女性活躍推進の取り組み成功事例8選!メリットやポイントも徹底解説
誰もが働きやすい環境を整えるためには、女性活躍の推進に取り組むことが欠かせません。しかし、女性活躍を推進したいと考えているものの、具体的に何から手をつければよいのかわからず悩む人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、女性活躍推進に取り組む際に参考となる、成功事例8選を紹介します。女性活躍推進に取り組むメリットやポイントも徹底解説するので、ぜひ参考にしてください。
▼女性活躍推進におすすめの研修3選
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企業の女性活躍推進取り組み成功事例8選
女性活躍推進に向けた施策を実施する際には、既に女性活躍推進に取り組んでいる企業の成功事例が参考になります。ここからは、女性活躍推進の取り組み事例を8つ紹介します。
また、女性活躍推進に向けた具体的な取り組み内容についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『女性活躍推進に必要な取り組みとは?企業事例・推進するメリットも紹介』
ポーラ化成工業株式会社
ポーラ化成工業株式会社様では、「女性の活躍を推進するグループ共通の体制構築」を実現するため、育成委員会の選抜人材となっている生産系の女性18名を対象とした研修を弊社アルーがサポートしました。
本事例では研修を5回に分けて実施し、それぞれの間に1ヶ月間の実践期間を設けていることが特徴です。研修を進める中で、将来活躍する上で必要となるリーダーシップを獲得できたとともに、女性社員同士のつながりが形成されるといった効果が出ました。それぞれの実践期間の中で「中間報告会」を実施するなど、継続的な取り組みを心がけたこともポイントです。
本事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
ポーラ化成工業株式会社 女性リーダー研修 導入事例
カルビー株式会社
女性社員に早期のキャリア教育を施したいという課題があったカルビー株式会社様では、若手女性を対象とした研修を実施し、女性活躍を推進しています。
本事例では全2回の研修プログラムに加え、研修前後のフォロー施策をアルーがサポートしています。研修では、自分自身のキャリアやスキルについて整理してもらうとともに、今後の活躍に向けたアクションプランの策定を行い、女性社員の活躍を後押ししました。
研修後には、事業所の事業担当から「ぜひ継続してほしい」という声が出るなど、好評をいただいています。また、受講者が次の役職候補になる、受講後に自らキャリアを考えて異動して活躍する社員が出るといった効果も出ています。
本事例の詳細は、以下のページから詳しくご確認ください。
カルビー株式会社 女性活躍推進のための若手女性キャリア研修 導入事例
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日清食品ホールディングス株式会社
日清食品ホールディングス株式会社では、多様な属性や価値観を持つ社員が活躍できる環境整備を進める一環として、女性活躍推進に取り組んでいます。
具体的には、女性管理職比率を2026年3月31日までに10%以上にするという目標を掲げています。また、2030年までに役員に占める女性比率を30%にするという、経団連の「2030年30%へのチャレンジ」にも賛同しています。
女性社員の能力開発では、女性社員を対象としたリーダー候補者向けの選抜研修などを充実させていることが特徴です。さらに、eラーニングや外部研修も積極的に取り入れ、育休前後の能力開発も積極的に後押ししています。
参考:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン | 日清食品グループ
大成建設株式会社
大成建設株式会社では、女性活躍を推進するためにさまざまな制度や取り組みを進めています。
育児休業は子が2才になるまで取得可能で、男性の育児休業取得率100%を目指す取り組みを進めていることが特徴です。勤務時間の短縮措置は4・5・6・7時間から選択できるようになっており、こちらは子が小学校3年生を修了するまで利用できます。
また、研修開催時の託児所の開設や、保育料の補助なども充実させています。「建設業界は男性の職場」というイメージを払拭するため、さまざまな角度から女性活躍を支援しているユニークな事例です。
参考:大成建設株式会社
サントリーホールディングス株式会社
サントリーホールディングス株式会社では、意図的なストレッチ機会を生み出すことにより、女性活躍を推進しています。
管理職として働く意欲を向上させるため、管理職一歩手前の層の社員を積極的に社外セミナーへ派遣したり、異業種との交流でさらなるチャレンジを促したりしていることが特徴です。女性を対象として実施しているリーダーシップ研修では、部長以上がメンターとして伴走しながら、経営層への提言を行う機会を設けています。
さらに、「welcome babyセミナー」「育休後フォローアップセミナー」などを実施して、育児と仕事を両立する意欲向上に取り組んでいます。保育園に入園できなかった際に利用できる「つなぎベビーシッター制度」を用意するなど、ライフイベントとの両立に関しても力を入れている事例です。
参考:サントリーの人本主義
株式会社パソナグループ
株式会社パソナグループでは、女性社員の活躍を推進するため、ライフサポートコースを用意しています。ライフサポートコースでは、社員のライフスタイルに合わせて以下の3つを選択可能です。
- タイムサポートコース……子供が小学3年生になるまで利用できる
- エリアサポートコース……働く地域を限定できる
- ファミリーケアサポートコース……育児や介護メニューのサポートを受けることができる
このほか、ハローベビー休暇の導入やパソナファミリー保育園の運営など、育児と仕事を両立しやすい環境作りに力を入れています。2017年にはこうした取り組みが高く評価され、女性活躍推進に力を入れている企業として厚生労働大臣より「えるぼし」の3段階目の認証を受けました。
参考:株式会社パソナグループと株式会社パソナ 女性活躍推進法に基づく「えるぼし」企業 最上位に認定
三井不動産グループ
三井不動産グループでは、女性管理職比率をはじめとしたさまざまな指標についてグループ各社で目標設定を行い、進捗管理しています。グループの中でも特に女性活躍推進が優良な企業3社を「女性活躍推進モデル会社」として設定し、取り組みをグループ全体に共有していることが特徴です。
また、研修を通じた女性活躍推進も積極的に行っています。女性社員を対象とした研修はもちろんのこと、上司を対象とした意識改革を促す「アンコンシャスバイアス研修」をグループ共通で実施しています。
参考:三井不動産
株式会社LIXIL
株式会社LIXILは、全社が一丸となってポジティブアクションを実施し、女性管理職比率を5.2%アップさせることに成功しました。
部門横断の改善プロジェクトである「シックスシグマプロジェクト」を推進し、営業職を含む多種多様な職種に女性を配置しています。以前は「プロジェクトリーダーは男性が担うもの」という風潮がありましたが、こうした改革によって登用された女性リーダーが実績を残すことで、性別に関わらない適材適所の配置が組織に浸透しました。
また、妊娠がわかってから副業までのロードマップを示した「ままっぷ」を提供するなど、ライフイベントと仕事の両立サポートにも力を入れています。
参考:株式会社LIXIL (製造業)(えるぼし認定企業取組事例)
企業が女性活躍を推進するメリット
企業が女性活躍を推進することには、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットは、以下の5つです。
- 女性管理職の増加
- 人材不足の解消
- 多種多様な働き方の実現
- 離職率の低下
- 企業イメージの向上
女性活躍推進を実施すれば、女性管理職が増加したり、人材不足が解消したりします。また、企業イメージが向上するメリットもあるでしょう。
女性活躍を推進することで得られるメリットを解説します。
女性管理職の増加
女性活躍を推進すれば、女性管理職が増加するというメリットがあります。
女性の管理職が増えることで、多様な視点と経験を取り入れたマネジメントが実現します。その結果、マネジメント層の意思決定の質が向上し、組織としての創造性や革新性が促進されるでしょう。
また、女性管理職が増えることで、女性社員にとってのロールモデルも身近な存在になります。キャリアパスの多様性を示すことができるため、次世代の女性社員の活躍を促す好循環を形成できるのです。
なお、女性管理職に活躍してもらうためには、女性管理職を対象とした研修を実施することが有効です。女性管理職研修を成功させるためのポイントは、以下のページで詳しく解説しています。
『女性管理職研修を成功させるポイントは 動機づけと自己効力感 』
人材不足の解消
人材不足の解消も、女性活躍を推進するメリットの一つです。
少子高齢化が社会問題となっている現代の日本では、働き手不足が減少しつつあります。採用コストが高まる昨今では、人材不足の解消が多くの企業にとって喫緊の課題です。
女性活躍を推進すれば女性の労働力が活性化するため、人材プールが拡大します。その結果、企業における人材不足の解消につながるでしょう。
さらに、女性がキャリアを積極的に追求する環境が整うと、女性の求職者にとって魅力的な職場となります。そうすれば、優秀な人材が獲得できたり、定着率が向上したりするなど、さらなる人材不足の解消効果が期待できます。
多種多様な働き方の実現
多種多様な働き方が実現することも、女性活躍を推進するメリットの一つです。
女性社員が活躍しやすい環境が整えば、フルタイムの社員だけでなく、パートタイムの社員も働きやすくなります。また、女性活躍推進をきっかけにリモートワークやフレックスタイムが浸透すれば、柔軟に働ける環境が整うでしょう。仕事と家庭を両立しやすくなるため、誰しもが自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現できるようになるのです。
離職率の低下
離職率の低下も、女性活躍を推進するメリットの一つです。
女性活躍推進を通じて適切なキャリアパスの整備を進めれば、女性が長く組織に勤めやすくなります。また、スキル開発の機会を提供することで、女性社員は将来活躍するビジョンを抱きやすくなるでしょう。
また、柔軟な働き方やワークライフバランスに対する配慮があれば、女性は仕事と家庭の両立を図りやすくなります。その結果、離職の主な原因である、働き方に対する不満やストレスが軽減されるでしょう。
企業イメージの向上
女性活躍を推進すれば、企業イメージを向上させることもできます。
女性活躍推進の施策に対する積極的な取り組みは、企業が平等や多様性を重視しているというアピールになります。「社会的責任を果たしている」という印象を与えられるため、会社のイメージアップにつながるのです。
また、女性活躍推進は人材の多様性を反映しているため、企業文化の豊かさを示すことにもなります。複雑性が増している現代のビジネス環境だからこそ、女性活躍推進をきっかけに、企業文化の豊かさを積極的に示していきましょう。
企業が女性活躍を推進する際のポイント
女性活躍を推進する際には、いくつかの気をつけておきたいポイントが存在します。ここからは、女性活躍推進を成功させるために意識しておきたい3つのポイントを解説します。
なお、女性活躍推進に向けた具体的な施策や国の取り組みなどを詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
『女性活躍推進とは?期待できる効果・具体的な施策・国の取り組みもご紹介』
女性社員本人・上司・制度/組織風土の3つの軸でアプローチする
女性活躍推進に取り組む際には、「女性社員本人」「上司」「制度/組織風土」という3つの軸でアプローチしましょう。
女性社員本人に対する取り組みとしては、キャリアデザイン研修の実施やスキルアップ機会の提供、相談窓口の設置などが有効です。女性社員の上司向けには、ダイバーシティマネジメント研修を実施することがよいでしょう。制度や組織風土に関連する施策としては、休業制度や評価制度の最適化、復職に向けた支援制度の拡充などが考えられます。また、柔軟な働き方を許容する風土作りも有効です。
ロールモデルとなる女性社員との交流の場を作る
ロールモデルとなる女性社員との交流を促進することも、女性活躍推進を行う際のポイントです。
女性社員の中には、「身近に目標となる社員がいないため、自分にはできない」「この会社では活躍できない」と感じている人が少なくありません。管理職として活躍している女性社員や、育休から復帰して働いている先輩社員などと交流する機会を設け、ロールモデルとの積極的な交流を促進しましょう。
ただし、あまりに自分とは離れすぎている人をロールモデルに設定した場合、「あの人だからできただけ」「私にはできない」と思われてしまう可能性があります。
職務や職場風土が同じ人をロールモデルに設定したり、子育てで経験したトラブルを共有したりして、共通項を作りながら対話できるよう促しましょう。
女性社員の採用を拡大
女性社員の採用を拡大することも、女性活躍を推進する際のポイントです。
女性社員の採用を拡大すれば、多様性や創造性が促進され、企業全体としての競争力が強化されます。求人広告や採用プロセスにおいて、女性が積極的に応募しやすい環境を整えましょう。
また、女性向けのキャリアプログラムやメンターシップを提供し、女性のキャリア成長を支援することもポイントです。人材採用の段階から女性活躍を推進することで、女性が活躍できる企業風土を足元から形成できます。
女性活躍推進に取り組むならアルーにお任せください
女性活躍推進に取り組むなら、ぜひアルーへお任せください。
アルーが実施している女性社員向けの研修では、リーダーシップ研修やコミュニケーション研修など、能力開発をサポートする研修を数多くご用意しています。
また、女性活躍を推進するためには、上司や周囲の社員の意識改革が欠かせません。アルーでは、マネジメント層や全社員を対象としたダイバーシティ研修もご用意しています。それぞれの企業の課題や状況に合わせ、女性活躍推進に向けた的確な施策をご提案いたします。
女性活躍推進のための研修事例
アルーでは、これまでに女性活躍を推進するための施策を数多く支援してまいりました。ここからは、それらの中から参考となる事例を2つ紹介します。
アルーの提供した女性活躍推進プログラムについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
女性活躍推進研修
女性活躍を推進したいと考えていたA社では、管理職に対して前向きなイメージを持ってもらうための女性社員向け研修をアルーがサポートしています。
本事例では、研修を3回に分けて実施しました。第1回では自身の経験の棚卸しを行うとともに、ワークを交えながら管理職に対する思い込みを払拭していきます。
第2回ではリーダーシップを発揮するのに必要なスキルについて幅広く学んでもらい、第3回ではこれからの自分の活躍イメージを膨らませてもらいました。
技術的課題だけでなく適応課題にも積極的にアプローチして、女性社員のマインド的な成長を促したことがポイントです。研修後には、「自己との対話を通じたリーダーシップスタイルの明確化が実現する」といった効果が出ました。
自社の課題研究研修
管理職への昇進が見込まれる女性社員に対し、早期から教育を実施したいと考えていたB社は、管理職一歩手前の女性社員を対象とした研修を実施しました。
本研修は、計6ヶ月に及ぶプログラムをアルーが支援しています。まずは管理職として身につけるべき原理原則を学んでもらい、自社課題研究を実施しました。
その後、実際に活躍している女性管理職社員との交流を促し、自分が管理職として活躍するイメージを膨らませてもらっています。
研修期間を通じて自社課題研究を継続的に行い、主体的な取り組みを促したことがポイントです。研修後には、リーダーとしての意識づけが完成するなど、管理職としての土台が完成するといった成果が出ています。
まとめ
女性活躍推進に取り組む企業事例や、女性活躍を推進するメリットなどを解説しました。
ビジネス環境の複雑さが増している昨今では、企業内に多種多様な人材を確保することが欠かせません。女性活躍は、ダイバーシティを実現するために必要不可欠な施策です。
女性向けの研修を充実させるのはもちろん、上司向けの研修や制度面での改革を進め、多角的に女性活躍を推進していきましょう。ぜひこの記事で紹介したさまざまな事例を参考に、女性活躍を積極的に進めてみてください。