループマネージャー
グループマネージャーは、一つもしくは複数のチームを統括している人に与えられる役職を指します。
グループマネージャーは主に、プロジェクトの計画、進行管理、リソースの配分など、組織の戦略を実現する役割を担います。常にチームの全体像を把握し、成果を向上させることが求められるでしょう。そのため、コミュニケーション力やリーダーシップ、問題解決能力が必要不可欠です。
マネージングディレクター
マネージングディレクターは、従業員格として最も上位の役職です。ビジョンの策定や戦略立案、部門間の連携促進、組織の目標達成の監督、リソースの最適化などを行い、組織全体を統括する立場です。組織全体の方向性を指し示し、意思決定を行いながら、組織の成長や利益の最大化を目指すことが求められます。高いレベルのビジネス洞察力と指導力が求められる役職です。
ディレクター
外資系企業では、特定の部門やチームのトップをディレクターと呼称することがあります。営業部門、IT部門、マーケティング部門など、各部門にそれぞれ配置されることが多いでしょう。
ディレクターは自チームの運営管理や戦略立案、マネージャーやメンバーへの指導などを行ないます。また、経営陣や上位役職者と現場のメンバーをつなぐ役目もあります。
ゼネラルマネージャー
ゼネラルマネージャーとは、企業や組織全体を束ねる、上層部の管理職のことです。日本企業でゼネラルマネージャーといった場合は、部長職以上の役職者を指すとイメージすれば分かりやすいでしょう。ホテルの総支配人などのことをゼネラルマネージャーと呼ぶこともあります。
海外の企業においては、役員や経営層を指す言葉として広く用いられています。国内外問わず、組織全体に渡ってマネジメントを行うトップクラスの経営陣、というように覚えておけば間違いないでしょう。企業によってはディレクターと同程度の役職として使われるケースもあります。
ディピュティゼネラルマネージャー
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、ディピュティゼネラルマネージャーという役職が置かれることもあります。ディピュティゼネラルマネージャーは、ゼネラルマネージャーに「補佐」といった意味を持つ「ディピュティ」を組み合わせた単語です。
ゼネラルマネージャーのアシスタントを行い、ゼネラルマネージャーが円滑に組織全体をマネジメント出来るようにサポートすることが主な役割です。サブマネージャーと同じく、次のゼネラルマネージャー候補がディピュティゼネラルマネージャーに抜擢されることもあります。
店舗ビジネスでよく使われる役職名
エリアマネージャー
エリアマネージャーとは、複数の店舗や拠点からなる一定のエリアのマネジメントを行うマネージャーにつけられる役職名です。小売店舗を全国展開しているような、店舗展開型の組織でよく用いられる呼称といえます。例えば飲食店の場合は、複数店舗からなる地域全体を管轄するのがエリアマネージャーです。
エリア全体の売上向上を目標として、店舗の在庫管理や店舗管理を行うことが主な役割です。コンビニやアパレルなどの小売業の他、福祉業界、コールセンターといったサービス業界で頻繁に見かけます。
IT関係の業界・職種で使われる役職名の一部
テクニカルマネージャー
テクニカルマネージャーとは、主にIT企業などの技術職において、技術チームのマネジメントを行う役職のことです。多くの場合は実務経験が豊富で技術力の高いメンバーがテクニカルマネージャーに就任しますが、中には技術チームのマネージャーを実務経験に関係なく単に「テクニカルマネージャー」と呼ぶこともあります。開発チームやデザイナーなどのモチベーションを高め、技術チーム全体が円滑に業務進行できるよう様々なサポートを行うことが役割です。
役職以外のマネージャー名
マネージャーの働き方や役割を示して「○○マネージャー」と呼ぶ場合があります。これらは厳密には役職ではありませんが、そのマネージャーの立場や役割を理解するのに役立つため、覚えておくとよいでしょう。
ファーストラインマネージャー
大きな企業や組織となると、管理職クラスの社員が複数層に渡ることも少なくありません。ファーストラインマネージャーは、マネージャー層が複数ある組織において、部下やメンバーの指導を直接行うマネージャーのことを指します。一般的な企業においては、係長や課長といったクラスの社員がファーストラインマネージャーにあたります。
現場の進捗状況に細やかな目を配りながら、組織全体が円滑に回るよう上層部からの意思伝達も同時に行う、組織をつなぎとめる役割を持っています。
セカンドラインマネージャー
セカンドラインマネージャーとは、部下やメンバーを間接的に指導する立場にあるマネージャーのことを指します。先述したファーストラインマネージャーと対になる言葉で、ファーストラインマネージャーのさらに一つ上の層に位置するマネージャーです。日本企業の場合は、部長や役員クラスの経営陣がセカンドラインマネージャーと呼ばれます。
組織全体を俯瞰的に眺めながら職場環境の管理を行う、幅広い視野が求められることがセカンドラインマネージャーの特徴です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、その名の通りプロジェクト全体のマネジメントを行う人のことです。プロジェクト全体の責任者として、企画の立案や計画の策定、進捗管理やフィードバックなどを行います。
プロジェクトが達成した成果物に対して責任を負うポジションでもあるため、プロジェクトの要となる重要な存在です。PDCAサイクルを回しながら、プロジェクト全体が円滑に進行するように部下の教育や予算管理、トラブル対応などを行うこともあります。
ミドルマネージャー
ミドルマネージャーとは、文字通り中間層に位置するマネージャーのことです。日本語では「中間管理職」と呼ばれることもあります。ファーストラインマネージャーと近い概念ですが、ミドルマネージャーの場合は課長や部長クラスなど、直接の部下もマネージャーであるような人のことをミドルマネージャーと呼ぶことが多いです。
組織の上下を結びつける役割を担っているため、組織全体の中でも特に重要度の高い役職と言えます。企業全体の方針をしっかりと理解した上で、上層部の意思を現場へスムーズに伝えることが使命です。
限られたリソースで成果をあげなければいけない、多様性に富んだメンバーをマネジメントしなければいけないなど、ミドルマネージャーの業務は近年、より困難さを増しています。
ミドルマネージャーの直面する課題を知りたい、ミドルマネージャーをどのように育成するか知りたい方はアルーオリジナル資料『今、ミドルマネジャーをどう支援していくべきか?』をお読みください。
プレイングマネージャー
プレイングマネージャーとは、チームのマネジメント業務もこなしつつチームの一員として実務も行う人のことを指します。しかし、厳密に言うと、プレイングマネージャーは役職名ではありません。プレイヤーとマネージャーのどちらの役割も求められる人のことをプレイングマネージャーと呼びます。通常マネージャー自身が現場の仕事を手掛けることはないため、プレイングマネージャーは他のマネージャーとはやや異なる存在です。
プレイングマネージャーは、マネージャー自身が業務をこなすため、組織の成果を自身が牽引できます。実務経験が豊富な人材がプレイングマネージャーに採用されることも多いです。
しかし、プレイングマネージャーには「マネジメント業務が疎かになる」「部下が成長しない」といったリスクもあります。プレイングマネージャーのデメリットについて詳しくは、以下のページをご参照ください。
『管理職がプレイヤー業務を担うデメリットとプレイヤー意識を取り除く方法』
マネージャーの育成には人材育成会社を利用
マネージャーには様々な役割があり、その名称も多種多様です。
また、マネージャーに求められる能力は幅広いため、日々の業務だけで全てを身につけることは難しいでしょう。
▼マネージャの役割について詳しくはこちらのページをご覧ください。
『マネージャーの役割とは?これからの時代でマネージャーに求められること』
マネージャーを育成するためには、研修やセミナーなどの開催や社員教育用の社内制度の制定が求められます。
アルー株式会社では、マネージャーの育成のための研修や人材育成のコンサルティングを実施しております。
現在、マネージャーとして活躍している社員でスキルを磨きたい方はもちろん、これからマネージャーとしての人材を育成する担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
▼アルーのマネージャー・管理職研修について詳しくはこちらのページをご覧ください。
まとめ
ゼネラルマネージャーやエリアマネージャーを始め、15個のマネージャーの役職を紹介しました。「マネージャー」という言葉の意味は非常に幅広く、小売業界やサービス業界、芸能界やスポーツ界など業界によって様々な意味で用いられることが特徴です。
また、同じ業界であっても企業によってマネージャーの意味合いが異なることも少なくありません。
そのため、自社の経営理念やビジョンにあわせ、自社にとってどのような能力をもつマネージャーが必要であるかを明確にすることが必要です。
求められる能力は企業の事業内容やプロジェクトごとに異なります。マネージャーを育成する場合には、経営層はもちろん、当事者や上司、部下などさまざまな立場からの意見に耳を傾け、育成方針や育成方法を策定することが重要になってくるでしょう。
▼アルーのマネージャー・管理職研修について詳しくはこちらのページをご覧ください。
管理職研修