新入社員に英語研修を導入するメリットと研修の設計方法を解説
ダイバーシティの推進で多国籍の社員と働く機会や、グローバルな事業展開でビジネス英語が必須となるシーンが増えてきています。
そのため、現在英語研修の導入を迷っている人事担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、新入社員研修に英語研修を取り入れる目的や、研修の期間、研修内容などを解説いたします。
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新入社員研修に英語研修を取り入れる目的
新入社員研修に英語研修を取り入れる目的としては、次の3つがあります。
- グローバル人材育成の強化のため
- 全社員の平均語学力強化のため
- 海外人材を積極的に採用しているため
それぞれ解説します。
グローバル人材育成の強化のため
昨今の新卒採用では語学力の高い新入社員を採用することも多く、基本的な語学力は既に保有している新入社員も増えてきています。そのような中で、新入社員研修に英語研修を取り入れる目的は、これまで学生で使っていたプライベートレベルの語学力を、今後、グローバル環境で活躍できるレベルに引き上げるためです。
グローバル化が進んでいる現代のビジネスでは、業務によっては英語が必要になってきます。ビジネスで使えるレベルの英語力を身につけるには長い期間が必要になるため、新入社員研修の段階でビジネス英語に慣れてもらうことが効果的です。
グローバル人材に求められる要件にはさまざまな定義がありますが、ここでは3つの大要件と7つの小要件を紹介します。
グローバル人材には次の3つの大要件が求められます。
- リーダーシップ・マネジメント
- グローバルコンピテンシー
- 専門スキル
リーダーシップ・マネジメントは海外駐在員に特に求められるスキルです。多くの海外駐在は管理職として赴任するため、海外現地では現地社員をマネジメントすることが求められます。そのため、日本では管理職でなくても、海外では管理職としての業務を行なわなければなりません。初めて管理職を経験する社員も多くいるため、グローバル人材育成を行う際にはリーダーシップやマネジメントを身につけるプログラムを盛り込む必要があります。
2つ目のグローバルコンピテンシーは、グローバルな視野やリージョナルな視野、ローカルな視野を含めたグローバルパースペクティブ、異文化の相手と協働する異文化対応力に加え、現地ビジネスパーソンと話す現地語または英語でのビジネスコミュニケーション力が求められます。
3つ目に求められるのが専門スキルです。ビジネススキルや経営基礎力といった汎用スキルはもちろんのこと、職務に関する専門スキルも高度なレベルで求められます。海外ではジョブ型雇用が一般的であるため、一つの職務を極めているビジネスパーソンが多いです。そのため、自身の職務領域における専門知識・スキルを要しているかどうかは、海外のビジネスパーソンと信頼関係を構築する上でも、業務を進めるうえでも必須要件になります。
このように、グローバル人材に求められる能力は多岐にわたります。英語や語学力はそのうちの1つに過ぎません。一方で、英語力が高ければ高いほどスムーズなコミュニケーションができ良好な関係を構築しながら業務を進められるため、重要なスキルの1つになります。
英語力は社会人経験に関係なく伸ばすことができ、且つ一定以上の学習時間が必要になります。そのため、新入社員のうちから英語力を伸ばす育成プログラムを実施することがおすすめです。
グローバル人材の定義・必要な能力・育成方法については下記をご覧ください。
『グローバル人材とは?定義・必要な能力・育成方法等を解説』
全社員の平均語学力強化のため
上場企業のほとんどは従業員の平均語学力を向上させることを目標として掲げ、全社員の語学力強化施策を行っています。効果的に平均語学力を向上させるためには、新入社員や若手社員へ優先的に育成を行うことが多いです。新入社員や若手社員は元々語学力が高い人材が多く、新入社員研修でさらに語学力を高めることで、効率的に平均語学力を向上させることができます。
海外人材を積極的に採用しているため
海外人材の採用を行っている企業では、配属先の上司や同僚に外国人がいる部署もあるかもしれません。また、新卒採用として外国人採用を行っている企業もあるため、同僚や上司として外国人人材とコミュニケーションを取る機会が増えています。
新入社員のうちから英語力を高めることで、外国人の同僚・上司がいる部署に配属されたとしても活躍できる人材になれるでしょう。
中堅・ベテラン社員向けの英語研修との違い
ここまで、新入社員に向けた英語研修の行い方や内容について紹介いたしましたが、中堅・ベテラン社員向けの英語研修とはどのような違いがあるのかを解説いたします。
研修目的
中堅・ベテラン社員向けの英語研修は、英語を使用して業務を行う抵抗感をなくしたり、マインドセットを醸成することが新入社員以上に求められるケースが多いです。なぜなら、現在の中堅・ベテラン社員が新入社員で入社した時代は今よりも英語力を求められていなかったため、国内業務の経験が長い社員が多い傾向があるからです。英語力をよりレベルアップさせることを目的とする前に、なぜ英語力を上げる必要があるのか動機づけを行うことがとても重要となります。
研修内容
中堅・ベテラン社員向けの英語研修の内容は、社員の語学レベルに応じて、基礎力の向上や日常会話のための英語研修からスタートする社員もいれば、より実践的なビジネス英会話からスタートする社員までさまざまです。 特に基本的な英語力のある社員には、シチュエーションや相手に合わせ、伝えたいことをすぐに伝えられるような言い回しや単語を覚え、英語会議での司会進行をスムーズに行うためのレッスンなどを個別に用意する必要があります。 また、中堅・ベテラン社員はアサーティブコミュニケーションやファシリテーション、ネゴシエーション、部下マネジメントを英語で行う必要性も出てきます。正しい英語で自分の意見をしっかり伝えることができ、自分の主張・理由を伝えて相手の主張・理由を深掘りする質問ができるように研修内容を設計しましょう。
新入社員研修に英語研修を取り入れるメリット
英語研修は、海外赴任や海外事業部長となる中堅やベテラン社員にだけ行った方が良いのでは?と感じる方も多いですが、新入社員に対して英語研修を行うことは多くのメリットがあります。
主なメリットは以下の通りです。
- 社員に熱意があり吸収力が高い
- 業務量が少ないうちから意識づけしやすい
- グローバル意識を持たせられる
- ビジネスシーンで役立つ英語を身につけられる
- 英語人材を集める採用コストを抑えられる
以下で詳しく解説いたします。
社員に熱意があり吸収力が高い
入社直後の社員は、「いち早くスキルを身につけたい」という熱意が高まっています。熱意がある分、吸収力も高く、早い段階でビジネス英語力を身につけることができるでしょう。 日常で行う業務量もまだ少ないため、英語学習に注力でき、知識を効率的に身につけることができます。 さらに、新入社員においてはまだ実務でビジネス英語を使うことを強いられていないことも多いため、目標のハードルが低く、小さな目標達成を積み重ねることによって、着実な英語力強化に繋がりやすいです。
業務量が少ないうちから意識づけしやすい
英語研修は長い期間を使って行うため、業務量がまだ少ない新入社員の内に集中的に実施することがおすすめです。 同期と一緒に研修を受講することによって、同期同士のコミュニケーションの場にもなりますし、お互いに切磋琢磨することでモチベーションの向上も期待できます。
グローバル意識を持たせられる
新入社員のうちから海外での業務を意識した研修を行うことによって、社員にグローバル意識を持たせることができます。 また、グローバルで働くためには、語学力以外にも主体性や責任感などが求められています。 文部科学省のグローバル人材の定義として、
- 語学力・コミュニケーション能力
- 主体性・積極性・チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
- 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
が挙げられています。
新入社員のうちから英語研修を行うことで、グループワークやディスカッションを通し、リーダーシップや異文化理解などを養うこともできるでしょう。
参考:資料2 グローバル人材の育成について (文部科学省)
ビジネスシーンで役立つ英語を身につけられる
新入社員に、市販テキストや自主学習で英語を身につけてもらうという企業もありますが、企業側で英語研修を行うことによって、ビジネスシーンで役立つ英語を身につけてもらうことが可能です。 先述したように、業界・業種ごとの専門用語を使用した研修や、英語でのプレゼンテーションを想定した研修を行うことによって、より実践的でビジネスシーンでの汎用性が高い知識を身につけることができるでしょう。
グローバル人材を集めるための採用コストを抑えられる
今後事業で海外展開を行ないグローバル化を目指すにあたって、英語ができる人材が社内にいることで採用コストを抑えることができます。 総務省の調査によると、約7割の企業でグローバル人材が不足しています。
出典:2 グローバル人材の確保状況等に関する企業の意識調査
昨今の人手不足も相まって、グローバル人材の採用は難しく、採用コストも高額になりがちです。
入社直後には英語が必要でなくとも、将来的にグローバル人材が必要になる可能性は充分ありますので、新入社員の内から英語研修を行うことはコストの面でも大きなメリットがあるでしょう。
新入社員向け英語研修を導入する流れ
新入社員研修でのビジネス英語研修を実施する流れは次の6ステップです。
- 新入社員の現在の英語力を把握する
- 研修目的を明確にする
- 目的から目標を定める
- 研修期間を定める
- 目的に合わせて研修内容を定める
- 新入社員に研修の目的や必要性を共有する
1.新入社員の現在の英語力を把握する
新入社員研修で英語研修を検討する際に、まず必要となるのは、現状の英語力の把握と研修後のゴール設定です。
語学力向上を目的とする英語研修では、TOEIC® L&R テストのスコアやスピーキングテストなどで、現状レベルを確認します。その後、新入社員をレベル別にグルーピングしレベル別クラスを作ります。以下はTOEIC® L&R テストを用いた際のレベル例です。このようにレベル別にクラスを作ることで効果的な施策を検討できるようになります。
現状レベル |
ゴール |
ゴール達成の成功要因 |
研修施策 |
TOEIC® L&R |
ビジネススピーキング力向上 |
マンツーマンレッスンによるビジネススピーキング力向上 |
アセスメント |
TOEIC® L&R |
TOEIC730点以上 |
単語・文法・リスニングの英語応用力強化 |
グローバルマインド |
TOEIC® L&R |
TOEIC500点以上 |
単語・文法・リスニングの英語基礎力強化 |
グローバルマインド |
2.研修目的を明確にする
研修を行う前には、必ず研修目的を設定しましょう。
「自己紹介と日常会話ができるようになる」「英語でのメール対応ができるようになる」など、業務や英語力の必要性によって目的はそれぞれです。
新入社員の英語研修の場合は、これからビジネス英語力をつけるためのマインドセットやビジネスで英語を使うことへの抵抗感を無くすことが目的となることが多いです。
目的にあわせて、研修の期間や研修の内容を計画しましょう。
3.目的から目標を定める
目的を明確にしたら、目的を実現できる目標を定めましょう。「新入社員のTOEICスコアを平均730点以上にしよう」「新入社員が全員英語で議事録を取り、会議参加者から見て議事録内容に齟齬がない状態にする」など数値目標や実現状態をなるべく具体的にすると目標を達成したのか達成していないのかがわかりやすくななります。また目標達成までの進捗状況をモニタリングすることで、何をすると目標に届くのか改善策も立案しやすくなります。
4.研修期間を定める
新入社員研修で英語研修を行う期間は、1週間〜半年以上のものまで、目的や内容によって異なります。
例えば、新入社員研修で「英語で話すことに対する抵抗をなくす」という目標であれば、100時間程の学習が必要になりますので、1日7時間の英語研修を2週間行うことになるでしょう。
また、1年間分散学習で30分~1時間の学習をするよりも、短期間で集中学習をする方が学習の成功率は高いです。
目安としては、320時間以上の学習をすることで、発話量、正確性、スピード、感情表現などで大きな成功実感を得られます。
充分な期間を確保するのが難しい場合には、1~2日程度の短期間に集中して英語研修を行うのもおすすめです。eラーニングやオンライン研修なども活用し、自己学習や反復学習の習慣づけをするとよいでしょう。
研修期間については、目標にあわせて研修期間を充分に取ることができるかが重要です。
5.目的に合わせて研修内容を定める
新入社員研修での目標が明確になったら、研修内容を決めていきます。
新入社員研修で行われることの多いビジネス英語研修の内容は、以下の通りです。
- グローバルマインド
- ビジネス英会話研修
- 英語プレゼンテーション研修
- 英語ライティング研修
- 専門用語研修
目的や研修期間にあわせて、内容を決めていきましょう。
グローバルマインド
新入社員の場合、まだ業務で英語を使用することに抵抗があったり、異文化についての知識がない場合が多いです。
そのため、まずは英語力だけではなく、グローバル環境で活躍するためのマインドセットが重要になるでしょう。マインドセットのためには、異なる文化を持つ外国人への理解や、異文化コミュニケーションなどが必要です。
異文化コミュニケーションに関しては、以下のページで詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
『異文化コミュニケーションとは?ビジネスの場で大切な7つのポイント』
ビジネス英会話研修
ビジネスで使用する英語力は、一般的な日常会話ができるレベルでは業務を充分に行うことができない可能性もあります。
また、市販のテキストに載っている例文やフレーズは、ビジネスの場では不適切なフレーズや、ネイティブが通常使わないフレーズが掲載されている場合もあるため、ネイティブの言い回しを学ぶ必要があるでしょう。
その場合には、ビジネス英語に特化したビジネス英会話研修を取り入れると、より実践的な英語を学ぶことができます。
アルーでは、ビジネス英語を学ぶことができる英会話プログラムALUGOを提供しています。詳しくは、以下のページよりご確認ください。
▼ALUGOの詳しい資料はこちらからダウンロードできます。
英語でのロジカルスピーキング研修
ビジネス英語ではロジカルスピーキングのスキルは欠かせません。英語はもともとロジカルな言語であり、かつビジネスの場では、より一層ロジカルに話すことが求められます。そのため、以下3点に気をつけて話すことが求められます。
- 先に結論を伝えること
- 具体的に伝えること
- 結論に対して理由をつけること
英語プレゼンテーション研修
職種が何であれ、英語でプレゼンテーションを行うことがあるため、英語プレゼンテーション研修を行うと良いでしょう。
プレゼンテーションでは、自分が伝えたいことを明確にし、相手に理解してもらうことが重要です。
また、身振り手振りを大きくするなど、日本のプレゼンテーションとはプレゼンのコツも大きく異なります。日本人が思っている以上に顔の表情、身体のジェスチャー、アイコンタクトを意識しながらも分かりやすくプレゼンテーションする必要があります。
構成や英語での表現の仕方、展開の仕方など、効果的なプレゼンテーションに必要なポイントを身につけることができます。
プレゼンテーションでは、質疑応答も行われるため、ビジネス上での英会話のアウトプットの場としても利用できるでしょう。
英語でのアサーティブコミュニケーション
アサーティブコミュニケーションとは、相手の立場や意見を尊重しつつ、自分の意見や主張を正確に伝える表現方法です。日本人が学んだ英語をそのまま使うと、相手を尊重していない言い回しを無意識に使ってしまうことがあります。そうなると、自覚なく関係性が悪化していってしまい業務にも支障が出ることがあります。そのため、英語で言いづらいことを伝える必要があるビジネスシーンでは、アサーティブコミュニケーションを習得することで同僚や取引先と対等な関係を作ることができます。
- 正しい英語で自分の意見をしっかり伝えることができるようになる
- 相手にとって受け止めやすい言い方で自分の意見を述べることができる
- 相手の意見に敬意を払って理解を示すことができる
といったことをゴールとして設定し、社員に習得させましょう。
英語でのネゴシエーション
ネゴシエーションとは「交渉」という意味でビジネスにおいて使われますが、決して強引に話を進めるスキルではありません。
相手との意見対立がある困難な状況においても、それを乗り越えて相手との関係性を深めながらお互いがwinwinになる交渉ができるスキルです。
英語でのネゴシエーションスキルの習得には、以下のようなゴールを設定しましょう。
- さまざまな状況における交渉のテクニックを学び、実際の交渉の場で実践できる
- 話し合い全体を通じて、相手と良い関係性を保てている
- 自分の主張・理由を伝えて相手の主張・理由を深掘る質問ができる
英語でのマネジメントコミュニケーション
英語でのマネジメントコミュニケーションとは、主に部下を持つ管理職以上の社員を対象とし、部下に対する業務指示や評価面談、部下へのネガティブフィードバックができるスキルです。
適切に相手に伝える必要があるため、英語力と合わせてコーチング・ティーチングスキルも向上させなくてはなりません。
英語でのマネジメントコミュニケーションを習得するには、以下のようなゴールを設定しましょう。
- 部下への仕事の依頼、指示の方法を学び、より効果的な業務指示ができるようになる
- 業務プロセスやキーポイントの説明、褒め方といったティーチングのスキルを身につける
- 部下に対する正しいフィードバックができるようになる(ポジティブ・ネガティブフィードバック、サンドイッチフィードバック等)
英語ライティング研修
業務でメールや書面などを用いたコミュニケーションが必要な場合は、英語での文章の読み取りと返信を行えるようになるための英語ライティング研修がおすすめです。
英語ライティングは、メールやチャットで使用するのか、契約文書で使用するのかなど、使用するシーンによっても使うフレーズなどが変わってきます。
そのため、どのようなライティングスキルが必要なのかを明確にして学ぶようにすると良いでしょう。
専門用語研修
業種・業界によっては専門用語を使って会話や取引をすることも多いはずです。
一般的な英会話スクールや市販テキストでは自社で用いられている専門用語や独特な言い回しは学ぶことができないため、専門用語に特化した英語研修を行うことも必要になるでしょう。
このような場合は、外部の研修期間に依頼することをおすすめします。アルーが行っているビジネス英会話研修「ALUGO」では、法人の指導経験者や、ビジネス経験が豊富なネイティブコーチが指導を行います。
6.新入社員に研修の目的や必要性を共有する
研修期間・研修内容が決定したら、新入社員に研修の目的や必要性を共有しましょう。
なぜ今の時期に英語学習が必要なのか、英語力を身につけることによる社員のメリットなどを共有し、明確な目標を伝えることで、研修の取り組み方が積極的になることが期待できます。
新入社員に英語研修を実施する4つの方法
新入社員研修に英語学習を取り入れる方法は、以下の4つです。
- 先輩社員が研修を行う
- 外部講師を招く
- オンラインの英語研修を取り入れる
- 語学留学させる
先輩社員が研修を行う
すでにネイティブレベルで英語ができる先輩社員がいる場合には、先輩社員が新入社員に英語研修を行うことができるでしょう。
すでに英語での業務を行っている先輩社員からなら、業務で良く使う英単語やフレーズを中心に学ぶことができます。また、業務内容や働いている姿をイメージしやすく、新入社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
しかし、先輩社員が英語が使えるからといって、英語を教えるスキルがあるかというのは別問題です。業務経験や英語を教えるスキル、コミュニケーション能力なども含めて講師となる先輩社員を選定することが必要になります。
外部講師を招く
自社に外部の講師を招き、英語研修を行うことも手段の1つです。
外部講師を招くことによって、社内に英語が堪能な社員がいない場合でも、質の高い研修を受けることができます。
特に、一般的な英会話スクール講師ではなく、ビジネス英語に特化した英会話講師を選ぶことによって、より実務に役立つスキルを身につけることができるでしょう。
ただし、外部講師を毎回の研修で呼ぶことは現実的ではありませんので、スポット的になってしまうのがデメリットです。
外部講師との研修以外では、復習や自己学習、オンライン研修などを組み合わせて学習を行っていくことが必要です。
オンラインの英語研修を取り入れる
スマホやタブレット、PCなどを使って学習ができるオンラインの英語研修も新入社員研修で取り入れやすいでしょう。
マンツーマンの研修であれば、集合研修と違い社員一人一人のレベルにあわせてレッスンを受けられますし、複数人で行うオンライン研修でも、拠点の違いに関わらず授業が受けられます。
オンラインでは質問がしづらかったり、フィードバックがしにくいというデメリットもありますので、チャット機能の活用や研修後のフォローをするなどの工夫が必要になるでしょう。
語学留学させる
語学留学も、英語力育成に効果的です。
留学期間中は一日中英語漬けの環境にできるため、英語を使う抵抗が無くなり、上達効率が格段に上がります。
アルーでは、フィリピンへの語学留学のプランをご利用いただけます。
詳しくは以下のページをご確認ください。
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実際の語学留学が難しいという場合には、オンラインで行う方法もございます。
詳しくは以下のページをご確認ください。
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新入社員向けの英語研修を行う際の注意点
新入社員に向けた英語研修を効果的に行うために、注意しておきたいポイントは以下の3つです。
- ネイティブの講師に担当してもらう
- 受講者の英語レベル別のコースを複数作成する
- 英語と日本語のコミュニケーションの違いも伝える
以上の注意点をふまえて研修計画を立てることによって、「研修の意味がなかった」「思うように英語力が伸びなかった」という失敗を防ぐことができます。
ここでは、上記3つの注意点について解説いたします。
ネイティブの講師に担当してもらう
英語研修は、ネイティブ講師に担当してもらうことが効果的です。
ネイティブの自然な表現を学ぶことで、実際の職場でもスムーズに外国人と意思疎通をはかれるようになるでしょう。
また、ネイティブ講師からは表情や口調、話題の選び方などの文化や価値観の違い、習慣についても学びやすいというメリットもあります。
受講者の英語レベル別のコースを複数作成する
新入社員のもともとの英語力にはバラつきがあることが多いです。そのため、社員一人一人の英語レベルに応じてクラスを分けることや、どのレベルにあわせた研修を行うかを検討することが必要でしょう。
おすすめは、入社前や入社後にTOEICなどで現在の英語レベルを調査し、英語レベル別でコースを複数作成することです。コースを複数作成することによって、無駄なく、効果的に英語力を向上させることができるでしょう。
英語と日本語のコミュニケーションの違いも伝える
英語と日本語では、そもそものコミュニケーションのスタイルに違いがあります。そのことについても英語研修で伝えるようにすると、より実践的な研修になります。
例えば、日本では「空気を読む」「察する」というようなコミュニケーションスタイルや、暗黙の了解を前提とした行間を読むコミュニケーション(ハイコンテクスト)が多いですが、これは世界共通ではありません。
このようなコミュニケーションの違いについて知っておくことによって、グローバルな職場での働きやすさが変わってくるため、英語研修では必ずコミュニケーションの違いについて理解するプログラムを入れておくと良いでしょう。
英語と日本語のコミュニケーションの違いについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて確認してください。
『異文化コミュニケーションとは?ビジネスの場で大切な7つのポイント』
アルーが行った新入社員向けの英語研修の事例
ここでは、アルーが行った新入社員向けの英語研修の事例をご紹介します。
新入社員向けの英語研修の事例:帝人株式会社
高機能繊維・化成品・複合成形材料、医薬・在宅医療、ITといった多岐にわたる事業をグローバルに展開している帝人株式会社では、タイ・ベトナム・インドネシア・中国の4ヶ国で実施される海外派遣研修を行いました。
新入社員の段階で海外の文化や習慣を経験することにより、早期にグローバル化に目を向け、世界を舞台に可能性を追求するマインド醸成を図ることを目的としています。
具体的なカリキュラムは、以下の通りです。
日本でのオリエンテーション |
新入社員全員に対して、海外派遣研修の全体像を伝える |
ディスカバーワークショップ説明 |
提示された情報をもとに初期仮説を考える |
フィールドワーク |
現地の特色がわかる場所に訪問し、現地の文化や最先端のビジネス動向を知る |
ビジネスパーソンとのディスカッション |
ビジネスパーソンにインタビューを行う |
会社訪問 |
現地の民間企業に訪問し、会社紹介・自己紹介をしたうえで、担当者にインタビューをする |
フリーフィールドワーク |
最終日の発表に向け、調査エリアを考えて取り組む |
プレゼンテーション |
現地でプレゼンを行い、優勝チームを決める |
日本での成果発表会に向けた準備 |
帰国後の日本で各国の優勝チームの発表準備をする |
この英語研修を受けた新入社員からは以下のようなお声をいただきました。
最初はかなり英語に対する抵抗があったので、学生バディに対しても、また、街頭インタビューで現地の方に話しかけるのも自分からはなかなか話しに行けませんでした。
環境に慣れて抵抗がなくなってくると、単純に中国の方と話すと色々なことを知ることができて楽しいと感じ、もっと話したいという気持ちが強くなり、つたない英語だけれど臆せずコミュニケーションを取りたいという姿勢、行動に変わりました。
フィールドワークを重ねることで、外国語でコミュニケーションを取ることに抵抗がなくなり、コミュニケーションを積極的に取る姿勢が生まれるという効果がありました。
詳しい研修内容や受講者の声、インタビューは以下のページで詳しくお伝えしています。
その他の英語研修事例については、以下の記事をご参照ください。受講者のレベル別にご紹介しています。
『企業向け英語研修の成功事例7選【メーカー、金融など】』
新人社員研修に英語研修を取り入れるならアルーにお任せください
企業が海外進出をする際や、今後のためにグローバル人材を確保するためには、新人研修での英語学習が欠かせません。
英語研修を新入社員に実施することで、ビジネス英語力はもちろん、世界に目を向けたグローバルマインドを育成することができます。
英語研修は先輩社員が行う、外部講師を招く、オンライン研修を行うなどの方法がありますが、英語学習が長期にわたることがほとんどですので、自社で行うのが難しい場合も多いでしょう。
アルーでは、ビジネスで使えるスピーキング強化に特化したビジネス英会話トレーニング「ALUGO」を提供しています。
受講者の95.5%から満足の声をいただいており、実務につながる英語力をつけさせたい、業務を行いながら集中的に行えるプログラムを探しているという人事担当者の方におすすめです。
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