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コンプライアンスとは?違反に該当する事例や違反が起こる原因、対処法を解説


昨今、コンプライアンスに対する社会的な関心がますます高まっています。
コンプライアンスという言葉の意味は幅広く、単に企業が法律を守っていれば問題ないというわけではありません。
この記事では、コンプライアンスの定義やコンプライアンス違反に該当する事例、違反が起こる原因などを解説します。コンプライアンス違反を防ぐ方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.コンプライアンスとは
  2. 2.コンプライアンスが注目を集めている理由
  3. 3.コンプライアンス違反が起こる原因
  4. 4.コンプライアンス違反の事例
  5. 5.コンプライアンス違反を未然に防ぐ方法
  6. 6.コンプライアンス研修ならアルーにお任せください
  7. 7.アルーのコンプライアンス研修事例
  8. 8.まとめ


コンプライアンスとは

コンプライアンスとは、企業や組織が法律や規則、倫理規範などに従って行動することです。
企業や組織は、法的用件や業界の規制、倫理的な基準に適合した上で、違反や不正行為を防ぐためにコンプライアンスを遵守する必要があります。具体的なアクションとしては、適切な社内規定や手順の策定、社員の教育やトレーニング、定期的な監査と評価などです。コンプライアンス遵守を実践することで、企業は法的なリスクを最小限におさえ、信頼性や信用を高めることができます。


内部統制との関係性

コンプライアンスと密接に関連する概念として、内部統制が挙げられます。
内部統制とは、法令遵守やリスク管理、情報の信頼性を確保するためのシステムやプロセスのことです。コンプライアンス遵守の観点から見ると、内部統制は「組織が法令や規則を遵守するための防衛ライン」ということができます。この防衛ラインを強化することで、企業のコンプライアンス遵守につながります。内部統制は、コンプライアンスを遵守するための手段の一つとして捉えておきましょう。


コーポレートガバナンス・CSRとの関係性

コンプライアンスと混同されがちな概念に、コーポレートガバナンスやCSRといったものも挙げられます。
コーポレートガバナンスとは、企業の経営を透明化し、健全な経営を確保するためのシステムを整備することです。コンプライアンスの遵守は、このコーポレートガバナンスの一環にあたります。
また、CSRとは「企業の社会的責任」のことで、企業が社会から求められている責任を果たすために環境配慮や社会貢献活動を進めることです。コンプライアンス遵守は、CSRの一つとして位置付けられています。
企業の信頼を維持するためには、法規制を単純に遵守するだけでなく、コーポレートガバナンスやCSRの視点も交えながらコンプライアンスを確立する必要があるのです。



コンプライアンスが注目を集めている理由

最近では、コンプライアンスがこれまで以上に注目されています。コンプライアンスが注目を集める主な理由は、以下の通りです。


  • 法規制が強化されている
  • 企業の社会的責任の高まり
  • 不正行為や企業スキャンダルの影響
  • 国際的な取引の拡大


コンプライアンスが注目を集めている理由について、一つずつ確認していきましょう。


法規制が強化されている

コンプライアンスが注目を浴びている背景として、法規制の強化が挙げられます。
最近では、金融や医療、個人情報保護などさまざまな分野で法規制が強化されています。例えば、金融庁はたびたび規制強化を行っており、デジタル化の進展に伴って個人情報保護法が改正されたことも記憶に新しいです。
こうした法的要件に適合するためには、企業側のコンプライアンス強化が欠かせません。今後も予想される法改正や規制強化への対応力を高めるため、コンプライアンスに力を入れる企業が増えてきています。


企業の社会的責任の高まり

企業の社会的責任が高まっていることも、コンプライアンスが注目を集めている背景の一つです。
昨今では、CSR(企業の社会的責任)を果たそうとする企業が増えています。持続可能な社会の実現に向け、企業が一丸となってSDGsへ取り組むこともその一例です。こうした取り組みを進めるためには、コンプライアンスを強化することが欠かせません。社会的責任を果たし、企業としての信頼を築くために、コンプライアンスは重要な手段の一つとなっているのです。


不正行為や企業スキャンダルの影響

不正行為や企業スキャンダルがたびたび社会的な注目を浴びていることも、コンプライアンスが注目を浴びている背景の一つです。
品質不正や不正会計など、企業によるスキャンダルはあとを絶ちません。こうした背景から、最近では企業経営や組織文化の健全性に対して厳しい目が向けられることも多いです。
企業がコンプライアンスを強化すれば、透明性が高く、統制の取れた環境を実現できます。不正のない倫理的な経営を実践していくために、コンプライアンスが求められているのです。


国際的な取引の拡大

コンプライアンスが注目を浴びている理由の一つに、国際的な取引が拡大していることも挙げられます。
現代の日本は少子高齢化が社会問題化しており、さまざまな市場で規模の縮小が予想されています。このため、海外市場へ進出し、ビジネス展開や取引を行う企業も多いです。また、IT化の進展により、グローバルな環境でビジネスを進める敷居も下がりました。
国際的な取引では、各国の法規制や国際基準へ適合する必要があります。EUでは個人情報保護に力を入れているなど、日本よりも法規制が厳しい国も多いです。こうしたグローバルな環境に適応していくために、コンプライアンスの重要性が高まっています。



コンプライアンス違反が起こる原因

コンプライアンス違反が起こる原因は、主に「社員の知識不足」と「社内の体制不備」の2つです。コンプライアンス違反を防ぐためには、こうした2つの原因へ効果的にアプローチする必要があります。
コンプライアンス違反が起こる原因を2つ見ていきましょう。


社員の知識不足

コンプライアンス違反が起こる原因として、社員の知識不足が挙げられます。
近年、法令や規則の変更が頻繁に行われるなど、コンプライアンスの知識や常識はめまぐるしく変化しています。。社員の中には、こうした頻繁な規制改正へ対応するための最新情報が把握できていない人も少なくありません。
知識不足やノウハウ不足によって、意図せずコンプライアンス違反をしてしまうケースは多いです。特に複雑な法令や専門知識を必要とする分野では、知識不足によるコンプライアンス違反のリスクが高まります。


社内の体制不備

社内の体制不備も、コンプライアンス違反が起こる原因の一つです。
社内のコンプライアンス体制が整っていない場合、責任の所在が曖昧になるなど、適切な対応ができません。その結果、大きなコンプライアンス違反につながってしまうのです。
特に、決定権限が曖昧だったり、ルール遵守の監視や指導体制が整っていなかったりすると、コンプライアンス違反を招きやすい風土が形成されてしまいます。また、問題発生時の対応策が不十分など、リスクヘッジの不足もコンプライアンス違反を招く要因の一つです。



コンプライアンス違反の事例

企業で起こりうる主なコンプライアンス違反の事例には、以下の5つが挙げられます。


  • 労働問題
  • 契約違反
  • 不正会計
  • 情報漏洩
  • 法令違反


ここからは、これまで実際に発生したコンプライアンス違反の事例を紹介します。


労働問題

労働問題は、長時間労働やパワハラなど、主に社員の労働環境に関する違反です。具体的な事例としては、以下のようなものが挙げられます。


  • 長時間労働を強制する
  • 給与の未払い、不当な天引き
  • パワハラやセクハラ
  • 合理的な理由のない待遇の格差


こうした労働問題は労働基準法などの法令違反につながり、裁判などに発展することも珍しくありません。コンプライアンス違反が表面化した場合、企業が社会的信頼を失う原因となります。


契約違反

契約違反とは、企業や個人が契約条件を守らないことを指します。契約違反に関するコンプライアンス違反の事例も多いです。具体的には、以下のようなものが契約違反に該当します。


  • 支払いの遅延や不履行
  • 契約条件の一方的な変更
  • 競業禁止条項の違反


こうした契約違反は、企業による契約の信頼を損ない、法的な問題や補償請求のリスクを招
きます。信頼を失った結果、今後の取引に大きな悪影響を及ぼすケースも少なくありません。


不正会計

不正会計も、たびたび発生するコンプライアンス違反です。不正会計は社会的な注目を浴びやすく、企業の信頼性を大きく損ないかねません。具体的には、以下のような事例があります。


  • 架空請求や業務上横領
  • 粉飾決算
  • 脱税


不正会計によるコンプライアンス違反は、投資家を欺く行為とみなされます。そのため、法的な制裁の対象となり、企業に対して厳しい処分が下されることも多いです。


情報漏洩

情報漏洩によるコンプライアンス違反は、近年特に増加傾向にあります。IT化が進んでいる昨今だからこそ、情報管理を一層強化することが必要です。具体的な情報漏洩に関する事例としては、以下のようなものが挙げられます。


  • 顧客の氏名、住所、パスワードなどの流出
  • インサイダー取引
  • SNSを通じた社外秘情報の流出


顧客データや企業秘密が外部へ漏洩すると、企業の信用失墜はもちろんのこと、法的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。個人情報の流出により、莫大な額の損害賠償請求が発生するケースも珍しくありません。


法令違反

法令に違反することで、コンプライアンス違反が発覚するケースもあります。特に多いのは、以下のケースです。


  • 独占禁止法違反
  • 個人情報保護法違反


こうした法令違反が発覚した場合、罰金や業務停止命令など、厳しい制裁が課されます。頻繁に法改正が行われる領域の場合、意図せず法令違反につながってしまうケースも多いです。



コンプライアンス違反を未然に防ぐ方法

コンプライアンス違反を未然に防ぐためには、企業側の積極的な対策が欠かせません。具体的には、以下のような対策が有効です。


  • 規定やマニュアルの作成
  • 法改正に関する情報を収集
  • 働く環境を改善する
  • 相談できる環境を整える
  • 研修を通じて理解を深める


コンプライアンス違反を未然に防ぐ方法を解説します。


規定やマニュアルの作成

コンプライアンス違反を防ぐためには、規定やマニュアルの作成が有効です。
組織内での行動規範や手順を明確にし、社員がそれを理解しやすい形でまとめておきましょう。業務プロセスが明確化されていれば、責任の所在が曖昧になることが減り、コンプライアンス違反を効果的に防げます。
また、継続的な教育やトレーニングプログラムを実施して、社員に規定やマニュアルを周知することも大切です。マニュアルを策定して終わりにするのではなく、周知して遵守を促すところまでセットで行いましょう。


法改正に関する情報を収集

法改正に関する情報を収集することも、コンプライアンス違反を防ぐ方法の一つです。
企業は、業界や地域の法的用件が変化する可能性を常に考慮し、適切に対応する必要があります。法改正に関する情報収集を行うためには、政府機関や業界団体のウェブサイトを参照したり、法律専門家やコンサルタントからの助言を得たりすることがよいでしょう。また、業界関連のニュースレターや報告書を活用することも一つの手段です。
さまざまな手段で法改正に関する情報を収集し、「気づかないうちにコンプライアンス違反になってしまった」という事態を防ぎましょう。


働く環境を改善する

コンプライアンス違反を防ぐ方法として、働く環境を改善することが挙げられます。
社員の働く環境が整っていない場合、業務に対する主体性や責任感が低下します。無責任な行動が増え、コンプライアンス違反を招くでしょう。また、社員に対する心理的負荷が、パワハラやセクハラなどのハラスメント行為を誘発する可能性もあります。
コンプライアンス遵守の風土を形成するためには、会社が積極的に社員の働く環境を整えることが欠かせません。過度な残業の禁止や社内風土改革を通じて、働く環境の改善を進めましょう。


相談できる環境を整える

コンプライアンス違反を防ぐためには、相談できる環境を整えることも重要です。
社員の中には、仮に社内でコンプライアンス違反を見つけたとしても、誰にも相談できず見なかったことにしてしまう人もいます。しかし、コンプライアンス違反に対して社員が「見て見ぬふり」を続けていると、はじめは小さかったトラブルも大きなコンプライアンス違反へと発展してしまう可能性があります。
社員が相談できる環境を整え、コンプライアンス違反が発生しづらい風土を作りましょう。その際には、相談した社員が不利益を被らないよう、匿名性や相談内容の秘密を担保することが大切です。


研修を通じて理解を深める

研修を通じて理解を深めることで、コンプライアンス違反を効果的に防げます。
コンプライアンス研修を通じて、コンプライアンスに対する重要性の理解や、関連法規の知識習得を促しましょう。
ただし、ただ単にコンプライアンス研修を実施するだけでは、現場での行動が変わらないことも多いです。研修を設計する際には、以下の4点を工夫してみてください。


  • 問題行動をしてしまう自分に気づかせる
  • 自分自身の内面を客観的に振り返る
  • 別の視点があることを知る
  • 異なる選択肢を試す


コンプライアンス研修を実施する際には、いくつかのポイントがあります。こうした点を意識しながらコンプライアンス研修を設計し、現場での効果的な行動変容につなげましょう。

コンプライアンス研修についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
コンプライアンス研修とは?資料の作り方や事例を研修のプロが解説



コンプライアンス研修ならアルーにお任せください

コンプライアンス研修なら、ぜひアルーへお任せください。
アルーでは、形だけのコンプライアンス研修にしないため、上述したようなポイントを重視した研修設計を行っています。コンプライアンス遵守に向けたマインドを醸成するため、適応課題へ積極的にアプローチすることがアルーの特徴です。また、コンプライアンス遵守のための行動を定着させるため、豊富な演習も用意しています。

コンプライアンス研修のポイントや資料の作り方、事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
コンプライアンス研修とは?資料の作り方や事例を研修のプロが解説



アルーのコンプライアンス研修事例

人材育成を手掛けているアルーでは、コンプライアンス研修を数多く実施しています。
アルーのコンプライアンス研修は演習中心の設計で、コンプライアンス遵守のための行動を定着しやすくなっていることがポイントです。
ここからはアルーがこれまでに実施したコンプライアンス研修の中から、特に参考となるものを紹介します。コンプライアンス研修の流れやポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


海外拠点長向けコンプライアンス研修

海外拠点長向けコンプライアンス研修は、海外拠点の経営者としての役割を理解し、必要なコンプライアンスに関する知識を身につけるために実施した研修事例です。
本事例は4つのセクションから構成されています。1つめのセクションでは海外拠点を経営する上で必要な役割認識やリスクマネジメントのポイントをつかんでもらいました。2つめのセクションでは、海外拠点長を務めるために求められるマインドセットを身につけてもらっています。3つめと4つめのセクションでは、それぞれ共通基礎知識と国別知識のインプットを行い、現地の法規制などについて理解を深めました。
単に知識をインプットするのではなく、具体的なケーススタディも交えながら、現地で求められるリスクマネジメントについてイメージを膨らませたことがポイントです。また、研修終了後にはeラーニングを活用した追加インプットも行い、さらなる知識の深化を目指しました。
研修後には、「現地の法規制をしっかり学ぶ必要性を感じた」「リスクマネジメントの一連の流れを理解できた。想定していないリスクがあることを知った」といった、研修の意義を実感する声をいただきました。

海外拠点長向け組織運営力向上研修の詳細は、以下の資料をご覧ください。

  『海外拠点長向け組織運営力向上研修』資料ダウンロード 拠点の経営者としての役割を理解し、リスクマネジメントのポイントを掴む会社経営において「こういうリスク、コンプライアンスの観点が大事なんだ」、「知らずに赴任していたら大変なことになっていた」というのに気づく研修です アルー株式会社



まとめ

コンプライアンスについて、定義や注目を浴びている背景、コンプライアンス違反を防ぐための方法を解説しました。
法規制が頻繁に変更され、企業の社会的責任が高まる昨今、企業にはこれまで以上のコンプライアンス遵守が求められています。コンプライアンス違反を起こさないためには、マニュアルの策定や法改正に関する情報の収集など、企業側の積極的な対策が重要です。その際には、コンプライアンス研修を実施して、社員のマインドと行動面にアプローチすることも忘れないようにしましょう。
ぜひこの記事を参考にコンプライアンスに関する理解を深め、コンプライアンス違反を防ぐ対策を積極的に講じてみてください。


アルー株式会社
アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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