
管理職に向いていない人の特徴と見極める方法|向いていないと感じたときの対処法
社員を管理職に就任させる前に、その人材が管理職に向いているのか、向いていないのかを見極めるには、向いていない人の特徴を知る必要があります。
組織のリーダーとして必要なマネジメントを行い、部下をまとめていくことができる管理職を見極めるためのポイントや、管理職に向いていない人に共通する特徴を詳しく見ていきましょう。
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目次[非表示]
- 1.管理職に向いていない人を見極める方法は?
- 1.1.管理職の適性診断に役立つPM理論とは
- 1.2.pm型は管理職に向いていない
- 1.3.管理職に向いていない人の特徴がないか確認する
- 2.管理職に向いていない人の特徴
- 2.1.業績が悪く、よくミスをする社員
- 2.2.コミュニケーション能力が不足している人
- 2.3.感情的になりやすい人
- 3.女性管理職が少ない理由は?
- 3.1.男性の方が出世すべきという風潮が根強いため
- 3.2.柔軟な働き方の制度が無いため
- 3.3.人事評価制度の基準が適正でないため
- 4.管理職に向いていないと感じても、努力や研修で変わることは可能
- 4.1.プレイヤー意識から脱却できない
- 4.2.リーダーシップを発揮できない
- 4.3.組織全体の状態を見ていない
- 4.4.過去の成功体験に固執する
- 5.管理職のための研修ならアルー株式会社へ
管理職に向いていない人を見極める方法は?
管理職に向いていない人とは、管理職になれる条件を満たしていても、実際に管理職として業務にあたった際に活躍ができない人のことです。
管理職は、組織のマネジメントやメンバーとのコミュニケーションなど、幅広い仕事に取り組む必要があります。そのため、管理職として活躍するためには、プレイヤーとして優秀であるだけでは不十分なのです。
管理職に向いていない人を見極めるためには、この記事で紹介するポイントに当てはまるかどうかを確認してみましょう。
まずは管理職の適性診断に役立つと言われている「PM理論」をご紹介します。
管理職の適性診断に役立つPM理論とは
管理職の適性診断には、PM理論が役立ちます。
PM理論とは、リーダーに求められる特性を2つの観点から測定し、個人が持つリーダーシップの特性を大きく4つのタイプに分類するという理論です。PM理論には、以下の2つの軸があります。
- P行動 目標達成行動
目標を適切に設定するとともに、目標達成に向けた計画を策定し、進捗を管理する行動。
- M行動 集団維持行動
メンバーと良好な人間関係を構築して、チームワークを発揮できるようにメンバーへ働きかける行動。
PM理論では、P行動とM行動をそれぞれ測定します。そして、例えばP行動に優れておりM行動に劣る場合は「Pm」とするなど、優れている行動を大文字で、劣っている行動を小文字で表し、リーダーシップのタイプを4つに分類します。
pm型は管理職に向いていない
先ほど紹介したPM理論において、目標達成行動と集団維持行動のどちらも劣るタイプが、pm型となります。pm型の人材は、まず業務を遂行するための能力があまり高くありません。そのため、成果を追求して結果を出すというチームを構築するのが苦手です。
それに加え、集団維持行動も劣っている傾向があります。チームメンバーとのコミュニケーションに苦手意識があるためマネジメントが円滑に進みません。このようなことから、pm型の人材は管理職として苦労してしまうタイプだといえるでしょう。
管理職に向いていない人の特徴がないか確認する
pm型の他にも、管理職に向いていない人材のタイプはいくつか存在します。そして、管理職に向いていない人材にはいくつかの共通する傾向があります。例えば、「プレイヤー意識をいつまでも持ってしまっている」「決断力がなく、リーダーシップを発揮できない」といった傾向です。
この記事の後半で詳しく紹介しますが、管理職として向いていない人材を見極めるには、これらの傾向がないかどうかをチェックするのが効果的です。管理職に適切な人材を見極める必要がある場合は、候補者に管理職へ向いていない人材の傾向がないかどうかに注意を払うとよいでしょう。
管理職に向いていない人の特徴
先ほど紹介したように、管理職へ任命する人材を選ぶ際には、管理職に向いていない傾向を把握し、候補者にそういった傾向がないかどうかをチェックすることが極めて有効です。
では、管理職に向いていない人材とは、どのような傾向があるのでしょうか。
業績が悪く、よくミスをする社員
そもそも一般社員の時に仕事ができていない人は、管理職になって活躍することは難しいでしょう。
仕事で細かいミスが多いと、管理職になった後も仕事を上手く回すことができず、苦労する可能性があります。
そのような社員には、まずはなぜミスをしてしまうのか、なぜ業績が悪いのかを解明し、研修などで成長してもらうことが大切になるでしょう。
コミュニケーション能力が不足している人
業績がよくても、コミュニケーション能力が不足している人は、管理職に向いていないといえるでしょう。
いわゆる一匹狼のように、個人プレーで仕事をしている人は、チームを目標に向かって導いたり、人材育成をしたりなどの管理職の業務が難しくなってしまいます。
管理職である社員にコミュニケーション能力がないと、チームのパフォーマンスやモチベーションの低下につながりかねません。
感情的になりやすい人
ネガティブな感情を表に出してしまう傾向がある人も、管理職には向いていないといえるでしょう。
ミスなどがあると感情をむき出しにして怒ったり、不満を表情や行動で表してしまう人は、チームの士気を下げてしまいますし、部下が萎縮し積極的なチャレンジや提案ができなくなってしまいます。
感情的になりやすい人は、アンガーマネジメントやマインドコントロールができるように育成していくことが、管理職研修より先に必要になるでしょう。
女性管理職が少ない理由は?
日本では、諸外国と比較しても管理職に占める女性社員の割合が少ないと言われています。それでは、どうして女性管理職はこれほどまでに少なくなってしまっているのでしょうか。
一見すると女性が管理職に向いていないのではないかと思われがちですが、実際はそうではありません。女性管理職を増加させるためには、以下で詳しく見ていくように女性管理職の活躍に対応できる企業の制度の整備を進めることが必要です。
男性の方が出世すべきという風潮が根強いため
女性管理職が少ない一番の原因として、日本企業には未だに「男性の方が出世するべきだ」という風潮が根強く残っていることが挙げられます。
一般社団法人日本経営協会が2021年に調査した「女性管理職意識調査報告書2021」では、昇進(昇任)・昇格の時に男性管理職との違いを感じる時があると答えた人が20%いるという結果が出ています。
また、女性管理職が働く上での障害として「男性中心の職場である」と答えた人が15.5%、「男性からの反感・嫌がらせがある」と答えた人が5.3%いることも分かっています。
仕事は男性が、家庭は女性がそれぞれ担うべきだという旧来の考え方からいまだ脱却できていないため、企業においてはどうしても女性の出世に逆風が吹いてしまいがちです。女性管理職を増やすためには、まず企業側の意識改革を行う必要があります。
柔軟な働き方の制度が無いため
管理職の中には、頻繁な出張や、転居を伴う転勤を前提とした働き方を行う企業が少なくありません。旧来は父親の転居に家族がついていく、という形が一般的でしたが、最近ではそのような転勤に対する社会の考え方も変わりつつあります。女性管理職を増やすためには、柔軟に働くことができる制度づくりを進めることが必要です。特に、育児中も仕事に取り組みやすいリモートワーク制度やフレックスタイム制度が導入されていないことは、女性管理職を増やす上で大きな妨げとなるかもしれません。
上記と同じ調査である「女性管理職意識調査報告書2021」では、女性管理職が勤務先に充実してほしい制度として「フレックスタイム等働く時間を柔軟に選べる制度」が26%で1位、「テレワークやリモートワーク等働く場所を柔軟に選べる制度」が25.3%で2位という結果になっています。柔軟な働き方の制度を求めている女性管理職は多いようです。
人事評価制度の基準が適正でないため
日本企業の中には、出世の基準が明確化されていないケースが少なくありません。社員の評価が上司の一存で決定されることも多く、中には「転勤にも対応できるから」「社外取引先との接待に対応できるから」といった理由で出世が決定される場合もあります。
出世の決定が上司の曖昧な基準に依存している場合、「女性は〇〇だから」「この仕事は女性には難しいだろう」といった上司自身のバイアスが出世の判断に影響を与えてしまいます。結果として女性の管理職が増えないという事態も十分考えられるため、人事評価制度の充実も喫緊の課題です。
管理職に向いていないと感じても、努力や研修で変わることは可能
ここまで、管理職へ向いていない人の特徴や向いていない人のタイプを紹介してきました。もちろん全ての項目に当てはまらない社員は管理職として優秀で、将来有望な人材といえます。しかしながら、いくつか管理職に向いていない人の傾向に当てはまってしまった社員であっても、管理職として活躍することが不可能というわけでは決してありません。
例えば、研修によってマネジメントに必要なスキルを身につけてもらう、という施策を実施することが効果的です。また、より良い管理職となるための情報収集や自己啓発に努めるといった本人の努力も管理職としての成長に大きく影響を与えます。自分はあまり管理職に向いていないな、と感じさせてしまったとしても後から変わることは十分できるので、後ろ向きにさせすぎないことが重要です。
では、管理職になったのちに「やはりこの人は管理職に向いていなかった……」と思われてしまう人は、どのような人で、どのような対策をすべきなのでしょうか。
管理職に向いていないタイプは複数存在しますが、大きく分けると次の4つの項目に分類できます。
- プレイヤー意識から脱却できない
- リーダーシップを発揮できない
- 組織全体の状態を見ていない
- 過去の成功体験に固執する
では、管理職に向いていない人材の特徴と、その対策を見ていきましょう。
プレイヤー意識から脱却できない
管理職に向いていない人の傾向として、プレイヤー意識から脱却できていないという点が挙げられます。例えば営業部で売上1位を達成していた社員が管理職へ就任した際など、今までプレイヤーとして優秀だった社員にこの傾向がよく見られがちなので注意が必要です。
管理職自身がプレイヤー意識から脱却できていないと、組織のマネジメント業務にまで気を配れなくなってしまいます。メンバー間でのコミュニケーションが不足した結果トラブルを引き起こしてしまう、といった事態も想定されるため、管理職はマネジメント層としての意識を持つことが重要です。
対策としては、プレイヤー意識から管理職への意識改革をすることが大切です。プレイヤー時代とは違い、どのような視点を持つべきなのかの研修を行うと良いでしょう。
▼アルーの管理職研修についての詳細資料をダウンロードいただけます。
▼管理職研修について詳しくはこちらのページもご覧ください。
リーダーシップを発揮できない
管理職に向いていない人材の特徴として、リーダーシップを発揮できないという点も挙げられます。管理職ともなれば、組織や部署の責任者として重要な意思決定を行う場面も少なくありません。このような際に優柔不断な態度を見せてしまうと、メンバーからの信頼が低下してしまいます。
管理職には、難しい局面でも自信を持って重要な判断を下すことが求められます。判断力に欠けたり、メンバーからの信頼が得られなかったりとリーダーシップを発揮できない人材は、管理職へ向いているとはいえないでしょう。
対策としては、リーダーシップ研修を行い、問題解決方法などを学んでもらうことが挙げられます。
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組織全体の状態を見ていない
管理職になった途端に、組織全体の状態に目が届かなくなってしまうというケースは少なくありません。管理職は、組織のマネジメント業務を的確にこなしていく必要があります。そのためには、常にメンバー全員のモチベーションやメンバー間のトラブルに気を配っておくことが欠かせません。
組織全体の状態が見えず、自分の周りの状況だけで決断を下してしまうのは、マネジメントを苦手とするタイプの人材によく見られる傾向です。
対策としては、互酬性の醸成に対する育成を行うことが挙げられます。
過去の成功体験に固執する
過去の成功体験に固執してしまうというのも、管理職に向いていない人材に共通して見られる特徴です。あまりスキルを発揮できていない管理職の中には、自身がプレイヤーだった頃は優秀だった社員が少なくありません。
自身のプレイヤーとしての能力に自信があるため、このようなタイプの人材は常に「自分ならこうすれば上手くいった」という観点からアドバイスや判断を下してしまいます。しかし、本人が上手くいったやり方で必ずしも若手社員が上手くいくとは限りません。自身の成功体験に固執してしまっていないかどうかもよく見極めるとよいでしょう。
対策としては、こちらもプレイヤー時代の意識から管理職としての意識改革を行っていくことが挙げられます。
管理職のための研修ならアルー株式会社へ
管理職として活躍できる人材を育成するためには、マネジメントのスキルやコミュニケーションのスキルを身につける研修の実施が効果的です。しかし、全て自社で研修をするとなると研修内容の用意にも時間がかかるため、社内のリソースに負担がかかりがちです。
管理職のための研修を実績豊富な人材育成会社に委託すれば、人事担当者の負担を軽減できるだけではなく、充実した学習内容を提供することができます。
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