クリティカルシンキングとは?トレーニング方法や身につけるメリットを解説
情報化社会が進展する現代では、膨大な情報の中から本質を見極める力が求められています。そこで本記事では、ビジネスの場で役立つクリティカルシンキングについて解説します。
クリティカルシンキングは、情報や考え方を論理的に分析し、正しい判断を下すための思考プロセスです。クリティカルシンキングを身につけることで思考力を高め、業務でのミスリードを防ぎ、適切な意思決定ができるようになります。
社員のクリティカルシンキング習得に役立つ研修や研修の成功事例についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
▼クリティカルシンキングスキル向上におすすめの研修3選
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クリティカルシンキング(批判的思考)とは
クリティカルシンキングとは、単に批判的になるのではなく、客観的な視点から物事を多角的に捉え、本質を見抜く思考力のことです。
日本語で言うと「批判的思考」と訳されますが、何でもかんでも批判的になれば良いわけではありません。
具体的には、以下の特徴が挙げられます。
- 経験や直感だけに頼らず、根拠に基づいて論理的に考える
- さまざまな角度から物事を捉え、多面的に検討する
- 常に疑問を持ち、深く掘り下げて本質を見極める
- 思い込みにとらわれず、公平で偏りのない判断をする
- 自分の考えをわかりやすく説明し、他者を納得させられる
つまり、クリティカルシンキングは客観性と論理性を備えた建設的な思考力であり、課題の本質を捉え、より良い解決策を導き出すために意識的に問題を捉え直す思考なのです。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い
クリティカルシンキングによく似た考え方として、ロジカルシンキング(論理的思考)も挙げられます。
クリティカルシンキングとは、上記でご紹介した通り客観的な視点から物事を多角的に捉え、本質を見抜く思考力のことを指します。
ロジカルシンキング(論理的思考)は、物事を論理的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考力のことです。
以下にクリティカルシンキングとロジカルシンキング(論理的思考)の違いを表にまとめました。
ロジカルシンキング |
クリティカルシンキング |
|
概要 |
物事を分解し、筋道立てて考える |
前提となる事実を検証し、本質を見極める |
具体的な問いの例 |
結論は何か? |
本当にこれでいいのか? |
このように、両者は関係が深いものの異なる観点からの思考法です。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
『ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いや組み合わせ方』
なぜクリティカルシンキングが必要なのか
クリティカルシンキングは、従来の考え方や経験に捉われずに物事を多角的に捉え、論理的に分析・判断する能力です。
VUCA時代とも呼ばれる現代社会では、不確実性や複雑性、曖昧性が高まっています。その中で、過去の経験や既存の発想だけでは対応しきれない課題が増えてきています。このような時代だからこそ、クリティカルシンキングの重要性が高まっているのです。過去の経験に頼るだけでなく、論理的・構造的に思考して本質を問い直し、未知の問題に対処する必要があると言えるでしょう。
クリティカルシンキングのメリットは以下の項目で詳しく解説しますが、思い込みや固定観念にとらわれずに物事の本質を捉えることができる、さまざまな視点から分析を行うことでより適切な判断や意思決定ができるなどが挙げられます。
つまり、クリティカルシンキングは、過去の経験や知識に頼るのではなく、論理的で建設的な思考プロセスを通じて課題に取り組むことができる能力なのです。VUCA時代を生き抜くために欠かせない力であり、研修を通じて習得を図ることが重要となります。
クリティカルシンキングを身につけるメリット
クリティカルシンキングを習得することで得られるメリットは以下の通りです。
- 事実に基づいた判断ができるようになる
- リスク回避ができるようになる
- 情報の過不足や真偽に気づきやすくなる
- 円滑なコミュニケーションが可能となる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
事実に基づいた判断ができるようになる
求める情報の中には、過剰なもの、また不足しているものもあります。さらに真偽の判断が難しいものもあるでしょう。そこで有益なのがクリティカルシンキングです。
クリティカルシンキングを習得すると、情報を客観的に整理する力、情報の真偽を見極める力、情報の過不足を把握する力を身につけることができます。
これらの力を身につけると中立的な立場で考えられるようになり、事実と感情的判断を峻別し、事実関係に基づいた判断ができるようになるのです。
リスク回避ができるようになる
クリティカルシンキングを身につけると、物事の本質を捉えて正しい判断ができるようになります。さまざまなリスクを事前に察知し、回避が可能となるのです。
例えば、新規事業を検討する際には、市場が成長しない、競合他社に価格で押され気味、技術力の高い人材が確保できないといったリスクが予測できます。こうしたリスクを事前に洗い出して回避策を立てることができれば、失敗のリスクを最小限におさえることができるでしょう。
クリティカルシンキングは、ただ物事を受け入れるのではなく、常に「なぜ?」と問いを立てることからはじめます。思い込みに惑わされず、客観的な視点から本質を捉えることが重要です。
情報の過不足や真偽に気づきやすくなる
私たちの思考にはさまざまなバイアス(思い込みや偏向)がかかっており、物事の本質を見逃がしてしまう原因となっています。クリティカルシンキングを身につけることで、このようなバイアスに気づきやすくなり、思い込みによって前提を決めつけたり、表面的な情報にとらわれたりすることを減らし、より正確な分析ができるようになるでしょう。
例えば、以下のような切り口で物事を見ることができるようになります。
テーマ |
実店舗の販売戦略の見直し |
現状 |
日曜に多くの来客があるため、売上増のためにセールを実施している |
切り口の例 |
|
クリティカルシンキングにより表面的な情報にとらわれず、前提となる根拠を見直すことで、本質を見抜く力が身につきます。
円滑なコミュニケーションが可能となる
クリティカルシンキングを身につけることで、私情を挟まずに他者が発言している内容を正しく捉え、相手の意図や論理の流れを正しく理解できるようになります。さらに自分の考えを明確に伝えられるため、円滑なコミュニケーションが可能になるでしょう。
クリティカルシンキングを身につけると、会議の場面でも相手の意見を汲み取りながら自分の考えを明確に伝えることができます。論理的な議論ができるようになるのでお互いの理解が深まり、相互に利益を与えあえる関係を築くことが可能になるのです。
クリティカルシンキングのトレーニング方法
クリティカルシンキングを身につけるには、以下のステップを踏んでトレーニングしていくことをおすすめします。
- 情報を整理する
- あるべき姿を設定する
- 本質的な論点を発見する
- 真の課題を設定する
- 仮説を立てて検証する
- 思い込みの意識化
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
1.情報を整理する
クリティカルシンキングの第一歩は、課題に関連する情報を整理することです。
現状を正確に把握するためには、「明らかになっている事実を確認・整理する」「さまざまな切り口から仮説を立てる」「仮説を検証するために情報収集や実験を行う」ことが大切です。
例えば「グループワークをもっと効率よく進めるにはどうすればいいか」を考える場合、以下の順に情報を整理しましょう。
- メンバーの作業進捗状況などの事実を整理
- 作業が遅れる原因について、以下のような仮説を立てる
- メンバーの時間が足りない
- 作業分担が適切でない
- メンバーへの聞き取りや作業内容の見直しなどで検証
このように、情報を整理することで課題の本質が見えてくるのです。
思考を整理するには、ピラミッドストラクチャーやSWOT分析、MECE(ミーシー)などのフレームワークを活用するのもおすすめです。クリティカルシンキングに有効なフレームワークについては後述するので、最後までご覧ください。
2.あるべき姿を設定する
問題解決の過程においては、目に見えている問題や与えられた課題ではなく、「あるべき姿」を明確に設定することが重要です。「あるべき姿」とは、問題が解決された状態のイメージのことです。例えば、以下のような話が有名です。
宇宙ではボールペンが使えないことがわかりました。そこでアメリカは膨大な費用をかけて宇宙でも書けるボールペンを開発しました。しかし、ロシアは「書くことさえできればいいのでは」と考え、鉛筆を使いました。 |
このように、「あるべき姿」が不明確だと、本来の目的を見失い無駄な開発コストがかかる恐れがあります。 そのため、問題解決の際は「あるべき姿」を明確に設定する必要があるのです。
3.本質的な論点を発見する
上述した「あるべき姿」を実現するためには、本質的な論点を見つける必要があります。
物事の本質を見抜くためには、表面的な情報や自身の思い込みにとらわれずに、疑問を持ち続けることが重要です。そのために、以下の3つのプロセスを意識することをおすすめします。
プロセス
内容
1.視点の切り替え
ひとつの視点だけでなく、さまざまな角度から物事を見ることで、新たな気づきを得られます。
2.多面的な情報収集
情報をひとつの方向からだけでなく、さまざまな方向から集めることで、より全体像が把握できます。
3.仮説の立案と検証
収集した情報を基に、仮説を立て、仮説の妥当性を検証することで、本質に迫ることができます。
このように、クリティカルシンキングでは、ひとつの視点や情報にとらわれず、疑問を持ち続け、さまざまな角度から検討を重ねることが大切です。そうすることで、本質的な論点に気づき、より良い判断や解決策を導き出すことができるのです。
4.真の課題を設定する
クリティカルシンキングでは、表面的な問題だけでなく根本原因にまで掘り下げることが重要です。そのためには、次の手順で真の課題を設定しましょう。
- 現状把握:現在の状況を客観的に把握し、問題点を整理します。
- 原因分析:なぜなぜ分析などの手法で問題の根本原因を特定します。
- 対策立案:根本原因に対する対策案を検討し、効果を予測します。
- 優先順位づけ:複数の対策案がある場合は、コストと効果から優先順位をつけます。
- 課題設定:優先対策案の実行によって達成される目標を、具体的な数値目標として設定します。
このように、現象面だけでなく原因や対策まで掘り下げることで、真の課題を明確化できます。
5.仮説を立てて検証する
クリティカルシンキングのプロセスにおいて、仮説を立てて検証することは非常に重要です。 仮説とは、問題の原因や解決策についての「見立て」のようなものです。
例えば、ある製品の売上が落ち込んでいるという問題があった場合、以下のような仮説が考えられます。
- 製品の価格設定が高すぎるため
- 製品の宣伝が不十分なため
- 競合他社の製品が優れているため
このように複数の仮説を立てて客観的に分析し、データを収集しながらひとつずつ検証していきます。 検証の結果、最も可能性が高い仮説が判明すれば、仮説に基づいて対策を立てることができるでしょう。
つまり、仮説を立ててデータに基づいて検証するプロセスを経ることで、問題の本質や最善の解決策が見えてくるのです。
6.思い込みの意識化
クリティカルシンキングを鍛える上で最も重要なのが、自分の「思い込み」に気づくことです。思い込みとは、合理的な根拠がないのにもかかわらず、思い込みと自覚せずに断定・確信・前提としている心の動きです。思い込みの特徴は以下の通りです。
- 当人にとってあまりに当たり前すぎて、思い込みがあることも意識しない
- 気づかないうちに思い込みがあることを前提としてしまっている
- 本人にとって疑う余地がなく、他の選択肢の可能性を考えない
- 根拠を問う必要性を感じない
例えば、「有名企業なら良い製品を作っているはず」 「専門家の意見なら間違いない」 「昔からの常識は正しい」 などの思い込みは誰しも持っているものではないでしょうか。
このような思い込みがあると、新しい情報や異なる意見を受け入れにくくなります。思い込みを無くすことは難しいですが、影響を与える要素を知っておくことでコントロールしやすくなるでしょう。
クリティカルシンキングでは、思い込みに惑わされず、客観的な判断を下すことが大切です。自分の思い込みに気づき、認識することが何より重要なのです。
クリティカルシンキングで活用できるフレームワーク
クリティカルシンキングを行う際には、以下のようなフレームワークも状況によって用いると効果的です。
- ピラミッドストラクチャー
- SWOT分析
- MECE
それぞれのフレームワークについて詳しく見ていきましょう。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーとは、論理的思考を構造化する手法のひとつです。上位概念から下位概念へと階層的に落とし込んでいく「ピラミッド型」の構造を取ることで、自分の考えの矛盾点や論理の飛躍を見つけやすくなります。
メインメッセージを頂点に置き視覚化することで、論理の流れを他者にわかりやすく伝えられるメリットがあります。コンサルティングファームをはじめ、ビジネス文書作成の標準的な構造として広く用いられています。
クリティカルシンキングでの活用例としては、ピラミッド・ストラクチャーで構造化された情報のメッセージと根拠のアウトプットに対してレビューする際に、「目的を変えるとどういうメッセージになるか?どういう情報のグルーピングになるか?順番になるか?」などの問いが使えるでしょう。
SWOT分析
SWOT分析は、企業や事業の内部環境と外部環境を分析するフレームワークです。内部環境の「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」、外部環境の「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」を洗い出し、整理・分析することで自社のコア・コンピタンス(企業の中核となる強み)や事業機会を導き出すことができます。
具体的なプロセスは以下の通りです。
- マクロ環境・業界環境分析を行い、市場における機会と脅威を整理する
- 自社と競合の分析から、自社の強みと弱みを整理し、コア・コンピタンスを見極める
- 市場の機会・脅威と自社の強み・弱みから、事業機会を見つけ出す
このように、SWOT分析を通して事業におけるKSF(重要な成功要因)を把握できるようになると、自社のコア・コンピタンスとの適合性の検討が可能になります。
クリティカルシンキングにSWOT分析を活用する際には、「外部環境の観点から見た際の強みと弱みは何か?」といった問いを立てられます。他にも、「外部環境分析で見た競合はどこか?漏れはないか?現在の競合以外に将来競合になりうる企業を入れるとどういう境涯あるか?」などの問いを立てると、クリティカルシンキングに繋がりやすいです。
MECE
MECE(ミーシー)とは、論理的思考の基本概念のひとつです。 「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉で、直訳すると「お互いに重複せず、全体に漏れがない」という意味になります。
つまり、物事を整理する際に、以下の2点を満たすことがMECEの考え方です。
- 重複がない(Mutually Exclusive)
- 全体を網羅している(Collectively Exhaustive)
例えば、ネットショップの売上増加策を練る際には、商品の質や価格設定、ターゲティング、コンバージョン率などを検討するかもしれません。しかし、単に思いつくままに挙げていくと重複や抜け落ちが生じがちです。重複や抜け落ちが生じると有効な売上増加策を考えづらくなるため、改善すべきものはどの要素なのか明確にして改善策を練ることが大切です。MECEの考え方に従えば、このような無駄や不備を防ぐことができます。
クリティカルシンキングでの活用例としては、MECEで出されたアウトプットに対して、「MECEに分解する軸を変えたらどうなるか?」「数式でMECEにするのではなくプロセスで分けるとどうなるか?」「営業プロセス別にMECEに分けるのではなく、顧客の購買プロセス別にMECEに分けるとどうなるか?」などの問いが使えるでしょう。
クリティカルシンキングを鍛える際のポイント
クリティカルシンキングを鍛えるには、いくつかのポイントがあります。
- 思い込みが存在することを認識する
- 把握する力を向上させる
- 判断する力を向上させる
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
思い込みが存在することを認識する
思い込みの存在を認識することはクリティカルシンキングを鍛える上で非常に重要です。
人は無意識のうちにさまざまな思い込みを持っており、思い込みが物事を偏った視点で捉えさせてしまう原因となります。
思い込みの形成には、以下の要素が影響を与えます。
- 認知バイアス:個人の持つ経験や知識、感情などにより生じる「認知」の偏り
- 根拠となる情報:自身の考え方や意見を裏づける根拠情報の妥当性
- ヒューリスティクス:個人の持つ経験や知識、感情などにより生じる「思考」の偏り
- 外的要因:生まれ育った文化、教育、家庭環境などによる影響
このような思い込みを意識的に排除することで、より客観的で建設的な議論ができるようになるでしょう。 自分の思考プロセスを常に振り返り、思い込みを持っていないかチェックすることが大切です。
把握する力を向上させる
クリティカルシンキングを身につける上で大切なのが、「把握する力」の向上です。物事の本質を掴むためには、さまざまな情報を的確に収集・整理し、理解する力が必要となります。そのためのポイントが以下の3点です。
- 情報の信頼性を常に意識する:情報の出所や根拠を確認し、客観性や信頼性を見極める習慣をつける
- 多角的な視点から情報を収集する:ひとつの視点だけでなく、異なる立場や意見も参考にする
- 情報を構造化する:情報を分類・関連づけて全体像を把握しやすくする
情報を適切に「把握する力」を鍛えることで、論理的な思考が可能となり、クリティカルシンキングの基盤が築けます。
判断する力を向上させる
クリティカルシンキングでは、情報を正しく判断する力が何より重要です。判断力を高めるには、以下の2点に気をつける必要があります。
情報の客観性
- 情報源が信頼できるか吟味する
- 情報に偏りがないか確認する
多角的な視点
- さまざまな立場から物事を見る
- ひとつの視点に捉われない
情報の客観性を確保し、多角的な視点から検討することで、より的確な判断が可能になります。自分の思い込みに惑わされず、冷静に情報を判断することが求められます。
クリティカルシンキング研修ならアルーにお任せください
アルーでは、クリティカルシンキングの実践スキル習得を目指す研修をご用意しています。
下記の多岐にわたるコースから、ご要望に合わせて柔軟に組み合わせが可能です。
- クリティカルシンキング研修
- ロジカルシンキング研修
- 問題解決力研修
- 仮説思考研修
- 定量思考研修
研修でロジカルな思考と客観的な視点を養うことで、課題解決力の向上を図ります。ぜひ一度お問い合わせください。
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クリティカルシンキング研修
アルーの「意思決定力向上(クリティカルシンキング)研修」では、2日間に渡り、座学やディベート、ケース演習を行ってクリティカルシンキングについて習得します。
クリティカルシンキング研修の目的は以下の通りです。
- 問題解決のフレームワークを再整理し、自身の思考の癖や思い込みを理解する
- 物事を深く考え、取り組むべき真の課題を見つける力を身につける
- 相手がその考えに至った背景、思考プロセスに意識を向けることができるようになる
クリティカルシンキングを習得することで、業務の効率化と付加価値向上を実現できます。受講者は事実に基づいた判断力や本質を見抜く力を身につけることができます。さらに、情報の過不足や真偽を見極める力、リスクを回避する力なども養うことが可能です。
研修後には円滑なコミュニケーションが取れるようになり、業務においても大きな効果が期待できるでしょう。
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ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキングとは、論理的な思考法のことを指します。複雑な問題を客観的に捉え、矛盾なく筋が通るように整理することが特徴です。ビジネスシーンでは、単に論理的であるだけでなく、「相手に納得してもらえるか」が重要です。
アルーのロジカルシンキング研修では、ロジカルシンキングに対する苦手意識を取り払うアイスブレイクからはじめ、グループワークで論理関係の把握、論点の分解などの演習を行い、ロジカルシンキングの基礎から応用までを学びます。
次のような課題を持った若手社員、中堅社員におすすめの研修です。
- 顧客や上司へ報告する際に伝えるべきことが整理できていない
- 何かを検討する際に下調べが不十分で何度も調べ直している
- 報告書やメールの内容が情報を羅列しているだけで、結局何が言いたいのかよくわからないと指摘される
- 会議に参加しても議論すべきポイントを把握できないなどの課題を抱えている
アルーのロジカルシンキング研修については以下のページでご確認ください。
ロジカルシンキング研修
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問題解決力研修
あらゆる組織に求められる重要なスキルが「問題解決力」です。アルーの問題解決力研修では、講義や実践演習を行い、課題形成力と課題遂行力について学びます。問題を特定する力、原因究明力、解決策の立て方に関するスキル習得を目的としています。グループディスカッションを通じて、実践的に問題解決力を身につけられるのが大きな特徴です。組織の課題解決や改善施策の立案などにお役立てください。
基礎知識習得のための講義の時間を増やすなど、受講者のレベルやお客さまの希望に合わせて研修のカスタマイズも可能となっています。
アルーの問題解決力研修については以下のページでご確認ください。
問題解決力研修
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仮説思考研修
アルーの仮説思考研修では、問題解決のステップと、問題解決を進める上での思考技術である「仮説思考」を学びます。以下について講義とグループワークを通じて学ぶことで、社員の仮説思考スキル向上を目指します。
- 仮説検証サイクル
- 情報を得るコツ
- 誰かの立場になって発想するコツ
- スピーディーに仮説を検証する方法
- 本質的要望を深掘り、仮説を進化させる方法
仮説思考研修の受講者からは、自身の問題点に気づくことができたという以下のような声が寄せられました。
- 自分が普段顧客にしている提案は、圧倒的に準備不足だったのだと痛感した
- グループワークで他のチームの発表を聞き、同じ設定の課題を与えられたのにグループによって結果がここまで違うのかと素直に驚き、自分のチームは『検討』が圧倒的に足りなかったと実感した
仮説の立て方がわからない、既存の情報からありきたりな仮説しか導き出せない、精度の高い仮説を立てて提案の質を上げたいという課題を抱えた若手社員、中堅社員におすすめの研修です。
アルーの仮説思考研修については以下のページでご確認ください。
仮説思考研修
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定量思考研修
数値データを読み取り、課題解決につなげる定量的思考力は、ビジネスシーンにおいて欠かせないスキルです。
アルーの研修「定量思考100本ノック」では、データの見方や考え方の基本など、定量思考の基礎から仮説検証の方法までを習得します。
データを適切に活用し、経営課題の解決につなげられる人材を育成することが、本研修の目的です。課題発見から対策立案までを一貫して行えるよう、ケーススタディを中心としたカリキュラムを用意しています。基礎から応用までをバランス良くカバーしているため、初心者から上級者まで幅広い層の方に役立つ内容となっております。
アルーの研修「定量思考100本ノック」については以下のページでご確認ください。
定量思考100本ノック
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クリティカルシンキング研修の成功事例
最後に、アルーのクリティカルシンキング研修の成功事例をご紹介します。
情報通信業A社と商社B社の研修の事例を詳しく見ていきましょう。
情報通信業A社 クリティカルシンキング研修事例
情報通信業A社は、以下のような環境にありました。
- ネットワーク構築関連の業務において、迅速な意思決定が求められる
- 複雑な問題が多く、関連する情報も複雑で量が多いため意思決定者への報告が難しい
- リモート会議や勤務が多く、詳細の説明が難しい環境である
- 論理性を重視する組織長へ意思決定を促すためには、論理的思考力が求められる
このような環境に対応できる社員を育成するために、新入社員〜中堅社員を対象に、オンラインでクリティカルシンキング研修を実施しました。
ロジカルシンキングに対する苦手意識を取り払うアイスブレイクからはじめ、グルーピング、メッセージ、根拠づけのルールを活用した論理関係の整理方法をグループワークで学びます。そして、バラバラに散らばった議論をピラミッド構造で整理して意味のある順序に並べることで、ピラミッド構造を使うと簡単に情報を整理できると実習を通して学びます。
研修の受講後は、以下のような声が寄せられました。
- ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの質的な違いや活用シーンの違いをよく理解できた
- 複雑な内容を簡潔に伝えることで、適切な意思決定を促すことができるようになったと思う。今回の研修で学んだことを普段の業務に活かしていきたい
- 今までは上手く情報を整理できず、相手にわかりにくい説明になっていたことを実感した。ピラミッド構造を使い、論理的で納得感のある説明ができるようになった
商社B社 クリティカルシンキング研修事例
商社B社の中堅社員~管理職層は、現状把握する際の情報が不足している、いつも同じような物事の捉え方で同じような解決方法になりがち、表面的なものの見方とよく言われ選択肢が限られているという課題を抱えていました。
そこで、中堅〜管理職を対象に、「より本質的な問題解決を行うために、意識的に問題を捉え直す思考を習得する」という研修目的のもと、クリティカルシンキング研修を実施いたしました。
施策内容は、問題解決思考やクリティカルシンキングの定義と必要性についての講義と、グループワークでのディベートやケース演習で、自身の認知、思考の癖や偏りを認識して学びを深めるというものです。
研修の受講後は、以下のような育成効果が見られました。
- 現状把握をする際、目的や目標・背景などを聞くようになってきた
- 問題の捉え方が変わり、考えるべきことも変わってきた
- 思い込みに影響を与える要素や、自身の思考の傾向を理解している
- 決断すべきことを合理的、論理的に導き出す(適切な選択肢を複数導き出す)
まとめ
本記事ではクリティカルシンキングの考え方や実践方法、鍛え方などについて解説しました。クリティカルシンキングは、物事の本質を見極めるために、認識した情報をあえて批判的に見る思考法です。情報を無批判に受け入れるのではなく、以下のような点に留意しながら考えることが重要です。
- 目的と論点を常に意識する
- 思考のクセや偏りをふまえて考える
- 問い続ける
このようにクリティカルシンキングを実践することで、事実に基づいた判断や新たな視点の発見、リスクの回避などが期待できます。ぜひ日常業務や研修などを通じて、クリティカルシンキングの習慣化を心がけましょう。
アルーのクリティカルシンキング研修については、以下のページから資料ダウンロードが可能です。
社員のクリティカルシンキングスキルを向上させたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。