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【テンプレあり】問題解決のフレームワーク11選!活用のポイント

「フレームワークを活用して、ビジネスの課題を効率的に解決したい」
「問題解決のフレームワークは知っているが、どれを使えばよいのかわからない」
ビジネスを進める上では、個人レベルから部門、企業レベルまで、さまざまな問題が生じます。こうした問題を効率的に解決するために有効なことが、問題解決のフレームワークです。

この記事では、問題解決に有効なフレームワーク11選や、フレームワークを活用する際のポイントを解説します。研修を通じて問題解決力を向上した事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.問題解決に役立つフレームワーク
  2. 2.問題解決テンプレートをダウンロード
  3. 3.ビジネスで有効な問題解決フレームワークとは
  4. 4.フレームワークで問題解決をするメリット
  5. 5.問題解決フレームワークを活用するときのポイント
  6. 6.アルーの問題解決研修事例
  7. 7.問題解決フレームワークの活用ならアルーにお任せください
  8. 8.まとめ


問題解決に役立つフレームワーク

問題解決には、さまざまなフレームワークが存在します。代表的なフレームワークは、以下の20個です。


カテゴリ

フレームワーク

問題の特定と分析に有効なフレームワーク

MECE
ロジックツリー
なぜなぜ分析
DMAIC
SWOT分析
ファイブフォース分析
3C

解決策の策定と計画に有効なフレームワーク

5W2H
PDCAサイクル
アンゾフのマトリクス

解決策の実行と評価に有効なフレームワーク

QCD/QCDS
評価マトリクス
4M

問題解決の全体像とビジョンに有効なフレームワーク

問題解決の5つのプロセス
あるべき姿を描くための4つの視点
マーケティングミックス(4P)
マッキンゼーの7S

経営リソース・能力に関するフレームワーク

5大経営資源
IPO
KSA


それぞれ活用できるシーンが異なるため、これらのフレームワークを状況に応じて使い分けることが大切です。また、解決したい問題の内容によっては、これらのいくつかを組み合わせて用いることもよいでしょう。
ここからは、問題解決に役立つフレームワークを紹介します。


問題の特定と分析に有効なフレームワーク

MECE

MECEは、問題可決のさまざまな場面で役立つ、論理的思考のためのフレームワークです。MECEは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」という英語の略であり、「個々に見てダブりがなく、全体的に見てモレがない」という意味を持ちます。

問題を論理的に捉えるためには、問題をMECEに分解してツリー構造化し、小さな問題へと分解していくことが効果的です。

例えば「法人向けサービスの契約数が少ない」という問題を解決したい場合、例えば「大手企業からの売り上げが少ない」「大手企業以外(中小企業)からの売り上げが少ない」といった小さな2つの問題に分解します。その後、それぞれの小さな問題をさらにMECEに分解していき、最も重要な問題点へ重点的にアプローチしましょう。問題を切り分ける際にMECEの視点を意識することで、論理的に問題を解決できます。


ロジックツリー

ロジックツリーは、問題の原因や影響関係を階層的に整理するためのツールです。
ロジックツリーを構成する際には、問題の分析や解決策の発見に役立つ主題(トピック)を根幹として、それに関連する要因やサブトピックを枝のように分岐させて記述します。サブトピックの追加を複数回繰り返せば、最終的に木のような形で問題解決に役立つ情報を論理的に整理したロジックツリーが完成します。問題の構造を視覚的に表現するとともに、情報同士の相互関係を整理することで、複雑な問題を分析しやすくなることがメリットです。


なぜなぜ分析

なぜなぜ分析は、問題の再発防止に向けた原因分析のためのフレームワークです。
原因を正しく把握することは、問題の再発防止に欠かせません。逆に問題の原因を正しく把握できないと、表面的には解決したように見えた問題が再び発生してしまいます。
なぜなぜ分析では、以下のようなステップで問題の原因を分析します。


  1. 問題の原因として考えられるものを列挙する
  2. 「実行可能性」「効果」の2つの観点から、問題の原因を絞る
  3. ステップ1とステップ2を繰り返し、問題の原因を深掘りする


問題の原因を「なぜ?」と段階的に掘り下げることで、より本質的な原因へと近づけるようになり、真因の特定につながります。


DMAIC

問題解決のフレームワークとして、DMAICも挙げられます。DMAICは、効果的な解決戦略を構築するのに役立つ、データに基づいたアプローチを重視したフレームワークです。
DMAICでは、以下の5つのプロセスを通じて、データドリブンな問題解決を行います。


  • D(Define)……問題を定義する
  • M(Measure)……現状を測定する
  • A(Analyze)……分析する
  • I(Improve)……改善する
  • C(Control)……改善策を定着する


まずは問題を明確に定義して、現状を定量的、定性的の両面から測定します。
その後、問題の原因を分析した上で改善策を立案し、問題の再発を防ぐために改善策を定着させるところまでがセットです。


SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析は、企業やプロジェクトの内部および外部環境を評価するためのフレームワークです。SWOTは以下の4つの要素で構成されています。


  • Strengths(強み)……企業の競争優位性や独自の資源、他社にはない強み。
  • Weaknesses(弱み)……企業内の課題や他社に劣る部分、改善が必要な要素。
  • Opportunities(機会)……市場の変化や新技術、成長の可能性がある外部環境。
  • Threats(脅威)……競合他社や規制変化など、企業の成長を阻むリスク。


SWOT分析は、これらの要素を組み合わせて、企業の戦略を立案する際に非常に有効です。特に、新規市場への参入や新製品開発などの重要な意思決定を支援するツールとして広く利用されています。


ファイブフォース分析

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析を「既存競合他社」「新規参入企業」「代替品」「買い手」「売り手」の要素で説明します。


  • 既存競合他社……業界内での既存競合他社との競争の激しさを分析します。競争が激化すると、価格競争や利益率の低下につながります。
  • 新規参入企業……新しく参入する企業が増えると、競争が激化する可能性が高まります。参入障壁が低い業界では、新規企業が市場に入りやすいです。
  • 代替品……代替となる製品やサービスがある場合、顧客がそれに切り替える可能性があるため、競争力が脅かされることがあります。
  • 買い手……買い手の交渉力が強い場合、価格交渉や要求に応じる必要があり、利益率に影響を与えることがあります。
  • 売り手……売り手(サプライヤー)が強い交渉力を持つと、原材料やサービスのコストが上昇し、企業の収益に影響を与える可能性があります。


このフレームワークを活用して、業界全体の競争環境を把握し、戦略を立てることができます。


3C

3C

3C分析は、企業がマーケティング戦略を策定する際に用いるフレームワークで、次の3つの視点からビジネス環境を分析します。


  • Customer(顧客)……ターゲット顧客のニーズ、行動、購買パターンを理解することが重要です。市場規模やセグメント、顧客の求める価値を把握し、最適なアプローチを策定します。
  • Competitor(競合)……競合他社の戦略、強み・弱み、市場シェアなどを分析し、自社の優位性を明確にします。競合の動向を知ることで、差別化戦略や市場での競争力を強化します。
  • Company(自社)……自社の強みや弱み、リソース、競争優位性を理解し、戦略に活かします。自社が市場でどのようにポジショニングし、顧客に価値を提供できるかを検討します。


この3つの視点を総合的に分析することで、効果的なマーケティング戦略を策定し、競争力を高めることができます。


解決策の策定と計画に有効なフレームワーク

5W2H

5W2Hは、対策の具体的な実行計画を立てる際に用いるフレームワークです。
問題解決のための対策が決まったら、実行のための5W2Hを明確にする必要があります。以下の観点に沿って実行計画を立て、具体的なアクションを明確化しましょう。


  • Why(目的)
  • What(内容)
  • When(期限)
  • Where(場所)
  • Who(人物)
  • How(具体的な手段)
  • How much(予算)


5W2Hで対策案を具体化している例


こうした観点から実行計画を整理することで、問題解決に向けてメンバーが取り組むべきタスクが明確化されます。表やリスト形式などでわかりやすくまとめ、問題解決のためのアクションプランを具体化しましょう。


PDCAサイクル

PDCAサイクルは、問題解決の計画実行フェーズにおいて役立つフレームワークです。
PDCAサイクルでは、以下の4つのプロセスを繰り返すことで、問題解決を継続的に進めることができます。


  1. P(Plan)……問題解決に向けた方法を計画する
  2. D(Do)……問題解決の行動を実行する
  3. C(Check)……行動の結果を確認し、評価する
  4. A(Action)……評価の結果に応じて、行動を修正する


PDCA


PDCAサイクルは、繰り返し行うことで組織の問題解決力向上や、業績向上につながります。サイクルを一度回して終わりにするのではなく、常に回し続けられるよう習慣化することが大切です。


アンゾフのマトリクス

アンゾフのマトリクス(Ansoff Matrix)は、企業の成長戦略を考える際に使用されるフレームワークで、4つの戦略オプションに基づいて市場と製品を分析します。

アンゾフの成長マトリクス


  • 市場浸透……既存市場で既存製品のシェアを拡大する戦略です。価格の引き下げやプロモーション活動の強化を通じて市場シェアを増やします。
  • 新市場開拓……既存製品を新しい市場に導入する戦略です。新たな地理的エリアや顧客層をターゲットにします。
  • 新製品開発……既存市場に対して新製品を投入する戦略です。既存顧客のニーズを満たすために、新製品やサービスを開発します。
  • 多角化……新しい市場に新製品を投入する最もリスクの高い戦略です。新市場と新製品の両方に挑戦し、新たな事業領域を開拓します。


このマトリクスは、企業が成長機会を評価し、どの方向に進むべきかを視覚的に示すツールとして有効です。


解決策の実行と評価に有効なフレームワーク

QCD/QCDS

QCDは、主に製造業における問題解決に役立つフレームワークです。生産プロセスの代表的な3つの管理要素がまとまっているため、生産プロセスの効率化や課題解消に役立ちます。
QCDに含まれる3つの管理要素は、以下の通りです。


  • Q(Quality)……品質
  • C(Cost)……コスト
  • D(Delivery)……納期


QCD


一般的に製造プロセスには、これらの3つの要素の間にトレードオフの関係があります。製造プロセスにおける問題解決を実現するためには、こうした要素のバランスを取りながら、最適な施策を立案することが大切です。
QDCSはこれにService(サービス)を加えたもので、サービス・サポート体制の充実度が該当します。
QCDは製造業だけでなく、サービス業やプロジェクト管理など幅広い分野にも応用できます。顧客満足度を向上させるためには、品質、コスト、納期のバランスをとりつつ、業務プロセスの改善や効率化を図ることが重要です。また、QCDの評価は継続的な見直しが求められます。


評価マトリクス

評価マトリクスは、問題解決に向けた最適な対策を絞り込むためのフレームワークです。
評価マトリクスを用いる際は、縦軸に対策案を並べ、横軸に「効果」「コスト」「リスク」「期間」といった項目を並べた表を作ります。そして、それぞれの対策案の効果やコストなどを、表の項目に沿って整理していきましょう。
このとき、以下の4つのポイントを意識しましょう。


  • 対策の評価軸を明確にする
  • 評価には数字を用いる(3段階など)
  • 個々の対策の評価の数字の根拠を明らかにする
  • 対策の評価軸の優先順位をつける


評価軸によって対策の評価結果も変わるため、状況に応じた最適な評価軸を設定することが重要です。


4M

4Mは、製造業やプロジェクト管理において、問題の原因を特定し改善を行うためのフレームワークです。4つの「M」は次の要素を指します。

4M


  • Man(人)……作業員や人材に関する要因。スキル不足、作業ミスなどが問題の原因となる場合があります。
  • Machine(機械)……設備や機器の不具合、メンテナンス不足など、機械的な要因を確認します。
  • Material(材料)……使用する材料の品質や供給状況の問題。欠陥品や材料不足が影響を与える場合があります。
  • Method(方法)……作業手順やプロセスの問題。手順ミスや効率の悪い方法が原因となることがあります。


これら4つの要素を総合的に分析することで、問題の根本原因を特定し、改善策を立案するのが4Mの目的です。特に製造業での品質管理や改善活動で広く使われています。


    問題解決の全体像とビジョンに有効なフレームワーク

    問題解決の5つのプロセス

      問題解決の5つのプロセスは、問題解決に必要な一連のアクションをモデル化したフレームワークです。
      問題解決は、主に以下の5つのプロセスから構成されます。


      1. 問題の明確化
      2. 原因追求
      3. 対策立案
      4. 実行
      5. 検証・改善


      まずはあるべき姿と現状とのギャップを明確にして、問題の所在を特定します。その後、問題点の原因を一歩ずつ深掘りして、真因を突き止めることが重要です。原因の追求が完了したら、問題解決に向けた具体的な対策を立案し、実行、検証を経て、最初に立てた目標と現状の比較を行います。問題解決の全体像を把握するために役立つフレームワークです。


      あるべき姿を描くための4つの視点

      「あるべき姿を描くための4つの視点」は、問題の明確化を行う際に必要な4つの視点をまとめたフレームワークです。問題解決後のあるべき姿を描くためには、以下の4つの視点を考える必要があります。


      • 目的に立ち返って考える……「そもそも何のためにやっているのか?」と原点に立ち返ってみる
      • 時間軸を伸ばして考える……将来から発想してみる
      • 立場をあげて考える……上位者などの一段高い視点で考えてみる
      • 逆の視点から考える……反対者の立場や、裏の視点から考えてみる


      こうした4つの視点を意識すれば、問題を多角的に捉えることができ、効果的な問題の明確化に役立ちます。


      マーケティングミックス(4P)

      マーケティングミックス(4P)とは、マーケティングにおいて考慮すべき4つの要素をまとめたフレームワークです。4Pには、以下の4つの要素が含まれます。


      • Product……商品戦略
      • Price……価格戦略
      • Place……流通戦略
      • Promotion……販促戦略


      マーケティングにおける問題解決を行う際には、これら4つの要素に沿って情報を整理するとよいでしょう。また、4つの要素の間で整合性が取れていなければ、効果的に顧客へリーチできません。4Pのうちどの部分に課題があるのか、それぞれの要素の間で一貫性が担保できているかをチェックしましょう。


      マッキンゼーの7S

      マッキンゼーの7Sは、企業の組織変革や戦略実行を成功させるためのフレームワークで、7つの要素に基づいて組織の整合性やバランスを分析します。以下がその7つの要素です。

      マッキンゼーの7S


      • Strategy(戦略)……企業の長期的な目標や競争における方向性。
      • Structure(構造)……組織の階層や部門構成などの業務構造。
      • Systems(システム)……日常の業務やプロセスを支える制度や手順。
      • Shared Values(共通の価値観)……企業文化や全体的な価値観を形成する基本理念。
      • Style(スタイル)……リーダーシップのスタイルや組織文化の特徴。
      • Staff(人材)……人材の質や数、スキルの配置。
      • Skills(スキル)……企業が持つ競争優位性を支える独自の能力。


      これらの要素をバランス良く整え、連携させることで、企業の競争力や業績を最大化できます。このモデルは、組織全体を包括的に分析するための強力なツールとして広く使われています。


      経営リソース・能力に関するフレームワーク

      5大経営資源

      5大経営資源とは、企業が事業を運営・成長させるために必要な基本的なリソースを指します。以下の5つが主要な経営資源です。

      5大経営資源


      • ヒト(Human)……企業活動の中心となる人材。スキルや知識、モチベーションが企業の競争力を左右します。
      • モノ(Material)……生産やサービス提供に必要な物理的資源。製品、原材料、設備などが含まれます。
      • カネ(Money)……資金や財務資源。運営資金の調達や投資、収益管理が企業の安定性に影響を与えます。
      • 情報(Information)……市場動向や顧客データ、技術情報など。戦略的意思決定に重要な役割を果たします。
      • ノウハウ(Knowledge)……組織内の経験や知識の蓄積。競争優位性の源泉となる場合が多いです。


      これらの資源を効果的に活用することで、企業は持続的な成長と競争力の向上を図ることが可能です。


      IPO

      問題解決フレームワークのIPOとは、「Input(入力)」「Process(処理)」「Output(出力)」の3つの段階で問題解決を行うための枠組みです。これは、システムやプロジェクトの改善や効率化を図る際に使用されます。

      IPO


      • Input(入力)……問題解決のために必要な情報やリソースを定義します。これには、データ、資源、顧客の要求などが含まれます。
      • Process(処理)……入力された情報やリソースを基に、問題を分析し、解決策を導き出すためのプロセスを実行します。この段階で改善策や新しいプロセスが設計されます。
      • Output(出力)……処理結果をもとに具体的な解決策や成果が得られます。これにより、問題が解決されたかどうかを評価し、次のアクションに移ります。


      このフレームワークを使うことで、システム的な視点から効率的に問題解決が進められます。


      KSA

      KSAとは、Knowledge(知識)、Skills(技能)、Abilities(能力)の3つを指すフレームワークで、主に人材開発や評価の場で使われます。

      KSA


      • Knowledge(知識)……仕事や職務に必要な情報や理論的理解。特定の分野における専門的知識や概念を指します。例としては、業界の法律や規制、製品知識などが含まれます。
      • Skills(技能)……特定の仕事を遂行するための実践的なスキルです。これには、問題解決能力、プレゼンテーションスキル、技術的な操作スキルなどが含まれます。
      • Abilities(能力)……知識やスキルを使って実行する力、または職務を遂行するための総合的な能力を指します。これには、チームリーダーシップ、コミュニケーション能力、戦略的思考力などが該当します。


      KSAは、人材の育成や評価、採用の基準としても利用され、従業員のパフォーマンス向上に寄与します。



      問題解決テンプレートをダウンロード

      これまで紹介したフレームワークのうち5つを厳選した現場で使える!問題解決のフレームワークテンプレートがダウンロード可能になりました。各テンプレートは、問題解決や戦略立案に役立つフレームワークに基づいており、業務効率を向上させるためにご活用いただけます。

      現場で使える!問題解決のフレームワークテンプレート



      ビジネスで有効な問題解決フレームワークとは

      問題解決のフレームワークとは、課題解決の過程を体系化し、標準化する手法のことです。ビジネスで生じるさまざまな問題の共通項を見出し、幅広い問題へ一般的に適用できる問題解決のプロセスや思考法をまとめたもの、とも言うことができます。
      問題解決フレームワークには、課題の発見から解決策の実行までを段階的に進めるステップや、それぞれのステップで考えるべき要点などがまとまっています。こうしたフレームワークを習得すれば、さまざまな問題へ直面した際に適用できる、いわば「考える枠組み」を身につけることができるのです。


      フレームワークで問題解決をするメリット

      フレームワークを用いて問題解決することには、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットは以下の4つです。


      • 的確な現状分析ができる
      • 業務の効率化ができる
      • 論理的な意思決定を実現できる
      • 情報共有の円滑化


      フレームワークで問題解決を行うメリットを詳しく解説します。


      的確な現状分析ができる

      フレームワークを用いて問題解決することで、的確な現状分析が実現します。
      フレームワークを使って思考を展開すれば、考えるべき問題や課題の論点が構造化された状態でまとまります。そのため、どのような要因がどこに作用して問題が生じているのかが客観的に視覚化でき、的確な現状分析につながるのです。
      さらに、フレームワークは問題へアプローチする上で何を考えるべきなのかを示してくれるため、視点の見落としも減ります。


      業務の効率化ができる

      フレームワークを使って問題解決することで、問題解決プロセスの効率化が実現します。
      フレームワークは、問題解決の流れを明確に定義してくれる存在です。そのため、フレームワークを使って情報を整理することで、問題解決のために社員一人ひとりが何をすべきなのかがはっきりします。無駄な手間が省かれるため、効率的な問題解決につながるのです。


      論理的な意思決定を実現できる

      論理的な意思決定を実現できることも、フレームワークを使って問題解決を行うメリットの一つです。
      問題解決の際には、問題の定義や解決策の立案、選定を行う必要があります。フレームワークを使えば、問題を明確に定義した上で、解決策の候補を整理し、それらを客観的な基準に基づいて選定することが可能です。論理的な思考が展開できるため、感情や個人の主観的な意見に左右されない、客観的かつ合理的な意思決定ができるようになります。


      情報共有の円滑化

      フレームワークを使えば、情報共有も円滑化します。
      問題解決の際には、関係者に必要な情報を共有したり、生じている問題の要点をわかりやすく伝えたりする必要があります。フレームワークを活用すれば情報の整理や構造化が進むため、こうした情報共有がスムーズです。情報が明瞭かつ整理された形で共有できるため、伝達ミスや手戻りも減り、効率的な問題解決に役立ちます。情報が明瞭に整理された状態で共有されるようになり、組織全体の意思決定をスムーズに進められるでしょう。



      問題解決フレームワークを活用するときのポイント

      問題解決フレームワークを活用するときには、問題の心因を追求するようにしたり、問題に適しているフレームワークを選定したりすることが重要です。こうしたポイントを見逃していると、「フレームワークを活用しているのに、かえって問題解決が非効率になってしまった」という事態に陥りかねません。
      ここからは、問題解決フレームワークを活用する際に必ず意識しておきたいポイントを解説します。


      問題の真因を追求する

      問題解決にフレームワークを適用する際のポイントとして、問題の真因を追求するようにする点が挙げられます。
      問題の真因を特定しなければ、表面的な対策を講じることに終始してしまいがちです。表面的な対策でも一時的には問題が解決したように見えるかもしれませんが、本質的な原因が解決していなければ問題はまた再発するでしょう。
      問題の真因に対して対策を講じることで、似たような問題が繰り返し起こらなくなりますし、その問題に似たような原因を持つ他の問題も一気に解決するようになります。「なぜなぜ分析」などのフレームワークを活用しながら、問題の真因を特定するよう意識しましょう。


      問題に適しているフレームワークを選ぶ

      問題解決にフレームワークを適用する際には、それぞれの問題に適したフレームワークを選定することが大切です。
      適切なフレームワークを選択することで、問題の性質や状況にあったアプローチを取ることができます。例えば小規模な問題では簡素なフレームワークを使用して、スピード感を持った対処を重視しましょう。反対に大規模な問題では、より包括的なフレームワークを活用したり、専門知識を持つチームを編成したりして、長期的なプロセスを構築することが大切です。
      また、問題解決のフェーズによっても活用できるフレームワークは変わります。例えばPDCAサイクルは計画実行フェーズに適していますし、QCDや4Pは主に企画立案フェーズで役立つフレームワークです。この他にも、問題解決の目標や複雑さ、時間やリソースなどの制約も考慮して、最適なものを選ぶようにしましょう。


      自責で問題解決を進める姿勢を持つ

      自責で問題解決を進める姿勢を持つことも、問題解決にフレームワークを適用する際のポイントの一つです。
      問題解決の際には、問題を見て見ぬふりをしてしまったり、他人のせいにしたりしてしまうことがあります。しかし、チームにこうした他人任せの風土が根付いてしまうと、問題がいつまでも放置されかねません。また、見て見ぬふりを続けた結果、始めは小さかった問題が大きな問題となってしまい、対処が難しくなるケースも多いです。
      問題解決のスタンスとして、「自責で問題解決を進める」という点を大切にしましょう。具体的には、まず自分が主体的に行動するようにしたり、報連相を徹底したりすることが大切です。すべてのメンバーが主体的に問題解決へコミットする姿勢を持つことで、問題が放置されづらい組織風土を根付かせることができます。


      一次情報を収集する

      問題解決にフレームワークを活用する際には、意識的に一次情報を収集するようにしましょう。
      一次情報とは、個人や組織が直接体験したり、直接調査や実験などを通じたりして得たデータのことです。こうした一次情報を通じて問題へアプローチすることで、あるべき姿とのギャップである問題をより正確に浮き彫りにできるため、問題解決に向けた現場との連携を生み出しやすくなります。
      具体的には、「現場を直接見て、現場の人に直接会って話を聞く」といったアクションが効果的です。現場と直接コンタクトを取れば正確な情報を把握できますし、現場からも「問題を解決しようとしているのだな」といった理解を得ることができます。


      一歩先を考えて問題解決する

      一歩先を考えて問題解決することも、問題解決にフレームワークを活用する際のポイントです。
      「一歩先を考えて問題解決する」とは、自ら将来に向けてあるべき姿のレベルを上げて問題を設定し、その解決を実行していくことです。
      問題解決を行う際には、単に目の前の問題を解決するだけでなく、理想や目標などの「あるべき姿」を描きましょう。あるべき姿を描くことで顧客へ高いレベルでの貢献ができ、大きな自己成長が期待できます。現状に満足するのではなく、常に一歩先を見据え、顧客を感動させられるような問題解決を目指すことが重要です。


      継続的に改善する

      問題解決にフレームワークを活用する際には、継続的な改善を意識することも重要です。
      問題解決は、一度きりの作業ではありません。一度発生した問題をそのままにしておくと、再び同じような問題が発生する可能性もあります。問題解決を行ったあとは、問題の再発防止に向けて、持続的にプロセスを進めてください。
      なお、その際には解決策を実施した後に行う効果測定を忘れないようにしましょう。継続的に施策の評価を行うことで、アクションに適切な修正や調整を加えることができます。



      アルーの問題解決研修事例

      人材育成を手掛けているアルーでは、問題解決力を向上させるための研修を数多く実施してきました。それぞれの研修では、問題解決に役立つフレームワークを適宜学んでもらいながら、問題解決のプロセスをアウトプットして定着していることが特徴です。
      ここからは、アルーが支援した問題解決研修の事例を紹介します。


      情報・通信業A社 DX化推進を行う上で求められるコアBizスキル(共通スキル)強化研修事例

      情報通信業のA社では、2年目のDX推進事業部の社員に対し、自分から主体的に問題発見して発信していく力を身につけてもらいたいと考えていました。
      そこで、DX推進を行う上でコアとなるスキルセットを習得するため、実践中心で4日間にわたる研修を実施しています。本事例ではDXを進める上で必要となるスキルの一つとして問題解決を扱い、問題解決の原則や問題の定義方法などを演習形式で学んでもらいました。

      DXというテーマと融合して学んでもらったことで、現場に直接役立つ問題解決の方法を身につけてもらったことがポイントです。
      研修後には、「4日間の研修期間内だけでも、研修で学んだことが実践できそうな状況に何度も遭遇した」「重要なポイントがわかりやすく、独学より身になった」といった好評の声をいただいています。

      本事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
      【研修事例】DX化推進を行う上で求められるコアBizスキル(共通スキル)を学習する

      ▼事例資料をメールで受け取る

        『DX化推進を行う上で求められる共通スキルを学習する研修事例』資料ダウンロード 情報・通信業社の研修事例資料です。 DX化推進を行う上で求められるコアBizスキル(共通スキル)を学習する研修を実施しました。 アルー株式会社


      サービス業A社 複雑な状況を構造的に整理し、意思決定できるようになる問題解決研修事例

      サービス業のB社では、マネージャー候補として求められる難易度の高い案件に対して、仮説を持って質の高い提案を行うのに必要なコンセプチュアルスキルが不足しているという課題がありました。
      そこで、次期課長候補者に対して選抜研修を実施し、思考力の向上を図っています。研修では、ビジネスにおける問題解決を「発生型問題解決」「設定型問題解決」の2つに区分し、それぞれの場面で有効な問題解決方法を演習も交えながら学んでもらいました。

      研修後には、「ノックを踏まえた実践で理解が促進された」「ピラミッド構造で抽象度の上げ下げを行うことを通じて、相手に合わせた伝え方が身につけられた」といった声が上がるなど、ロジカルシンキングと問題解決力がともに向上したという効果が出ています。

      本事例は、以下のページでさらに詳しく解説しています。
      【研修事例】複雑な状況を構造的に整理し、意思決定できるようになる

      ▼事例資料をメールで受け取る

        『複雑な状況を構造的に整理し、意思決定できるようになる問題解決力研修事例』資料ダウンロード サービス業社の研修事例資料です。 管理職層に対して、営業に必要なスキル(質問力・傾聴力・課題形成力・伝える力)を伸ばすためのコンセプチュアルスキルを身につける研修を実施しました。 アルー株式会社


      金融・保険・貸金業C社 短期間で問題解決力を身につける研修事例

      大手金融・保険業界のC社では、短期間で効率的に問題解決力を向上させたいと感じていました。
      そこで、2日間で問題解決力を磨く研修を実施しています。1日目は発生型の問題解決に対するアプローチとして、MECEや問題解決プロセスの全体像などを学んでもらいました。2日目は設定型の問題解決を扱い、4Pや論理的思考などを学んでもらっています。1日目と2日目ともに多くの演習を取り入れ、実践的な視点を養ったことがポイントです。

      研修後には、「視座を上げることの重要性を感じた」「固定概念を取り払って考える必要性を感じた」など、研修の効果を実感する多くの声をいただきました。

      本研修事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
      短期間で問題解決力を身につける~大手金融・保険・貸金業の研修導入事例~



      問題解決フレームワークの活用ならアルーにお任せください

      問題解決フレームワークの活用なら、ぜひアルーへお任せください。
      人材育成を手掛けているアルーでは、問題解決に役立つフレームワークについて学べる研修を数多くご用意しています。いずれも演習を豊富に含んだ研修設計で、実践の場ですぐに役立つ能力を獲得できることが特長です。
      また、DX推進と組み合わせて問題解決力を学びたい、問題解決力とロジカルシンキングをセットで学びたいといった要望にも、柔軟に対応させていただきます。

      アルーが提供している問題解決研修は、以下のページをご覧ください。
      問題解決力研修

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        問題解決ワークショップサービス資料ダウンロード 「問題解決ワークショップ」のサービス資料をダウンロードいただけます。この研修では、日常業務での問題を解決し、あるべき姿に近づくための「問題解決䛾プロセス」を身につけることを目指します。 アルー株式会社



      まとめ

      問題解決に役立つフレームワークや、それらを活用する際のポイントを解説しました。
      フレームワークは、問題解決に必要な情報を構造的に整理したり、問題解決のプロセスを明確化したりする上で非常に有用です。こうしたフレームワークを状況に応じて活用できるようになれば、問題解決の効率化や意思決定の質の向上など、さまざまな効果が期待できます。
      ぜひこの記事の内容を参考に問題解決フレームワークの理解を深め、問題解決の場面で積極的に活用してみてください。



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      アルー株式会社
      20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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