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【事例あり】越境学習とは?効果やデメリット、プログラム例を解説

最近、企業における新たな人材育成方法として注目されている越境学習。VUCAの時代に必要なキャリア自律を養えることから、越境学習を社内教育に取り入れる企業も増えてきています。
この記事では、越境学習を実施する効果やデメリット、具体的な越境学習の進め方について解説します。越境学習を実践する研修プログラム例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。


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越境学習事例3選



目次[非表示]

  1. 1.越境学習とは
  2. 2.越境学習を行う企業側の効果
  3. 3.越境学習が必要とされる背景
  4. 4.越境学習を行う受講者側の効果
  5. 5.越境学習を行うデメリット
  6. 6.越境学習を導入する際の注意点
  7. 7.越境学習の種類・ 方法
  8. 8.越境学習プログラム例・事例
  9. 9.越境学習ならアルーにお任せください
  10. 10.まとめ


越境学習とは

越境学習とは、所属している企業や部署から離れ、外部という新たな環境で学習することです。本人は今の企業に在籍したまま外部で学習を行うため、「他社留学」と呼ばれることもあります。
具体的には、地方自治体やNPOの活動に参加する「プロボノ」や、本業以外の仕事を掛け持ちする「兼業」「副業」といった方法が一般的です。また、他業界の人材と交流して学びを深める「異業種勉強会」を行う場合もあります。


越境学習の目的

越境学習を取り入れる主な目的は、社員それぞれにあった教育を提供し、自律性や主体性を引き出すことです。
従来の人材育成では、Off-JTやOJTによって業務に必要な知識を身につけるのが一般的でした。
「社員の足並みをそろえる」という点では、Off-JTが特に有効な方法です。これは、同じ会社のメンバーが集まって学ぶ、または似たような経歴や考え方を持つ受講者や教育担当者が多いため、組織全体としての一貫性を高める効果があります。
一方で、OJTは主に職場内での実践的なトレーニングを通じて行われるため、必ずしも全社員の足並みを揃えることには直結しません。

越境学習においては、社員が全く異なる環境に飛び込む機会を持ち、異なる会社や経歴を持つ人々と共に学ぶことができます。そのため、Off-JTやOJTよりも社員一人ひとりの個性を尊重し、それを活かした学びを促進するために非常に効果的です。

また、これまでOff-JTやOJT、社内研修で学んだ内容を実践する場所としても、越境学習は活用できます。実践することによって学びの定着やより深い理解へとつながり、さらなるスキルアップが見込まれます。

VUCAの時代において、社員の主体性や自律性を養うための育成として越境学習は極めて重要な役割を果たします。

越境学習事例3選


越境学習を行う企業側の効果


越境学習を実践すれば、社員のキャリア自律を促せる、人材流出を防げるといった企業側のさまざまなメリットがあります。また、越境学習で新鮮な環境に触れれば、新たな知見やノウハウの習得につながったり、生産性の向上を実現したりすることもできるでしょう。
越境学習を行うことによる企業側の効果を解説します。


社員のキャリア自律を促せる

越境学習を実践すれば、社員のキャリア自律を促すことができます。
日本では、長い間企業側が社員のキャリア形成を主導するスタイルが主流でした。社員がパターン化されたキャリアを歩む従来のスタイルは終身雇用と相性がよいですが、終身雇用の崩壊しつつある現代とは馴染みません。
現代の環境では、社員一人ひとりがキャリアを主体的にコントロールする必要があります。越境学習を実施すれば、社員は新鮮な環境で学びを深めることができ、主体性や自律性が養われます。また越境学習をきっかけとして、キャリアの幅も広がるでしょう。
キャリア自律の概要やメリット、デメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
【事例あり】キャリア自律とは?企業が支援するメリット・デメリット



人材流出を防げる

越境学習を実施すれば、人材流出を防げるというメリットもあります。
越境学習によってキャリアの可能性が見えてくれば、会社へのエンゲージメントが向上します。会社で長く活躍するイメージが湧くため、離職率の低下につながるのです。
働き手不足により人材採用コストが上昇している現代では、離職率をできる限り低く抑える必要があります。そのため、越境学習によって人材流出を防ぐメリットは大きいです。


離職を防止させるための研修については、以下の記事でも詳しく解説しています。
離職防止のための研修を効果的に行うコツ|成功事例や階層別の内容を紹介



新たな知見やノウハウの習得につながる

新たな知見やノウハウの習得につながるのも、越境学習のメリットです。
越境学習を実施すれば、社員は新しい環境で学びを深めることができます。その結果、社内だけでは獲得できないような新しい知見やノウハウを身につけることが可能です。
また、越境学習では社会活動への参加などを通じて多様な価値観に触れることができます。自社にはない価値観や仕事の進め方を知れば、「自社にも取り入れてみたいな」という気持ちを持ってもらえるでしょう。



生産性の向上につながる

越境学習によって、生産性の向上を期待することができます。
越境学習を実施する際には、社外のプロジェクトに参加する場面も多いです。その結果、自社で運用されているルールや仕事のスタイルを客観視できます。一度職場から離れることで、これまで気が付かなかった問題点を見つけたり、業務改善を実現したりできるでしょう。特に、業務がマンネリ化したり改善点が見つからなかったりして、自社の成長が停滞している場合には越境学習を通じて生産性の向上を図るのがおすすめです。



従業員満足度が上がる

越境学習による新鮮な学びの場を提供すれば、従業員満足度の向上にもつながります。
越境学習を実施すれば、社員は自分自身にどのような適性があるのかを改めて認識できます。また、自身の価値観をアップデートしたり、新たなスキルを身につけたりする機会にもなるでしょう。
こうした機会が社内に担保されていれば、社員は成長実感を持ちやすくなります。その結果社員の満足度が向上し、定着率の向上や主体性の獲得が期待できるのです。


越境学習事例3選


越境学習が必要とされる背景

越境学習が必要とされている背景として、経済産業省が越境学習を推奨していることが挙げられます。また、ビジネス環境が激しく変化するVUCA時代への対応を迫られているのも、越境学習が求められている一因です。
越境学習を取り入れる目的と背景を解説します。


経済産業省も推進

経済産業省では、社会課題に取り組む地方やNPOの現場に赴き、現実の社会課題解決に取り組むことで人材が育成されるという仮説のもと、実証事業「未来の教室」を2年間実施し、越境学習の効果検証を行いました。

「未来の教室」のプログラム参加者は、自分自身の軸を再発見し、不確実で変化の激しい時代を切り拓くリーダーとしての成長を実感することができたという結果も出ています。
「知の探索」によるイノベーションや、自己の価値観や想いを再確認する内省の効果が期待されるとして、モデルプログラムやリモート環境でのプログラムなどを提供しています。

このように、柔軟に対応ができる人材を育成するという観点から、経済産業省も越境学習に注目しているのです。

参考:越境学習によるVUCA時代の企業人材育成|経済産業省「未来の教室」事業 社会課題の現場への越境プログラム


越境学習事例3選


VUCA時代に対応していく必要がある

越境学習が必要な背景として、VUCAの時代に対応する必要がある点も挙げられます。
グローバル化やAI技術の進歩によりビジネス環境が目まぐるしく変化するVUCA時代の変化をキャッチアップするためには、社員一人ひとりが自分のキャリアを主体的にコントロールするキャリア自律が欠かせません。越境学習によって新たな視点を獲得してもらえば、キャリア自律につながる新たな発見があったり、発想の転換ができたりするのです。

また、VUCA時代のビジネス環境は複雑なため、意思決定には幅広い視点が必要です。越境学習を実践することで異業界や異業種の人材から新たな知見を吸収できれば、多様な視点を養うことができ、意思決定の質の向上につながるでしょう。

VUCAについて詳しくは、以下のページからご確認いただけます。
VUCAとは?求められる人材や対応する組織作りのポイント


越境学習事例3選


越境学習を行う受講者側の効果

	指導する男性上司

越境学習は、会社側だけにメリットがあるわけではありません。越境学習を行うことで、受講者側にもさまざまなメリットがあります。
ここからは、越境学習を行う際に期待できる受講者側の効果を見ていきましょう。


スキルアップにつながる

越境学習を行えば、社員がスキルアップできるメリットがあります。越境学習で参加するプロジェクトへの取り組みを通じて、普段の仕事に活かせるノウハウが身につきます。
また、越境学習ではこれまでに自分が取り組んだことのない仕事に取り組む場面も多いです。そのため、業務のマンネリ化による成長の停滞を感じている社員には特におすすめの学習スタイルといえます。「これ以上成長できないのではないか」と感じている社員であっても、越境学習で新たな刺激を与えればスキルアップが期待できるのです。


転職しなくても挑戦できる

転職しなくても新しいことに挑戦できる点も、越境学習を行う際の社員側のメリットです。
最近では転職を行うハードルが低くなりつつありますが、転職活動は社員にとって大きな負担のかかる決断であることに変わりはありません。「新しいことに挑戦したいが、転職はハードルが高い」と感じている社員も多いです。
越境学習は、そうしたニーズに応えることのできる学習方法です。自社に籍を置きながら他社で学んだり、社会貢献活動に参加したりするため、転職よりも手軽に「挑戦する」という体験を積むことができます。


自身のキャリアを見直すきっかけになる

越境学習には、キャリアを見直すきっかけを作ることができるというメリットもあります。越境学習によってこれまでに触れたことのない組織で働けば、今まで気が付かなかった「自分のやりたいこと」に気がつくかもしれません。
また、「なんとなくキャリアプランはあるが、自社にロールモデルがいない」と感じている場合にも、越境学習が有効です。他社で活躍する社員の様子を見て、自分の思い描いているキャリアを自社で実現していくイメージを湧かせることができます。


越境学習事例3選


越境学習を行うデメリット

越境学習には企業側・社員側ともにさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットが存在することも事実です。具体的には、企業負担の増加や、費用対効果の見えづらさが代表的なデメリットとして挙げられます。
ここからは、越境学習を行うことのデメリットを解説します。


企業側の負担が増える

越境学習を実施する際には、企業側の負担が増えることに注意が必要です。
越境学習の環境を実現するためには、外部との連携が欠かせません。他社や自治体との連携、さらにはスケジュール調整などに時間的コストがかかります。越境学習に参加している社員が担当するはずだった業務の負担を調整することも必要です。
また、他社と連携して越境学習を行う際には、お互いの社員を派遣し合うケースがあります。こうした場合には、社内の受け入れ態勢を整える必要があるでしょう。


費用対効果が見えにくい

越境学習のデメリットとして、費用対効果が見えにくいという点も挙げられます。
人材育成を行う際には、施策の前後でどのような変化があったのかを把握する効果測定が大切です。費用対効果を測定することによって、自社に最適な人材育成施策を決めることができます。
一方で越境学習の場合には、越境学習で得た成果を短期的な行動に反映させづらく、こうした費用対効果の測定が難しいです。効果を数値として測定しづらいため、越境学習の効果を経営層や社員から疑問視されてしまう可能性もあります。


自発参加する社員が少ない可能性も

企業がせっかく越境学習の環境を整えても、自発的に参加する社員が少ない可能性もあります。
越境学習に参加する際には、外部の環境へ積極的に関わろうとする積極性が必要です。社員の積極性や主体性といった土台を形成しないまま越境学習の制度だけを整えても、参加する社員は出てきづらいでしょう
また、多くの社員にとって越境学習という概念はまだまだ馴染み深くありません。越境学習の概要や目的、意義を周知しなければ、参加者は集まりづらいです。


越境学習事例3選


越境学習を導入する際の注意点

    良い雰囲気のミーティング

越境学習を効果的に導入するためには、どういったポイントに気をつければよいのでしょうか。
ここからは、越境学習を成功させるために意識しておきたいポイントを6つ解説します。越境学習を導入する際には、ぜひこれらのポイントを意識してみましょう。


実施目的を明確にする

越境学習を実施する際には、実施目的を明確にするのがポイントです。 越境学習の目的を明確にしないままスタートさせてしまうと、越境学習に参加すること自体が目的となってしまい、学習の効果が薄れてしまいます。越境学習を実施する目的としては、例えば以下のようなものが考えられます。


  • 新たな価値観に触れて、精神的な成長を促す
  • 普段の職場から離れて業務に取り組み、主体性や自律性を伸ばす
  • 新鮮な環境でリフレッシュして、パフォーマンスの向上を促す


自社の状況を見ながら、何のために越境学習を実施するのかを明確にするのが大切です。


企業側の負担をあらかじめ想定する

越境学習を実施する前に、企業側の負担をあらかじめ想定しておきましょう。 越境学習に取り組むと、企業側に大きな負担がかかります。外部の企業へ社員を派遣する際には事前の打ち合わせが必要ですし、研修やセミナーへの参加を促す際には金銭的なコストが必要です。また、越境学習の期間中には、現場に残された社員の負担を調整する必要もあります。 越境学習の具体的な取り組みに入る前に、どれほどの時間的コスト・金銭的コストが必要なのかを丁寧に見積もっておきましょう。


社員に自発的な参加を促す

社員に自発的な参加を促すのも、越境学習を導入する際のポイントです。 社員の主体性を引き出せるのが越境学習の特徴であるため、社員へ越境学習への参加を強制するのは好ましくありません。あくまでも社員の自発性を尊重し、「参加したい」と感じた社員に参加してもらうべきです。 社員の主体性を引き出すためには、越境学習の必要性や目的、意義をしっかり説明するのが効果的です。VUCAの時代にはキャリア自律が求められていることや、越境学習がキャリア自律に効果的であることなどを説明し、社員の主体性にアプローチしましょう。

キャリア自律についての詳しい解説は下記の記事をご覧ください。
【事例あり】キャリア自律とは?企業が支援するメリット・デメリット


越境学習事例3選


越境学習の種類・ 方法

越境学習を実施する際には、外部企業への出向や自治体による活動への参加、海外研修への参加といったさまざまな方法が考えられます。また、異業種間での交流を図ったり、副業や兼業、復職を後押しするのも越境学習を実現する方法の一つです。
ここからは、越境学習の具体的な進め方について解説します。


外部企業への出向

越境学習を実現する方法として、外部企業への出向が挙げられます。 外部企業へ出向してプロジェクトへ参画し、新しいスキルや経験を身につけてもらう方法です。関係の全くない企業を選ぶケースもありますが、基本的には資本関係のある会社など、何らかのつながりがある企業を選ぶケースが多いです。 なお、出向先を選ぶ際には、本社出身者がなるべく在籍していない企業を選ぶようにしましょう。ほとんど知っている社員がいない環境で働くことで、自発的な挑戦を後押しできます。


自治体の活動への参加

越境学習を実践する際には、自治体の実施している活動へ参加してもらうのも効果的です。 自治体の活動へ参加する際には、数日から数カ月間の間、地方自治体の一員となって仕事にあたることが一般的です。具体的には、地域振興のためのプロジェクトを推進したり、学校や施設との交流イベントの開催に携わったりします。 企業という枠組みから離れた自治体という組織へ参加すれば、地域の人と関わる喜びを味わえるなど、新たな価値観に気づけるでしょう。


海外研修への参加

越境学習を実践する方法の一つに、海外研修への参加が挙げられます。 海外研修へ参加する場合は、一定期間外国へ派遣され、現地で問題解決のためのプロジェクトなどに携わります。外国でシステム開発の管理を行ったり、技術指導を実施したりするのが一般的です。 こうした海外への派遣は、「留職」とも呼ばれています。現地でしか味わえない、いわゆる「修羅場体験」を積んでもらうことで、社員の人間的な成長を促すことが可能です。 アルーが実施している短期海外派遣型研修については、以下のページからご確認いただけます。 短期海外派遣型研修 ▼サービス資料をダウンロードする

  短期海外派遣研修サービス資料ダウンロード 短期海外派遣研修サービス資料をダウンロードいただけます。外国人の多いアウェイ環境に身を置くことにより、外国人と切磋琢磨する異文化対応力強化プログラムです。 アルー株式会社


他業種間での交流会

他業種間での交流会に参加してもらうのも、越境学習を進める方法の一つです。 さまざまな業界からの人材が集まる交流会では、テーマを決めて討論したり、ケーススタディを実施して情報共有したりします。社外の人材と交流することで、社内にはないノウハウを取り込めるのがメリットです。 また、共同で新たなビジネス企画に取り組むなど、ディスカッションを行う交流会もあります。社外の人材と対話して文化や働き方の違いを知れば、固定観念にとらわれない新たな視点が身につくでしょう。


ワーケーション

越境学習を進める際には、ワーケーションを検討するのもよいでしょう。 ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた単語で、仕事と休暇を融合させる越境学習のスタイルです。具体的には、ホテルに滞在してリモートワークをしながら合間に観光したり、観光地の進行プロジェクトに携わったりするケースがあります。 普段とは違う場所で働けるため、フレッシュな気持ちで仕事に取り組むことができるのが魅力です。


副業・兼業・復職

副業や兼業、復職の後押しなども越境学習を進める手段の一つです。 以前は副業や兼業を禁止している企業が多かったですが、最近では社員の副業や兼業を認めているところも増えてきています。副業や兼業を通じて新しいスキルや知識を獲得できれば、本業にそれを活かすことが可能です。 また、復職をサポートする企業も少なくありません。一度働いたことのある社員を再雇用する復職は、「カムバック制度」や「アルムナイ採用」などと呼ばれることもあります。異なる環境で新しいスキルを身につけた社員が再び自社に戻ってきてくれれば、外部の新たな視点を社内に取り込むことが可能です。


ビジネススクール

越境学習を進めるために、ビジネススクールを活用してみるのもよいでしょう。 ビジネススクールに通えば、業務にすぐ役立てることのできる実践的な知識が身につきます。また、ビジネススクールでは同じような志を持った社員とディスカッションやゼミに取り組めるため、人脈を広げられる点もメリットです。 また、昨今は大学院に通う社会人も増えてきています。大学院に通って専門性の高い知識を身につければ、業務を進める上で大きな武器になるでしょう。


プロボノ

プロボノなど社会貢献活動へ参加してもらうのも、越境活動を進める方法の一つです。 プロボノとは、自分自身の持っている専門知識やスキルを活かして、地域や社会に対する貢献活動に取り組むことを指します。数日〜数ヶ月の期間で、NPO法人などのスタッフとしてサポートを行うケースが多いです。 社会貢献活動へ参画して社会の役に立つ喜びを味わえば、「人の役に立っている」という自己肯定感を高めることができます。また、普段は馴染みのない社会の側面を知ることで、価値観をアップデートできるでしょう。


社内副業・プロジェクト参加

社内副業やプロジェクトといった、企業内での越境も立派な越境学習の一つです。他部署や日常業務とは異なるプロジェクトに関わることで、新たな知識やスキルを習得できます。
企業内越境は、数ある越境学習の中でも最も敷居が低く、リスクも小さいため、社員に気軽に参加してもらえることがメリットの一つです。特に若手社員がこのようなチャレンジの場を経験することで、イノベーションが起こりやすい組織風土が醸成されます。
また、異なる視点や考え方を取り入れることで、組織全体の柔軟性や適応力も向上します。社内副業やプロジェクト参加は、社員の成長と組織の活性化を両立させることが可能です。


勉強会や研修への参加

越境学習を進める手段として、勉強会や研修への参加も挙げられます。 外部で開催されている勉強会や研修へ参加すれば、業務に役立つ知識を獲得でき、社内にはないノウハウを身につけられるでしょう。また、自己理解や役割認識を深める研修に参加すれば、社員の精神的な成長を促すこともできます。 なお、勉強会や研修は特定のテーマに沿って開催されることがほとんどです。ピンポイントで越境学習を進めたい際には、相性のよい方法といえます。 なお、研修を外部委託する際のノウハウや、委託先を選定するポイントは以下の記事で詳しく解説しています。

研修は外部委託すべき?委託している割合や委託先選定のポイント


越境学習に対する志望理由を見極める

越境学習を実施する際には、社員の越境学習に対する志望理由を見極めましょう。 越境学習は普段の職場から離れて新たな価値観やスキルの習得を目指す学習スタイルですが、必ずしもすべての社員が成長したいと感じているとは限りません。中には、普段の職場を離れたいだけで参加を志望する社員もいるでしょう。こうした動機で越境学習に参加しても、有意義な体験を積むことは難しいです。 越境学習の参加者を選抜する際には、面接などを実施して志望理由を見極めてみましょう。


振り返りの場を設け、FBを行う

越境学習を成功させるためには、振り返りの場を設けてフィードバックを提供するのがポイントです。 漠然とした状態で越境学習に取り組んでも効果は上がりません。越境学習で取り組んだプロジェクトや勉強会で、何ができるようになり、何が足りなかったのかをこまめに振り返る仕組みを設けましょう。 具体的には、上司と定期的に1on1ミーティングを実施する制度を設けたり、振り返りシートに記入してもらったりするのが効果的です。振り返りとフィードバックを習慣化するためのシステムを作るよう意識してみてください。


学びを社内で共有させる

越境学習による学びは、積極的に社内で共有するようにしましょう。 越境学習で社外の人材と交流すれば、社内にはないさまざまなノウハウを吸収できます。こうしたノウハウを、社員一人だけが持ったままの状態にしておくのはもったいないです。 社内で越境学習での学びを共有する機会を設け、学んだノウハウや知識を共有しましょう。越境学習に参加した社員同士で、越境学習の効果的な進め方などをディスカッションしてもらうのもおすすめです。


越境学習事例3選




越境学習プログラム例・事例

人材育成を手掛けているアルーでは、これまでに海外派遣や研修を含むユニークな越境学習のサポートを実施してきました。ここからは、アルーが提供している越境学習のプログラム例を紹介します。
越境学習の具体的なプログラムについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


食品メーカー合同若手女性社員研修

カルビー株式会社では、女性活躍推進のため、食品メーカー合同の研修を実施しました。各社の20~30代の女性社員を対象としたキャリア研修です。
同業種で働く仲間との意見交換を通じて、職場文化や価値観、仕事の進め方の違いを知り、社外の社員との交流を通じて仕事への取り組み方やキャリア構築を共に考える同志を作ることを目的としています。

この合同研修を通して自律的にキャリアを描くことで、参加した人が次の役職候補として出てくるような流れを組み込めているようです

詳しい事例は、以下のページから確認いただけます。
カルビー株式会社 【食品メーカー合同】社外に同志を作る若手女性研修

▼事例資料をダウンロードする

  『カルビー株式会社様合同若手女性研修導入事例』資料ダウンロード 【食品メーカー合同】社外に同志を作る若手女性研修 アルー株式会社


短期海外派遣研修

短期海外派遣研修は、一定期間中国やシンガポール、ベトナム、インドネシアなどへ社員を派遣し、現地でグローバルな経験を積んでもらうプログラムです。アルーでは、1週間や2週間、1ヶ月などさまざまな期間でのプログラムをご用意しております。
短期海外派遣研修では、まず事前課題として事前調査や初期仮説の立案に取り組みます。その後、海外での現地活動を通じて仮説検証を進め、最後に成果発表へ取り組んでもらいます。
アルーの提供している短期海外派遣研修は、以下のページから詳しくご覧ください。
短期海外派遣型研修

▼サービス資料をダウンロードする

  短期海外派遣研修サービス資料ダウンロード 短期海外派遣研修サービス資料をダウンロードいただけます。外国人の多いアウェイ環境に身を置くことにより、外国人と切磋琢磨する異文化対応力強化プログラムです。 アルー株式会社


異業種リーダー研修

異業種リーダー研修は、異業種で活躍している同世代の人材と交流することを通じて、参加者に学びと刺激を与える研修です。
4〜7社程度から集まった20〜30名程度の参加者を対象に、1週間程度のプログラムで交流を促します。研修では、イノベーションを生み出すためのステップや方法を合宿形式で考えてもらうのが特徴です。異なる業種の人材とともにアイディアを出し合う経験を積むことで、今まで自分自身がとらわれていた固定観念から脱却した柔軟な発想ができるようになります。


グローバル幹部育成研修

グローバル幹部育成研修は、これからのグローバルな時代に求められる資質や能力、知識を経営者や有識者から学んでもらうことを目的とした研修です。
若手役員を対象とした研修では、半日〜1日程度のプログラムを3回実施し、役員に必要な資質を磨いていきます。経営トップや外部有識者からの講話を通じて、期待役割やニューノーマル時代のリーダーシップについて学べるのが特徴です。
事業部長や部長クラスを対象とした研修では、経営トップの考え方や判断、振る舞いを近くで学ぶ機会を設けます。対話力や気配り、人脈の形成力といったさまざまなスキルを伸ばすことが可能です。


越境学習事例3選


越境学習ならアルーにお任せください

越境学習なら、アルーへぜひお任せください。
越境学習を実現する際には、社員に海外経験を積んでもらったり、社内外との交流を促したりするのが効果的です。アルーでは、海外派遣を通じて「修羅場体験」を積んでもらうプログラムや、異業種の人材と積極的に交流できる機会を提供するプログラムを豊富に取り揃えています。
また、人数や規模、予算などにあわせて研修内容を柔軟にカスタマイズできるのも特徴です。越境学習を実施したい場合は、ぜひアルーまでご相談ください。


越境学習事例3選


まとめ

越境学習の概要やメリットとデメリット、具体的な進め方などについて幅広く解説しました。
越境学習はVUCA時代に求められるキャリア自律を実現する学習スタイルとして、昨今大きな注目を浴びています。しかし、越境学習にはコストがかかるなど、いくつかのデメリットがあるのも事実です。越境学習を成功させるためには、この記事で解説したさまざまなポイントを意識するのが欠かせません。
ぜひ今回解説した内容を参考に越境学習を進め、社員の自律性を効果的に育んでいきましょう。


越境学習事例3選

アルー株式会社
アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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